勇者(DQⅣ)

登録日:2011/05/08 Sun 12:14:59
更新日:2025/03/30 Sun 20:38:00
所要時間:約 5 分で読めます







2150枚あります。はぐれメタルヘルム107個いただきましょうか。






CV:金丸淳一(男勇者・CDシアター)、草尾毅(男勇者・スマブラSP)


【概要】

ゲーム開始時に名前と性別を決められるが、Ⅳはオムニバス形式となっているので本格的な登場は第五章になる。
FC版はそれまでに出番は無いが、リメイク版では追加された序章で前日譚が描かれている。

デフォルトネームはないが説明書やDQ6でのゲスト出演時を見る限り男勇者は「ソロ」が一応の公式扱いのようだ。
小説版では「ユーリル」、ゲームブック版では「ユウ」、CDシアター版では「レイ」。
女勇者の方は「ソフィア」。後述の髪型から一部では「ブロ子」等とあだ名されたりも

男勇者は緑の長髪と質素な服装をした青年で、シリーズで屈指のイケメンと名高い。
女勇者は露出度の高い服装*1に、『ブロッコリー』と称されるボリューミーな髪型をしている。
両者共に耳にスライムピアスを付けており、チャームポイントと言われている。(女勇者はFC版では付けておらず、リメイク版から)

歴代の中でも特に寡黙主人公
歴代の主人公にはなんだかんだで喋る機会があるが、4の主人公は混乱した時を除けば「……!!」ぐらいしかない。
一応ホフマン等と会話をしているようだが……。

DQ6の『デスコッド』で登場した際も男勇者はシンシアと会話していて一切喋らない。
女勇者はペラペラと会話してくれるのだが。


後述の設定・出生より、プレイヤーの間ではシリーズでも屈指の不幸な人物と認識されている。


【設定】


あの……私の住まいは山奥です……。

私、よく苦労人って言われてしまって。でも一応、正義の味方なんです。



名もなき山奥の村に両親、幼なじみシンシアや村人達と平和に過ごしていた17歳の少年(少女)。
といっても彼・彼女は立派な戦士になれるようにと村人から言われて、日々訓練を積んでいた。

平和な日常を謳歌していたが、ある日、宿屋の主人が村の掟を破って余所者の旅の詩人を村の中に招き入れて泊めてしまった。
これが原因…かどうかは分からないが、その直後に魔族に勇者が匿われている村であることが知られてしまい、魔族の王ピサロ率いる軍勢に襲撃を受ける。
リメイク版ではこの時に泊めた旅の詩人が、旅人に扮して勇者の居場所を探していたピサロ本人だったことになり、襲撃の直接の原因ということになった。

村人達は急いで勇者を安全な場所に隠れさせつつ、限られた時間の中で勇者の両親は本当の親ではないこと、
お前は魔王を打倒できる勇者であること、この村と村人は全てお前を勇者として育て上げるために存在したのだという事が告げられる。
そして幼なじみのシンシアは勇者を死なせまいとモシャスを唱えて身代わりになり死んだ。

地下室の中で、激しい戦闘の音および魔族どもの「勇者を仕留めた」という会話が聞こえてくる。
静かになった後に地上に出てみるとそこには全てが破壊尽くされた村の残骸があるだけだった。

全てを失った勇者は仇討ちのためピサロを探す旅に出る。


【能力】

主人公らしくバランスよく成長。
1~4章の間に集まる種や木の実をキープしておいて、
5章でそれら全てを投与するとかなりの強キャラと化すがそれは人それぞれである。

覚える呪文は回復はホイミ系・ザオラルと、ベホマズンを修得できる。
攻撃呪文はメラギライオラデイン系
移動中の呪文としてルーラ・リレミトも両方覚える
細かい所ではニフラム・モシャス(FC版のみ)・パルプンテも習得し、DQ4の新呪文のマホステも習得する。

4の味方キャラでは一番多くの呪文を使える。
これはDQ4のAIシステムの関係もあったと思われ、FC版では唯一の手動操作キャラであるため、いくつかの呪文は勇者でないとそもそも使う機会が訪れない。
しかしながら、ザオリクやベホマラーのような使い勝手のいい呪文がなく、ベホマズンも消費MPがFC版では36とコストが高い。

FC版ではホイミを習得しない。その代わりにベホイミをLv5でさっさと習得してしまう。
リメイク版ではベホイミの早期習得はそのままに、Lv2でホイミも習得するようになった。

ミナデインをシリーズで最初に覚えた勇者であるが、
使い勝手が良くないうえにパーティにライアンアリーナトルネコがいる場合、使う事が出来なかった。

リメイク版ではモシャスが削除された代わりにギガソードという専用の特技っぽい呪文を与えられた。
また、ベホマズンは消費MPが20に下がり使い勝手が良くなっている。

呪文を見れば天空三部作の勇者ではそう強い部類にはないかもしれない。
ただし、FC版では「めいれいさせろ」がなかったため、その意味で唯一プレイヤーの指示を完全に聞く彼は非常に使い勝手が良かった。
メタル狩りで聖水をまくなど、ピンポイントな指示が必要なコマンドには勇者が必須であった。
モシャスを使えたのも仲間が所持する呪文を任意に使えるようにとの措置だろう。
もちろんステータス的な使い勝手も他と比べれば十分良く、仲間になって以降スタメンから外したのは少数派ではなかろうか。


ちなみにDQシリーズの常だがやはり女性の方が装備には恵まれている。
FC版では気にするほどでもないがリメイク版では天空の鎧の弱体化や天使のレオタードの優秀さから無視できない差になっている。


【作中での活躍】

第五章

滅ぼされた村を旅立ち、ブランカ城で王様に激励を受けた後はエンドール城下町で導かれし者たちのうちの一人であるミネアに出会う。
ミネアの占いに出た啓示、および村が滅ぶときに村人から急いで伝えられた勇者としての使命から、ここで本格的に世界を救う使命を志すようになり、
そのために「導かれし者たち」を集める事が当面の目的になる。

ミネアのついでにその姉のマーニャをカジノで迎え入れた後は砂漠を超えるために馬車を所有するホフマンを訪ね、
彼の人間不信の原因を取り除いて彼の協力を取り付け、馬車を手に入れる。
コナンベリーの街で大灯台の魔物の話とそこに向かってしまった商人トルネコの話を聞きつける。
大灯台を魔物の支配から解放した後は3人目の導かれし者としてトルネコを仲間に迎えると共に彼が建造していた船を手に入れる。

ミントスの街で商売の勉強のためにホフマンと別れた後、宿屋で導かれし者であるブライ・クリフトと出会う。
しかしクリフトは病に伏せっており、自分たちの仲間でありサントハイムの王女であるアリーナ姫が
あらゆる病を治す薬になるというパデキアの根っこを求めて南のソレッタ国に行ってしまった事、アリーナ姫を助けてほしい事を聞く。

アリーナ姫が向かったソレッタ国では干ばつで名産だったパデキアが全滅してしまい国ごと貧困に喘いでいたため、
洞窟内に保管されていた種子を取りに行き、ソレッタ国にパデキアを復活させ、根っこも手に入れる。
アリーナ姫は洞窟の序盤で出会ったきりで先を越した形になったが、ミントスの宿屋で再会。
クリフトの病を治した事で、アリーナ・クリフト・ブライの3人を導かれし者として仲間に迎え入れる。

最後の導かれし者を求めて西方の国・キングレオに向かう。
ここはマーニャ・ミネア姉妹の因縁の地でもあり、魔物に魂を売り渡して圧政を敷いていたキングレオを倒し、
最後の導かれし者であるライアンを仲間に加えた。


こうして全ての導かれし者が揃った一行は、旅の目的を各地で話に聞こえてきた「地獄の帝王」の復活を阻止へと切り替える。
より進化した進化の秘法を手に入れたというバルザックをサントハイム城で討伐した後は、
伝説の武具の一つである「天空の盾」があるというガーデンブルク城へと向かう。
下着ドロの容疑をかけられる等のトラブルに巻き込まれつつも天空の盾を譲り受けた勇者一行は、
旅芸人パノンの協力の元にスタンシアラ城で天空の兜を、入り江の洞窟の中で天空の鎧を手に入れる。

南方の大陸にある魔族の本拠地・デスパレスへと変化の杖を使った潜入調査を行った際、
魔族の会議で地獄の帝王・エスタークがいよいよ復活間近だという話を聞く。
鉱山の奥の地下深くに沈んでいたエスタークの居城に侵入し、最奥部で目覚める寸前だったエスタークの討伐に成功する。
同時に、駆け付けていた魔族の王ピサロにエスタークを倒した事実が知られてしまうが、
ピサロに別のトラブルが発生したらしく、その場では戦うことなくピサロは撤退した。

ピサロに何があったのか?
それはイムルの村で宿に泊まった時に見た不思議な夢で明らかになった。
ピサロにはロザリーというエルフ族の女性の恋人がいたが、彼女は流す涙が宝石に変わるという特性のために長らく人間から付け狙われていた。
ピサロと出会ってからはロザリーヒルの街で護衛付きで保護されていたのだが、
何者かの手引きによって人間に再度誘拐され、とうとう暴行の末に殺害されてしまった。
ロザリーの死を知ったピサロは怒り狂い、改めて人間の根絶やしを誓うのだった。

それまでは故郷の仇、世界の平和を脅かす悪としてピサロを見ていたであろう勇者だったが、
「最愛の人を理不尽に奪われた怒り」を理解できてしまう勇者は、これを見て何を思ったのだろうか…。


エスターク城内で見つけたガスの壺を使って「気球」を手に入れた勇者は、
残る最後の伝説の武具である「天空の剣」を手に入れるため、
ミントスのヒルタン老人から譲り受けた宝の地図が指し示す場所――岩山に囲まれた世界樹へと向かう。
世界樹の樹上で天空の剣を見つけると共に、羽を怪我して帰れなくなった天空人のルーシアを保護し、
天空城へと繋がる天空の塔がある島・ゴットサイト*2へと向かう。

天空城でこの世界の神であるマスタードラゴンと謁見し、天空の剣の能力を解放して貰った後は、
地上から天空城の雲を貫いたという光線の出所――闇の世界へと繋がる「闇の洞窟」へと向かう。
なお、闇の洞窟への侵入は雲の上からの直飛び降り。しかも馬車ごと。

闇の洞窟を抜け闇の世界へと至った勇者は、デスピサロが鎮座すると思われるデスパレスを守る結界を解除するため、まずは四方の結界のほこらを守るモンスターを倒す。
そのモンスターのうちの1体・エビルプリーストからロザリー殺害の真実を聞かされ、ピサロもまた被害者であったと知る。
ロザリーを殺害した人間を手引きした「何者か」はエビルプリーストだったのだ。

デスパレスを抜け、その奥にあるデスマウンテンへと到達した勇者は、
人間を根絶やしにする怒りの果てに自らに進化の秘法を使い、記憶も失い異形の怪物へと変貌したピサロの成れの果て「デスピサロ」と対峙する。
ピサロの哀しみと怒りを知りつつも、自らの仇である事は変わらず、何よりここでピサロを止めなければ世界の存続が危うい。
勇者はピサロとの決戦に臨むのであった。






激闘の果てにデスピサロを打ち倒した勇者は、崩れ行くデスマウンテンからマスタードラゴンに救い上げられ生還する。
帰る場所のある仲間たちは各々の故郷へと帰るが、勇者の故郷は既に無い。
マスタードラゴンからはそれも鑑みて天空人としてこのまま天空城で暮らさないかと提案を受けるが勇者はそれを固辞。
仲間を故郷へと送り届けたその足で、廃墟となった山奥の村へと帰る事を選んだ。





ちなみに故郷を滅ぼされて旅立ったため、デスピサロ討伐が当初の目的のように思えるが、
ホフマンに話しかけると主人公は「世界を救う旅をしている」と告げるため、
故郷の件で挫けず、ブランカ王に告げられた大きな目標を掲げて旅しているようだ。


第六章

リメイク版で追加された第六章では追加ダンジョンでの報酬から世界樹の花が手に入り、これを用いる事でロザリーが生き返るようになっている。そして彼女をデスピサロに見せると正気を取り戻し、彼を魔族の王ピサロとして仲間に加え、赦すこととなる。
その後、真相を知るためデスパレスに向かうと、黒幕であり、デスピサロすら超えたエビルプリーストと対峙。
導かれし者たち、そしてピサロと共にその討伐を果たすと、真に世界は救われた。





以下ネタバレ





【出生】

実は天空人の女とブランカ北に住む木こりの若者の間に生まれた混血児。

この頃は天空の神が人間と天空人の交流を固く禁じていた。
しかし、その掟を破って下界に降りてしまった天空人の女は、木こりの若者と出会い恋に落ちる。
ほどなく身籠り子どもを産むも、それが天界に知られることとなり、木こりの若者は制裁として落雷により死亡。
天空人の女も悲しみを背負ったまま天空城に連れ戻された。
それでも彼女は、どんな時でも地上に置いてきた子供の事を忘れなかった。

なお、村から南に行ったところにある「一晩泊まっていきやがれ」で有名なあの木こりは、
勇者の父親にあたる木こりの若者の父親(つまり、勇者にとっては祖父にあたる)であり、その縁があって、ぶっきらぼうながら勇者に親身にしてくれる。
世を拗ねたような態度を取っているのは、その時の天空の神の仕打ちを恨み、何も信じられなくなってしまったため。

「掟を破ったのは天空人の女のほうなのに、なんで人間の若者は落雷で死に、天空人の女は連れ戻されるだけで済むんだ。不公平じゃないか」とか、
「そもそもなんでそんな掟があるんだ」など、この設定に対しては昔から批判が多く、評判がよろしくない。
リメイク版では、木こりを殺したのはマスタードラゴンの部下の天空人であり、女の行為がマスタードラゴンの怒りに触れる事を恐れて、
バレる前に彼女を助けようと、その天空人の独断でやったという事にされている。


なおDQ5に登場するフローラデボラビアンカは主人公の子孫。
ピサロらの襲撃をきっかけに不幸な人生を歩む事になってしまったものの、幸せな余生を過ごしただろう事が推察される。
しかし男勇者はともかく、女勇者が誰と結婚したかは定かではない。
子孫達は皆共通して拾われた子供達なので、どうも主人公の不幸体質は子孫にまで受け継がれてしまったようだ。











【余談】

『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』においては衛藤ヒロユキ氏の描いた男勇者が有名。
特にマーニャの下着を見てしまい混乱した勇者が「ふんどし!!」と言いながら大根を取り出したネタは現在でも語られており、後のドラクエ10にてしぐさ書「だいこん」として逆輸入される程。
記事冒頭のセリフも同氏のネタの一つが由来である。

ゲームブック版では前述の通り「ユウ」という名前はあるものの、仲間にはその名前を明かしておらず「勇者」と呼ばれている。
やや控え目な性格で、仲間との会話は「さん」付け(アリーナのみ「姫」付け)の敬語になる事が多い。
ちなみにゲームブック版では、各章で経験値の名称が異なっており、第5章では「勇者の証」である。

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALでは、DLC第2弾として「勇者」名義で参戦したⅪ主人公のカラーバリエーションの1つとして参戦。
付けているピアスは通常(5Pカラー)が普通のスライム、もう一つ(6Pカラー)はメタルスライムになっている。


追記・修正よろしくお願いします。

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最終更新:2025年03月30日 20:38

*1 FC版はレオタード、リメイク版以降はチューブトップ+ブルマ。

*2 ゴッ「ド」サイドではない。