ワスピーター(ビーストウォーズ)

登録日:2017/01/29 Sun 22:29:11
更新日:2024/04/05 Fri 19:50:57
所要時間:約 11 分で読めるぶ~ん





ワスピーターだぶ~ん!

みんな、元気ぶ~ん?

ぼくちゃんはどうせ今日も

「ぶ~ん、わ~やられた~」

ってなるんだろうなあ~……。

い~よい~よ!
でもぼくちゃん、がんばるんだぶ~ん!


「ワスピーター」とは、ビーストウォーズシリーズに登場するトランスフォーマーの一体。海外名は「ワスピネーター」で、巨人兵デバスターの海外名とはとは微妙に名前が似ているが、特に関係はない。


所属:デストロン
肩書き:空中攻撃兵
スキャンした生物:スズメバチ
日本語版声優:加藤賢崇

【概要】


身長:2.5m
体重:1.5t
走る速さ
ビーストモード:飛行速度マッハ5
ロボモード:時速120km
ジャンプ力
ビーストモード:地上から2000km
ロボモード:18m
最大出力:55万馬力
テックスペック
パワー8 知力5 スピード8 耐久力5 階級6 勇気7 火力7 テクニック6 合計52

ゴールデンディスクを奪い、太古の地球へと向かったメガトロンが率いていた初期メンバーの一人。
緑色のスズメバチをスキャンし、ピストル型のミサイルランチャーと目からのビームで空からサイバトロン戦士を襲う。
意外にも毒を使った攻撃はしない。*1

アドリブのせいで原語版と日本語吹き替え版で色々と差が付いたビーストウォーズにおいて、もっとも格差が少ないキャラクター。
口調・仕草・思考など、あらゆるものがゆるく、あまりやる気が無い。他のメンバーが好戦的だったり野心家だったりするのでかなり浮いている。
とはいえあくまで「普段やる気が無い」だけであり、本来は決して頭が悪いわけでも弱いわけでもない事が随所からうかがえる。むしろやれば出来るほう。
もっともそれを発揮する機会は滅多になく、たまに発揮したところですぐさまやられるのがオチなのだが。

原語版での発言によるとメガトロンに雇われただけのようであり、メタルスでは頭のデストロンマークがシールであることが判明している。



【各作品での活躍】


ビーストウォーズ


第一話でチータスと交戦したのが、本作初の「ビーストウォーズ」である。
その後はしばらく飛行能力を駆使し善戦していたが、5話でライノックスに不意打ちを行おうとするも返り討ちにあい蜂の巣にされたことをきっかけに、やられ役としての地位を確立しだす。

21話ではなんとスタースクリームに体を乗っ取られ、今までのゆるい仕草が嘘のようなスピードを見せる(前述の通り、設定上はマッハ5)。
が、最終的にスタースクリームはニューリーダー病を引き起こし暴走。エネルゴンの爆発に巻き込まれて初・バラバラとなった。

この時はメガトロンに組み立てて貰っていた。


ビーストウォーズメタルス


プール型再生カプセルに落ちてクォンタムサージを浴び損ねたため、メタルス化せず。
カワイソス…だが、同じくメタルス化しかけたのにマグマに落ちて死んだスコルポステラザウラーよりはマシか。
予告では同じくメタルス化できなかったライノックスと敵同士ながら一緒にぼやいていることも。

本作では頭のキレるところを見せ、エイリアン襲来後に月が一つ減ったことに気づき、ゴールデンディスクに近づく。
が、結局ダイノボットに利用されて酷い有様になってしまう。

この頃になるとやられ役以外での出番がほとんど無く、ことあるごとに敵味方問わず誰かにバラバラにされるようになる。
挙げ句の果てには、原始人の女の子にすらバラされた。
しかも、バラバラにされることに慣れてしまったのか、再生プールに入らなくてもいつの間にか体が治ってしまうという不死身っぷりを見せる。

当人は当然この扱いに不満を持っていて、終盤でついに悪事に疲れ果て、デストロン脱退を宣言。
その後、何をどうやったのかは不明だが*2原始人たちの王様になった。


「ぼくちゃんなんだかとってもハッピーだぶ~ん♪」



しかしその後のファイナルリミックスで再び戦い(?)に参加させられ、「今までのシリーズ構成は一体何だったんだ? SF的な設定はどこ行っちゃったんだ~!」とメタ発言をかますもメタルスダイノボットに反論され、それでも食い下がったため微塵切り桂向きにされてしまった。
「わ~、ばらばらばらばら~……みなさん喜んでいただけましたか~?」
その後、何事もなかったかのように再生。
偶然出会ったランページが(中の人同士)広島県出身ということで意気投合した。

漫画版ではメタルス化しており、メガトロンの秘書のようなポジションだが、いつの間にかフェードアウトしている。



ビーストウォーズリターンズ


ちょっとしたイタズラが原因で原始人たちから追放されてしまったワスピーター。
なんと彼は単身でセイバートロン星へと帰還するという、とんでもない行動に出る。

しかし無事にたどり着いたと思ったのもつかぬ間、メガトロンによってスパークを取り除かれ、ヴィーコン軍団のモーターサイクルドローンのジェネラル・スラストとして再生された。
なので厳密には「ワスピーター」ではなく「スラスト」という人格で活躍する。やられ役だったりであんま変わってないけど。部下に「まさお」「たかひろ」「ひろし」とか名付けて息子扱いするし。

最終決戦ではチータスと交戦し、スパークを抜き取られ敗北。その後セイバートロン星のリフォーマットの影響で、何故か「頭がスラストの蜂」になってしまい、ラットルにデコピンで吹っ飛ばされて退場した。

「なんにもいいことなしでやっぱりこんなオチかよ~!ぶ~ん!」

しかしTFCC限定のアメコミ「Timeless」で、ワスピーターのボディとスラストのボディが交じり合った「スラスティネーター」へと変貌を遂げている。
メタルスでの自己再生といい、自己進化機能でもついているんだろうか…。


【玩具】

○無印

緑色のスズメバチから変身。
ビーストモードの尻尾にミサイルランチャーが隠れており、羽根に隠されたミサイルを撃ち出す。
劇中よりもでかいサイズなので、迫力満点。
ボディの中にもうひとつのロボットフェイスが隠れており、体の中で回転させて入れ替えられる。
ビーストモードの後ろ足がでかいのが少々気になるが、出来は良好。

ボディーカラーが黄色の別キャラクター「バズソー」、劇中に近い塗装を施した後期版、更に塗装を追加したテレもちゃ版もある。
特にテレもちゃ版は激レア品であり、オークション等でも高値で取引されている。

『セカンド』にて、「ダージガン」にリデコされたが、2014年のTFCCにて、『リターンズ』のその後の姿として「スラスティネーター」に更にリデコされた。

後に『ジェネレーションズ』にてプロポーションを向上させたリメイク版も販売された。『レジェンズ』でもより劇中に近いよう仕様変更して限定扱いで再販されている。

さらにビースト戦士のリメイク玩具が大量に発売された『キングダム』でも再リメイク。続編の『レガシー』ではバズソーが発売される。

○メタルス

黒と赤のメタルハチから変身。
ビークルモードとしてF-15戦闘機に似た姿に変身できる。
正直、TVで出なかったのがもったいないぐらいめちゃくちゃかっこいい。*3

○リターンズ

「スラスト」として販売。
顔の付いた謎バイクに変形する。
大きめのサイズの初期版と、ダウンサイズした代わりに劇中に近い後期版の2種類がある。
初期版は『リターンズ』の他の玩具に漏れず、腕が伸びたりの謎ギミック満載。
どちらも玩具オリジナルでタイヤを分割してちゃんとした脚になる。

【余談】

声を担当した加藤賢崇は俳優・声優・ミュージシャン・DJ・漫画家・映画評論家等々多くの肩書を持つマルチタレントで、
実は芸歴だけならレギュラー陣の中では千葉繁(1972年デビュー)・中村大樹(1981年デビュー)に次ぐ3番目(1982年デビュー)、途中参加組で子役出身の岩田光央(1977年デビュー)・神奈延年(1971年デビュー)・愛河里花子(1974年デビュー)を入れると6番目のベテランである。
一度ブラックウィドーに対して先輩風をふかした事があったが、これはブラックウィドーが新入りなのと、ブラックウィドー役の柚木涼香(当時は永椎あゆ美名義)が、今作がアニメ声優デビュー作であることを掛けた楽屋ネタ。

アニヲタ諸兄にはピンと来ないだろうが、サブカル界隈においては超大物であり、ナゴムレコードの旗揚げに関わった一人という輝かしい歴史を持つ。

音響監督の岩浪美和とはVシネマの仕事で一緒になった縁で声をかけられた。
なお声優としてはこれがデビューではなく、吹き替えについては昔からその特徴的な声を買われてちょくちょく当時参加していた。

ワスピーターはそんな加藤にとっては声優として本格的な活動開始となったキャラクター(デビュー作ではない)で、当人は強い思い入れがあるという。
元々お笑いの大御所と仕事をしていた経験から、面白いことが出来る人として集められたが「アニメの声優が面白いことを言えるのか?」と下に見て疑問視していたが、
実際一緒に仕事してみると「なんで普段からやらないんだろう?」と思うくらい面白くて度肝を抜かれていたらしい。

独特の声質により、あのアドリブの帝王をして、「どんなに演技してもその声だけで負けちゃう」といわしめる程のキャラクター性を爆発させている。
下手に格好つけようとして「余計な芝居をしないでください」と他所の現場などで言われたとのことだが、本作でのアドリブは程々で、脚色された台本をきっちり呼んでいることが多い。
むしろビースト覚醒のリハのアドリブにもあるようにギリギリのネタを投げがちなようで、「すごく面白いけど拾いづらい」らしい。*4

加藤はこれがきっかけで声優としての仕事が増えると思っていたが、実際には全然増えなかった。
先の通り、別のジャンルでは超大物ということもあり、CMのナレーション等でないとなかなか呼びづらいようである。
前述のワスピネーターやインセクティコンといった虫枠か、ファイアボールぐらいである。
これをネタにされてプライムまで引っ張られたくらいである。*5
まあ同僚のスコルポスの中の人も似た様なもんだし、後続のビッグコンボイファイヤーコンボイの中の人(共に俳優メイン)だってアニメ主役やっても声優仕事は増えなかったから…。

その後加藤は『トランスフォーマー アーススパーク』にて、初の虫とは無関係のキャラ、スインドルの吹き替えを担当している。ワスピーターと同じ声で語尾に「~スィン」をつけ、アドリブも健在等、当初はワスピーターのようなコメディーキャラのように思われてたが、
後にいい人そうなそぶりを見せて子供たちを騙す、本性を現した時には容赦なく子供に銃を突きつけるなど、かなりの悪人であることが判明。
この時もワスピーター声のままだが、声の抑揚が薄くなるなどで冷酷さを感じさせ、ワスピーターの声でも怖くみせられることが判明した。


作中の不死身っぷりは「スタースクリームに憑依されたから」と推測されることがあるが、実際には不明。
ただし、「千葉トロンがリターンズで有機生命体が嫌いになったのは、メタルスで初代メガトロンのスパークを取り込んだため」とされているため、可能性はある。
また海外における玩具設定のみであるものの、「メタルスワスピーターのビークルモードがジェット機風なのはスタースクリームに憑依された影響」とはっきり明言されている。

やられ役の多いワスピーターだが、勝ち星が一つも無いわけではなく、シルバーボルト相手だと何度か不意打ちで勝っていたりする。
まさかリターンズでそのシルバーボルトと間違えられることになろうとは…。

「ぼくちゃん100点なんだぶ~ん。ですますは、0点」
「マジっすかー!?」


トランスフォーマー アニメイテッド」では海外名準拠である「ワスピネーター」として登場。
こちらでは「ワスプ」というオートボットが紆余曲折あり「ブラックアラクニア*6」に改造されてこの姿になった。
ワスピネーターになってからは加藤が演じているうえ、声に関してもビーストウォーズ時代とあまり変わっていない。
ちなみにワスピーターお得意のバラバラ芸も健在である。


玩具展開「トランスフォーマージェネレーション」ではマイクロン・ワスピネーターとして登場。
ロボットモード・ビーストモードに加えてウェポンモードへの変形も身に付け、因縁深きスタースクリームとコンビを組む。
デストロンのくせにお人好しで、自己中なスタスクとの組み合わせはデストロン一の変わり者コンビとして認知されている。
スタスクとは初対面から不思議と馬が合い、お互い一心同体であるかのような抜群のコンビネーションを発揮する。
この世界のスタスク(G1世界とは別時空)もやっぱりニューリーダー病を発症しているが、ワスピネーターはいつもその計画が失敗することを知っているかの様な笑みでスタスクを見ているという。
…こいつあのワスピーター本人じゃね?

元々は第2シーズンの一話(日本語版ではメタルスの1話)でスコルポステラザウラーと共に死亡する予定だったが、原語版のディレクターが「唯一のコメディリリーフ的な存在」「インターネット上で人気がある」などの事を直訴し、結果的に生存したという逸話がある。


ワスピーターで~す、追記・修正と蜂蜜集めに行ってきまーす!


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最終更新:2024年04月05日 19:50

*1 玩具の設定ではできるらしい

*2 おそらくはネメシスの砲撃から原始人を守ったと思われる

*3 TVでハブられたのは「アクションが代わり映えしない」という『大人の事情』からだったらしい…

*4 ちなみに同ビースト覚醒のPVでは「(自分達が出演できないのは)◯◯◯◯・◯◯◯の陰謀だブーン」とぶっ込んで周囲をじわじわとウケを取り、岩波に「ダメだよ◯◯◯◯はww」と爆笑させている。ちなみに伏せ字の部分は全て規制音で消されていたが、恐らくイーロン・マ……

*5 ちなみにアニメの仕事募集のネタは台本であり、アドリブではない。岩浪美和監督も随分と酷いネタを振るものである。

*6 ブラックウィドーの海外名。こちらも柚木が演じている。