またずれ荘

登録日:2014/10/29 Wed 09:26:12
更新日:2024/11/06 Wed 13:44:21
所要時間:約 6 分で読めるだで




またずれ荘とは、クレヨンしんちゃんに登場するアパートである。

■概要

シロアリ・台風・ガス爆発で家を失った野原一家が一時期住んでいた、2階建ての小さくぼろいアパート。
ひろしが不動産屋に出した(しんのすけでも分かるほどの)無茶な要望はおそらくほぼ叶っていない。

風呂も無く、雨漏りだらけで、天井裏はネズミのスポーツジム状態。
原作に至ってはトイレが共同(和式)という有様で、更に手で殴っただけで野原一家と四郎の部屋の間に大穴が空いてしまう大惨事に*1
これらのエピソードはアクションコミックス29巻~33巻に収録されている。

原作ではみさえが誤って殺し屋・ヒロポン本駄の手榴弾を誤作動させてしまい、テンヤワンヤした所をしんのすけがバットで打ち、運悪く木っ端微塵になってしまったが*2
その後にオマタさんが全額支払う形で鬼瓦建設*3に依頼し、壁の穴に至るまで完璧に再築される。それまでの間、住人達は野原家に住んでいた。
ただし、アニメではこのシーンがカットされた為、崩壊することなく現在に至る。

ちなみに修復された本来の野原家から、しんのすけが歩いて行ける程度の近所である。

■住人

個性的だが心優しい人ばかり。ちなみに原作とアニメでは住人が大きく異なっている。
野原家が住んでいたのは202号室。

・大家/大家主代*4

CV.佳川紘子
またずれ荘の大家さん。入れ歯を積み上げるのが趣味。
住人をいびったりするなど意地が悪いが、根は優しい性格*5
子供嫌いなのだが、これは30年前に夫と娘を飲酒運転で走ってきた車に撥ねられて亡くしており、同じ年頃の子供*6を見ると、亡くなった娘を思い出してしまう為*7
このアパートも、その亡くなった夫の遺産で建てたものだとか。
昔は助産師として働いており、野原家で産気づいたよしなが先生の助産を引き受けていた。

・201号室(原作:203号室)/四郎くん

CV.桜井敏治
一人暮らししている浪人生。「しろう」ではなく「よんろう」と読む。眼鏡はスペアで4つ持ってる。新潟県出身。
既に大学受験に三浪しており、「今年も合格できないと名前と同じ「四浪」になってしまう」という事で、初登場時は非常にピリピリしていた。
野原夫妻との初印象は悪かったが、付き合っていく内に本来は気のいい青年である事がわかってからは仲良くなる。
しんのすけといざこざを起こして壁に穴を開ける。
不合格は学力が足りないというより極度の小心からくる緊張による体調不良やミスが殆どで*8、今年は見事東大(京カスカビアン産業学)に合格*9
容姿はいかにもなオタク風で、酔ったみさえが「四郎くんだってあんな顔だけど立派に生きてる」と漏らすブサイク。
しかし本人は自分の顔を結構気に入っているのか「時代が僕に追いついていない」と言っている*10
ただし美醜感覚が日本と真逆のモロダシ共和国では、通行人の女性から「サイクブ ムザン(訳:チョーカッコイイ)」と言われていた。
年相応にはスケベであり、グラビアアイドル本のコレクションはひろしとしんのすけを悩殺するレベルで、
グラビア誌の立ち読みの常習犯として、かすかべ書房ではブラックリスト入りしている。
ブティック「ウニクロ」*11でアルバイトしている。
免許証は所持しているが、取得して以来全く運転していないため、運転技術は極めて下手*12

学習漫画『世界の国々がわかる』ではリオのカーニバル見たさにブラジルの回で登場したが、間違って緊急脱出ボタンを押してしまい、
アマゾンでワニに追いかけ回され、探検隊から新種の猿と誤認された。

・202号室/小山むさえ

CV.根谷美智子
みさえの実妹
一時期は野原家に居候していたが、写真家としての決意と共に旅立って行ってからしばらくしてこちらに居住を始めた。
(むさえの登場自体が、野原家が過ごした時期よりずっと後)

・203号室(原作:201号室)/役津栗優

CV.大本眞基子
普段は地味な女性(首から下はナイスバディである)だが、メイクを変えることでいろいろな役になりきる役者の卵。まるでイタコ。
カップルのケンカを想定した一人二役を演技をした際、マジゲンカと勘違いした野原一家に部屋を突入され、
そのときのメイクを見たしんのすけから「あ、センターマンだ」と言われた*13
メイクによる役作りはセクシーギャルから素朴な田舎娘、果ては暴走族や女テロリストやチンピラ男まで演じ分ける見事なものだが、
本来は極度の小心者であり、逆に言うと本来の自分を出せずメイクに頼らないと演技すらままならないという弱点も持つ。
2度のオーディションを経て劇団四毛に入団。

・204号室/玄武岩男(源氏名・スーザン小雪)

  • 高校時代は埼玉一の交通法規を守る暴走族「16号の黒豹」初代総長。
  • 大人になってからは元グリーンベレー隊員。
  • 帰国後は大手下着メーカー「ゲンブ」創業者。
とスゴイ経歴の持ち主だが、過去を捨てて今はオカマバーで働いている顔の大きい乙女系のおじさん。妻子持ちのバイセクシャルである。
初登場時には電話越しにみさえに「好きだぜ」と言わされたひろしの発言を真に受け、ひろしに熱烈チューをプレゼントした。
誤解が解けてからはみさえとファッション仲間になっている。
またずれ荘崩壊後はニューハーフパブ「夢乱ルージュ」を経営しているが、たまにゴキブリが出てくるらしい。
体格から想像がつく通り施錠されたドアを体当たり数発で破り、ヤクザ2人組を容易くボコボコにするほど強く*14、モロダシ共和国編では大活躍を果たした。

現在でも妻子や過去の関係者からは慕われており、会社を継いだ息子からは商品販売のアドバイスを求められることがある*15

アニメには長らく登場していなかったが、30周年の節目となる2022年に野原せましに続いてようやく登場。ちなみに声の人はひろしの声の人の主催イベントで女装コスに覚醒している
また、TV放送登場前にも映画『踊れ!アミーゴ』でモブとして登場した*16
また37巻収録の外伝『シアツ屋しんちゃん』ではしんのすけが溜まり場にしているバーの店長役で登場。

学習漫画『世界の国々がわかる』では元軍人ということで永世中立国スイスの回に登場した。
愛から「男と女で永世中立ですわね」と言われた際には「あら、スーザンは立派な女性よ」と返した。

・204号室(原作:205号室)/にがりや京助*17・汚田急痔

CV.石森達幸(にがりや)、福山潤(汚田)
張り込み中の、ノンキャリアハゲとチャラ男の刑事コンビ。麻薬密売組織「モルヒーネ・ファミリー」を追っている。
名前の元ネタは「いかりや長介」と「織田裕二」。決して某ドラマではない。
警察である事を周囲に隠しており、その際のとっさの言い訳として「顔が原因で妻に逃げられ、腕を骨折した父」
カードの使い過ぎで自己破産し、5分に1度一発ギャグを発する『一発ギャグ発作病』にかかった息子」
「親子そろってノゾキ趣味のある変態」(しんのすけの誤解に尾ひれがついた)という奇妙な設定を付けたため、それ以後それに縛られることになってしまった。
その後、交通課に左遷転属になり、アクション幼稚園*18の交通指導に来た。
映画では彼らの上司と思われる人も登場するが…。

なお、にがりやを演じた石森氏は某推理漫画エピソードでも名前の元ネタがいかりや長介の刑事を演じている。

・205号室/屈底厚子・アツミ

CV.石川寛美(アツコ)、杉本沙織(アツミ)
18歳のギャルママと2歳のコギャル娘。夫・アツシはトラック運転手だが姿を見せたことは無い。
原作ではまたずれ荘のご近所さんであり、住人ではない*19
厚子はみさえを「先輩」と呼んで尊敬している。
娘のアツミは一度、”プチ家出”をしたことがある。
又、自分の言うことを聞いてくれないと、鼻糞をつけてくる癖がある。
一度未遂になったときがあり、厚子に「それ、どうするの?」と聞かれた際に鼻に戻したことがある。(厚子につっ込まれた)

・206号室/オマタさん

カタコトの日本語を喋る謎の外国人。
実はモロダシ共和国の王子で、「押し付けられた見合い話に嫌気がさし、理想の恋人を探す為に素性を隠し日本に家出してきた」という。
ジョークや下ネタが得意で冗談が受けなかったり、先にオチを言われてしまったりすると、その場で首吊り自殺をしようとする
感激すると純金の勲章*20を授与する癖があり、野原家も何度も貰ったが、それが純金である事は全く通じていなかった*21
ちなみにまたずれ荘に入居したのは、「またずれ」がモロダシ共和国の原語マタワリ語で「愛」を意味するからという理由。
本人もまたずれ荘には強い愛着を持っており、麻薬密売組織「モルヒーネ・ファミリー」との騒動でまたずれ荘が爆破されてしまった際は、
国の総力を挙げて世界中からまたずれ荘に使われたものと同じ建材を集め、くたびれ具合から建物内の傷み具合までもを忠実に再現するという形で再建した*22
しんのすけの幼稚園で一時事務員として働いたこともあり、最初は怖がられていたが、まさおくんに襲いかかろうとした野良犬を特技のブーメランで追い払い助けたことですぐに打ち解けた。

モロダシ共和国は日本とは美男美女の基準が逆で、ななこお姉さんの友人である神田鳥忍に一目ぼれし、紆余曲折ありながらも両思いになったが、
それぞれの立場と夢*23を優先し、一旦は帰国する事となった。
その後、国で恋人を作り、無事に結婚。結婚式の前に反乱軍に拘束されてしまうが、しんのすけやスーザンの大暴れでクーデターは失敗に終わる。
上記の通りモロダシ共和国は組長先生や四郎くんがイケメン、忍ちゃんが絶世の美女扱いという日本と美醜の基準が逆な国で、
花嫁は凄い美人(つまりモロダシでは醜女)なのだが、顔など気にする小さな男ではなくなっていたのだ。

アニメには未登場*24
学習漫画『日本と世界の国のつながりまるわかりブック』では、しんのすけたちと共に世界各国の勉強を行うなど、
事実上もう1人の主役と言っても過言ではない扱いであった。



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最終更新:2024年11月06日 13:44

*1 元々四郎が壁ドンしたせいでひびが入り、補修しようとしんのすけと四郎が壁を挟んで押し合ったために人間一人通れるほどの大穴が開いてしまい、一度はガムテープで元通りにしたものの、よろけたひろし・四郎・しんのすけが倒れ掛かって完全に貫通してしまった。

*2 みさえが原因を作り、しんのすけがとどめを刺すパターンは野原家爆発と同じ展開である。

*3 爆発した野原家を再建した建設会社。

*4 原作では「大屋主代」

*5 原作ではひまわりといっしょに遊んだり、本来はペット禁止のまたずれ荘にシロを連れてきたしんのすけを見逃したりするなどしている。

*6 亡くなった娘は3歳だった。

*7 ただしこれは原作での設定だが、あまりにも内容がハード過ぎる為、アニメでは未亡人という設定だけとなっている。

*8 1年目はあまりの緊張で下痢になり病欠、2年目は間違えて競馬場に入ってしまい遅刻で失格(しかも馬券買ってる)、3年目はあまりの緊張で一睡もできず試験会場で爆睡。

*9 野原夫妻は東京大学と勘違いして出世した時のお礼を期待して手厚いもてなしをしていた。当然、事実を知った後は無しになった

*10 これを聞いたしんのすけは「一生追いつくことはないな」と心中でつぶやいた

*11 ユニクロのパロディ

*12 作中でオートマ車をエンストさせている。

*13 アニメでは著作権絡みでフジテレビに文句を言われたのか、別のセリフに変更された

*14 グリーンベレーから「中佐の地位を用意するから戻ってきてほしい」とまで言われている。

*15 この時は凄まじく的確な取捨選択を行い、やり取りを聞いていた四郎を驚かせた。

*16 この時の声優は長州小力。

*17 番外編『野原刑事の事件簿』に登場した老刑事の流用

*18 アニメではふたば幼稚園

*19 205号室は空室で最後まで登場しなかった

*20 モロダシ共和国は金の産出量が世界一であり、勲章も一つが時価数十万円の価値がある。

*21 ひまわりだけは価値を見抜いていた。

*22 オマタ達は日本建築の建て方を知らなかったため、鬼瓦リフォームの面々に指導してもらっていた。

*23 忍ちゃんは女子プロレスラーを目指している。

*24 仮にアニメで登場したとしても、その後のクーデター編の展開を考えると帰国する所までしか放送されなかった可能性が非常に高い。