クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

登録日:2014/04/20 Sun 19:01:44
更新日:2025/05/05 Mon 21:51:47
所要時間:約 7 分で読めます


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ロボ、でもとーちゃん


2014年に公開された、映画クレヨンしんちゃんシリーズ第22作目の作品。
キャッチコピーは項目の冒頭にもある、「ロボ、でもとーちゃん」
他にも、「親父力(オヤヂカラ)、全開」「しんちゃん映画史上、最もアツイオヤジの戦い。全国のお父さん、そして家族が涙する!」等がある。



【目次】


長いクレしん映画の中で、野原家の大黒柱である最重要キャラ「野原ひろし」にメインスポットが当たった、初めての作品だったりする。
作中ではひろしがロボになるという異例の展開を見せる。

そんな本作のテーマはずばり「父親」。一家の大黒柱として家族を支えているのにも拘らず、妻子からは煙たがられ本人の立場も弱いという、現実世界においても割とどこにでもありがちな父親の哀しい扱いを痛烈に皮肉った作品である。
ロボに改造されたひろしとの野原一家の家族愛をはじめ、父親という立場について考えさせられる名場面が多く、『オトナ帝国の逆襲』のような子供でも大人でも楽しめる正に2010年代を代表するクレしん映画と言っても過言では無いだろう。
前作から徐々に終わりを迎えていた暗黒期ムードは本作で完全に無くなった事から完全復活的なイメージも一部のファンの間では強いといわれている。

脚本は双葉社の元社員で、2007年から2010年までの劇場版『しんちゃん』のチーフプロデューサーでもあり、脚本家としては『天元突破グレンラガン』『仮面ライダーフォーゼ』『キルラキル』、そして『SHIN-MEN』を手掛け、原作者である臼井儀人の初期の編集担当だった中島かずきが担当した。


【あらすじ】

しんのすけを肩車したことにより、ぎっくり腰になってしまうひろし。
だが、家ではみさえから、草むしりやらアンテナ付け直し等の重労働があるのに、と愚痴を言われてしまった。
仕方なく家を出て、整体院へと向かうひろしとしんのすけ。
その道中で、自分と同じように、母や息子から煙たがられ、ついには公園からも追い出される親父の姿を目の当たりにするのだった。
いたたまれなくなったひろしは公園を後にし、再び整体院を探す。
すると、エステの無料体験、そしてボインな美女につられ、ふらふらとエステの中へ…

やがて整体を終えたひろしが家に帰ると、みさえは怯え、しんのすけは興奮する。
戸惑うひろしが鏡を見て、愕然とする。
なんとひろしはロボになってしまったのだった…!
初めはみさえには受け入れられないものの、家族や子供の為に全力を尽くす姿に、以前以上に絆を強めるのだった…

と、野原一家が仲良くしている裏で、ひろしをロボへと改造させた「鉄拳寺堂勝」が、「日本しつけ直し計画」を発動させる。
今までのやさしかったロボひろしが一変、昔ながらの亭主関白キャラへに変貌してしまう。
しょぼくれた親父達を奮い立たせ、「父よ勇気で立ち上がれ同盟」、略して「ちちゆれ同盟」を作ってしまった!

今、日本中の家族の愛が試される!!


【登場人物】

◆主要人物

野原しんのすけ矢島晶子
ご存知、嵐を呼ぶ園児。
カンタムの映画を見たためか、今回は特にロボが好きという点がクローズアップされ、アクション仮面ぶりぶりざえもんには珍しくノータッチ。
朝まで生テレビの小芝居をしていたが、子供なのになぜそんな深夜番組の存在を知っているのか…


野原ひろしロボひろし(声:藤原啓治
ご存知、理想の父親キャラベスト10くらいには入れるであろう人物。というか実際に何度か理想の父親キャラランキングで1位になっている。
あらすじにもある通り、今回は何とロボになってしまった。

伊達にロボになったわけではなく、単純な肉体能力は勿論、仕事や家事の腕前も常人離れしたものとなった。
テレビのチャンネル切り替えのような簡単な機械の操作なら、指パッチンで対応可能。
電動歯ブラシやらラジオやらの微妙な機能も多いものの、腰を軸に両足を回転させる扇風機機能で、空を飛ぶことも可能だったりする、まさにハイスペックロボ。
しかし、乳首を押せばロケットパンチ、引っこ抜けば電磁竹刀と、危険な武装もある。
ちなみに、動力源はオイル(灯油でもオリーブオイルでも可)であり、給油口はにある。

基本的に自身の意志で行動するが、耳にあるコントローラーや乳首のスイッチ等を押された場合は、自分の意思とは無関係に行動してしまう。
また、ひげパーツを装着して「頑固親父回路」が目覚めると、典型的な頑固おやじへと変貌してしまい、優しく家族想いな野原ひろしの意志は完全になくなってしまう。


野原みさえ(声:ならはしみき)
初めはロボになった夫を受け入れられなかったが、命がけでしんのすけ達を助け出したことで、前以上に絆を深めるようになる。
ひろしが主役のためか今回はやたらとヒロイン力が高く、人によってはときめくレベル。
ロボひろしが家事を全てこなしたため、一時的にちょっと太るが、すぐに無かったことになった。


野原ひまわり(声:こおろぎさとみ)
兄同様ロボ化したひろしに興味津々だったが、その機能をいじる機会はあまりなく、みさえとの行動が多いのもあって全体的にやや大人しめ。
しかし、終盤の見せ場として(偶然にも)蘭々を攻めるシーンがあるので必見。
おねショタならぬおねロリ…?


◇シロ(声:真柴摩利)
ボロボロだった小屋がロボひろしによって修理…どころか改装される。
本犬の目立ち具合はひまわりと大差ない


かすかべ防衛隊
前作で頑張ったためか、今回は登場は控えめ。社会見学と、暴走したロボひろしのひげを奪うくらいだった。
ひげを奪う際にロボひろしを攪乱するため、全員でケツだけ星人を披露する。
ただし、流石にネネちゃんはやってくれなかった(油をまいてロボひろしを転ばせた為)。


◆埼玉県警北かすかべ警察署

◇黒岩仁太郎遊佐浩二
埼玉県警北かすかべ警察署の若くてイケメンな署長。何気にクレヨンしんちゃんにおいて警察署の人物が登場するのは珍しい。
みさえがロボに改造されたひろしの事件の解決を求めて警察署に向かった際に出会い、受付とは違い一応は聞き入れてくれた。尤もクレーマー扱いに過ぎなかったようだが。
市民受けがいいが、かなりのナルシストで、人や物の名前をちょくちょく間違えるなど、どこか空回りしがち。
ロボとーちゃんがちちゆれ同盟を扇動していた際も、「デモは市民の権利だから」と放置していた。
ちなみにオープンカーを乗り回しており、ドライブテクニックのスキルが高い。


◇段々原照代(声:武井咲)
今回のゲスト枠。
北かすかべ警察署の婦警で、黒岩の指示でみさえから依頼された事件を担当することになる。
警官でありながらトラブルメーカーであり、ペット探しという名の厄介払い要員だった。
運転も危なっかしく、先の黒岩のオープンカーを激しく破損させており、数日後にはパトカーも壊してしまうことに。
だが、捜査に対しては全力で、手掛かりが全く無くても諦めない、明るいキャラ。
上司の指示に従っただけなのに、組織に捕まったり命を狙われたりと散々な目に遭う巻き込まれキャラ。
なお、照代のCVを担当した武井咲は、日本テレビで放送されたドラマ「戦力外☆捜査官」で新人のキャリア婦警役を担当しており、警官の役を担当するのは今回で二度目だったりする。
なお、警官キャラは大人ひまわり以来である。
ちなみに後の映画にて警察官募集ポスターにモデルとして写っている場面がある。


◆父ゆれ同盟

気で立ち上が同盟」の略。変な意味で語呂合わせが良いが、略し方が無理やりすぎるだろとは誰しもがそう思ったことだろう。

◇鉄拳寺堂勝(声:大和田伸也)
ゲスト枠その2。
弱々しい親父達を嘆き、父の威厳を取り戻すための「日本しつけ直し計画」を発案した。
鉄ゲタに金歯、とんがり頭と、かなり特徴的な姿をしている。
ロボとーちゃんを片手で投げ飛ばし、機能停止に追い込むほどの力を持つ。
鉄拳寺を演じたのは、ドラマ「水戸黄門」で2代目格さんを演じた大和田伸也氏で、大和田氏の弟である漠氏は2年後の劇場版本人役を演じている。


◇小女鹿蘭々(声:一木美名子)
巨乳で美脚のナイスバディな美女。父ゆれ同盟のスポンサーらしい。
冗談抜きでかなりエロく、クレヨンしんちゃんの映画史上最もR-18に近いと思われる(多分)。
ちちゆれ同盟で培ったロボの技術を様々な所へ売り込むことで、丸儲けする事を目論んでいる。
ドデカシティの工事現場の案内人も務めている。
右手の付け爪を武器にした体術を得意としている。


◇頑馬博士(声:コロッケ)
ゲスト枠その3。何気にコロッケ氏は前作から連続して出演している。
ボソボソと喋る陰気な男であるが、ロボを作る腕は本物で、ロボひろしの改造も彼が行った。
彼を追放した学会に復讐するため、ちちゆれ同盟に参加する。
ドデカシティの工事現場の責任者も務めている。
名前の元ネタは鉄腕アトムを造った天馬博士だろうか。余談だが、鉄拳寺役の大和田氏は2003年の『ASTRO BOY鉄腕アトム』で同役を演じていた。
また、コロッケ氏の本名は滝川広志(たきがわ ひろし)であり、みさえと同じ熊本県出身である。


◆その他

◇山田ジョン青年(声:檜山修之
映画『カンタムロボ』の主人公。担当声優の檜山氏ではお馴染みとなる熱血バカキャラ。
カンタムJr.の相棒であり、同作の黒幕であるアコギデスに立ち向かう。

◇カンタムJr.(声:大滝進矢)
映画『カンタムロボ』のもう1人の主人公。その名の通りカンタムロボの息子という設定である。

◇アコギデス・ブッコロス(声:立木文彦
映画『カンタムロボ』のラスボス。秘密結社「ミッドナイト」の第15代党主。
担当声優の立木氏は本編では黒磯を演じているが、本作ではCMのナレーションも担当している。

◇薄田修(声:清川元夢)
公園に佇む中年男性。家族から除け者にされており、同じ境遇を辿っている父親達と一緒に黄昏ていた。
当初は公園にやってきた母親方に冷たくあしらわれるが、父ゆれ同盟の一件で勇気を得て、彼もまた同盟に参加することになる。



【主題歌(EDテーマ)】

◇ファミリーパーティ(歌:きゃりーぱみゅぱみゅ)

いつものきゃりーぱみゅぱみゅらしいゆるいメロディだが、歌詞はしっかりと家族をテーマにしている。
ぱみゅぱみゅだからって敬遠しないで、しっかりと聞いてほしい一曲。


【余談】

段々原が聞き込みを行っていたエステサロンの店名は、ロボに関わる映画の名前がモチーフとなっている。
パシフィック・リムターミネータートランスフォーマー等)



本作も月刊まんがタウンにてコミカライズ版が連載されており、映画公開とほぼ同時期に単行本の上巻が、DVD発売時には最終回を迎え、直後に下巻も発売された。
細かい点が微妙に異なっており、特に序盤のカンタム戦は映画版とは違う熱さがあるので必見。
また、ひろしの名言を集めた「野原ひろしの名言集」や、ひろしの活躍を集めたDVD「クレヨンしんちゃんきっとベスト 凝縮!野原ひろし」も発売された。
2014年はまさに野原ひろしイヤーであると言える。

映画の冒頭で「カンタム・ロボ」の映画を見に行くシーンがあるが、その内容が先の尖ってないドリルで敵に突っ込んでいくというどこかで見た絵面のものだった。
てっきり脚本家の暴走かと思われたが、実はカントクに勝手に入れられたらしい。

本作のDVDが発売された際、宣伝用のCMにおいて、ひろし役の藤原啓治氏本人が直々に出演している。

以下、物語の核心に関わる重要なネタバレがあるのでご注意。
無問題な人は下にスクロールしちゃってください。





































「すまんな、しんのすけ…」











「…俺は、お前のとーちゃんじゃなかったみたいだ…」










ロボひろし
正体は改造された野原ひろし…ではなかった!
頑馬博士が大量に作り出したロボの1つであり、それにひろしの記憶と意識が移植されただけの、ただのロボットだった。
逆に言うと、ただのロボットだが記憶と意識はひろしそのものである。

しんのすけ達と過ごすことで本気で家族を愛し、野原一家の一員として活動する。
しかし、本物のひろしが自分の目の前に現れた事と、結局はみさえも生身のひろしの元に戻ったことから、生ひろしとは対立してしまう。

黒岩に捕らえられた際に記憶を消去され、しんのすけにピーマンを食べさせるという拷問をする(この時にネタにしか思えないシーンを大真面目に描写する演出はなかなかに神がかっている)。
だが、しんのすけが自分からピーマンを口にし、「ごちそうさま!」と叫んだことで、記憶が復活
もう一人のとーちゃんとして野原一家に加わり、野原一家ダブルファイヤーと叫んで黒岩達と戦った。
ちなみに、記憶の消去&復活のシーンは、ブロッケンjrが強すぎる某ゲームっぽいやり取りが描かれた。*1

最後の決戦には勝利するも、修復不能なほどの損傷を受けてしまう。
機能が停止する前に生ひろしと腕相撲で決着をつけ、生ひろしに父としての立場を預け、しんのすけに、父としての別れの言葉を告げた。
朝焼けを背にしたスクラップ寸前のロボという、ロボアニメの王道パターンは涙なしには見られない。


◇野原ひろし
上記のとおり、ロボひろしは単なるロボットだったため、生身のひろし(生ひろし)も記憶のバックアップとしてちゃんと残っている。
全裸からの裸ワイシャツ、そしてまた全裸という、放送コードギリギリのセクシーショットを披露するぞ!
なお、エステはロボット計画の罠に過ぎなかったのだが、ちゃっかりギックリ腰は治っている
劇中で彼が放った「押し付けることがしつけじゃねえんだ!自分からやらなきゃ意味がねえんだよ!」は本作の名言。


◇鉄拳寺堂勝
彼もまたロボであり、ロボひろしを圧倒する。
だが、新しく開発されたロボひろしに搭載されたチクビームで意表を突かれ、敗北。
外見同様中身も重量感あふれる巨体だが、撤退した後は外装も復活。
再度ロボひろしを追い詰めるも、操縦者である黒岩の方がしんのすけに翻弄されたため、そのまま暴走して爆散する。


◇黒岩仁太郎
父ゆれ同盟の黒幕であり、鉄拳寺も彼が動かしていた。
映画版では黒岩の動きとシンクロして操作するタイプ、漫画版では直接乗り込んで操縦するアーマータイプと微妙に異なっている。
自分で直接行動しなかったのは、夜は別の顔、というのが彼のポリシーであるため。
…と見せかけて、失敗した時の保険というのが実際の所であり、照代から「いざとなった時に逃げやすいから」と、看破されてしまっている。
実際計画が失敗しても、黒幕の存在については誰も咎めなかった。

そもそもの事の発端は、彼もまた妻や娘から邪険に扱われていたこと。
自分の誕生日そっちのけで妻と娘に先に食事を済まされた挙句に食器洗いをさせられたり、自分の洗濯物を娘の洗濯物と一緒に洗濯して、もう不潔で着れない!と非難されたりしていた。
挙句単身赴任となると決まった際は、厄介者払いも同然のような扱いだった。
イケメンでも父は邪険にされるという姿に、世の父親は絶望したとかしないとか。

本性は非情な性格で、少しでも自分を侮辱した者には最大限の拷問を与えたり、いざとなったら基地ごと人を葬る事に何の抵抗も無かった。
もっとも、どれも悲しいほどに空回りしていたが。
野原一家に敗北後、部下だった照代に「 あなたの罪は、人の心をオモチャのように弄んだことです! 」と一喝され意気消沈し、EDでは囚人らしく頭を丸め、頑馬博士と共に、刑務所で五木ひろしのものまねをする姿が描かれていた。
また、漫画版では妻と娘が面会に来てくれてる辺り、どうにか和解できたのかもしれない。
逮捕こそされたが、改心した悪役の1人に数えても良いだろう。
クレヨンしんちゃんの悪役の中でも珍しい「元は一般人だったが悲しい経験から悪人となった」人物かつ「悪人となった経緯が語られた」人物。
同様のケースは長茂の3番があり、過去が明らかになった際は登場人物らに呆れられていたところも共通しているが、あちらと違い不憫過ぎる家庭内の扱いなど、同情できる場面はある(明らかになった過去も本人の回想シーンでしか語られていない)。
また、真の黒幕が別にいるという展開もクレヨンしんちゃんの悪役の中ではかなりレアなケースである。特に鉄拳寺堂勝がいかにもな存在感を発揮していたのも、隠れ蓑としては最適だったと思われる。


◇頑馬博士
黒岩の仲間。どういう関係で協力し合うようになったのかは不明。前述の通り刑務所行きとなった際には黒岩とものまねをしていた。下記のロボットといい、完全に中の人ネタである。


◇小女鹿蘭々
セクシーなので逮捕という理不尽な理由で手錠をかけられたが、研究所の爆発の際、野原一家と共に脱出した。エンディングでは1人海外に旅立っている様子が見受けられた。
同じく黒岩との関係は不明で、組織の幹部の中でも珍しく、ボスに対し明確に付き従う理由がない(明かされていない)人物。
あくまで雇われにすぎないのかもしれないが、その割に仕事に関しては真面目に行っている。
根っからの悪人でもないため、転落の危機に陥った照代を助けたりもしている。


◇巨大五木ロボット
頑馬博士が、五木ひろしの芸能活動50周年を記念して作った巨大ロボ。五木ひろしの「契り」を歌うことで操作可能という、原理のよく分からない代物。
ふざけた姿だが戦闘力は本物で、工事現場にあった無数のロボット全てと合体した「巨大野原ひろしロボ」でも歯が立たなかった。
必殺技の「こぶしウェーブ」は、当ったものを問答無用で「こぶしをきかせた状態にする」というとんでもない代物であり、映画を見ている観客の腹筋を破壊した。
勿論それだけではなく、長時間浴び続ければ危険であり、巨大野原ひろしロボはドロドロに溶けてしまった。
しかし、ドデカシティの球形オブジェから生まれたケツだけ星人型ロボにはこぶしウェーブが通用せず、最後はロボに挟まれて爆散した。何故通用しなくなったのかは不明。(恐らくケツだけ星人ロボは体がミラー及びガラスだった為、反射できるからと思われる。)
操縦する際の五木ひろしのモノマネは本当に必要なのかどうか、それは永遠の謎。
元ネタは、十中八九頑馬博士役のコロッケ氏の持ちネタ「五木ロボットひろし」*2と思われる。

◇ドデカ頑固親父ロボ
漫画版では流石に五木ロボの再現はまずかったのか、鉄拳寺を巨大化させたような外見のこのロボットが最後の相手になっている。
モノマネ操縦ではなく普通に操縦できるが、基地が破壊され緊急起動した為殆どバッテリーがなく、仕方なく予備電源を使用しているが、頑馬が「地球に優しい世界征服ロボ」のコンセプトで作成した為、ランニングマシンでバッテリーを補充する必要があり、黒岩と頑馬のスタミナ切れ時に大きな隙を晒すという弱点が存在する。
戦いの最中、黒岩は何度も酸素補給をしており、その際に攻撃を受けている上、しんのすけの妨害に気を取られすっ転んだ際頑馬に「シークレットブーツなんか脱いで下さい」と自分のコンプレックスを指摘される羽目になっている。
武器は単純な格闘技の他、口から放つ電撃光線、更にしんのすけの妨害で不発に終わったが、フルパワーの電撃弾を口から放つ「超絶雷落とし」という必殺技がある。
最後はひろし、ロボひろし、しんのすけの3人がドデカシティのあらゆる物を合体させ完成したドデカロボひろしの必殺技「ダブル足くさバーニングキック」を受け、ドデカロボひろし諸共大爆発した。
なお、前述の通り漫画版ではこぶしウェーブが存在しない為、ドデカロボひろしは武装を格闘戦で切り落とされこそされたが、最後に共々大破するまで戦闘不能になっていない。


◇黒岩の家族
仁太郎の妻と娘であり、妻子共に美人だが彼が悪の道に堕ちた原因の人物。
娘は父を「香水臭くてオカマっぽい」と毛嫌いし、話しかけられただけでヒステリーを起こすほど。
妻も、娘ほどではないが夫を毛嫌いしており、わざと夕食を用意しないどころか、疲れて帰ってきた夫を家政婦のようにこき使ったり、出張を他人事のように言ったりと、夫婦仲は完全に冷めている。
映画本編では仁太郎と和解したかどうかは最後まで不明だったが、漫画版では自分たちが事件の元凶であったことを深く反省しており、涙ながらに夫と和解する場面が描かれた。


◇薄田修
一連の事件が収まってからは家庭環境も回復したようで、終盤では息子の呼びかけに応じる様子が見受けられた。
また、彼と行動を共にした父親方も、エンディングでは和解している描写が見られる。
やり方こそあまり良くなかったものの、黒岩の行動は多くの父親の家庭環境の改善に繋がったといえよう。


更なる余談
本作の企画は「しんのすけの目の前でひろしを殺したい」というアイディアから始まったらしい。
しかし、当然ながら長編作品のレギュラーであるひろしを簡単に殺すわけにはいかなかったため、会議の末「もう一人のひろしを出してそれを殺そう」という結論に至り、ロボひろしの設定が作られたという。
鬼か。








追記・修正、ダブルファイヤー!!

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最終更新:2025年05月05日 21:51

*1 ちなみにこのシーンはロックマンゼロシリーズ等を製作したインティ・クリエイツが手掛けていたりする。

*2 五木氏のモノマネをロボコップのような動きと効果音で再現するネタで、コロッケ氏が1982~1995年まで出演していた『ものまね王座決定戦』などで披露していた。