肺リンパ脈管筋腫症(LAM;lymphangioleiomyomatosis)
妊娠可能年齢の女性の肺に平滑筋がびまん性に増殖する予後不良な疾患。
近年、腫瘍抑制遺伝子症候群の一つであり、常染色体優性遺伝疾患である結節性硬化症から発見されたTSC遺伝子という腫瘍抑制遺伝子の異常により発生する事が明らかにされた。TSC遺伝子はTSC1とTSC2の2種類がありTSC2がエストロゲン受容体を介して作用が増強されることも示唆され、症例によってはホルモン療法や卵巣摘出術が有効であることの裏づけとなっている。
症状は多くの場合、労作時または突然の呼吸困難を訴え受診する。前者はリンパ管が変異した平滑筋が嚢胞を形成し周囲の末梢気道を破壊しながら増殖し、これらの部位にガスが閉じ込められ閉塞性障害を引き起こすことが原因。後者は胸膜下に形成された嚢胞が胸膜を破壊して気胸を起こしたことが原因である。また、経過中に乳糜胸水をもたらすことがあるが、嚢胞によってリンパ管の循環が傷害され側副リンパ管が破壊されるためである。さらにリンパ管に乗ってLAM細胞が後腹膜や骨盤内腔などに転移することも注意する必要がある。
最終更新:2009年11月07日 08:39