アクジキング

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アクジキング - (2017/02/22 (水) 20:54:48) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/12/31(土) 01:57:37
更新日:2023/12/27 Wed 23:00:31
所要時間:約 9 分で読めます




※『サン・ムーン』シナリオのネタバレを一部含みます。






















■データ


アローラ図鑑No.299/全国図鑑No.799
分類:あくじきポケモン
UBコード:UB-05 Gluttony
英語名:Guzzlord
高さ:5.5m
重さ:888.0kg

タイプ:あくドラゴン
特性:ビーストブースト(相手を倒すと、HP以外の自分の最も高い能力が1段階上がる)

HP:223
攻撃:101
防御:53
特攻:97
特防:53
素早:43


■概要


アローラ地方を脅かす謎の存在・ウルトラビーストの一種。

黒と黄の身体に、その身体の大半を占める巨大な口を持つ。
その口から、触腕のような竜の頭部のような形の舌が伸びている。
身体からは申し訳程度の小さな頭と腕があり、最早どっちが本体だかわからない姿をしている。
高さ5.5m、重さ888.0kgと、UBではテッカグヤに次ぐ巨体を誇る。

コードネーム『Gluttony(暴食)』の名が示すように、口に放り込めるものなら何でも食べてしまう悪食。
有機物無機物問わず何でも喰らい、山やビルをも飲み込んだ姿が目撃されている。
ヨーギラスも進化するのに山一つ食うけどな
眠りにつくとき以外は、とにかく何かを食べているという。
異常なまでの食事量でありながらフンは未発見であり、食べたものを100%エネルギーに変換していると言われている。

ちなみに、カビゴンは『眠ったままでも食っている』と説明されているので、ある意味良い勝負ではある。

名前の由来は『あくじき(悪食:普通では食べないものを食べること)』。
『悪事+キング』や『悪路王』とも掛かっていると思われる。


■ゲームでのアクジキング


殿堂入り後、ウルトラビーストのシナリオを進めていくことでゲットすることになる。
UBでは最後に戦う相手となる。

しまキングのクチナシがポニ島・エンドケイブの最奥へ誘導してくれており、そのエリアをうろついていると出現する。
レベルは70。
さらにオーラを纏い攻撃を2段階上昇させるため、中々の強敵となる。
アクジキングをゲットすると、UBを巡る物語は一段落を迎えることになる。



なお、アクジキング戦の前に、ハンサムから彼(?)に関する話を聞くことになる。
ハンサムが言うには、以前にもアローラ地方に出現したことがあるらしいが…?

ポケリフレでの喜びポイントは眉間、嫌がりポイントは顎の下側。また、大きな歯に触れると痛い思いをする。
表情豊かであり、嫌がる時も怒るというよりは勘弁してほしそうな目つきになっちゃう。

■対戦でのアクジキング


ハピナス、ラッキーに次いで全ポケモン中3位の莫大なHPを持つ。
それ以外は攻撃と特攻がやや高いくらいで、素早さに至ってはUB最遅である。

特性は他のUB同様にビーストブースト。
ただ、アクジキングが一番高い種族値に設定されているHPはビーストブーストの対象外である。
つまり種族値が一番高いステータスを上昇させることができない。/(^o^)\ナンテコッタイ
なので、性格や努力値を上手く調整して、他の必要なステータスを上昇させられるようにしたい。
やる意味があるかは別として、個体値まで調整すれば素早さを上昇させることも可能だったりする。

同タイプのサザンドラが比較対象によく挙がるが、
火力・素早さで差をつけられており、特性「ふゆう」も無いため、サザンドラと同じ感覚で使うのは難しい。
これだけでもサザンドラなら圧倒的有利になる相手(アローラガラガラギルガルドクレセリア等)にも安易に後出しできないという事であり、優位に立ちまわれないのが痛い。
こちらは高い耐久力やビーストブースト、技の存在等で差別化したいところ。

ドラゴンタイプらしく技範囲はかなり広い。
物理では「かみくだく」「ドラゴンダイブ」「じしん」「ヘビーボンバー」、特殊技は「あくのはどう」「だいもんじ」「ヘドロウェーブ」など。
ただ、ドラゴン技は物理では「げきりん」、特殊では「りゅうのはどう」を覚えないため、型によってドラゴン技は慎重に選びたいところ。
問題はむしろ「おいうち」「はたきおとす」「ふいうち」といった有用な悪技を悉く覚えない事か。

一方で補助技は乏しく、能力の積みは基本的に特性頼りになる。
耐久型の場合、回復手段が「ねむる」「たくわえる」「のみこむ」とやや癖のあるものしかない点にも注意が必要。
Zワザの「Zたくわえる」でHP全回復という手もある。


弱点だが、火力が不足しやすい点と鈍足なせいで先手で弱点を突かれやすい点が挙げられる。
更に防御・特防も低く、高いHPの割に耐久を発揮できないこともある。

特にフェアリータイプが4倍弱点であり、
カプ系・ミミッキュ・アローラキュウコンを筆頭に様々なフェアリータイプが台頭している現環境では、鈍足なアクジキングは格好の的でしかない。
耐久を一切強化していない場合、性格補正無し・Aに努力値を100振ったちからもちルリリ(マリルリではない)の「じゃれつく」で確定一発で倒される*1為、使う際はフェアリータイプに強いポケモンと組ませる等の工夫が必要になるだろう。
とはいえ、H無振りでもH特化サザンドラと同程度という耐久力を持ち、「ヘビーボンバー」「ヘドロウェーブ」といった対抗手段も覚える為、中途半端な火力では倒し切れず反撃を許すことになるだろう。

悩みの種は何もフェアリータイプだけではない。メジャーなドラゴンタイプかくとうタイプの存在も頭を悩ませる。
ガブリアスメガボーマンダのげきりんは勿論、メガルカリオのインファイト辺りを容赦なく上から叩き込まれては何もできないままワンパンで昇天してしまう。
尤も、これは最大の比較対象となるサザンドラも条件は同じ。それはアクジキングだから、サザンドラだからどうこうの話ではなく、あく・ドラゴン複合そのものの欠点なのである。
むしろ上から叩かれるのが前提ならば、耐久が高いアクジキングの方が優位になる事すらある。

AorC種族値130級からの一致弱点でも、それが4倍のフェアリーでなく、かつ性格・アイテム・特性による補正がない場合なら話は違ってくる。
例えば、前述した天敵でありメジャーポケモンの筆頭格であるガブリアスのげきりん。
サザンドラだとH252でも確1、ここからBに振らないと乱数にならず、Bに振るという事は自慢のCやSを必然的に犠牲にしなければならなくなってくる。
サザンドラにとっては短所を潰そうとするあまり長所を殺すという本末転倒な事に他ならず、あまり褒められた調整ではないだろう。

だがアクジキングなら、Bに補正ありで132・補正なしで204*2振れば確2、つまり急所に当たらなければ耐える急所に当たった?残念だったね…
残り1匹からのタイマン等、サザンドラではほぼ負けてしまうが、アクジキングならワンチャン残る(タスキやハバン・ドラゴンZ持ちだとノーチャンの負け確なので、あくまでワンチャンでしかないが)盤面は間違いなくある。
勿論「サザンドラだったら安定で勝てていたのに…」なんて盤面になる事も多いが、いかにアクジキング優位の盤面に持っていくかがアクジキング使いの腕の見せ所といった所だろう。

競技性が高いバトルでは「サザンドラでおk」という場面が多すぎる為、世界の頂点に立つべくポケモンの研究を日々重ねるレート環境勢・WCS勢からの評価は決して芳しくない。
事実、ウルトラビーストは軒並み使用率上位(最初はあまり注目されていなかったカミツルギも、ダブルでは上位に位置している)であるにも関わらず、アクジキングのみシングル・ダブル共にランク外
考察や研究が放棄されてレベリング・努力値稼ぎの道場にされたり(不憫なのはアクジキング以上に、アクジキングを捕まえない限り捕獲に進めないネクロズマだろう)、「マイナーチェンジで真の姿であるサザンドラにフォルムチェンジする」等と皮肉られているケースすら見受けられる。確かに設定似てるけど

ウツロイド同様に1体しか捕獲できず、使いやすいテンプレも確立されてないのが現状。
逆に言えば固定観念に捉われないで型を考えられる為、相手に読まれにくいのは利点ともいえる。
高い攻撃を活かせる物理型にするもよし、劣化サザンドラを恐れず特殊型にするもよし、ドラゴンテールで耐久・積み型に起点を作らせない嫌がらせ型にするもよし、である。
「アクジキングを使ってツリーを駆け上がり、本気のレッドを撃破(50連勝)した」なんていう報告もちらほら。
仮にも準伝説は伊達ではないという事か。
今後、競技性の高いレートや大会で彼を活躍させてくれる猛者が出て、見直しの機会が訪れる事を願わずにはいられない。


■「マリルリのじゃれつくでアクジキングが7体殺せる」について

一部では「マリルリのじゃれつくで7体のアクジキングが倒される」という風評が広がっている。
アクジキングUB最弱説を裏付ける根拠の一つとしてもよく槍玉にあげられるデータである。

が、これは
  • 特性が「ちからもち*3」のマリルリが「はらだいこ」で攻撃が6段階アップ(攻撃のステータスが4倍)している状態
  • アクジキングの努力値はH振り(アクジキングはBやDに努力値を振った方が耐久指数は高くなる)
というかなりバイアスがかかった条件での計算であり、全く公平ではないので注意。

そもそもこの条件は補正ありHB特化クレベース*4でも乱数で落ちる半減でもHB特化のテッカグヤボスゴドラを確2で落とせるレベルの超火力であり、アクジキングは愚かフェアリー等倍以上のほとんどのポケモンが一撃で吹き飛んでしまう
事実か捏造かで言われたら事実だが、これを以って「アクジキングはマリルリにオーバーキルされる雑魚w」というのはあまり正しくない。何せ等倍以上で耐えられる奴の方が少ないのだから。
そりゃ実質物理威力180のタイプ一致4倍を耐える方が怖いわな。

なお、公平な条件(マリルリはA252振りの補正アリ、アクジキングはHB252振り補正アリで双方ステ上昇・下降共になし)だとこのような結果になる。

攻: マリルリ Lv.50
防: アクジキング Lv.50
ダメージ: 400〜472
割合: 121.2%〜143%
回数: 確定1発
急所ダメージ: 600〜708
割合: 181.8%〜214.5%
補正: (ダメージ補正なし)
技: じゃれつく
威力: 180 [力持]
タイプ: フェアリー*/物理
攻撃: 112+ 
防御: 115+ 
最大HP: 330 
天候: (ふつう) 
相性: ×4 

結局倒されるじゃないか!ってのは禁句。

このようにHB特化でも確1なので、マリルリのじゃれつくで容易に倒せるという観点では間違いではない。
むしろアクジキングを運用する上での障壁は此方の方である。マリルリに限らず、フェアリーと対面したら素直に交代した方が良いだろう。
ロゼルのみ「|ω・`)呼んだ?」 ロゼル食ってゲップしたらなんていうのはロマンだろうか。
逆に、この先入観を逆手にとって交代読みを仕掛けてくるフェアリータイプにヘドロばくだんやヘビーボンバーを打ち込んで見るなんていう勇気ある行動も…読みが外れて実質2匹で戦う事になるリスクに見合いませんか、そうですか。

フォローと言うには微妙だが、ウルトラビースト統一パで戦う際には相性補完的に重要なので外されることは少ない。
また、コイツが登場したことでコイキング抜きでも「キング」統一パを組めるようになった。


山やビルを喰らうもの、追記・修正をお願い致します。

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