登録日:2025/01/26 Sun 20:42:17
更新日:2026/08/18 Tue 21:58:15
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いらっしゃいませ! どんなパソコンをお探しですか?
インターネットください。
当項目では、
パソコンのパーツや周辺機器について解説する。
パーツの基礎知識の他、
- 自作パソコンでのパーツ選び
- 既に持っているパソコンの一部の換装
- BTO品・メーカー品・中古品等のパソコンの購入
等、パーツ選定の目安を知りたいという方々は、ぜひ目を通していただければ幸いだ。
特に悪質な業者による中古パソコンや激安パソコンの一部には、
- 「高性能なCPU・グラフィックボードを搭載!」
- 「最新ゲームもプレイ可能」
- 「最新のOSを搭載!」
- →必要な性能を満たさずにインストールしたせいで、OSすらまともに動かない。他にもライセンス認証がされていないOS等が搭載されている例もある。
といった曖昧な文章を使い、型落ちや低性能のパーツを使っている事を半ば隠している事例もあるので、パーツについて最低限の知識を付けてから購入する事をオススメする。
【自作に関する事】
自作パソコンの個別項目から当項目にやってきた方々は、まずは用途と予算を考えよう。
以下は、2026年時点の予算の例。メーカーパソコンやBTOパソコンを探している場合も概ね同じ価格帯と考えて差し支えない。
ゲーム機よりも高性能のゲーミングPCは、最低でも15万円(モニター等の周辺機器を含まず)。
それも、ゲーム機では仕様が画一化されている事による最適化の利点もあるので、カタログスペックが上でも動作面を同等以上にするなら、もっと資金が必要な事もある。
15万円は相当切り詰めた上での額なので、最新の3Dゲームを快適(標準画質以上かつ60fps以上)に遊びたいならば
20万~30万円は確保したい。
更に最高画質を目指す、大量の
MODを導入する、並行して生配信などを行う、動画編集など他の用途でも使うなら、それ以上の予算が必要になる事もある。
また、古いゲームでも膨大なデータを処理する可能性があるゲームでは、それに見合ったスペックのPCが必要になるだろう。
遊びたいゲームの要求スペックを必ず確かめてから検討しよう。
PCからゲーム機のゲーム配信をする場合は、10万~15万円程度。
PCではゲームをやらず、ゲーム機で遊ぶゲームを生配信したい場合は1〜2万円台のキャプチャーボードを追加購入する必要があるが、ゲーム部分への負担が無くなるので、そこそこのGPUで問題ない。
知り合いと画面共有する程度ならグラフィック出力可能なCPUや、GPUに依存しないハードウェアエンコードのキャプチャーボードで十分可能。その分、CPUやメモリの増強に回すと良いだろう。
創作活動になると、これは本当に作業内容や使用するソフトウェア等による。
本格的な創作活動をするなら、20万~30万円の予算を最低限確保したい。画像生成AIの運用も、この辺りの価格帯から視野に入る。
プロにもなると数百万円のPCを使っていたり、高額なPCを何台も併用しているなんて事例も珍しくない。
動画制作ならGPUやCPUを高性能にする事でエンコードの時間を縮められるし、
DTMならメモリとストレージをたくさん積まないと大容量な音源データに食われてしまう。お絵描きや音楽制作なら、PC以外の機材に必要な経費との兼ね合いも出てくる。
「自作」の範疇からは外れ、事実上BTOを含めたメーカー製しか選択肢がなくなるが、
持ち歩いて外でも本格的に使いたいなら、最低でも15万程度は予算を確保した方がいい。
モバイルPCというのは「持ち歩きに耐えられる物理的な強度」「省エネ性」「軽量化」を全て成立させるため、意外とハイコストになりがちである。ある程度以上に快適に使える性能も必要とすればなおさら。
特に本格的な現場仕様のPCになると、30万円以上とゲーミングPC並の値段になる事も珍しくない。
「
スマートフォンの延長線で使えるような、ひと昔前で言うネットブック程度のサイズの超小型機」でも大体同じ位である。この手の超小型機はニッチ過ぎて数が売れないので、必然的に(特に性能と比べて)割高になりがちなのだ。
また、使用するソフトや機器が動作条件を満たしているかも重要。カタログスペック上は満たしていても「特定のメーカーのCPUやGPUしか動作保証していない」「業務用モデルのCPUやGPUしか動作保証していない」という場合がある。
なので極めて低確率ではあるが、ゲーミングPCの感覚で「こっちの方が同じ値段でスペックが高いから」「同等の性能で安いから」と使用したパーツがサポート外で、万が一相性問題が発生してしまったら泣き寝入りとなり目も当てられない。
動作保証しているパーツの組み合わせなら、仮に同様の相性問題が発生してもソフトベンダー側が問題解消に動いてくれる可能性が高まる。
更に、仮想通貨マイニングや高度な科学技術計算のような大規模な計算なら、ゲーミングPCよりも遥かに高性能なGPUが1枚どころか何枚も必要な場合もある。そうなると数十万円ではとても済まない事も多い。
ネット閲覧・データの母艦・オフィス用ソフトといった一般的な運用であれば、10万円で事足りる場合が多い。
ぶっちゃけ、これらの用途なら無理に自作を検討する必要もなく、後からストレージの交換が可能な既製PCで問題ないか再検討すべきだ。
ストレージ容量の大きさなら、PCそのものに比べてかなり安価に増やしやすく、後からでも継ぎ足せるので、そこまで予算に敏感になる必要はない。
テレビ・ビデオとしての機能も継ぎ足すなら、更にそれぞれ1万5千円程度足せば十分。
但し、10万円を切る価格で組もうとするとフリマアプリ等の世話になるが、この方法ではロクに動かないポンコツパーツを掴まされる可能性が一気に跳ね上がるので、初心者には勧められない。もちろん、自作パソコンを複数回組み上げている経験者なら話は別だが……
自作であっても「動けば御の字」以上のものは完成しないので、出費を切り詰めるならその辺りは割り切るのが賢明。
ゲームプレイや創作活動には心許ない……どころかアプリケーションが動かない可能性すらあるので、そういった用途で購入・自作する事はオススメしない。
パーツを決める方法の例
Linuxを使わないならWindowsを選ぼう。基本的にはWindowsで問題ない。
Windowsの場合、エディションが用途に合ったものかを確認する。数台以上の並列運用や、Linuxのノウハウを使いたい、その他システム面に深入りしたい理由があるならPro、それ以外ならHomeを。動画視聴やゲームなどの一般的な用途であれば、Homeでも問題ないはずだ。
パッケージ版かDSP版かは後で決めても構わず、オンライン前提ならHome→Proのデジタルアップグレードも可能。
- 2. 物理的なパーツのうち、最初に考えるべきはグラフィックボード(GPU)。
用途上必要かどうか、もし必要ならどの性能が必要かを考えよう。
他のパーツよりも先に選ぶのは、GPUの性能は他のパーツの性能に足を引っ張られ易いから。CPUやメモリを先に決めてしまうと、GPUの性能が制限されてしまう事も多い。
「そのGPUがどの位の能力を持つか」の検証データは、ネット上にたくさん転がっている。ベンチマーク(性能検証用の高負荷なプログラム)の結果や実際のゲームでのフレームレートを参考に、必要な性能と予算を天秤にかけながら選ぶべし。
ちなみにGPUを内蔵しているCPUも存在し、3Dゲームにあまり手を出さないならそれで済ませて「GPUは買わない」という選択肢もある。GPU搭載タイプでも、後からGPUを買い足してそちらに切り替えられるので、懐が寂しいならこの買い方がオススメ。
ただしその場合でも、「後からGPUを買い足す予定」なのか「GPUを買うつもりはない」のか、前者ならば何を買い足すつもりなのかははっきりしておこう。付け足す時に無用な買い替えを防ぐためである。
一般的な用途ではここが一番PCの性能を左右する。
GPUを使わないなら、GPU機能を持ったCPUを選ぶ事。画面が映らなくなって困るぞ。
GPUを使うなら、CPUが足を引っ張る現象……いわゆるボトルネックがなくなるようCPUを選ぶといい。こちらも検証データが大量にレビューされているので、提灯記事に注意しながら参考にしよう。
この容量によってできる事とできない事が出てくるため、重要性は非常に高い。
メモリの速度についてもGPUを使いこなすなら重要だが、あまりボトルネックにならないので、できればでいい。
CPUを決めると取付可能なCPUのソケットが決まり、チップセットもある程度絞られる。メモリにも規格が存在するので、正しい規格に対応したマザーボードを選ぶ事も忘れずに。
メモリの相性問題を気にするなら、マザーボードを決めた後にマザーボードメーカーのメモリ対応表を確認。もしも動作確認ができていないなら、同じ規格や容量で対応表にあるメモリに変更しよう。
PCのサイズと外部接続端子、そして拡張性が全て決まってしまうので、PCの外に何を置くかについてはここまでに考えておこう。
その他の内蔵パーツもマザーボードより前に決めておこう。拡張スロットが足りないのはもちろん、GPUで余計なスロットが塞がるとか、M.2の排熱が塞がるようなクソ配置のやつだと悲惨な事になる。
現代のマザーボードなら基本的にM.2端子とSATA端子は最低1つずつ備えているので、M.2 SSDにせよSATA SSDにせよHDDにせよ、基本的に普通の用途には充分。
何なら後からでも継ぎ足せるので、現状の必要に応じたもので構わない。
- 7. ここまで来たら、冷却装置以外の消費電力は決まっているはず。
冷却装置は誤差の範囲として、電力に合った電源を選ぼう。安定動作や静音化、拡張性のマージンは必要性と予算に応じて。
- 8. ほとんどの構成部品が出揃ったところで、PCケースを決めよう。
マザーボードと電源装置が決まれば、それを収めるケースの規格も決まってくる。
組み上がったPCの最高にイカス……かはさておき、無骨にカバーするかスケルトンで見せるか、外見をお好みにキメていこう。
逆を言えば「このケースで自作パソコンを作りたい!」というタイプの人であれば、そのケースに合わせてマザーボード等の規格を決めていく流れとなる。
特に初心者の場合は、冷却装置は最後に決めよう。空気の流れ(エアフロー)はケース(PCの形)が決まらないと分からないし、そもそも冷却装置がケースに入らなかった・他の部品とCPUクーラーが干渉した……なんて事もある。
CPUクーラーについても、初心者ならここでいい。よっぽどハイエンドなCPUを選ばない限り、対応した形状と冷却性能のものが必ずあるはず。
透明なケースを使うなら、光って回るクーラーを選ぶのもいいだろう。合わせて映えるものを選ぶとテンションが上がったりするかもしれない。
- 9. 後はマウス、キーボードといった入力装置や、ディスプレイやスピーカーといった出力装置を。
せっかく高額なGPUやサウンドカードを買ったのならば、それに相応しいデバイスで応えよう。
11. そして前のPCからの環境移行という地獄が始まります。
【パソコンを構成する主なパーツ】
パソコンは複数のパーツからなる製品である。
そして時代と様々なニーズを経た結果、パーツ単位で独立しており、個別に組み合わせたり換装したりできるようになっている。
CPU ※必須
中央演算装置。人間でいう「脳」にあたる。これの性能が高いほど
- PCの動作が速くなる
- 同時に複数のアプリを扱える
- フリーズ等に強くなり、日頃のメンテナンスの手間が減る
など、性能の良し悪しを直接左右する重要な部品。「せっかく作るなら性能のいいパソコンが欲しい」と考えている人は、まずこのCPUとメモリにお金をかけよう。
CPUは明確な寿命と言えるものがなく、無茶なオーバークロックや不十分な冷却でダメにしなければ、良いものを長く使っていき易い。
ただ、実を言うと
現代のCPUは全体的に質が良く、頭打ちの感がある。
3Dモデリングや4K動画編集等、よっぽど複雑な作業をするつもりでも無ければ、大抵は一般的な製品で間に合う。
また、性能の高い(≒値段が高い)物ほど同じ用途でも消費電力や発熱が増えてしまうので、
高いからといって必ずいい訳でもない。いいものが欲しいからと考えなしに「
一番いいのを頼む」と店員に頼むのはNG。
初心者なら「そのPCで何をしたいのか」、経験者なら「要求するスペックはいくらなのか」を誰かに相談するよう、強くオススメする。追記者の主観だが、よっぽど異常な使い方をするのでもない限り、店員や詳しい人におすすめしてもらった手頃な商品で十分に事足りるはずだ。
概ね、その製品のグレードと世代によって性能が決まる。
CPUのメーカーはIntelとAMDの2社だが、どちらを選ぶかは好みで。
かつてはIntel一択の状況が長期間続いていたが、2017年にAMDからRyzenが登場し、これが目覚ましい性能向上を続けた事と、Intelが何回か重大な不祥事を起こしている事による忌避感から自作er的にはAMDが逆転している。
ただし製造量と知名度ではIntelの方がまだまだ上なので、既製品等を含めたPC全体でのシェアは今もIntelが7割を占める。
自作界隈でも例外ではなく、Ryzenの最新モデルが売り切れだったので旧モデルかIntel Coreシリーズのどちらかで泣く泣く妥協なんて事も……
CPUそれ自体の構造や仕組みについての詳細な解説は、当Wiki内の
個別項目を参照。
大まかには以下の通り。
| Intelの場合 |
ブランド名 |
| ▲高グレード |
Xeon W |
|
Core i9/Core Ultra 9 |
|
Core i7/Core Ultra 7 |
|
Core i5/Core Ultra 5 |
|
Core i3 |
| ▼低グレード |
Intel Processor |
| AMDの場合 |
ブランド名 |
| ▲高グレード |
Ryzen Threadripper |
|
Ryzen 9 |
|
Ryzen 7 |
|
Ryzen 5 |
|
Ryzen 3 |
| ▼低グレード |
Athlon |
グレード間の違いとして一番目立つのはコア数であり、Core i3・Ryzen 3なら4コア、Core i5・Ryzen 5なら6コアのように大体決まっている。
しかし、同じグレードでもコア数が違う場合があるので注意。例えば同じ「Ryzen 9」でも、12コアのものと16コアのものに分かれている。
主流はRyzen 3~7と、Core i3~i7/Ultra 5。それらより上はいわゆるハイエンド、性能を求める人が買うコスパ度外視モデルである。
特にIntelの「Xeon」やAMDの「Threadripper」「EPYC」といった最高グレード品は、同様に単品販売されているものの、本来はサーバーやワークステーション等に使う業務用品である。
近頃のCPUは、内部の設計が更新されてもグレード名が変わらない事が多く、よく「第○世代」という呼ばれ方をする。型番で見分けはつくのだが、いかんせん紛らわしい命名規則である事に変わりはない。
同じ商品名・コア数・周波数でもより新しい世代のCPUは全体的に性能が向上するので、うっかり古い世代のCPUを買う事がないようしっかり調べる事をオススメする。
逆に、若干の性能差に目をつむって値崩れした前世代品を使うという手もあるので、そこは財布と相談しよう。
デスクトップPCにおける2026年7月末時点の最新世代は、Intel CoreがUltra 200番台、AMD Ryzenが9000番台。
なお、AMD RyzenではCPUの型番(モデルナンバー)と内部設計(アーキテクチャ)の関係がえらく複雑怪奇になっていて、特に注意が必要。
モデルナンバー 番台 |
アーキテクチャ |
| 9000 |
Zen 5 |
| 8000G |
Zen 4 |
| 7000 |
|
|
| 5000(G含む) |
Zen 3 |
| 4000(G含む) |
Zen 2 |
| 3000(G除く) |
| 3000G |
Zen+ |
| 2000(G除く) |
| 2000G |
Zen(初代) |
| 1000 |
※6000番台はデスクトップ用に開発されておらず、欠番。
CPUには形状の規格が設けられており、マザーボードには対応するソケットがついている。
しかし、IntelとAMDは競合同士なので規格を統一しておらず、雑に選んでしまうと「IntelのCPUを買ったのにマザーボードがAMD用なので取り付けられない」という事態に見舞われる。
更に世代によってソケットの形が定期的に変わるせいで、どの世代なのかも考慮する必要がある。特にIntelは変更頻度がやたら高く、AMDでSocket AM4が導入された2017年に、IntelではLGA1200より1つ前のLGA1151 v2が導入されていた程。
PC本体を丸ごと買い替える事が多い既製品では、ソケットの変更頻度が高いと新しい通信規格等への対応が早い点がメリットとなるが、パーツを個別に取り替えながら徐々に性能を高めていく事が多い自作PCでは、変更頻度が低い方が古いマザーボードに最新のCPUをセットできるので歓迎されやすい。
大抵は通販でも店頭でも対応規格がCPU・マザーボード双方で明記されているので、きちんと確認しよう。
| \ |
一般向け/メインストリーム |
超ハイクラス/エンスージアスト |
| Intel |
・Core Ultra 200:LGA1851 ・Core i 第12~14世代:LGA1700 ・Core i 第10~11世代:LGA1200 |
・Xeon W 3400:LGA4677 ・Xeon W 3300:LGA4189 |
| AMD |
・Ryzen 7000~9000:Socket AM5 ・Ryzen 5000以前:Socket AM4 |
・Threadripper 7000~9000:Socket sTR5 ・Threadripper 3000:Socket sTRX4 |
CPUがフルパワーで動作している時、CPUが発する熱量の最大値を表す。単位はW。これが高いと、より強力な冷却装置(後述)が必要になる。
例えば、市販品のCPUクーラーには対応できるTDPの上限が設定されており、それに収まるCPUを選ばないとCPUを十分冷やしきれず、PCが緊急シャットダウンする(後述)等の障害が起こりやすくなるので注意。
実はこれ、CPUの中の消費電力とは違っている。だが「TDP=最大消費電力」と消費者に勘違いされる事が多かったり、TDP表記と実際の消費電力が大きく乖離していたりした。
このためIntelは第12世代Core i発表と共にTDPに代わる新たな指標として、平常時の消費電力を示す「Processor Base Power(PBP)」と、フルパワー時の最大消費電力を示す「Maximum Turbo Power(MTP)」を考案・採用した。
一方AMD CPUでは「TDP=最大消費電力」と考えてもほぼ間違いなかったので、特に大きな問題にはなっていない……はずだったが、後に「Platform Power Threshold(PPT)」と呼ばれる指標を導入し、Intelに追従している。それでもIntel製CPUに比べると大人しめの数値である事が多いが。
技術の最適化を分かりやすく感じられる部分であり、2020年代に入るとスペックと共に実消費がかなりインフレしていたものの、2026年時点の最新モデルでは減少傾向に転じている。
なので、ちょっと前のモデルで済ませようと思ったらビックリする程消費電力が高かったりするので注意。
製品によっては、CPU内部にGPU回路を搭載しており、後述のグラフィックボードがなくとも映像出力ができる(≒そのままPCが使える)。
しかし大抵は性能は低く、ゲーム用途にあまり適していない。(AMD Ryzenのうち、型番に「G」とつくものは除く)
昔は無いよりはマシ位に見られがちだったが、着実に性能を上げており、詳しくはグラフィックボードの項で触れるが、オマケ・保険程度と侮れるものでもなくなっている。
内蔵GPUを搭載していない製品は以下の通り。
◇Intel Core:型番に「F」または「X」とつくモデル
◇AMD Ryzen 5000番台以前:型番に「G」とついていないモデル
◇AMD Ryzen 7000番台以降:型番に「F」とつくモデル
ここから下は選び方にあまり影響しないが、予備知識として覚えておくと便利。
コア数とは物理的な演算回路の数で、スレッド数はOSで認識される論理上のコアの数の事。前者は「物理コア」、後者は「論理コア」とも呼ばれる。
基本これらの数が多ければ多い程単体のCPUが同時に処理できる仕事が多くなり、総合的な処理速度も速くなる。
2024年8月時点では4~8コア(Intelの場合はPコア)が主流で、10コア以上はやや玄人向け。
特にAMDのRyzen Threadripperにもなると、最大96コアとかいう冗談みたいな数に達する。
1コアにつき2スレッドで動作するのが基本的だが、近年のIntel Coreシリーズに限り、その機能が失われつつある。
というのも、Core iの第12世代からはCPUコアが2種類に分かれ、高性能だが消費電力も高い「Performanceコア」(Pコア)と、性能はそこそこだが電力効率が良い「Efficientコア」(Eコア)を組み合わせた設計になったことが関係している。
Core i 第12~14世代では、Pコア側が1コアあたり2スレッド動作可能で、Eコア側は電力効率優先で1スレッド動作に留める運用をしていた。しかし現行のCore Ultra 200番台ではPコア側でも電力効率を求めることになり、1スレッド動作になった。
「クロック周波数」とも言われる。
「●.●GHz」の数字が高い程性能が良い……のは確かだが、実際にはCPUの設計思想がグレードや世代毎に違うので、性能の指標として単純には比較できない。
現実には「同じグレードかつ同じ世代のCPU」であれば、動作クロックが速い方が高性能と考えていい。例えばクロック数の高いRyzen 5より、クロック数が低くてもRyzen 7の方がシングルコアの性能も高かったりする。
また、大半のCPUには定格のクロックの他に「ブーストクロック」が設定されている。これはマルチコアを上手く活かせないソフトウェアを使う際に、一時的に特定のコアだけ定格を超えたクロックで動作させる技術である。
後述のオーバークロックと違って保証の範囲内の動作なので、これ自体が故障に繋がる事はまずない。
ちなみに、2000年代前半までは現代ほどCPUのグレードは豊富になく、せいぜい上位ブランドと廉価ブランドの2種類の中に動作クロックの違うモデルが何個かあるといった程度で、IntelもAMDもひたすらクロック数向上に邁進していた。
が、高クロック化に伴い増大する発熱をやがて処理しきれなくなり(掃除機並みの爆音でクーラーのファンを回してもなお冷やしきれない)、クロックは程々にしてマルチコア化やクロックあたりの効率を上げる方向に両社とも舵を切る事になる。
「L3キャッシュ○MB」等の数字。大抵グレードの高いCPU程多く積まれている。
L1・L2・L3の3層構造になっているが、この辺の役割は説明が面倒難しいので、それぞれの容量が多ければいいと思うだけで十分。
地味ながら性能に大きく響くが、この辺りはコア数以上に用途に依存する。特にゲーム用途では、キャッシュメモリによる性能向上が大きい。
高性能なゲーミングPCの流行もあってか、各社様々な方策でキャッシュメモリ容量を増やす方向に舵を切っている。
特に有名なのはRyzen X3Dシリーズ(5000番台以降に存在する、型番の末尾に「X3D」と付いているモデル)の3D V-Cache。これは通常の集積回路の上にL3キャッシュを物理的に乗せる事で、通常のCPUサイズに大量のL3キャッシュを積んだものである。
超乱暴に言うと「AI処理メインの回路」。もしもローカルでAIを走らせる、つまりChatGPTやGeminiのようなWebサービスではなくPC内部で走らせるためにはほぼ必須。
一応、独立したGPUがあればAI用途によってはそれでゴリ押しすることもできるが、その場合はNVIDIA系に偏ることがある。
Intelなら「Core Ultra」シリーズ、AMDなら「Ryzen AI」シリーズがNPUを搭載している。
メモリ ※必須
「メインメモリ」「主記憶装置」「RAM(Random Access Memory)」とも呼ばれる、作業中のデータを一時的に展開しておく部品。
一般にはストレージの「引き出しの大きさ」に対応する「勉強机の広さ」に例えられ、CPUの「ペンの書き心地」と並んでPCの処理速度・マルチタスク性が上がる重要なパーツ。
このメモリ(とCPU)が一般的な意味での「PCの性能の良さ」を左右する。つまりメモリとCPUにどれだけ良いものを宛てたかでPCの基本性能が決まると言っても過言ではない。動作のもたつかない快適なPCを作りたいなら、メモリの出費をケチらないようにしておきたい。
マザーボードのスロットに接続するので、マザーボードが対応している種類を選ぼう。様々なメーカーから発売されている都合上、たまにCPUとの相性で正常に動作しない場合がある。
もし心配なら店員さんに確認してみよう。ショップによっては「相性問題が出たら別メーカーのに交換します」という保険金が付けられる場合もある。
「QVL」という、マザーボードベンダー側で動作確認したメモリのリストがあるため、その中のものを買うのも手。
近年のマザーボードなら、基本的にスロットは2つか4つ。
ここで注意点が一つ。メモリは全てセットで運用されるので、最低でも基本スペックを統一させておかないとメモリの能力を最大限発揮できなくなってしまう。
そのため、メモリを増強する時は基本的に「同じものを増やす」か「別のものに総入れ替え」の2択になる。
また、1枚・4枚の状態にはそれぞれ多少デメリットもあり、理想的なのは2枚の状態である。2枚なら物足りなくなった時に拡張の余地も残せるので、「新しく組むならメモリは2枚から」が基本と思っていい。
2018年頃より「光らすためのダミーメモリ」という物体も登場。うぃらめぇ時代のRDRAMを思い出したらおっさん確定
2025年末頃には企業レベルでのAI用途における需要増加の影響から、上位機種を中心に価格が数倍規模で急騰し、自作勢の頭痛の種となっている。
「DDR○」がメモリの形状規格。
「DDR○L」等、末尾にLがつくものは、形状は無印と同じでありながら低電圧で駆動する。
また「SO-DIMM」と呼ばれるものはノートPC用メモリなので注意。ただし超小型のPC(後述のベアボーンキット等)になるとデスクトップ型でもSO-DIMMを使う場合もあるので対応規格は調べておこう。
更に2024年にはSO-DIMMとDIMMの両方の置き換えを狙った「CAMM」なる新規格も登場。
薄型である事と配線の短さによる低レイテンシが特徴で、最新のノートPCへの搭載が始まっている他、自作用のマザーボードにもスロットの搭載が計画されている。
あとはMacの一部モデルやXeonやEpycといったサーバー用CPUは、Registered DIMMという専用のチップを積んだメモリしか受け付けない。普通に出回ってるUnbuffered DIMMに比べるとちょっと高い上に数自体少ないので注意。
2026年時点ではDDR5が主流だが、刷新が十分進み切っている訳ではないので、旧型のDDR4もまだまだ現役。
上記のDDR5なら、「PC5-○○○○○」「DDR5-△△△△」という数字が大きい程高性能なメモリになる。
だが、CPUやGPU程には性能向上に寄与しないし、しかも「PC5-57600/DDR5-7200」等の高速過ぎるメモリを選ぶとOSの起動に失敗する等、トラブルの可能性も高まる。よくわからなければ「PC5-38400/DDR5-4800」位の程々の速度にしておくといい。
また、CPUが「デュアルチャネル対応」を謳っているなら、同じ32GBでも、32GB×1枚より16GB×2枚に分割すると高速化する。市販のメモリモジュールに2枚セットが多いのはこのため。近年ではデュアルチャネルが当たり前なので、基本的にメモリは2枚ずつ使うものと思っていい。
ただ、マザーボードの特定の2スロットに挿し込む必要があるので注意。マザーによって隣り合った2スロットなのか、1つ空けて2スロットなのか違うので、必ず説明書を読もう。
なお、「PC5-○○○○○E」とか「PC5-○○○○○R」とか、末尾にアルファベットのついたものは大抵特殊用途向けなので、よく調べてから買う事。
ちなみにDDR5メモリには、4枚使うと動作速度が落ちるという、CPU側の都合による仕様が存在する。例えばDDR5-6000のメモリを4枚挿すと、公称の6000ではなく4800で動作する……といったところ。
とはいえ、先に書いた通りCPU等よりはPCの性能に貢献しない。速度よりも容量を重視するなら4枚挿しでも特に問題はない。
余裕があれば、ちょっと奮発して4枚分の容量のメモリ2枚のセットを買うといいだろう。例えば64GB欲しいなら、16GB×4枚じゃなくて32GB×2枚にするのがオススメ。
読んで字の如く、メモリの大きさ。PCの性能においては、上の動作速度よりもこちらの容量の方が重視される。
基本的に大きい程いいが、その分値段も跳ね上がる。不足するとPCの動作が遅くなるので、使いたいOSやソフトの「推奨スペック」を参考に決めよう。
2026年7月末時点では、必要最低限でも8GB、一般的には16GBは欲しい。画像処理や動画エンコードを多用する人は32GB以上必要。
OSやソフトは高速化やディスクアクセスの減少のために、メモリ容量をあればある程使うようになっており、大容量な事でデメリットが生じる事もないので多く積んで損はない。
「Windows 7前後の時代なら最低限4GBでも大丈夫」と言われたが、今のOSは「もはや8GBでも足りない」という意見が出る程度にはガンガン消費する。1つ1つは微量でもマルチタスクを加味すると負荷が嵩む場合もあるので、「この位でいいかな」の1つ上にしておくと安心だろう。
また「マザーボード側で認識できる最大容量」にも注意。合計128GB分のメモリを積んでも、マザボが64GBまでしか認識しないなら余剰分は無意味。
元は1GB・2GB・4GB……と2倍単位で容量を増やしていたのでインフレが進むにつれて間隔が広がり、「16GBだと足りないが32GBだと多過ぎて勿体無い」というような容量選びが悩みの種の1つになっていた。
そうした意見がPC業界で多かったのか、DDR5では24GBと48GBのメモリが新しく登場し、適切な容量を選び易くなった。
なお、32bit版のOSは仕様上4GBまでしか認識しない……それどころか、実際は32bit版OSが使われているであろう古いハードウェアの制約上、3.0~3.5GB程度までしか認識しないと思う方がいい。設定等で無理やり4GBまで認識させる事が可能な場合もあるが、致命的な不具合をやたら起こしやすくなる。
また、その手の界隈の人以外だと今どき見かける事は稀だが、古いPCに64bit版OSを入れた時も似たような問題が起きる事がある。一応、これらの場合でも専用のソフトウェアを使えば、残りの容量をRAMドライブとして使用可能。
グラフィックボードを使わず、CPU内蔵GPUを使う場合限定。
CPU内蔵GPUは、GPUが使うVRAM(ビデオ出力に使用するメモリ)領域をメインメモリで賄っている。
そのため、メインメモリの動作速度とデュアルチャンネル動作の有無がグラフィック周り(特に3D描画)の性能に影響する。なるべく高速なメモリをきちんとデュアルチャネルで使いたいところ。
容量についても、最大でメインメモリの半分までを上限に、自動で変動させるようになっているが、3Dゲーム等をやるなら2GB以上をVRAMに割く事があるので、少し多めに積んでおこう。
メモリに命令が送られてから、実際にメモリが動作するまでにかかる時間の事。「46-45-45」みたいに数字が並んでいるのがそれ。
この数値は「クロック数」として表されており、これをメモリの周波数で割ったものが、実時間のレイテンシとなる。
これら3つの数字はそれぞれ別の動作に対するレイテンシを示しており、
◇最初の数値はデータを用意するためのレイテンシ
◇2つ目は読み取りにかかる時間
◇3つ目は行を用意する為の時間
であるとの事。
レイテンシは短い方がデータの用意が早くなり、多少のゲーミング性能等の改善が見込めるとされる。
メモリクロックが同じでもレイテンシを短くする事で性能を上げる事ができるが、その分猶予もなくなるので、動作は不安定になり易い。当然、ユーザー側がやればオーバークロック扱いになる。
冷却装置 ※必須、だが付属品でも可
文字通り、PCの出す熱を処理する為の冷却装置。CPUを冷やすCPUクーラーや、ケースに取り付けるケースファン等を指す。
PCパーツは使用しているとかなりの熱を発し、その熱によって性能が劣化する他、最悪壊れてしまう可能性がある。それを防ぐべく、PCにはファンを始めとした冷却装置が必須となっている。
最近のパーツは自身の温度を常に測定し、一定の温度に達するとリミッターがかかる機能がついているが、折角の高性能な部品の性能が制限されてしまうのは勿体ない。
冷却性能を高める他にも、騒音を小さくするために可能な限りファンを減らす、あるいは完全なファンレス化を目指す、掃除の手間を減らすために正圧化してフィルターをつける……といった方向性もある。
空冷クーラーやケースファンを使っているならホコリは避けられない問題で、内部がホコリまみれになってヒートシンクの隙間にも入り込み、冷却できなくなって最悪PCが強制終了する。
また、喫煙者の場合はヤニまみれになったり、超音波加湿器をかけているとカルキがPC内部で結晶化したりする場合もある。
手っ取り早く高い効果を得たいからといって、冷えピタ等の冷却ジェルやアイスまくらをPCに使ってはいけない。本体内部に結露が発生して故障の原因になる恐れがあるからだ。
CPUに取り付けるクーラー。必須なので絶対に用意しよう。
もっとも、CPUを買うと大抵は備え付けのものが一緒についている。最低限程度の性能だが「メーカーがそのCPUとの併用を想定したクーラー」なのは間違いないので、特に安価なCPUならそれでも十分。
逆に上位モデルだと生半可なクーラーでは不十分なので、そもそも同梱されない事が多くなるという寸法。
クーラーが同梱されていないCPUを買ったとか、あるいは冷却性能を高めたい時等、何らかの理由で別売りのCPUクーラーを使う場合、「使うCPUに対応している」と謳っているものを選ぶか、CPUのTDP値を目安に探す事になる。
大型のCPUクーラーは、ケースやメモリー等と接触・干渉して収まらない事もあるので特に注意が必要。
昔はサイドパネルに穴を開け、ダクトや小型ファンを設置し、ダイレクトにCPUクーラーに外気を導く手法が流行っていたが、令和の現代ではほぼ見られなくなった。
理由として、サイドフロー型CPUファンが一般化してダクトに干渉しやすくなった上、CPUだけ冷やしてもあまり効果がなく、ケース全体でエアフローを考え整えないと意味がなく、他のパーツの発熱(主にM.2 SSD)で悪影響が出やすくなったという事もある。
横から見た時に目立つパーツなので、クリアパネル等で中が見えるケースを利用しているなら、ここにこだわるとカッコ良くなり易い。
注意事項だが、AMD Ryzen 5000番台以前の場合はCPU固定方法の仕様上、CPUクーラーを外そうとすると、CPUロックを掛けていてもそのままCPUごと引っこ抜けてしまう場合がある(通称「スッポン」)。
これをやらかすとCPUのピンが折れてCPU全損どころか、最悪マザーボード側のソケットが壊れて全損になるので注意。CPUクーラーを掴み、左右にねじりながら外すとスッポンを回避できる。
7000番台からようやくIntelと同じ固定方法になったおかげで、スッポンは解消された。
IntelのCPUは金属の枠でCPUの周りを固定する仕組みなので、相当変な外し方をしない限りはスッポンしないが、CPUクーラーを固定する押しピンが外す時に壊れ易いので注意。
予備というかピンも4本購入するか、ネジ止め式に変更するキットを一緒に買っておいた方が手間がかからずに済む。
PCケースにつける送風機。基本的にこれも必須だが、一部の上級者がごくまれにファンレスのマシンを組む事がある。
こちらもケースには最低限のファンが同梱されている上、CPUファンのように冷却力不足になる事はほぼないため、購入は必須ではない。
しかし、それ以上の性能を持つ別売りのファンを購入するユーザーもいれば、光らせて見た目を良くしたいがためにLEDつきのファンに換装するユーザーもいる。
標準のファンは縦横120mm、厚さ25mmとなっている。基本的にサイズが大きいもの程冷却性能が高くなっていくので、より高い静音性と冷却性能を求めるのであれば縦横140mm以上のものを、静音性を投げ捨ててでも冷却性能を求めるのなら厚さ38mmのものを使うといいだろう。
現在一般的に出回っているケースファンは縦横230mm程度が恐らく最大サイズ。当然冷却性能も静音性も段違いだが、なにぶんデカすぎて付けられるケースは限られる。
また、そもそも180mm以上のファンは流通量が少なく中々手に入らない上、そんな大きいファンを取り付けられるPCケースも極めて限られるので、基本的には140mmを上限に考えよう。
ここまでにちょいちょい「静音性」という言葉が出てきているが、基本的には「ケースファンが立てる音の大きさ」の事。初めて自作するのなら「音が大きくても平気平気」とナメてはならない。
というのも、静音性の弱いもの(特に主にサーバや産業用で使われる38mm厚のファン)はめちゃくちゃうるさいのだ。下手するとヘッドホンやイヤホンを貫通して音が聞こえる程に。
よっぽどの騒音に慣れている人でなければ不眠症、耳鳴り、難聴等の健康被害がほぼ確実に発生する。「音で体が削られている」と表現する人もいるが、まさしくそう錯覚する程にうるさいのである。
なお、グラボやCPUのファンからも当然音が出るが、それらが聞こえるレベルで高速回転するのは「高負荷が掛かる時」なので、全体的な音の出る時間で言えばケースファンよりは影響は少ない。
冷却機構そのものではないが、冷却にかなり関わる。
クーラーやヒートシンク等は、単純にCPU等チップの上に置いただけだとそれ程熱が移動せず、冷却力は低い。間に残る僅かな空気等で熱伝導率が落ちるからだ。それを緩和するにはこの粘着物で隙間を埋め、熱が伝わりやすくする必要がある。
基本的に油性ペーストを使用するので俗称は「グリス」。
CPUクーラー等には付属品がついているか、最初から塗られていたりして大抵それで十分。でもこだわる人は自分で選択したグリスを塗る。
基本的には、シリコングリスに熱を伝え易い金属粒子等を混ぜた物が多いが、中には液体金属製の物もある。
グリスに関してはかなりオカルトめいた情報が飛び交っており、その割には塗りこぼし等があるとショートして故障する等、そこそこリスクのあるもの。
特に液体金属ははみ出たら確実にアウト。また塗った時は大丈夫でも、熱膨張で膨らんではみ出しショートするだとか割れるだとかのトラブルもある。非導電性(絶縁)グリスなら安心。
なお「時間経過で乾いてダメになる」という話がよくあるが、実は単に乾いただけなら(グリスの素材にもよるかもしれないが)大丈夫だったりする。
とはいえ乾きと振動等で中途半端な接続になったり、内部に空洞が生じたりする事が往々にあるので、そうなったら古いグリスを拭き取って付属品のものでもいいので塗り直す方がいい。
外さないと分からないので、目安としてはエアフローに注意していてさほど酷使もしていないのにCPUが高熱な時(あるいは熱が原因のシャットダウン機能で気付く事もあるだろう)に行う程度。
上にも書いたが、Ryzenの5000番台以前を使っている人は、塗り直そうとする時にスッポンしないように注意。
メーカー既製のPCや、デフォルトのパーツに付属しているものでも冷却機能は基本十分であり、PCを多用していても10年以上普通に保ったりもするので、この辺りに手を加える必要性はほとんどなく、基本的には性能というよりは細部へのこだわりや興味本位によるところが大きい。
塗る際の注意点として、グリスが分離しているとロクに性能発揮しないので、特に開封済みの場合は品質が大丈夫か確認し、やばそうなら廃棄かしっかり混ぜてから使う事。
それと製品毎の性能差はほぼないが、さすがにあまりにも安いグリス(※付属品の事ではない)は熱伝導率が少し落ちるという報告もあり、高性能CPUを使う際は少し気を付けるといいだろう。
なお、グリスの他にも熱を伝え易いシート(サーマルパッド)というのもある。
2026年時点で、ちゃんとした製品ならグリスより少し熱伝導率が落ちる程度の性能差に収まるので、よっぽどベンチマークを走らせる事が趣味だとか、高性能CPUを使い倒すという人以外なら選択肢に入る。
とはいえ、破れやすかったり装着時にズレやすかったりして、グリスより取り扱いが手軽な訳ではない。毎回塗り替えるグリスにない心配事として、再利用時の耐久性もどれ程かも不明瞭。毎回新品と交換するなら気にする必要はないが……
利点は普通の人なら低頻度のCPU・グリス交換時にグリスをふき取る手間が省ける程度なので、迷うならグリスをおすすめする。
以上の他にも、PCは様々な部位が発熱するものなので、専用の冷却装置が取り付けられる事も多い。
特にCPUに供給する電力を調整するVRMや、コントローラーチップが高温になるM.2 SSDについては冷却が重要で、ほとんどのマザーボードにヒートシンクが付属している。
ヒートシンクで飽き足らず、特定の部位にファンや水冷用の水枕を接続して直接冷却する……なんて事も近年で珍しくない。
ヒートシンクでCPUの熱を吸収し、それをCPUファンによる風で放散させる一般的な冷却方法。構造がシンプルな分安価で信頼性も高く、寿命も長い。
CPU上部から風を吹き付けるトップフロー型と、ヒートシンクを立てて横から風を通すサイドフロー型の2種類がある。
トップフロー型はCPU以外のパーツもついでに冷やす事ができる。一方サイドフロー型はケース内をスムーズに風が流れるのでCPUの冷却性能が高くなる。好みで選んでも問題ないが、サイズの吟味は欠かさずに。
後述の水冷と比べてメンテナンスはかなり楽で、故障していなければ定期的にPCの電源を落としてからホコリを除去する程度でいい。現代のCPUなら空冷が壊れてもサーマルスロットリングにより(なるべく早期のメンテナンスは必要だが)致命傷になる確率も低い。
スサノヲやジェネシスなど、トップフローで高い冷却性能を得るべく変態と化すCPUクーラーも稀によくある
CPUを購入すると付属するのは、基本的にトップフロータイプの空冷クーラー。部品自体の精度や質は決して悪くないが、付属品という性質上、静音性は劣悪で冷却性能もCPUを使用する最低限度しかない。
変わり種として、巨大なヒートシンクによってケース内のエアフローのみで冷却を賄うファンレスタイプもある。モバイル用やそれに近い設計の低発熱CPUを基板に直付けしたタイプのマザーボードに多い。
空冷式の現時点での究極として、ケース外板が表面積の多い形のアルミ製になっておりヒートパイプでマザボやCPUの熱をケースに伝導させて放散する、いわばケースそのものが巨大ヒートシンクとして機能するというトンデモマシンも市販されている。
CPUの熱を冷却液に吸収させ、それをファンによる風で放散させる冷却方法。
空冷のヒートシンクを冷却液に変えた感じだが、冷却液はパイプを使って移動させられるので、冷え易いようにケースの外側付近まで運んでから冷やす事ができる。
メリットは「冷却性能の割に小型」「空冷と比べて静か」「冷却性能の上限も高い」。
特に2023年以降のCPUは性能競争の激化により、初期設定でも使い方次第でサーマルスロットリングが起こるCPUが増えているので、高性能CPUかつ全性能を発揮したいという人ならこちらを選ぶといい。後述のデメリットから程々のCPUなら基本的には空冷をおすすめする。
デメリットは「高価」「組み立てやパーツ換装に手間がかかる」他、作った後の冷却水や配管の定期点検も必要。駆動部が多く消耗品(パッキン)もある為に故障率が上がり、寿命も短め、水冷でもファンとラジエーターの定期的な掃除が必要(他部品も必要に応じて掃除)。
場合によっては水漏れや結露等致命的なトラブルを起こす可能性もあるので、挑むにはそれなりの覚悟が必要。
一般的な空冷と比べれば冷却効率の高さから静音性も比較的良好なものの、水冷も基本的にポンプとファンの音が生じるのでこちらも過度の期待はしない方がいい。
特に出力全開にするような設定だと普通に水冷もうるさくなり、確たる理由がなければPCへの負荷も無駄に高まる。
CPUクーラーに「オールインワン型」「簡易水冷」という、水冷に必要な機能をコンパクトに収めたものが出回っているので、水冷が気になったらそれから試すのもあり。自分で全て組み立てるタイプの水冷クーラーは「本格水冷」と呼ばれる事が多い。
両者の比較としては簡易水冷は本格水冷よりも安く済みやすく、導入も基本的なメンテも手軽なので、故障したら製品ごと交換という手法で比較するなら修理も圧倒的に楽でコスパもいい。
一方で冷却性能の調整が利かない上、損耗した時のメンテナンス性が悪く寿命も短め。一応、修理して使い続ける事は可能ではある。
本格水冷は簡易水冷よりも導入費用も手間もかかり、通常時のメンテナンスの手間もかかる。一方で部品交換や拡張がし易いので筐体や性能調整の自由度が高く、余程変な機構でなければ故障時のメンテナンス性も簡易水冷より良好といったところ。
悪くなった部品を修理・交換という考えが基本という事もあって、簡易水冷よりも寿命も長め。採用した部品の品質が悪かったり、作業ミスによる事故が起きたりすることもあるが、本格水冷を採用するほどの人なら経験を積んで自然と乗り越え易いだろう。
究極を求めようとすると、チップセット等の全ての発熱機器にヒートシンクを付ける事もある。
クーラント(冷却液)に蛍光塗料を少々混ぜ、ケース内にブラックライトを設置すると、各パーツを連絡するクーラントパイプがいい感じで光るので、見た目を重視するならぜひ。BYOCイベントでは超目立つ。
もう一つの考え方として、静音性のために水冷を採用する場合、CPUよりもグラボの方が高温になりやすくファンの音もうるさくなり易いので、水冷付きグラボ、あるいはグラボの水冷化を優先すべきと言う人もいる。
しかし唯でさえ高額のグラボが更に高くなり、水冷化改造した時点で保障対応外になり(メンテはともかく、水冷化改造は一般的ではない)、上記のCPU水冷のデメリットもそのまま追加される。
グラボの項目にも書いてあるが、一般的ではないので2026年時点で迷うようならこちらも空冷を選んだ方がいいだろう。
冷却水を常温以下に冷却して循環する装置。構造上、本格水冷でしか使えない。
ラジエーター代わり、もしくはラジエーターの後に設置する事で冷却性能を上げる事ができる。
温度調整が容易なので、ペルチェ素子よりも結露対策はし易いが、値段と電気代からコスパ的にはネタの範疇か。
電圧を加える事で一方の面を低温、もう一方の面を高温にできる素子。CPUに低温側を貼り付ける事で、CPUを常温以下の温度に冷却できる。
熱力学を学んだ人なら分かると思うが、高温の面はCPUの温度を下げた分よりも更に熱くなる。
もちろん、そのままでは継続的な冷却は不可能なので、空冷や水冷の接着面に利用して限界性能を高めるための補助的な手段として使われる。
……のだが、ペルチェ素子はそれ自体の消費電力も大きいせいで、電力効率が非常に悪い。更に素子の温度が他の部位や外気に比べて相当な低温になり、温度に合わせて上手く出力をコントロールしないと結露の危険性も出てくる。
これらの弱点から、2000年代前半に一時期注目されたものの、すぐにこの冷却方法は廃れてしまった。2010年代末以降は、温度調整プログラムと併用してペルチェ素子を採用した水冷クーラーが再び登場したものの、やはり主力にはなっていない。
/!\ 上級者向けです! 真似しないでください! /!\
CPUと言えば、多くの人が緑色の基板の上に大きめな鈍色の金属が乗っている様を想像するだろう。
しかし、あの金属は実はただのカバー(ヒートスプレッダー)であり、CPU本体ではない。本体であるシリコンダイはその内部に隠されている。
そのカバーを取り外し、シリコンダイを直接冷却する、もしくはシリコンダイとカバーの間に塗るサーマルペーストを交換する事で最大の冷却効率を目指す……というのが「殻割り」である。
当然、メーカーが想定している使い方ではなく、取り外す方法も万力等で強引に行う力業なので、加工・実用共に大きなリスクが伴う。実用上有意な程の違いが感じられる訳でもないらしいので、気軽に真似してはいけない。
(×) 超上級者向けです! 真似しないでください! (×)
極まった者は更なる冷却効率を求めてより高みを目指すという。
ちなみに水冷とは違い、こちらは平たく言えば
PCの基幹部分全てを冷却液の中に沈めるというとんでもないやり方。
呼称に液名をつける事もある。油冷なら油の中に、海冷ならなんと
海に基板をドボン。
超ダイナミックな冷却方法。海冷ならば冷却コストは0円と大変お安い。
……言うまでもないが、相当な手間がかかる。
やってる人間はいない事もないが、それこそどこぞの大学の研究でだったり、スパコンのような大規模なサーバマシンを保有する巨大IT企業だったり、あるいはアニヲタWikiを見る時間すらPCの改造につぎ込むような究極のド変態だったり……と正に「研究」と呼ぶべき領域であり、人生を捧げるレベルにのめり込まないと割に合わないのが現状である。
とはいえ、海冷は業界最大手のMicrosoftが大真面目に実験しており、将来的に実現するつもりで全力で取り組んでいるので、いずれは膨大なデータを保有するIT企業等にとって、海冷を含めた液浸冷却も風冷・空冷に次ぐメジャーな冷却方法になるかもしれない……
なお思わぬ影響でむしろすぐに壊れたり、壊れずともメンテナンス困難になる事で簡単に修復できなくなったりするので、あくまでも特殊な用途・研究・ネタ目的で行われる代物。基本的に逸般の誤家庭一般家庭の実用目的ではない。
個人でやるにしても、壊れても構わないマシンをぶち込むのが精々。
上記の極まった者達とはまた違った、開き直ったアプローチ。
ケースを必要最低限の骨組みで済ませるか、もしくはサイドパネルを取り外し、扇風機の風を直接当てて冷却する方法も存在する。
ケースファン方式の極致とも言え、ケース内のエアフロー(空気の流れ)をそこまで考えなくてもいいので、当然ながらケースファンと比べて圧倒的に冷却性能は高い。冗談みたいな方法だが、特に夏場は冷房の風を直接当てる事も可能で、これで凌ぐ者は少なくない。
何より最大の利点は家電なので入手性に優れる事。そこら辺のホームセンターでもよりどりみどり。
弱点としては、当然ながらパーツ類がむき出しなので飲み物をこぼす、物を落とす、あるいは虫や小動物の進入に気を使わなければならない事と、ホコリに対してはフィルターを付ける事もできないせいで完全な無策となり、特にCPU・GPUファン周りはホコリがべったりになり易いので、マメな掃除を心がけよう。
また、PCのケースにはエアフローを整える役割もある。単にサイドパネルを開けているだけでは空気の流れがどこかで滞り、却って冷却性能が低下する事もあるので、一概に開けっ放しが有利という訳ではない。
ただ、気軽にメンテナンスできる長所もあるので、ペットがいない環境かつ、諸々を気を付ければやはり便利。
過去には株式会社サイズが、「Propela」という扇風機サイズのケースファンがついたケースを販売していた。
銅やアルミのパイプ内に封じた液体が、熱されて気化し、冷やされて液体に戻るのを繰り返す熱交換用パーツ。一般的な水冷とは似て非なるもの。
これだけではデスクトップPCで使うのは難しく、ヒートシンクにつけて使われる。
とにかく冷やして効率を良くしたいと思う製作者の、ロマンと夢の終着点。「氷点下の物質を使えば冷えるじゃん?」という脳筋極まりない考えのもとに実行される。そりゃ冷えるよね、-196℃と-79℃だもんね。
やり方はCPUの上に熱伝導率の高い銅の容器を置いてその中に入れるか、CPUに直接ぶち当てる。
この方法はあくまでCPUの動作速度がどこまで出せるのかという実証実験や、IT企業主催の競技オーバークロック大会等で使われる一時的かつ超限定的な方法であり、一般の自作PCに常用するものではない。いわゆるネタ枠。
これらの物質を扱う機会がある場合、極低温から守るだけではなく常に換気を行い、密閉した部屋では絶対に取り扱わない事。
直接の毒性はないが、換気を行わないと空気中の酸素の割合が減る事による酸欠・窒息事故の原因になるからである。
マザーボード ※必須
CPUやメモリ等を接続する基板で、PCの拡張性を決める。
他のパーツを支える土台のような存在なので、買う時はコレ以外のパーツを先に決め、それに対応しているマザーボードを選んでいくのがいい。
また、無線LANに対応した製品もあるので、家のネット環境とも相談する必要があるだろう。
なお、最後に決めていいという事から分かるように、拡張性以外のスペックへの影響は小さめ。
とはいえ、安価な製品ではハイエンドなパーツの機能に対応しておらず、性能をフルに活かせない事が多々ある。最新のCPUに最新のマザーボードを組み合わせる事で、パーツの性能を最大限まで引き出せるのだ。
マザーボードの形状規格。
代表的なものでは大きい順に「Extended-ATX」「ATX」「Micro-ATX」「Mini-ITX」等の規格がある。
拡張カードの数から固定用のネジ穴の位置までこれで決まる。ケースの対応フォームファクタに合わせて決めよう。
初めての人におすすめなのは「Micro-ATX」。
Mini-ITXは小さ過ぎて配線やパーツ選びの難易度が上がり値段も高く、逆にATXとExtended-ATXはサイズがデカい分、対応ケースの重量も重くなり易いので、組み立て後の重量が10kg位になる。
以前は通常のATXが主流だったが、
■基本性能はATXもMicro-ATXも変わらないどころか、小型な分だけ余計なコストがかからず優れている場合もある
■ストレージ1台の容量が増えて複数台搭載の必要性が薄くなった
■M.2 SSDの登場でストレージスペース自体が小さくなった
■拡張スロットに装備するのがグラボだけなのが当たり前という流れの変化で、「拡張スロットが少ない」という一番の欠点があまり気にならなくなった
という点から、Micro-ATXが主流となった。ただし、
■小型故の限界があり、高価格帯の製品がほぼ存在しない
■ケースの項で後述するが、Micro-ATXだからといってデメリット無しで小型のケースを使える訳ではない
という点からATXもまだまだ存在感は大きい。
なんにせよ、基本的にはこの2択となる。
「PCI Express」(PCIe)や「SATA」「
USB」、そしてメモリやケースファン等、各種拡張スロットや拡張ポートの数。
上記のフォームファクタ次第で概ね決まってしまうが、モノによってはわざわざ旧規格の拡張ポートを残していたり、USBポートを大量に装備してたりと特徴がある。PCの構成や使いたい周辺機器を確認しておき、いざ組んで見たら「あれが足りない……」なんて事がないようにしよう。
マザーボードにはPCの部品のほとんどがつながる関係上、また後々増設する可能性を考慮して、ある程度余裕を持たせる事ができればなおよし。
CPUの項でも少し記載したが、CPUとメモリには複数の規格があるので、規格に合うマザボかも確認の事。
なお、挿さるからといって適当に挿し込むと、パーツが認識されないとか全力が出せない事態になるため、説明書はしっかり読もう。
■PCIe x16スロットを2つ同時に使っていると、各スロットはx16ではなくx8で動作する
■M.2スロットを使うと、SATAポートの一部が無効化される
■メモリを複数枚挿す場合にスロットの順番を指定しているものがあり、これを守らないとPCの起動に失敗する
なんて例もある位だ。
CPUと他のパーツを中継・接続する役割を持ったチップ。これはIntelでもAMDでも各世代毎に3~4種程のグレードに分かれている。
どのチップセットを使っているかによってマザーボードのグレードが決まり、上位のものでないとオーバークロックやマルチGPUに対応していない事が多いので、事前によく調べよう。
また、チップセットの世代によってCPUソケットも違う。CPUとの組み合わせはよく確かめるようにしよう。
| CPU |
≪‐ 低 |
性能と価格 |
高 ‐≫ |
| メーカー |
ソケット |
| Intel |
LGA1851 |
H810 |
B860 |
Z890 |
| LGA1700 |
H610 |
B760 |
H770 |
Z790 |
| B660 |
H670 |
Z690 |
| LGA1200 |
H510 |
B560 |
H570 |
Z590 |
| H410 |
B460 |
H470 |
Z490 |
|
| LGA4677 |
- |
C741・W790 |
| LGA4189 |
- |
C621A |
| LGA2066 |
- |
X299 |
|
| AMD |
Socket AM5 |
B840 |
B850 |
X870・X870E |
| A620 |
B650 |
B650E |
X670・X670E |
| Socket AM4 |
A520 |
B550 |
X570 |
| - |
B450 |
X470 |
| A320 |
B350 |
X370 |
|
| Socket sTR5 |
- |
TRX50 |
| Socket sTRX4 |
- |
TRX40 |
| Socket TR4 |
- |
X399 |
上の表を見てわかる通り、Intel・AMD両社ともにチップセットの名前が似ていて紛らわしい。実際にチップセット名だけで判断して買い間違いをしてしまった事例も散見されている。
マザーボードに内蔵されている機能をオンボード機能と呼ぶ。
拡張カード等で後付けする場合に比べて性能・機能が限られる事もあるが、サウンドやLAN機能等はマザーボードに内蔵されているもので充分な場合も多い。
それらにはコストの都合からRealtek社製のIC(通称:蟹チップ)が使われている事が多い。あなたのPCでもきっと蟹が働いている……
サーバや産業向けのものでは、2D画面が表示できればいい程度の簡易なGPUが内蔵されている事も。
後述するRAID機能を内蔵したものも増えている。
後述の電源ユニットから受け取った電力を、CPUやメモリ等各パーツに配分するのもマザーボードの主な仕事の一つ。
通常あまり気にする必要はないものの、多コア高クロックのCPUでは電源回路の発熱も激しく、ここの温度が高い場合でも調整機能が働き性能が低下するため、特にハイエンド帯ではマザーボードのパーツ品質やヒートシンクの造りが重要となる。高価なマザーボードは電源回路の品質を売りにしている事も多い。
USBポートの中にも、たまにVRMに電源用の回路を直結して電力を安定化してから給電する機能が備えられている場合がある。
電力供給の変動に起因して機器に電気ノイズが流れてしまう事を防げるので、ノイズが音質に直結するオーディオ機器や測定機器、どうしても壊したくない高額な機器を接続する際にはこの様なポートを接続するといい。
電源ユニット ※必須
ノートPCでいうACアダプタ(電源ケーブルの途中に付いている四角いアレ)に該当する。
PC内部で動作に必要な電力を確保(厳密には、家庭用コンセントの交流100Vを適切に変換して各パーツへ供給)するPCのジェネレーター。
単体で電源ユニットを売っている場合もあれば、ケースと一緒になっているものもある。
CPUは「高けりゃいいってもんじゃない」と言われるが、こちらは逆に「高ければ高い程いい」とされる。
これはPCに繋げる全パーツ分の電力を賄える出力がなければいけない、土台的なパーツだからである。この電源ユニットが供給する電力よりも要求する電力が多い状態、即ち容量(ワット数)不足になると、PCを起動できなかったり動作が不安定になったりする。できるだけ余裕を持たせたい。
あと、電源ユニットは電力供給用プラグの数・形がワット数に対応するように設計されている事が多く、ワット数を超えるような繋ぎ方をしようとするとプラグの差し込み口が足りずそもそも繋げなくなるように出来ている。
組み立て中に「ん?」と思ったら選定ミスの可能性が高いので、意識しておくとよい。
安定した電力供給はPCの安定動作はもちろん、各パーツの長寿命化にも繋がるので、人によっては最重要パーツに位置づけられている。掲示板などでアドバイスをもらう時には「電源だけはいいモノを買っておけ」と言われる事もしばしば。
場合によってはHDD・SSD等の突然死の原因として、電源の不具合によるものが挙げられる(直接的な原因としては不安定な電圧、過電流等)。
そして、全てのPCの根幹を成す存在でありながら最も流用性が高いパーツでもある。余裕があればなるべくいい物を買っておこう。
また、停電等を見越してノートPCのバッテリーの様な働きをする「UPS(無停電電源装置)」を追加するのもありだが、UPSで確保できる電力は基本的に停電時のセーブやバックアップ時間、シャットダウンまでの時間を確保できる程度のものだと覚えておこう。
停電時も使い続けたい場合は大容量のポータブル電源や自家発電機が必要になる。
更に最大の注意点として、多くのUPSは瞬間停電を含む停電発生時にバッテリーからの給電に切り替わるのだが、その際に給電が一瞬止まるものが多い。つまり、UPSを置いていても停電でPCが落ちる。
止まってもその後に作業続行できればいい一般的な機械の場合はそれでも問題ないが、PCに関しては瞬停で電源が切れるかはPCの構造に依存するので、瞬停すらアウトなPCでは一般的なUPSでは無理と判断する方が無難。実際に確認するまで割と運任せになる。
どうしてもPCを一瞬でも絶対に落としたくない目的(あるいはデータ保存やサーバー等の役割)で検討する場合は、大きくなり易く値段も高くなり易いが、常時インバータ給電方式の様なタイプが必要になる。
またサージ保護のついているUPSも多いが、そうでなければ過電流対策ができていないので別途サージプロテクタを付ける場合もある。
つまりコスパが悪いので、個人でそこまで対策する事はあまりないと思われる。
停電対策は普段から小まめにデータ保存し、落雷が激しい時は可能な限りPCの使用を控える事が最も手軽。それでも必要性を感じる場合は上記注意を気にしつつ検討するといいだろう。
2020年代にもなるとUPS機能付きポータブル電源も個人で手を出しやすくなっていて、選択の幅も広がっている。
電源の大きさにも様々な規格がある。代表的なものとしては「ATX電源」や、やや小さめの「SFX電源」等。
メジャーなのはATX電源なので基本的にそちらを購入すれば問題ないが、小型のケースの場合、SFX電源でなければ入らないものもある。
オフィスや事務所等で見かける細長いPCにはSFXが多い。企業が出していた様なオフィス向けPCだと更に小さい「TFX電源」等が使われている場合もある。
大昔に「BTX」という細長いものもあったが、
黒歴史化した。
あくまで「形状の」規格であり、内部は原則どれも同じ「ATX規格」である。極端な事を言えばケースに収まりさえすればいい。もっと極端な事を言えば収まらなくてもいい
2020年代に入ってから、グラボのハイエンド化に対応するべく、長年使われていたVer2系からVer3系にアップグレードが行われたが、互換性はあるのであまり気にする必要はない。互換性の面で気にするのはどちらかというと後述のコネクタ数となるだろう。
ちなみに、ケースを買うと一緒についてくるタイプもある。
ケーブルの位置やファンの方向等はマチマチなので、相性が悪いと筐体や他のパーツに接触してしまう場合がある。小型PCを組む時は特に注意しよう。
一応、ある程度までは筐体の形を無理やり変えるとか、切断する手もある。
思い切って外側に出す場合もあるが、熱問題があるのでスペーサー等でユニットを浮かせる必要がある。
変わったものでは自作PC用ACアダプタ等もあるが、これもケースの電源ユニット部分に接続するため、規格は確認しておこう。
「定格出力」とも言われる、その電源ユニットが供給できる電力の大きさ。電源に書いてある「○○○W」という数字がそれ。
この定格出力というやつはいわば「上限」なので、もちろん常に容量分消費し続けている訳ではない。
750Wの電源ユニットを使っていても、接続されたパーツの合計消費電力が200Wなら電気代もその分だけなので安心しよう。
上記の通り容量が足りないとPCが動かず、逆に闇雲に大容量の電源ユニットを用意しても持て余してしまう。電源容量は自作を始めるにあたって一番悩むところだろう。
とはいえ、前述の通り「容量が足りない」場合の方が遥かに問題が大きいので、「迷ったら余らせておく」方向でいい。
前述の通り正確な消費電力を計算するのは難しいが、PCパーツメーカー等がWEBサイトで提供している消費電力シミュレータで、自分の構想だとどれ位の電力が必要か見積もる事ができるので参考にしよう。
問題になる事は少ないが、場合によっては「組もうとしたらコネクタが足りずに買い替える羽目に……」という事態も起こりうる。
容量の小さい電源や安価な電源はコネクタ類の数が最小限になっている事もあるので、特にパーツを増設する時は電源についているコネクタやケーブルの数をチェックしておくと失敗がない。
また、HDD・SSD用の「SATA電源」や4ピンの「ペリフェラル電源」等のコネクタが余っていれば変換ケーブルで賄える場合もあるので、コネクタが足りないという場合は落ち着いてまず変換ケーブルを探そう。
特に補助電源が必要となるミドル帯以上のグラフィックボードには、そうした変換ケーブルが付属している事が多い。
電源ユニットから各パーツへと接続するケーブルが着脱式のもの。
最近は光学ドライブはおろか、SATAのSSDすら使わない構成もあるので、必要なケーブルだけで済ませられるのはケース内の通気性にも好ましい。
最低限の電源構成だとマザーボードとCPUの電源だけあればいいので、それらのケーブルだけ電源から直接生えていて、それ以外はプラグインという製品も増えている(「セミプラグイン」と呼ばれる)。
特にマザーボードのケーブルはほとんどが24ピンという幅を取るものなので、これを直接生やすと、電源側の他のケーブルの配置が楽になったり、抜き差しがしやすくなったり等のメリットもあると思われる。
一方で格安の怪しい電源や、構成の決まっているメーカー製PCの電源は電源ユニットから直接ケーブルが繋がっているものが多く、構成の変更やパーツを追加した時にケース内がグチャグチャになりがち。
更に言えばコストを抑えて作られている事もあって、絶妙にケーブルの長さが足りない等のトラブルも起き易いので、筐体内のサイズを把握して多少長めのものを選ぶ事が大切。
前述のプラグイン対応電源の検討もありだが、このプラグインケーブルも機種毎に電源側のピン配列が違う可能性がある。
同じ形をしているからといってケーブルを使い回すとマザボを焼損する原因になるので、電源を新調したらちゃんと仕様を確かめるか、今までのケーブルを全部捨ててしまうのが吉。
電源ユニットは交流から直流へと電力を変換しているが、その変換効率を保証する規格がこの「80PLUS」である。
その品質に応じて、スタンダード・ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ・チタニウムの6段階に分かれる。
80PLUS認証を取得した電源は最低80%以上の変換効率が保証され、上位グレード程高効率になっていくが、その分値段に跳ね返ってくる。
「変換効率の高い電源=発熱が少ない電源」と考えて差し支えなく、効率のいい電源は部品や回路設計も高品質の為に必然的に壊れにくく、出力される電気の質も良くなり、他の部品への悪影響も少なくなる。
認証取得にはある程度のコストがかかる都合上、効率が良くても認証を取っていない製品もたまにある。
逆に認証を取得していないのにマークを掲げている「詐欺電源」もあったりするので、怪しそうな製品(特にグレードに不釣り合いに安いもの)を見つけた時は80PLUS公式サイト(英語)のリストにあるかどうか確認してみるといい。
2025年からは、変換効率しか評価されないこの認証を避け、後述のCybeneticsのみを受けた製品も出始めてきている。
主流は、値段と品質のバランスが取れているゴールド。
2019年頃より登場した、80PLUSより新しい認証規格。
ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ・チタニウム・ダイヤモンドの6段階という点は80PLUSと似ているが、80PLUSよりも厳格かつ明確な基準が定められている。
2026年時点ではこの認証を受けた製品はまだ多くなく、あまり知名度も高くないが、80PLUSのみならずCybenetics認証まで受けている電源ユニットであれば、余程品質に自信があると見ていいだろう。
同じCyberneticsという機関が行う認証だが、こちらは変換効率ではなく静音性の認証。
S < S+ < S++ < A- < A < A+ < A++で、右に行く程静音性が高い。SがAよりうるさいのは日本人の直観には反するが、SはStandardの略なので当然ではある。
この認証があるとはいえ、電源装置がコイル鳴きしたりファンが轟音を発したりするのは基本的にCPUやグラフィックボードがバリバリ働いている時。
特にグラボを使っている場合は基本的にそちらのファンの方がうるさくなるので、「グラボのファンをデカくて静音性に定評のあるメーカーのやつに付け替えるぜ!」みたいな事でもやらない限り、それ程良い認証のものを選んでも実用的なメリットが薄い事も。
電源と消費電力に余裕を設けてPCを構築しているなら尚更。
ストレージ ※必須
データを保存しておく場所。「机の引き出しの多さ」に例えられ、PCとしては「補助記憶装置」にあたる。
ファイルや画像や音楽、PC用ゲームの保存データ、OSやソフトウェア等々、一般に
「PCのデータ」と呼ばれるものは全てこのストレージに格納されているので、新しいPCにデータの引き継ぎを行いたい場合、最悪このストレージさえ残っていれば何とかなる事が多い。
基本的にケースの内部にドライブベイという空間が設けられており、その中に入れてネジで固定する。
このストレージにお金をかけてハイグレードなものにすると、その分だけ「データを保存できる容量」「データを読み書きする速度」が増える。
ゲームなどのソフトウェアや
MODを沢山インストールしたい人、カメラで写真や動画を撮り貯める習慣のある人、サブスクを使わずCDから音楽を大量に取り込みたいという人は、ここも資金の注ぎどころだろう。
お薦めはしないが、古いノートPCから引き抜いて新しい自作PCに挿せば(ドライバ等がどうにかなれば)そのまま使える。
……というのが主流だったが、Windows 11以降では「BitLocker」というストレージ暗号化機能が最初から有効化されているノートPCがあるため、移行元がWindows 11だと差し替えても機能しない事がある。心当たりがあるなら「回復キー」を手元のUSB等にインストールしておこう。
HDDと
SSDの2種類に大別され、どちらにも一長一短があるので目的に合わせて使い分けるのが賢いやり方といえる。簡単に言えば、HDDは安いが遅く、SSDは高い分速い。
容量が足りるならどちらでもいいが、もちろん両者を一挙に搭載するのもアリだし、大抵のPCケースには最低でもストレージを3つ以上搭載できるスペースが設けられている。
音楽や画像フォルダ等、頻繁に記録データを書き換えたり、ある程度大きなデータを保存する用途にはHDD、読み出す方が多く書き込みの少ないOSやソフトウェアのインストール先にはSSD……といった具合で使い分ける事も多い。
また、変わったところでは両方搭載した上でソフトウェア的に統合する事で、キャッシュとしてHDDに書き込む前のデータや頻繁に使うものをSSDに置く様にし、SSDの速度とHDDの大容量を実現するものがある。
といっても現在は大容量のSSDもそれなりに出回ってきており、普通に使うのであればSSDだけで十分になりつつある為、PC内部はSSDのみとしHDDは外付けか後述のNASで使用する人も増えている。
詳しくはStoreMI、Optane memory、Bcacheで調べてみよう。
注意点として、「1000GBのストレージを買ったとしても画面では931GBと表示される」といったように、OS側の表記と製品の容量表示は異なる。
EFIといった内部処理用に予約された領域もあるのだが、GB~TB級のストレージが一般化した現在では、単位変換の原因の方が主である。
これは普通に使われる単位系の接頭辞(G、k等)とプログラム分野で使われる接頭辞が示すものが異なる為。普通k(キロ)は1000倍の数を表すのだが、プログラム分野では2進法の都合上2¹⁰=1024倍の数を表す単位として慣用されてしまっているのだ。
kB単位ではそれ程問題は起こらなかったのだが、単位が繰り上がる度に1024が掛けられるために容量がでかくなる程相乗的に影響が大きくなってしまう。
結果、1000 GB = 1,000,000,000 B ≒ 931.3 × 1024³ Bとなり、約10%もの容量が減ってしまうのだ。
メーカーとしてはちゃんとSI接頭辞の1TBのストレージを作って売っている訳で、もちろん製品に欠陥がある訳ではない。これはいわゆる「天使の取り分」現象と呼ばれ、度々物議を醸している。
これを避けるべく、国際単位系ではSI接頭辞を1024の冪乗に使う事を禁止しており、代わりにGiB(ギビバイト)、MiB(メビバイト)のような別の接頭辞を使うように指導しているのだが、あろう事かOS側が従わずに1024BをkBとして表記してしまっている。
OS側も今さら変えるのは大変なのだろうが、消費者としては理解せずに損した気分になる事請け合い。これによるクレームを避けるべく(前述の通り、ストレージメーカーには一切の非はないのだが)OS側で認識する容量を併記するようにしていることも多い。
磁気ディスク。容量あたりの単価が安く、書き換え回数の上限が比較的高い。
それと他のストレージやパーツでも同じだが、高性能な程熱くなり易いので熱対策に注意。
転送速度の面ではSSDに譲る為、主に大きなサイズのデータの保管に使われる事が多い。
昨今はSSDもかなり大容量化&長寿化しているので、安価な保管庫や最終バックアップとしてのみ使われるケースがほとんど。
限界が近づくと「ガガッ」という異音が出てくる、一部書き換え不能の領域が発生する等、完全に壊れるまでに分かり易い予兆と猶予期間が発生し易い。万が一壊れてもデータの吸い出し技術が確立されており、何もかもパーなんて事はほとんどない。
……が、壊れたHDDからデータをサルベージするには壊れ具合にもよるが結構な労力か、高額なプロの手を借りる必要があり、修理費や時間は決して安くない。バックアップはマジ大事。
接続方式はシリアルATA(SATA)で2026年現在はほぼ統一されている。
規格は2.5インチと3.5インチの2サイズがあり、2.5インチは大雑把に言うとノートPCやゲーム機用。自作PCでは3.5インチがよく選ばれるが、低発熱省電力という点から2.5インチHDDを選ぶユーザーも一定数存在する。
しかし、SSD化の進行で2.5インチの物は新製品の開発が滞り、選択肢が少なくなっている点に注意。
かつては日本国内外十数社以上のメーカーがHDDを製造していたが、競合他社の吸収合併が繰り返されたり、HDDよりもはるかに製造が簡単なSSDが台頭したりした結果、2026年7月時点でWestern Digital、Seagate、東芝の3社しか残っていない。
一方、2014年頃からそれまで停滞していたHDDの大容量化を促進させようと「SMR」という新しい記録方式を用いたものが販売され始めているが、それもSSDには及ばないばかりか、書き込みはそれまでのと比べてかなり遅く、大容量のキャッシュメモリを搭載する事で速度を補っている。
最近はそれらの技術が確立された事から、SMRでコストダウンした一方、各メーカーは今度は容量競争にシフトしており、今や8TBは当たり前、大きいものでは10TBや12TB、サーバー向けともなると22TBというとんでもない容量が出回っている。自宅サーバー等が目的でなければ3TBもあればいい方なので、容量より値段で選んでしまっても問題ない。
ここの執筆陣の中には、ゲームだけで3TB使うのでSSD×2台(Windows用に1TB、よく遊ぶゲーム用に4TB) + HDD×2台(写真音楽等ストレージ用に8TB、ちょっと古いゲーム用に4TB)構成とかいう頭悪い人もいるけど
ただし、使用頻度的に安くてもいいからって思うと、古くて低速なハードウェアや規格のせいで覚悟していても堪えられない程遅いなんて事もあるので、使用用途や回転数等には気を付けよう。
前述するが、OSインストールするストレージは性能のボトルネックになりやすく、低速だと遅くなるどころかバックグラウンドプロセスですら時間がかかり、PCがまともに動かなくなってしまう事すらある。
ちなみに、強い磁石を近づけてはいけない。ディスクの書き込み・読み出しをするための針が磁石に吸い寄せられて壊れ、書き込みも読み出しも二度とできなくなる。
フラッシュメモリを使ったストレージでUSBメモリと似ている。軽くて衝撃に強く駆動音も静か。おまけに動作がHDDより遥かに早く消費電力も少ない。そのためノートPCも含めて2026年現在では基本的にSSDが用いられている。
接続方式はHDDと同じSATAとNVM Express(NVMe)の2種類が主流。後発のNVMeの方が高速だが、値段は少し高くなる。とはいえSATAとNVMeの性能差はHDD程大きくないので、予算を抑えたければSATAで妥協してもいい。
磁気ディスクを搭載しないのでサイズの制約は特にないが、基本的にノートPCにも搭載できるように2.5インチHDDと同じサイズになっている他、後述のM.2規格の2種類存在する。
2.5インチ規格の場合、ドライブベイがあらかじめ用意されているケースでなくても、3.5インチまたは5.25インチのドライブベイに取り付けるための変換マウンタがあるので、ほとんどのケースに使う事ができる。
SATA接続はどちらにも存在するが、NVMeについてはM.2でなければ使用不可。
最近はUSBメモリと同じ大きさのスティックSSDも提供されている。
……といい事尽くめに思えるが、HDDより容量あたりの単価が高い事と、壊れる時は何の前触れもなくぶっ壊れるという弱点がある。その上壊れたが最後、中にあるデータは復旧不可能なので、バックアップは念入りに取っておくべきだろう。
もう一つの短所として、同じ製品でも品質の当たり外れがHDDよりも激しい(ように感じる)。外れを引いた場合、ある程度容量が埋まると途端に遅くなったりする。使用用途に対してある程度余裕のある容量を持たせたり、値段のみならず自分が信頼できると思った製品を選ぶといいだろう。
それとHDDに比べて基本的に発熱量は少ないが、高温になったら熱を抑えるために速度が低下するので(もしも速度低下機能がない場合は故障確率が飛躍的に高まる)、モニタリングソフトでちょくちょく温度は確認した方がい。もし簡単に高温になるようなら筐体や環境・配置の見直し、SSD自体の買い替えを検討しよう。
フラッシュメモリ(NAND型メモリ)の特性として、長い間通電していないとデータが正常に読めない、消滅するという特性があるため、長期間のアーカイブ用途には向かない(同じフラッシュメモリを使うUSBメモリやメモリーカードも同様)。そのためSSD向けの健康管理ソフトを導入したり、定期的にSMARTデータを確認するのが推奨される。
SSDではSMARTデータのReported Uncorrectable Errorsの回数増加具合と、TBWと照らし合わせた総書き込み量が故障直前、NANDの書き換え限界の目安となるだろう。
SSDを購入後しばらくして、自身の利用傾向を調べたら単純計算で10年以上持つって出た(´・ω・`) というのはよくある話で、ぶっ壊すつもりでひたすら書き込みを続けたら公称TBWの10倍を超えてもピンピンしていたという記事もある
SSDが普及し始めた頃の古いOSでは、デフォルト機能や設定ではSSDを長期的に使えないなんて場合もある。Windowsでいえば8以降なら完全に大丈夫。
注意点として、フラッシュメモリの記憶素子の種類が存在する。
主にSLC、MLC、TLC、QLCの4種類があり、右に行く程書き込み速度は遅く、書き換え回数は少なく(=寿命は短く)、容量は大きく、容量単位の価格は安くなる。
2024年時点ではTLCが主流……というか、SSD≒TLCと言っても過言ではない程にTLCが席巻している。QLCはTLCよりあまり安くなっていないという現実もあり、ぶっちゃけ超不人気。
なお、実験室条件では7bitものデータを1つのセルに格納するなんて事にも成功しているらしい。
上に挙げたSSDの亜種。2.5インチより更に小さい、スティック型のストレージ。
性質は通常のSSDと大体同じだが、マザーボードに設けられた専用のスロットに取り付けて使う。
マザーボードに直接はめ込むSSDである関係でデータと電源用のケーブルを用意する必要がなく、ケース内の配線がぐっと楽になる。
NVME接続だとSATA接続と比べて2~6倍の転送速度が得られるので、性能だけ見るなら上記の2.5インチSATA SSDより更に上。近年は「M.2=NVME」と言っても過言ではなく、SATA M.2はHDD程の少数派ではないが妥協択、サブ用途寄りになりつつある。
ハイエンドマザーボードともなると4~5枚は挿せるように作られており、バックアップ用以外のストレージは全部M.2 SSDというユーザーも主流になりつつある。
一方、その速度の代償としてコントローラチップが無視できないレベルまで発熱するため、ストレージのための冷却手段(ヒートシンク等)を用意してやる必要がある。
一応、壊れないように温度センサーが内蔵されており、発熱が一定値を超えると速度を抑えるようにはなっているが、遅くなっては元も子もないし、位置によっては冷却が非常に難しく、また放出する熱で他のパーツを温めてしまう事態もある。
なので「M.2は上級者向け」と言われる事があるが、2024年時点ではBTOもほとんどがメインストレージにM.2を使用しており、ストレージのメーカーもM.2の開発を主軸に据えている。マザーボードによってはM.2 SSD用のヒートシンクが付属している事もあるので、積極的に活用しよう。
また、世代を経る毎に高速化・爆熱化していくにつれ、消費電力も馬鹿にならなくなっている。常時フルパワーで動く訳ではないが、最大電源容量を考える際は気にしておくべきか。
配線がないので組み立てや付け外しが楽……かと思いきやCPUやグラフィックボードの近くに配置されるボードも多いので、つけ外しの際はそれらも外す必要が出てきたりと大仕事になりがち。
また、ネジ止めが必要な点も含めて案外煩雑で繊細なので、あまり交換する必要がないように容量の大きいものを採用するといいかもしれない。
内部的にはPCI Expressで通信されるので、PCIeの世代が古いスロットに取り付けるとスペック通りの性能を発揮できないので注意。
2026年7月時点では、7300Mbit/sのPCIe Gen4×4接続が主流。一応、Gen5にまで対応するSSDもあるし、実際対応マザーボードも増えつつあるが、まだまだ割高なので気にする段階は遠いかもしれない。
HDDにフラッシュメモリをキャッシュメモリとして搭載したもの。2.5インチと3.5インチの両方がある。
HDDよりは早く、SSDよりは大容量で安価という大体両者の中間位の位置付けだった。
いいとこ取りと言えば聞こえはいいが、「総合的に見るとどちらと比較しても中途半端」という見方が強い。
出たばかりの頃は何かと持ち上げる動きもあったが、SSDの低価格・大容量化に早々に押されてしまい、令和の現代で新規の製造は見られない。
残念ながら時代の徒花と言ったところか。
PC本体にはないストレージ。外部容量・外付けHDD/SSDとも。
USB接続する必要があるが、「節電や寿命向上にも繋がる」「PC内部にないので管理・移行が楽」という理由で頻繁に使うデータ以外は外付けストレージに集約化している人もいる。
据え置き用と携帯用の2種類ある。
据え置き用は3.5インチHDDを使うものが多い。これらは電圧の問題でAC電源が基本必須となる。テレビ番組の録画用としても使えるものも基本これ。
携帯用は以前は2.5インチHDDが多かったが、2010年代後半からは衝撃性に強いSSDも人気拡大中。
また、市販の内蔵ストレージを外付けストレージにできるケース・スタンドも販売されている。その為、余っているパーツを装着してOSバックアップ等に使う人も。
専用の外付けストレージであっても中身は汎用品なので、分解して搭載してあったストレージをPC内部に内蔵したり、別のストレージと交換する事も可能だったり
正確にはストレージの種類ではなく、HDDやSSDを複数台まとめて一台として扱う利用方法。
自動的にコピーを作成する、複数のドライブに交互にアクセスする等の方法で信頼性を高めたり、読み書きを速めたりする。
マザーボードにRAID機能が組み込まれているものもあれば、RAID用の拡張カードやRAID機能搭載の外付けケース等を使う事も。
幾つかの形態があり、「RAID0」「RAID1」「RAID5」等が代表的。それぞれを組み合わせてRAID1+0、RAID1+5、RAID5+0といった事も可能。
個人用のPCでデータの保護が目的なら定期的にバックアップを取る方が手軽で楽、かついずれのRAIDも程度は違うものの、コストパフォーマンスが悪化するという点は同じなので自作PCで使われる事は多くないが、自宅サーバーを作ったり性能を追求する場合に採用する例はある。
しかしHDDが全部まとめてぶっ壊れたり、復旧中に残ったディスクもダメになる事が意外と多かったり、RAIDコントローラが壊れた時に構成情報もぶっ壊れている時があったり、復旧作業を間違えたり(冗談のような話だが、PCに精通している者でもよくある話)等、トラブルが非常に多い仕組みでもある。
たとえRAIDで最大の冗長性を誇る「RAID6」とて安全とは言い切れないので、RAIDを組んだからと安心せず、むしろRAIDを組む程大事なシステム・データならば別口で定期バックアップも取っておきたい。冗談ではなく。
なお、多くのRAIDでシステムを動かしたままでも復旧(RAID再構築)できる点も長所なのだが、復旧に時間も負荷もかかるので、できればシステムを動かさずなるべく最低限の動作で復旧させた方が安全。
ネットワーク経由で使う外付けストレージ。小型のPCのような機器をローカルネットワークに接続し外部容量として利用する。
同じネットワークを利用する機器で容量を共有したり、一度設定してしまえば簡単にデータの受け渡しもできたりする。VPNを使えば外部からのアクセスも可能。
ネットワーク上に置いておけるので、構築さえできればPCの外部のバックアップを自動でできるようになるという利点も。複数機器のバックアップもお手の物だし、RAIDが設定できるので擬似的な多重バックアップにもできる。
小型のPCのようなものなので、自作PC程ではないが、組み込むストレージもHDD・SSD問わず選べるし、カスタマイズも可能。
弱点としては、これ自体が1つの機器なので、起動している間ずっと電力を消費し続ける上に、ストレージを共有する関係で使い過ぎるとストレージ寿命もゴリゴリ減っていく。
またストレージに基板をくっつけて制御する関係上、信頼性の低い商品ではこの基板部分が故障の原因となり易い他、コンパクト化の代償にストレージが密集しているとか排熱が甘いとかで熱暴走し易い製品も散見される。
そのため。少々場所は取るが安い省電力PCを自宅サーバーとして自作する方が結果的に安上がりで安定するケースもある。もちろんPCなので他の用途にも使える。
メモリの一部をストレージとして使うソフトの事で、普通のSSD等よりも圧倒的に早いが、メモリの一部を使うためメモリ容量と相談しなければいけない。
SSDの寿命を気にして一時ファイルをこちらに移すという考えもあるが、今のSSDの寿命を考えれば無視できるものである。
RAMディスクのようにRAMを搭載したストレージ装置がi-RAMやANS-9010等である。基本的に過去の商品であり、令和の現代では製造されていない。
やはりHDDだけに比べれば非常に早く、あくまでハードウェアなのでOS等をインストールする事もできるが、その場合はバッテリーバックアップが必要で、データが消えた時のバックアップのHDDやSSDも必要になるのでかなり手間がかかる。
ものすごーく太古、具体的にPC-9800シリーズ全盛期の話だが、この頃のノートPCはスペースの都合上FDDが1台のみというのが基本だった。しかし、当時の事務ソフトは基本的にFDDを2台要求した(例えば「文章作成プログラム+漢字変換プログラム」等)。
それをノートPCで動かすのにどうしたかというと「標準搭載のRAMディスクにこれまた標準搭載のユーティリティソフトを使って漢字変換プログラムをコピー、電源を切る前に学習データをセーブする為にRAMディスクから書き戻す」という力技で解決していたのである。
ちなみに当時、HDDは存在こそしたが40MBが9万円という超高級品だったので、導入できる人はかなり限られていた。
挿入口にケースのついた磁気ディスクを入れる。保存のアイコンに使われる事もあるZ世代には意味不明なもの。
磁気・ホコリ・汚れ・紫外線に弱く容量も少ないので廃れていったが、一部の公的機関では枯れた設計なので安定している、容量のせいでウイルスを入れられない、古過ぎてそもそも窃盗されても犯人がドライブを持っていない事が多いといった安全性と、システム更新が手間&費用がかかる事で今でもぼちぼち現役である。
なお、FD亜種というかご先祖様の磁気テープ型記憶媒体も色々あり、コンパクト・大容量・テープは低単価(そして読み書きは低速)なものが多いので、企業サーバーのバックアップ用途を中心に現在でも広範に現役である。
もっとも、ドライブがめちゃくちゃ高価で、自作PC含む個人用途ではまず採用されないが。
ちなみにWindowsでは自動でバックアップを逐一取ってくれる機能があるので、普通にPCとして使うならバックアップ用のHDDかSSDをもう一台用意するだけで十分。
なおZipやスーパーディスクといった次世代磁気ディスクも誕生はしたがすぐ、下のMOにシェアを持っていかれてしまった。
日本では結構普及していたもの。
HDDとCD-RWの合いの子に近い性質(少しHDD寄り)だったことで、DVD時代が到来した後も企業と個人用途どちらにも多少存在していたが、HDDとフラッシュメモリの急速な普及により現在は規格ごと消滅。
FDDよりも確実に便利だったのだが、ある意味FDD以上に稀な存在となっている。
USBに差し込む外付けのフラッシュメモリで、一般的には性能はSSDに劣る。同サイズの小型SSDとは根本的に別物。
ケース ※ほぼ必須
取り回しやメンテナンス性・安全性を一切合切無視するのでもない限り、これもセットで買うべき。むき出しでの運用中に水でもこぼしたら、目も当てられない事態になる。
物理的に基幹となる部品だからかBTOでも完全に自由にできない場合が多く、ケースを自由に選べるというのも自作PCの醍醐味と言えるかもしれない。
たかがケースとは言えど、ファンや電源ボタンやUSBコネクタ等、ないと地味に困る機器はこっち側についているので、自信あるからと調子に乗っていきなりケースなしに挑戦した結果、電源ボタンがなくPCを起動できないなんて笑えない状況に陥りかねない。一応の対処法として、電源ボタンに配線する部分をドライバー等で短絡させてやると起動する。
ケースもまたピンからキリまで色々あり、
- 一般的にイメージされるシンプルな直方体のケース
- 冷却性重視のケース
- 防音マットが貼られた静音ケース
- ガラス張りのスケルトンケース
- 中身がむき出しのオープンフレームケース
- ロボットを彷彿させる近未来的な形状のケース
- 業務用にもなると、ボタン部にカギをかけて起動を制限できるケース(SilverStone Rackmountシリーズ等)
まで存在する。
極め付けにはデスク一体型という異色なものもある。文字通りケースを机として利用できる代物だが、ケース単体でハイエンドBTOパソコン1~2台分と超高価。
直接PCの性能を左右する訳ではないが、高級なケースはその分配線が繋ぎやすく、すっきりまとめられる、大型のパーツ(高性能なグラフィックボード等)を積める、騒音を抑えてくれる等作業を快適にしてくれる工夫が凝らされている。そして何よりも、組んだ後のガタつきが少ない。
なにより上位のものになればなる程見た目もカッコよくなるので、これも是非良いものを買っておこう。
ただ、やはり直接PCの性能には影響しない事もあって、大抵は予算を絞られて貧相なケースになってしまう訳だが……
昨今では、大型化するグラフィックボードが下に垂れ下がらないようにする為の支え棒等も付属している商品もある。
大きく分けてミニタワー・ミドルタワー・フルタワーの小中大3つに分類される(それら以外にもスリムタワー等様々な種類が存在する)。
大体ミニタワーはMicro-ATX向け、ミドルタワーはATX向け、フルタワーはExtended-ATX向け。
置き場所に合わないとそもそも置けないという意味では最も重要な部分。事前に設置場所を考えて選ぼう。部屋のスペースにある程度余裕があれば、ケースに合わせて設置場所を作ってもいい。
というと小さい方がいいように思えるが、「置き場」という1点を除けば、大きい方が全面的に正義である。
小さいケース(とそれに対応するマザーボード)は、拡張性がそれだけ明確に下がる。また必要十分であったとしても、ケーブルの取り回しや部品同士の接触等組み立てる上でも難度が高く、排熱効率も劣る。
小さい程メンテナンスの手間もかなり増大する傾向にあるので、その意味でも必要に迫られない限りはある程度余裕のある大きさを選びたい。
特に気をつけるべき点は「冷却装置」の項にある「CPUクーラー」と、後述するグラフィックボード(グラボ)。この2つはものによってサイズがかなり変わるので、ケースサイズが小さいと物理的に入らなくなるリスクが高い。特に最近のグラボは大型化が進んでいるので、それぞれの大きさは把握しておきたい。
まあ大抵の場合はミドルタワーで困る事はなく、業界における「標準」として扱われているので、ミドルタワーから目的に応じて拡大・縮小を検討するという考え方が安全。
強力な冷却性能や、多数または大型のパーツを欲する時は必然的にフルタワー一択になるが、重量はケース単体で10kg超がザラなので、ケースを設置場所まで持って行けるかどうかも考慮する必要がある。
パーツの中では最もかさ張るといえるもの(これ以上大きなものは「組み上がった本格水冷」くらいしかない)なので、ある意味CPUやグラボ以上に購入前の吟味が必要になる。
「そのケースがどの規格のマザーボードに対応しているか」という意味。先述のサイズ分けはここで判断されていると考えて問題ない。
一部の規格には互換性があり、ATX対応のケースにMicroATXは組み込める事が大半だが、機能的にはだだっ広い内部スペースを確保できるだけで、ATXを付ける場合に対して有利になる訳ではない。
ただマザーボードの項で触れた通り、サイズ自体の利点ではなくお手軽さからMicroATXが選ばれるような環境になっているので「その流れでMicroATXを使うけど、置き場はあるので大きめのケースを宛てがう」という選択肢はある。
基本というか、安価なのはネジ止め型のシステム。
ガッチリ固定されるので、長期的に使うのであれば安全でもある。
ちょこちょこ仕様を変える等の用途であれば、ロック装置や専用のスペーサーを入れる事で嵌合固定するタイプ(「スクリューレス」「ツールレス」等と呼ばれる)を選ぼう。
ただ圧力で固定される関係上、使っている間にズレて接触不良になったり、プラ製のロック装置が熱で壊れたりする。
中には交換機会の多いHDDだけスクリューレスで、グラフィックボード等はネジ止め式等の折衷式というものもある。
同様にグラフィックボード等の端子を出す孔は、プレスで撃ち抜いただけで折って使うものと、ネジやロック装置で開けたり塞いだりできるタイプの2種類がある。
そのケースに搭載できるHDD/SSDやDVDドライブの数。そのケースがどのような用途を想定しているかで大きく変化し、ある意味では最もケースの個性が出る要素。
ケースの外に露出したドライブベイを「オープンベイ」と呼び、光学ドライブを搭載する5.25インチベイ、FDDやカードリーダーを搭載する3.5インチベイ等があるが、FDDや光学ドライブの需要が減っているので、3.5インチ/5.25インチを問わずオープンベイを持つケースは徐々にその数を減らしつつある。1スロットでもあれば「珍しい」と評される程。
オープンベイにはディスクドライブ以外にも温度計やファンコントローラーや小物入れや水槽(!?)等色々なものをつけられる。蓋をしておけばシャドウベイとしても使えるので無駄にはならないだろう。
逆にケースの外からは見えないドライブベイを「シャドウベイ」と呼び、こちらは3.5インチベイと2.5インチベイがある。
シャドウベイはHDD/SSDを搭載する以外に用途はないが、ストレージの項で説明したRAIDを構成する等、多数のドライブを搭載する予定があるなら不足しないようよく調べておこう。
最近では大型のケースであってもシャドウベイも減少傾向にあり、その分のスペースは長大化したグラフィックボードや水冷装置用の場所になりつつある。ゲーミングPCを作るのであれば問題ないが、サーバー用途にするにはモノ選びに苦労するかもしれない。
HDDを後から増設するような使い方をしている人は、HDD増設がし易いよう、サイドパネル側にシャドウベイの開口部があるケースを選んでおこう。
マザーボード側に開口部があるケースにHDDを追加しようとすると、その為だけに一度グラフィックボードを外す必要が出てきたりする。そしてそういうケースに限ってグラボのバックパネルをネジで固定する面倒仕様だったりする。
2010年代以降はHDD用の振動対策を投げ捨てた「2.5インチシャドウベイという名前のケースにSSDをネジで直固定する用の場所」というものも存在する。
一応HDDも取り付けられなくはないが、振動が直に伝わったり、HDDの搭載推奨方向を無視した配置になったりして早くに壊れやすくなるので、SSD専用スロットだと思っておいた方がいいとは思う。
多くのPCでは、PC前面にUSBやイヤホン用の端子が付いている。USBの端子数が多いと何かと便利なので、マザーボードに付いている端子数や配置と合わせて考慮するといい。
オーディオジャックについてはバックパネルよりもアクセスし易いものの、フロントパネルコネクタが実質的にノイズの多いケース内を通る延長コードとして働いてしまうため、音質を気にする場合は注意。「Bluetoothイヤホンなのでいらない」と言われればそれまでだが
5.25インチベイに搭載できるUSB端子やオーディオジャックもあるので、足りないならそちらでの増設も選択肢に入る。最近のケースでは無理になりつつあるが
中には電源ユニットが一緒になっているケースもある。
大抵は安物の電源なので避けられる事も多いが、中には80PLUS認証つき等一定以上のグレードを使っている場合もあり、ケースに合う形状の電源なので選定の手間を省ける等メリットもある。
よく見ないで買うと電源がなかったり、電源が丸ごと一個余ってしまったりするのでチェックはしておこう。
基本中身の見えないPCにおける、ある意味「華」とも呼べる部分。
見た目より中身が大事なPCにおいては「たかが見た目」ではあるが、毎日のように使う製品なんだからお気に入りの見た目の方が使ってて嬉しくなるというものだろう。中には最初にケースを見た目重視で選び、ケースの方に合わせてパーツを選定するという人も。
最近ではマザーボードを始めLEDを搭載しているパーツが増えている為、主にマザーボードを取り付ける側と反対側の側板をアクリルやガラス製の透明板に変え、中身をバッチリ見られるようにしているケースも多い。
支柱がなく、片側側面とフロントパネルがガラスのケースをピラーレスという。電磁波対策等の面で心配される事もあるが。
「パーツをとっかえひっかえする予定があるなら……」と書いたが、そういう人向けに外装のない板だけのケース(?)が売られてたりもする。「テストベンチ」
「まな板」等とも呼ばれる。
もちろん、パーツ類はきちんと固定できるようになっているが、むき出しでホコリ避けもないのでそのまま長期間運用するのは推奨されない。
また、外装がないと書くと安そうに思えるがさにあらず。しっかりしたものは並のケースより高い事もある。
あらかじめケースにマザーボードと電源が組み込まれており、CPU・メモリ・ストレージ・OSを追加するだけでPCとして完成する半完成品の自作キット。近年ではASUSの「NUC」等、CPUまで一体化させたものも増えている。
あまりメジャーではないものの、通常の自作PCと異なり安価で、超小型のPC(なんと文庫本と同じ位のサイズ!)を組める等のメリットがある。安さをかなぐり捨ててまで小型高性能を追求する自作勢も多い。
小さいものはパーツが物理的に入らない事も多いので、対応パーツサイズはよく読んでおこう。このベアボーンキットに対応する為に工夫を凝らした構造のCPUクーラー等も多い。
主にグラフィックボードやNVMeのSSDを取り回すための、PCI Express及びNVMeの延長ケーブル。
大きなケースで内部に余裕があれば必要ないが、小型ケースに大きなグラフィックボードを積みたい時によく使われる。一部では「光っているファンを正面に向けたい」という謎需要もある
グラフィックボードをマザーボードに直角に挿すとそれだけで無駄な空間が生まれがちだが、これをライザーケーブルでマザーボードと平行に配置するだけでかなりスッキリする。
当然だが、グラフィックボードの取り付け場所がないと困るので、対応したケースを買うのが前提。
それ以外にも、手のひらに乗るような超小型PCで本来はSSDを入れるNVMe接続端子からPCIe端子に変換し、グラフィックボードを利用するという本末転倒な用途も。
延長ケーブルとなると信号の劣化や損失による性能低下が心配されるが、ケース内を取り回す程度ならばまず発生しない。あっても誤差レベル。
ただし同じPCIeでもGen4以降に対応していない製品もあるので要確認。
基本は自分のPCの構成に合った既成品のケースを買ってくる訳だが、熱心な自作erの中には自分でケースを作ったり、業者にオーダーメイドで注文を出したりする人もいる。
完全自作の場合、木材や段ボール、プラ板、ワイヤーネット等を駆使し世界に一つだけのケースを作る事になるが、そもそもパーツを固定できて通風孔や開口部を設ける事ができれば大体何でも使用できる。実際に、一斗缶や電気ポット、果てはビールサーバーや酒瓶、ストーブ、机をPCケースにした例が上がっている。
PCをジオラマに組み込んだ作例も昔から作られており、各種イベントに出る度に人気を博している。
最近だと3Dプリンターが普及してきたからか、なんと
ゲームキューブ等のゲーム機の筐体をPCに改造する猛者もいたりする。
また、超小型PCのRaspberry Pi(後述)のせいで余計変なのに挑戦される事に……まあこれは自作PCより電子工作に近いのだが。
それ以外では自作とは少し異なるが、古い筐体に最新パーツを組み込むレストモッド的な魔改造を行う事も。目立つ事例だと古いMac Proや法人向けのスリムデスクトップがその対象になる事が多い。
かつてスロットイン型のCDドライブが存在していた時期には、5inFDD搭載のPC-98やIBMPCのケースを魔改造するのがかなり流行った。5inFDDのスロットならCDも入るので、見た目的には無理なく組み込めたのである。
電源・リセットスイッチや各種ランプとマザーボードを繋ぐ細いコード群。
そこそこ自作に慣れた人でもマザーボードの取扱説明書とにらめっこしながら接続する事がある、自作において最も面倒な部分の一つ。視力が低い人の永遠の敵。
それぞれのスイッチやランプのコネクタを対応する箇所に差し込むのだが、これが本当に小さい。マザーボードのピンを折らないように注意。
更に各コネクタを差す箇所は決まっている上、プラスとマイナスもあり間違えると動作せず差し直しになる。
これらのコネクタをまとめて脱着できるケーブルが安価で売られているので、マザーボードやケースの交換の予定がなくても持っておいて損はない。
同じフロントパネルでもUSBやイヤホンのピンヘッダは規格化されているのに、なぜ電源スイッチやランプのものがそうならないのかはPC業界の永遠の謎。
GPU/グラフィックボード ※用途により必須
主に画像処理を担うパーツ。GPUの技術的仕様については単独項目を参照。
厳密に言うと、実際にパーツとして使うのはGPUではなく「そのGPUのチップを搭載した『グラフィックボード』」。詳細は後述。
「グラボ」という略称が頻繁に使われる。他には「グラフィックカード」「グラフィックスカード」「ビデオカード」と呼ばれたりも。
ただ、GTX10XX世代辺りから(つまり、現役の商品はほぼ全部)カードと呼ぶのは憚られるサイズになってきているので、「ボード」と呼ばれる事の方が多い。
ちなみに、グラボを差す場所がないゲーミングノートPCの場合は、モバイル用のGPUチップとVRAMチップがオンボードで取り付けられている。
下位グレードでは同じ型番のデスクトップ用グラボと同じGPUチップに電力制限を掛けたものが使われており性能差は小さいが、中~上位グレードではデスクトップ用よりもGPUコア数が大幅に少ないチップが使われる等、同じ型番とは思えない程顕著な性能差が生じる。
ゲーミングノートとデスクトップでどちらにするか迷っている時は、自分の用途で可搬性と性能のどちらを優先したいか熟考してほしい。
話を戻すが、あなたが想定するPCの用途として
- 3DゲームやVRで遊びたい
- 趣味や仕事でイラスト制作や画像編集をしている
- 動画編集やライブ配信をしている
- PCにディスプレイを複数繋ごうかなと考えている
藤井聡太氏が使っているRyzenを使ってみたい
上記いずれかに当てはまるのなら、これは必須アイテムと言える。
その中でも特に莫大なGPUリソースと保存領域を必要とする「動画の編集・創作」は、本気でやるなら最低でも20万程度の出費を覚悟するべきだろう。
逆に、上記のどれにも当てはまらないのならば無理に導入する必要はない。CPUのグラフィックス機能、もしくはチップセット一体型のオンボードGPUが内蔵されているならば、それを使っておけば問題ない為である。
デバイスマネージャーを開いて、ディスプレイアダプタの項目に「Intel UHD Graphics」「AMD Radeon Graphics(「RX」の表記がないもの)」的な名前があれば、チップ内蔵のグラフィックス機能で動作している。単体のGPUに劣るとはいえど、CPUの性能に合わせてグラフィックス機能も順当に強化されているため、Blu-ray Discの再生や動画サイトを1080p(フルHD)で楽しむ程度ならこれだけでも十分。
また、電源や排熱に遠慮する必要がない分、同世代のノートPCよりも高スペックにできる事が多く、軽めの3Dゲームならグラボがなくても何とかなってしまう事も。
事実、
PlayStation4/
5等のゲーム機においては、当然グラボは入らないので必然的にオンボードGPUを使用している。Steam DeckのようなポータブルゲーミングPCも同じ理由でこちらが多いが、こちらもゲーミングPCを名乗れる位の処理性能は不足なく発揮できるのだ。
とはいっても、本格的な3Dグラフィックを駆使したゲームや描画ソフトを本格的に動かすとなるとやはり力不足になってくる。
ちなみに、万が一ハードウェアドライバが壊れたとかでこの機能が無効になっても、最低限モニタを映す位はできるのでご安心を(当然性能はガタ落ちするが)。
電力消費が非常に大きいため、電源の容量決めは基本的にグラボありきとなる。概ね相応のCPU含む他パーツの合計と同じ位を単体で要求し、お手頃なものでも100W前後、最上位のモデルだと350Wだの450Wだの、他の追随を許さない数字を叩き出す。
そして価格も性能に比例して、それも加速度的に上がるPCパーツきっての金食い虫である。
ゲーミング用途とされる中でも下を見れば数万円といったところで他のパーツと同程度だが、ハイエンドを求めると他のパーツの合計価格に迫り、予算オーバーになりかねないので宝の持ち腐れにならないよう、欲張らずに選ぶべし。
というのも、目的のゲームの推奨スペックを上回るGPUを用意しても、ゲームやCPUとの性能差によっては下位GPUと同程度の力しか発揮できない「ボトルネック」という現象が発生するからだ。
その上、技術革新による
世代交代が激しく、
最強PCを追い求める層はそんなインフレの激しい商品を頻繁に買い換える羽目になり、財布を激しく攻め立てられる。
もっともそれはごく一部の話で、技術水準が大きく上がった2026年現在では、ゲーム用位なら1~2世代前でもそこそこやれるので、わざわざ買い換える人は多くない。作品にもよるが画質設定を下げればもっと古い物でも何とかなったりする。
しかもAI技術等の登場で企業レベルでの需要が激増したため、ちょっと前の型落ち程度なら大して値崩れせずに現役機種同然に扱われ、世界的な事情から全体の値段が上下するという側面の方が大きくなっている。
正直選ぶのに困る程多種多様で複雑だが、上述したような「やりたい事」から必要な仕様を整理すれば自ずと絞り込めるはず。特にやりたいゲームが決まっているなら、そのゲームの推奨スペックを参考にするといい。
「小さいPCケースを使いたい」「せっかくカッコイイグラボだから縦/斜め置きしたい」「グラボを無理矢理外付けしたい」等の需要から、マザーボードとグラフィックボードを連結する「PCI Expressライザーケーブル」というものが使用される場合もある。
ケーブルを経由させる都合上、「ケーブルの質によっては大幅に性能低下する」「給電の都合上使えない場合がある」「BIOSでPCI Expressのモードを変更しないと性能が低下する場合がある」「ファンとライザーケーブルの位置関係を考えないと冷却力が低下する」等の注意点があるが、上述した目的があるなら一つの選択肢となりうるパーツとなる。
ちなみに冒頭のGPUとグラフィックボードの違いだが、GPUは内部にあるチップの事。画像処理専門のCPUみたいなもので、これ単体では小さなチップでしかない。
対してグラフィックボードはそのGPUを基板に乗せ、更に必要な冷却機構やコネクタ類諸々も組み合わせてモジュール形式に作ってあるパーツの事。画像処理専門の小型PCみたいなものである。
つまり、「同じGPUを搭載したグラフィックボード」同士でも、更にメーカーによって見た目やサイズ、コネクタ類の数といった細かい仕様が異なる。
ゲームの必須環境等で指定されるのは基本的にGPUの型番だけ。グラフィックボードはそのGPU搭載の中から自分のPCや機器に合うものを選ぼう。
なお、CPUに内蔵されている画像処理回路も便宜上GPUとして扱う事もある。実際に、3社共にグラフィックボードのチップもCPU内蔵の回路も共通の基礎設計を用いている。
この時はグラフィックボードに搭載されているチップを「dGPU(Discrete GPU)」、CPUに内蔵されている回路を「iGPU(Integrated GPU)」と呼んで両者を区別する事が多い。
グラフィックボードの処理性能や機能は、搭載しているチップ(GPU)のメーカーとグレードでほぼ決まる。
現在の主流は、NVIDIA製の「GeForce」とAMD製の「Radeon」の2種類で、基本的にこれらから選ぶ事になる。
正直どちらも性能面においては常にしのぎを削っており、不具合もどっちもどっちなので決定的にこちらがおススメというのは言いづらい。後述の理由でGeForceが人気・王道のポジションだが、それ故に在庫が無くて買えないという事もありがち。
Radeonは基本性能に対するコスパが良く、限られた予算でも十分な性能を手に入れ易い。ハイエンドでは分が悪いが、PSやXboxにもRadeonが搭載されている関係上、そちらで先行販売ないし最適化された作品はRadeonで動かす方が強い場合がある。
メーカーにこだわりがなく、迷ったら欲しいカテゴリーで在庫があった方とか、安い方を選ぶといった感じでもよいだろう。
なお、CPUがAMD製だからってGPUもAMD製にしなければならないみたいな決まりは特にないので、あくまで目的に合わせて選ぶべし。
2022年下半期からはIntelも「Arc」というグラフィックボードシリーズを売り始めた。2025年12月時点では値段の割には性能が出る、特に同価格帯の他社製品よりVRAM容量が多いという評判からジワジワと人気が出始めている。
後発なのでドライバの最適化が発展途上な事に加え、消費電力も競合より高めに出るという声もあるので、購入の際はその点に留意。
生成AI用途だと事情が変わり、2026年現在では明確にNVIDIAが有利。これはNVIDIAが自社GPU向けに開発している「CUDA」という機能を活用したプログラムが長らく生成AIで主流だからだ。
CUDAに最適化されたプログラムはNVIDIAのGPUしか扱う事ができず、CUDAを使いたい場合はNVIDIAしか選択肢がない。
もちろん、RadeonやArcでも使えるプログラムは開発されており、「CUDAに興味がない」「壁にぶつかったら自分で調べる気力がある」「そういった用途には使わない」のであれば気にしなくてもいい。しかし更に後述するが、NVIDIA固有のAI技術はグラフィック面にも影響するので、「AIを冠する何かをしない、ゲームしかしない=無関係」ではないので注意。
他にも、NVIDIAからはGeForceを冠さない「RTX Pro」(旧・RTX Aシリーズ/Tシリーズ、Quadro)、AMDからは「Radeon Pro」(旧・FirePro)、Intelからは「Arc Pro」も用意されているが、これらは3DCGやCADの作製、高度科学技術計算等、クリエイターやエンジニアが業務用に使う品物であり、まずゲーム用に勧められない。
そもそも、GeForceやRadeon RXのような民生品と比べるとかなり割高で、よっぽどの事情がない限りまず選ばれない。
ただ、例外的に2025年春に発表されたArc Pro B50/60はここでもVRAM容量重視の方針を打ち出した事で、一般ユーザーの間でも少し話題になっていた。
| ブランド |
性能・価格 |
| ←低 |
|
高→ |
| GeForce |
GTX 1630 GTX 1650(Super) |
RTX 3050(6GB) |
RTX 4060 |
RTX 4060 Ti |
RTX 4070 |
RTX 4070 Ti |
RTX 4080 |
RTX 4090 |
| RTX 5060 |
RTX 5060 Ti |
RTX 5070 |
RTX 5070 Ti |
RTX 5080 |
RTX 5090 |
| Radeon |
RX 6400 RX 6500 XT |
RX 6600 |
RX 7600(XT) |
RX 7700 XT |
RX 7800 XT |
RX 7900 GRE/XT |
RX 7900 XTX |
- |
| RX 9060 XT |
RX 9070 |
RX 9070 XT |
- |
| Arc |
A310 A380 |
A580 |
A750 A770 |
- |
B570 B580 |
- |
なお、現行のグラフィックボードではマザーボードとの接続端子がPCI Expressにまとめられているので、CPUソケットと違って端子形状を気にする必要はない。
解像度は画面のドットの数。多い程より広く、より精細な映像を出力できる。
大抵ドット数を直接「(横のドット数)×(縦のドット数)」と表記したり、特定の縦横のドット数の組み合わせに名前がついて「4K、2160p(3840×2160)」「QHD、WQHD、1440p(2560×1440)」「フルHD、1080p(1920×1080)」等と言われたりする。
リフレッシュレートは1秒間に表示されるコマの数で、多い程動画がなめらかになる。多くは周波数として「Hz」で表記される。ゲーム等で特に重視されるが、それ以外の用途でも画面の動きがカクつくとストレスになりがちなので、少なくとも60Hzは欲しいところ。
解像度とリフレッシュレートはトレードオフの関係にあり、片方を上げるともう片方が下がる。上記の搭載チップ毎に対応する解像度とリフレッシュレートの組み合わせが異なる他、最終的には後述の出力端子の規格とバージョンによって決まってくる。
何より重要な点として、当たり前だがここの数値がどれだけ高くてもディスプレイの性能以上のものは出力できない為、使いたいディスプレイの仕様に合っていれば問題ない。
なお、グラフィックボードの宣伝文句として「WQHD向け」「フルHD向け」という文言が使われる事もあるが、これはそのグラフィックボードが得意とする解像度を指しており、その解像度以内ならば高いリフレッシュレートでゲームを快適に遊べるという事である。
逆にそれを超える解像度だと、グラフィックボードの性能の限界に達してしまい、リフレッシュレートがガクッと落ちる。
昔のアナログ接続時代なら「アナログ端子(VGA端子)」でほぼ間違いなかったが、デジタル接続になってからは液晶テレビ等でおなじみの「HDMI」や、PC向けの「DisplayPort(DP)」が主流となっている。
というか近年のグラボは原則HDMI×1 + DP×3ポート搭載でほぼ確定なので、どちらかと言うと「使う予定のディスプレイがDPに対応しているかどうか」を気にしてケーブルを用意する感じになる。変換ケーブルもそれぞれあるが、変換すると問題が起きる事もあるのでできるだけ合わせるのが良い。
ディスプレイやVR用のヘッドマウントディスプレイ等を複数繋ぐ際は、対応している端子の数が足りているかもチェックしておこう。HDMI端子は1つのみな事が多く、DP非対応が複数あってやむなく変換……というのがよくあるパターン。
あと、HDMIはケーブルに世代があって、昔or安価な市販ケーブルだと60Hz以上出ないというのもあるので注意。ディスプレイ付属のはディスプレイの規格に合わせてあるはずなので、それを使うのが無難。高性能を発揮したいならDPを使う方が望ましい。
なおHDMIが1ポートしか用意されないのは「ライセンス料金の問題」らしい。
ちなみに、デジタル接続の黎明期には「DVI」という端子がよく使われていたが、HDMIやDPに置き換えられ、2025年6月時点では一部のローエンドモデルに搭載されるにとどまっている。
同時に接続できるモニタの数。付属する端子の数で変わってくる。物理・技術的な制約から基本的には4つ。
モニタの数を増やす程1台あたりの解像度の限界が下がるので、どの解像度で何台繋げられるかはしっかり確認しておこう。
コネクタを追加するために余分に拡張スロットを潰すものもあるので、接続方法も重要。
PCIeスロット接続のグラフィックボードの場合、多くは冷却ファンのスペースが必要なため拡張スロット2本~3本分のスペースが必要で、隣の拡張スロットが塞がれて使えなくなる。小型のPCの場合は拡張スロットが足りなくなったりする事もあるので注意が必要。
もちろん1本分に収まるものもあるが、小型な分性能は限定される。
ハイエンドモデルになると、4本も占有するものまで売られている。
読んで字の如くグラフィックボードの全長。特に小型のケースでは使用できるボードのサイズに制限がある。ケースによっては装着可能な最大長が明記されている事もあるので、ケースの形状や仕様はよく確認しよう。
原則として上位モデル程デカくなる運命にあり、ハイエンドモデルの巨大化は未だに止まらない。各メーカーの商品によっても差がつく部分であり、大体は冷却装置の仕様で決まる。
こちらは拡張カードの幅。「フルハイト」等と呼ばれるが、実は正式名称が存在しない通常のものと、薄型のPCケース(主に法人向けのスリムデスクトップ)に使われる「ロープロファイル」に分かれる。ロープロファイル仕様のPCケース自体あまりないが、ケースに合わせて選ぼう。
グラフィックボードに限った話ではないが、ロープロファイル仕様の拡張カードは端子の出ている枠を交換する事で、フルハイトとしても使える事がほとんど。
各メーカーの商品によって差がつく代表的な部分。「ファンの数と大きさ」が分かり易いパラメータとなる。
極端な例として静音性を重視したファンレスのものもある。これはケース内のエアフローで冷却する事を前提としている為、使用に際して気を遣う。
メーカーによっては最初から付属ファンの冷却性能がチップメーカーの標準仕様よりも強力な事があり、その場合ちょっとクロックが上がってたりして性能と消費電力が上がっている。
逆にロープロファイルモデルや占有スロット数を減らした薄型モデル等は、ファンの小型化のために性能と消費電力を落としたモデルも存在する。バリバリの純ゲーミングPCには不向きなものの、コンパクトなPCを好むユーザー等はそういったモデルを敢えて買い求める場合もある。
CPUと同様に、より高い冷却性能を求めて冷却装置を交換したり水冷化したりする事も可能。
冷却装置を強化する事で熱暴走のリスクを低下させつつ額面通りのスペックを発揮しやすくなるが、CPUファンのように着脱を前提としておらず、また共通規格が無いのでハードルも高く、失敗したらグラボごと死ぬ絶大なリスクを伴うため、一般人は選択肢から消し去っておいていい。
元から簡易水冷化されているものもあれば、基板上のメモリチップ等の配置の都合上、各ボード用の専用品が必要な場合もある。
VRAMとは、グラフィックボードに搭載されているメモリチップの事で、先述のPCのメモリ(メインメモリ)とは異なる。
間違ってもプリンモチーフの仮面ライダーの英語表記ではない
主に映像データや、ゲーム内のテクスチャ等のデータを展開しておく部品。高解像度のディスプレイやゲームの高画質設定によって要求量は大きく上がり、瞬間的な負荷に対して
容量が足りなくなると、どれだけGPUが優秀でも急激に処理能力が低下する。
もっとも、VRAM容量とGPUグレードはある程度比例しており、大容量が欲しい場合にはほぼ必然的に高いグレードのグラフィックボードを買う事になる。メインメモリと違い、VRAMだけを後から自分で増設する事ができないからだ。
グレードの割にVRAMを多めに積んでいるモデルが用意される事もあるが、1世代のラインナップの中で1種類のグレードにしか用意されない事がほとんど。
2026年現在、比較的要求水準が低いフルHDディスプレイのゲーム用途でも8GBは欲しい。現役の範疇でも古い機種やエントリーモデルでは6GBも多いが、6GBだとGPU性能が十分でも高画質設定に耐えられないケースが多く、かなり妥協が必要。
ただしVRAM容量は足りなくなると非常に困るが、余っている事には「全く」メリットがない部分であり、8GBあれば一部の最高画質設定以外では不足がないので、ゲーム目的ならあまり気にしなくていい。
WQHDでも設定を1段下げれば8GBで対応できるが、活かすなら12GB以上。4Kなら最低12GB、できれば16GB以上といったところ。
AIは特にVRAMへの依存が大きく、例えば画像生成AIだと1024×1024以上の画像サイズではそれだけで10GB以上食われ、不足するとまともに動かせない。そのためAI用途ではVRAM容量が何より重要視されており、前述したVRAM重視モデルの需要が増す事となった。
例として、2021年発売のミドルクラスであるRTX 3060は8GB版と12GB版が存在するが、同時期のハイエンドであるRTX 3080ですら10GB、価格が5倍以上のRTX 3080 Tiでやっと同じ12GBだった。
そのため生成AIの普及によって「AI用途の最安モデル」として3060の評価が跳ね上がり、またAI抜きでも要求VRAM容量の水準が上がった事で、3080は(誇張表現ではあるが)「3060以下の時代遅れ」の烙印を押される事になってしまった。
他にVRAM要求が厳しいのは動画編集やVR。この辺りは具体的な運用によるが、16GBでもまだ不足があるという最もハイエンドな世界である。こうした用途においては、値段に対してVRAM容量が少ないモデルを買うとほぼ間違いなく後悔するので気を配ろう。
他分野の発展に伴って要求水準が上がり続けており、かつ少しでも足りない時のダメージが大きいので、長く使っていきたいなら少し多く見積もった方が良い。
また、ここまでの計算はあくまで単一用途前提。マルチタスクとなるとギリギリだと動画視聴位でも処理落ちする場合もあり、逆に余裕があれば3Dゲームの裏で3Dゲームとかも可能になるので、そういう快適さを求めるなら盛る事を検討したい。
NVIDIAは「Total Graphic Power(TGP)」、AMDは「Typical Board Power(TBP)」と表記している。グラフィックボードに最大の負荷がかかっている時に、グラフィックボード全体で消費される電力を示す。
上で「性能が上がるにつれて加速度的に価格が上がる」と書いたが、消費電力も同じようなもので、エントリーモデルなら100W、ミドルクラスなら最大200W位で収まるが、ハイエンドになると200~300W以上、ものによっては400Wを超えるものも。
消費電力に比例してグラフィックボードの熱も上がっていき、現状のハイエンドモデルだとフル稼働中なら冗談抜きで暖房代わりになるレベルで発熱する。ハイエンドグラボを利用する際はケースのエアフローはしっかりと。
CPU同様、技術の最適化が実感し易い部分で、ハイエンドはハイエンド故に右肩上がりなものの、ミドルクラス以下は性能が上がっても横這い傾向。
一例として前述した旧世代ハイエンドのRTX 3080は340Wで、GPU性能は現行5000番台で言うとRTX 5060 Ti以上RTX 5070未満といったところなのだが、これがRTX 5060 Tiならほぼ半分の180W、RTX 5070でも250Wで済む。この位差があると併用する電源のランクも上げざるを得ず、電気代にも関わるので馬鹿にならない。
極端な例として、AMDはかつて消費電力500Wにも及ぶトンデモGPU「Radeon R9 295X2」を作っていた。もはや電子レンジである。
……とか言っていたら2025年1月、とうとうNVIDIAが「GeForce RTX 5090」にて575Wに到達してしまった。オーブントースターかな?
専用グラフィックボードは電源から別個で電力供給を行う必要がある。
2026年現在は8pinコネクタが多い。ミドルクラス以下は8pin×1本、それ以上は8pin×2本を使用することが一般的。
基本的に電源を購入すると附属しているので、それをそのまま使うとよい。ただし、古い電源だと以前主流だった6pinコネクタしか用意されていない場合もあるので、その点に注意。
性能はやや落ちるが補助電源不要な物も存在している。「古め・軽めのゲームしか遊ばない」「専用GPUは付けたいが、とにかく省電力にしたい」場合は一考の価値あり。
更に高みを目指すとグラフィックボードを複数枚挿す事もできるが、そうなると本当に天井知らずに値段と消費電力が上がっていく。
マルチGPUに対応しているソフトでなければ効果がなく、必然的にCPUやマザーボードの仕様も奢る必要があり、また電源ユニットや冷却への配慮等色々と気を遣うのでハードルは非常に高い。
かつてはNVIDIAの「NVLink」「SLI」、AMDの「mGPU」「CrossFire」という仕組みがあり、特に2000年代に流行したが、
■近年の性能向上で、グラボ1枚でも十分な性能が得られるようになった
■そもそも2枚挿しで性能がそのまま2倍になる訳ではなく、良くて1.6倍が限度だった
■マルチGPU環境特有のカクつき(マイクロスタッタリング)など、不安定性があった
などの点から、GeForceではRTX 4000番台で、RadeonではRX 9000番台で廃止された。Intel Arcでは、元から複数枚のグラフィックボードによるマルチGPUの仕組みが開発されていない。
DirectX12以降で使用可能になった「EMA」というマルチGPU環境では、メーカーを問わず柔軟に構成可能になったが、これもDirectX12かつマルチGPUに対応したゲームでなければ有効にならない点には注意が必要。
基本的にはスペックの極限を目指して行う事とされがちだが、単純に機能別に分けて使う目的でGPUを複数台搭載する事例もある(1台をゲーム用、もう1台を動画録画・配信用で使用する等)。
「外付けGPU」とも。拡張スロットが全て埋まっている、あるいはノートPC等でグラボを搭載できない等の場合の切り札。
「グラフィックボードの外付けは(モニターの分配用等を除いて)原則不可能」というのが長らくパソコン界の常識だったが、その解決策の一つ。
ものすごく乱暴に言うと「USB接続の外付けグラボ」。
しかしその性質上、USB4やThunderboltといった高速・広帯域通信が可能なUSBが必須となる等、制約も幾つか存在する。
当然CPUやメモリ等の他のパーツ、極端な話ケース自体がボトルネックになる可能性はあるし、そもそもPC側がThunderboltに対応していなければ使えない訳だが……
対応さえしていれば本体内部にスペースが無くともグラフィック性能の強化が図れる他、外付けにする事で本体側の発熱や電源の負担を軽くしたり、必要な時以外は外しておいて消費電力を抑えたりもできる。
ただ、グラボ本体に加えてケースの方も割と高価な上、ガンガン排熱する構造上熱がこもり易い……というより、その前提でケース自体がかなりデカいので、予算や置き場所は余裕を持って確保しておきたいところ。
また機器自体も安価なPCが買える程の価格になる事が多い。更に一部のメーカーの場合、メーカー公式のeGPUでなければ動作しないケースもある。
まあ元々「デスクトップリプレイスメント」とも呼ばれる、持ち運ぶ事をあまり重視してない大型ノートPC向けの技術なので、自作機のほとんどを占めるデスクトップ機ではあまり意味がない技術ではある。
時代が進むにつれ、グラフィックボードの肥大化・重量化に伴い重要性が増しているアイテム。
大きいグラボほど物理的にも重くなるので、何の対策もせずに放っておくとマザーボードやグラフィックボードが歪んでしまい、接触不良で動作しない事も起こり得る。
最近ではマザーボード側にグラフィックボードを取り付けるスロットの耐久性を上げる工夫がされている場合がほとんどだが、グラフィックボードの端子にはそういった措置は見られない。
そこで活躍するのがサポートステイであり、取り付けて固定する事で歪みを防ぐ事ができる。ネジ留め等をするタイプもあるが、シンプルなものは本当に「支え棒」程度の代物。
最近はステイ必須のハイエンドモデルには大体同梱されているが、同梱もされておらず商品自体乏しかった頃には割り箸で当座をしのぐユーザーが多かった。というか今も居る
そのため「グラボの支えといえば割り箸」というジョークが自作界隈でも定番になっている。当然ながら安定性は無く、変な外れ方でどこかを破損させるリスクがあるので、決して推奨されない。
またグラボを外す時にも長さ・細さ・先端の面積どれを取っても割り箸が極めて使い勝手が良いため、「割り箸もPCパーツ」と言われたりするとか。誰が呼んだか「ゲーミング割り箸」
低解像度の画像をAIで高画質化する技術。これによりGPUの負担を緩和しつつ、高フレームレートと画質を両立する事ができる。「NVIDIA DLSS」「AMD FSR」「Intel XeSS」という名で展開しているのがこれに当たる。
正確に言うと、「グラボにDLSSなる何かが入っている」のではなく、「DLSSという技術をこのグラボでは動かせる」という事。
近年出たゲーム機でも
Nintendo Switch 2がDLSS、PS5と
Xbox series X|SはFSRに対応している。
基本的にソフトウェア側の実装ありきなので(強制的に適用させる物や手段もあるが)、特にインディーズやフリーゲームだと使えない事も多いので注意。
ややこしいのだが、DLSSはNVIDIA製でしか使えず、FSRやXeSSは他社グラボでも利用できる。これはDLSSはCUDAありきの技術だからで、その分DLSSは同世代の技術の中でも飛び抜けて強力。
DLSSは4000番台からバージョン3、5000番台だとバージョン4が使えるようになるため、これらのモデルを選ぶ大きなメリットとして挙げられる。
サウンドカード ※用途により必須
グラフィックボードと同じく音を聞かないのであれば不要だが、今のOSは音声案内機能も普通にあるので「全く音を鳴らさない」という事は考えにくい。
基本的にはマザーボード上に当初から搭載されている(オンボード)ので、これについている出力端子にイヤホン・ヘッドホン・スピーカーの端子を接続することになる。
マザーボードの音声入出力機能、あるいはマザーボードにハンダ付けされている音声処理用の半導体チップの事を指す。オーディオチップとも呼ばれる。
実際のところマザーボードの欄で述べたRealtek社の製品(通称「蟹」)の出力(デジタル・アナログ変換器、DAC)と入力(アナログ・デジタル変換器、ADC)を兼ね備えたチップがシェアの大半を占めており、業界標準と言っても差し支えない。
ただ、蟹に加えてプリアンプやDAC専用チップが搭載されたマザーボードも販売されてはいる。
| 価格帯 |
ローエンド・ミドルレンジ |
ハイエンド |
| 型番 |
ALC 800番代 |
ALC 1200・4000番代 |
高いマザーボードには高性能なオンボードサウンドが乗っている傾向があるが、音質を求める場合は外付けの機器も普及しているため、これだけのために高いマザーボードを選ぶのは考えもの。
とはいえハイエンドのマザーボードならば、そこそこのUSB DACに匹敵するオンボードサウンド……というかDAC専用チップが搭載されているものに関しては、中堅上位クラスのディスクリートDACに搭載されているDACチップとプリアンプがそっくりそのまま乗っているものも売られている。
PC本体から出るノイズに対する考え方にもよるが、買おうと思っていたマザーボードにいいオンボードサウンドが乗っていたら儲けもの位には考えておいてもいいかもしれない。
さて、パソコンにおけるオーディオに関連した用途というと
- オンラインゲーム
- 業務(テレワーク、Web会議、モニタリング等)
- コミュニケーション(家庭用ビデオ通話等)
- 映像鑑賞(映画、動画配信サイトなど)
- 実況・配信
- 音響制作関連(音楽や効果音の制作、楽器や声の録音、動画などのMA作業、音声編集など)
などが挙げられる。
この中でサウンドカードをどう選ぶかだが、まずは音質を追及するかどうかを最初の判断基準にするとよい。
大雑把に言って「音質を求めるなら外付けで拡張」「用途に足りる程度でいいならオンボードのまま」のどちらか。これはゲームやシアターの超ガチ勢や音響制作関連であれば品質を求めるべきと言える一方、昨今のオンボードサウンドも高品質化が進んでいるためオンライン通話や通常のシアター用途には十分な性能がある。
外付けは後述するが、オンボードを選んだ場合、次はリア・フロントそれぞれパネルにあるジャックに注目しよう。自作はともかくBTOや店頭販売されている製品から選ぶのであれば、パソコンケースのジャックの位置・数は特に重要になる。
マザーボード上に構築された端子では慣例として以下の色分けがなされている。
先に断っておくが、現行ではWindowsのシステムやデバイスによって内部的に調整可能であり、色で役割が固定化されているわけではない。特に、映画鑑賞に代表される5.1ch、7.1chを構成する場合はこれらの説明は一旦脇に置いておくこと。
| 緑(ライム) |
LINE OUT。ライン出力。イヤホン・ヘッドフォン・スピーカーを接続する。 |
| 赤(ピンク) |
MIC IN。マイク入力。 |
| 青(水色) |
LINE IN。ライン入力。コンポなどの音響機器からの音声入力に使用する。 |
ここまではだいたいのマザーボードとケース側でこうなっているだろう。
サラウンドを前提としたシステムの場合はさらに白・黒・橙が追加されるが、これも慣例のようなものであり、一切色をつけていないものもある。先に述べた通り、Windowsやデバイス側が内部で調整できるからである。
一例を挙げると、ASUSのマザーボードは白黒橙のないものでも5.1chサラウンドを実現できる。これは、本来入力に使っていた赤と青をそれぞれ2ch出力として切り替えて使用するやり方で、リア×2・センター・サブウーファーへの割り当てを内部的に行っている。(これで合計6つ分の出力=5.1ch用にぎりぎり足りる。当然これを使っている最中は入力が使えなくなる)
ただし3つの端子では7.1chに対応させるには足りないわけで、その時はさらに別の入力も併せて使わなければならない。よって7.1chにしたいのなら、緑赤青白黒橙があるケースを選ぶのが吉と言える。
- ジャック - ミニプラグ(ピンプラグ、ピンジャックとも)
3.5mm端子の細いケーブルおよびジャック。パソコンについている上記のジャックはほぼ全てこれ。
イヤホンなどでも使われていることから見た事がないという人は少ないだろう。
ミニプラグにおいて最も注意すべき点は極の数。これは端子を見ると黒い帯の数で判別できる。
帯は飾りではなく、電気的に分かれている。つまり帯の数が1つならば端子は2つに分かれているので、2極だとわかる。帯が2つなら3極。帯が3つなら4極である。
これらは、オーディオケーブルでは信号を送る極(+)とGND(-)の二つが必ず必要なので、2極の端子はモノラル用となる。一般的に普及しているステレオ端子は左右であるL・RとGNDの3極を必要とするので、端子に2つの帯があるはずだ。ヘッドセットの場合、これに加えてマイク入力が必要になるため4極=3つの帯となる。手元にあれば確認してみよう。
L・R・LGND・RGNDといった独自規格の4極もあるがここでは割愛。
一般にPCパーツの店または家電の関連ブースで売られているものは基本的にはステレオ3極のケーブルだろうが、それでもモノラルのものもあるので購入時は注意しておきたい。
なんで今もモノラルケーブルが売られているかというと、オーディオでは基本的に1スピーカーにつき1つのケーブルが基本だからである。パソコン用のスピーカーといえば2つセットやサウンドバーをよく目にするだろうが、そちらの方が派生型と言えるのだ。
テレワークからオンラインゲーム果てはコミュニティチャットやTRPGのオンラインセッションに至るまで、ボイスチャットが大きく普及した現代ではヘッドセットの需要は高い。逆にこうした用途にパソコンを使うのであれば、ヘッドセットが使いやすいパソコンを選ぶべきと言える。
さて、冒頭でリア・フロントにあるジャックに注目と書いた。
ケースの項目でも説明したが、フロントパネルコネクタが実質的にノイズの多いケース内を通る延長コードとして働いてしまう為、音質を気にする場合はあまり適していない……が、Web会議などのオンライン通話に使うなら必要十分なので、絶対に避けろというほどでもない。
なぜここで紹介したかというと、フロントパネルにあるジャックはヘッドセット用に用意されているものが多いからである。
ヘッドセットを常時使用ではなく臨機応変に使ったり使わなかったりする場合、抜き差しがしやすいフロントまたは上部にヘッドセット用ジャックがあるものは利便性の面で有利であり、選定の基準にもなる。
もちろん、常にヘッドセットのケーブルを挿しっぱなしでいいのなら場所にこだわる必要はない。
ただし、めんどくさいことにヘッドセット用端子でよく見られる4極の端子は実質ミニプラグ用ジャックを使っているにもかかわらず、独自規格がいくつか生えてしまっているので、少しばかり注意が必要となる。
まず、ヘッドセットは製品そのものでも端子にバラつきがある。
ヘッドセット側は「ヘッドフォンのLR・マイク入力で分かれた2本」「合体させた4極端子が1本」の2タイプが多い。
そしてパソコン側も「ヘッドフォン用ライン出力・マイク入力でジャック2つ」「合体させたジャック1つ」の2タイプがある。
問題なのは、ヘッドセットの端子側はケーブル項で説明した通り見た目(帯の数)で判別ができるが、ジャック側は見た目から正確に判別する手段がないこと。現行ではパソコンのフロントにあるヘッドフォン用ジャックはヘッドセットにも対応しているものが大半のはずだが、断言はできないのが現状。
これはもうケース側に依存する問題で、自作であれば配線次第である。
とはいえ、店頭販売のモデルではケースに注目し、ジャック部分に説明やアイコンが表示されているものを探すといいだろう。例えばヘッドセットアイコン(ヘッドフォンのアイコンと紛らわしいが下にマイクが突き出ている)が描かれていれば、そのように内部も対応して配線されており、問題なくヘッドセットが使えるはずである。
また、最近ではあえてヘッドフォン出力とマイク出力で分けてジャックを用意しているパソコンケースも多く出回っている。
これはある意味先祖返りとも言えるのだが、わかりづらい4極端子と違いヘッドセットを使う時にはむしろ悩まずに済む。
ここまではミニプラグを利用したヘッドセットについて解説してきた。
が、昨今ではスピーカーまであらゆる出力装置が従来のアナログ型式からUSBを利用したもの、Bluetoothを利用したものが出現しており、ミニプラグのオーディオ形式にこだわる必要もなくなっている。
どちらもマザーボード側のオーディオチップについてまったく頓着する必要がなく、配線で頭を悩ませる事もなくなり、しかもアナログから脱却することで音質も良いメリットがある。
こう書くとミニプラグでの接続は長所がないように思えるかもしれないが、アナログはアナログで安価かつ遅延がないというメリットはあるし、USBは挿し口を一つ消費してしまうし、Bluetoothは無線ゆえに別途電源(充電)という個別のデメリットを負う。値段も高い傾向にあるので、これらを加味して総合的に判断しなければならないだろう。
また、オンライン会議においてはヘッドセットと共にカメラを必要とする状況も多々ある。
カメラに関しては利便性の都合からUSB接続が支配的であり、ここでもUSBの口を消費してしまう事を頭に入れておきたい。
オンボードのサウンドカードは基本的には必要十分の域を出ず、性能を求める場合はグラフィックボード同様に別途拡張規格を利用して増強するのが一般的。
Bluetoothやスピーカー内蔵モニターといった、PC側のオンボード端子を全く使わないシステムも普及しており、その辺りも触れていこう。
歴史的には、かつてサウンドカードの拡張はオンボードの音質がイマイチだった事もあり需要が高かったが、昨今はオンボードサウンドの高品質化が進んでいるため、特にPCI ExpressやIEEE1394を利用した拡張サウンドカードの需要は大きく減少している。
オーディオの基礎的な話として、まずスピーカーを使う場合だが、スピーカーには別途アンプ機能が必要である。
アンプ機能がないスピーカーはヘッドホン/イヤホン用と同じ音量しか出せない。
そしてアンプには電力が必要なので、スピーカーはイヤホンと異なり、何らかの給電方法を必要とする。
詳しくは個別に記載するが、100V家庭用電源、USB給電、充電池または乾電池等。
従来の基本的なシステム。今では主流とは言いがたいが、知識として押さえておいて損はない。
〔PC → ライン出力→ スピーカーまたはヘッドホン〕という流れ。
基本にしてシンプルなのがメリットだが、一方でケーブルの数が増えるのでPC周りがゴチャゴチャするのが嫌という場合には向かない。
スピーカーの場合は大抵家庭用100Vコンセントに接続する必要があり、コードが増えてやっぱりゴチャゴチャしやすい。
正確な時期は不明だが、おおよそ2004年辺りから普及し始めた便利な無線接続システム。
ペアリングによって〔PC → スピーカーまたはヘッドホン〕という流れになる。
デジタル信号をBluetooth送信機から飛ばして、デバイス側(イヤホンやスピーカー側)で音声変換を行う原理になっている。
従って、パソコン本体のオーディオ関連の性能を気にする必要はない。故に今度はイヤホンの選定が難解になるが
当然ながら、PC側と音響装置側の双方がBluetoothに対応していなければならない。
今ではBluetoothを搭載したマザーボードを選べばいいし、なければPCI Expressスロットで追加する事もできる。
メリットはなんといっても無線である事。PC周りがスッキリして見た目がよくなり、掃除する時も有利。
デメリットは(スピーカーの場合の)充電・給電方法。安易にコードを増やしてはメリットが薄れてしまう。
メリットを生かす為にも、給電方法に合った位置を見越してスピーカーの配置を工夫したい。
名前の通りUSBで繋ぐスピーカー。だが同じ名前でありながら製品によって仕様が異なるので注意が必要。
具体的にはUSBで「音声信号を伝送する」「給電に使う」「両方」のタイプがある。購入前にきちんと確認を。
厳密に「USBスピーカー」と称するなら、音声伝送・給電の両方を行うものが主流と言っていいだろう。
このタイプはケーブルが一本で済む、ペアリングや充電・給電を考えなくていいといったメリットがあり、代償としてUSBの性質上出力が弱い欠点がある。これを補う為に別途電源を追加する製品もある程。
ただ、USB-CtoCのケーブルを使う機種であれば理論上30W位の出力を得られる為に、並のヘッドホンやスピーカーシステムが普通に鳴る事もある。
流れは〔PC → スピーカーまたはヘッドホン〕となり、オーディオケーブルがUSBケーブルに変わったと考えてOK。
一方、100円ショップ等で見かけるであろう極安のものはUSBを給電にしか使っていない。
つまり、普通のスピーカーの様にオーディオケーブルが必要なUSBスピーカーである。詐欺ではないが紛らわしい
メリットとしては、100Vコンセントの代わりにUSBを使うのでコンセントが足りない時に有用。デバイスのインストールもいらない。
デメリットはケーブルの数が通常のスピーカーと変わらず、それでいて出力が弱く、様々な面で低性能な事。
流れは〔PC → ライン出力 → スピーカーまたはヘッドホン〕。
恐らくBluetoothと並んで主流のシステム。
HDMI、DisplayPort、USB Type-Cは音声信号も送れるので、対応したスピーカー内蔵モニターでは新たに音声用ケーブルもスピーカーも買う必要がない。
流れは〔PC → スピーカー内蔵モニター〕。
メリットは手軽でPC周りがすっきりする事。モニター用以外にケーブルはおろかスピーカーを置くスペースが不要なのは大きい。
また大抵はモニターに更にイヤホン用端子がついているし、給電を考慮する必要もない。
デメリットは音質に期待できない事。特に小型化を優先したモニターは「音が出ればいいや」レベル。
ただ、価格が跳ね上がる事もないので財布に優しいとも言える。
マザーボード上のサウンドカードではなく、USBやIEEE 1394(Firewire)で繋ぐ独立した変換器を介する。
流れは〔PC → 変換器(音声出力端子) → スピーカーまたはヘッドホン〕。
主にUSB DAC等があり、高音質を追求するリスナーや音響制作においてはこれが主流。
なお、DACとはD/Aコンバータ、パソコン上のデジタル音声信号(D)を実際の音(A)に変換(C)する装置の事。即ちUSBで繋いだ外付けの変換機という事である。
パソコン内部ではパーツや配線等によってノイズから逃れにくく、プリメインアンプの代わりにもならないとされる内臓型より外付けに需要が移るのは必然と言える。
また、外付け機器にする事によりPCケースのサイズに依存せず、ジャック(端子)の数・種類等機能面でも有利となる。
USB接続なので持ち運び・使い回しに便利な点も見逃せない。
デメリットは高価な事。金食い虫はグラフィックボードが有名だが、DACも負けず劣らずの高価格である。
ちなみに、かつてオーディオインターフェースといえばIEEE 1394(Firewire)やPCI Expressを利用したサウンドカード(ややこしい)が主流だった。
ざっくりいえば、これはオーディオ信号の入出力の遅延(レイテンシー)が最大の敵であった事に由来しており、当時のUSB規格では速度的にニーズに応えられなかったのだ。
現在のUSB DACやBluetooth接続の需要は、速度に応えうる新たなUSB規格の登場とその歴史に沿って推移してきたといっても過言ではない。
なお、今でもFirewireを愛するマニアはいるが、今パソコンを考えている人は考慮する必要もないだろう。
上述したが、現行ではオンボードのオーディオチップでも5.1ch、7.1chに対応した製品が多い。
より音質の向上を目指したくなった時は、対応したUSB DACを購入するといいだろう。
オンラインプレイにおけるボイスチャットではヘッドセットが必須。これについては前述した通り。
より音響を楽しみたい場合、もしくは空間把握が重要となるゲームプレイではオンボードでは不足するため、やはりDACがおすすめとなる。
対戦型のゲームを主眼に置いたゲーミングPCでは7.1chサラウンドの体感において大きく需要を伸ばしているし、一人プレイであっても臨場感が大きく変わる。
- ノートPC(※自作PCとしては一般的ではないが、ハードウェアをいじる場合もある)
音質以前の話でジャックを付けるスペースの余裕がなく、5.1ch等にはまず対応していないので、ノートPCでそれを求める場合はUSB DAC等を付ける必要がある。
疑似的にステレオを5.1chに変換する機能が付いている場合があるので、それで満足する手もある。
オンボードでも入力端子はまず付いているが、音質が悪過ぎたり入力レベル(音量)が不足する場合がある。
またそこらが充分、あるいはアンプやDAC・サウンドカード等で対応しても、「手元で入出力の様々な操作をしたい」「入出力端子の数不足」「ループバック機能が欲しい」辺りの問題も出る事が多いので、オーディオインターフェースかオーディオミキサーのどちらかを選ぶ事になる。
- 音楽・音響制作(作編曲、歌・楽器・声・効果音の録音・編集等)をしたい人
作曲には高音質でモニターできる環境が重要な事はもちろん、録音時の音質にも大きく関わ為くるため、ほぼ確実にオーディオインターフェース一択。
先述の様にサウンドカードの需要は少なく、昨今のDTM事情においてすら選ぶ理由はあまりない。
しかし、オーディオインターフェースはUSB DACの上位互換なので、その分お値段も高いのが難点。
趣味というのであれば2万円前後でもいいモノは十分あるとはいえ、アマチュアとプロの区別が曖昧になってきている現在、上を目指して作品を世に送り出すのであれば10~20万円クラスは当たり前の世界。実際聞き比べて違いが分かる程には性能が違う。
なお、USB DACはただのUSB外付けのD/Aコンバータを指す用語に過ぎないので、オーディオインターフェースも当然DACを内蔵した機器である。
これは用途の違いからか、オーディオインターフェースとDACは分けて呼ばれる事が多い。
◇モニター用の偏りがなく解像度の高い音を求めるクリエイター向け→オーディオインターフェース
◇聴き心地の良さを重視・追求したリスニング向け→DAC
といった具合。
音楽制作をしない場合でも、近年では動画編集を行う人も増えており、動画のジャンルによってはあった方がいいケースがある。
例を挙げると音声や会話とBGMのレベルバランス、マスタリング等。
気になる音がどのソースから鳴っているのか探すといった時等でもオンボードとは明確に差が出る。
なお、多人数で同時録音する様なシステムが欲しい場合、(部屋の構造から考える必要がある為)パソコンというよりは音響総合システムとして専門の業者に頼んだ方がいいだろう。
音の高さのどこに重きを置くかの好みの違いは人それぞれだし、いつの世も音質にとことんこだわりたい人々はいる為、需要はある。結局ここがサウンドカードやUSB DAC最大の用途。
音の強弱の問題だけならイコライザで解決する事もあるが、抜本的な音質向上においてはやはり専用機器に優るものはない。
しかし、高価なサウンドカードやDACを用意してもヘッドホン(イヤホン)やスピーカー側が安物では性能を活かしきれないし、逆にオンボードでは高価格帯のスピーカーやヘッドホンの性能を最大限に活かせない。
片方だけでは大した効果は得られないので、違いの体感にはグラフィックボードと同じくかなりのコストを覚悟する必要がある。
ちなみにそこまで音質にこだわるならWASAPI排他モードやASIO等のソフト面の検討も必要だが、原音を出力できる代わりにソフトが対応している必要があったり、1つのアプリしか音が鳴らなくなるので恐らくマイナー。
低音が聞き取りやすかったり、高音が聞き取りやすかったりすると有利な場合もなくはない。
例えば、多人数戦FPSゲームではただの環境音とゲーム的に有効な音を聞き分けやすくしたり、足音を増幅して接近する他プレイヤーにいち早く気付ける様にする事にサウンドカードが用いられる場合もある。
ハードウェア構成の変更、即ち実力ではない外部的な要素ででゲム上の有利を得る行為であり、いわゆる「ハードウェアチート」として嫌う人もいるので注意。
この用途ではPC内部にあってもノイズが悪さをする事が少ないので、内蔵型サウンドカードが用いられる事も比較的多い。
光学ドライブ ※初回立ち上げ時のみ必要な時も
CD・DVD・Blu-rayドライブの事。PCの場合、ビデオデッキについているCDの出し入れ口が単体で販売されている。OSやドライバのインストールに際して必要になる事があるので、できればあった方がいい。
……のだが、人によっては使うのがその最初だけな場合もなくはない。近年では光学ドライブを付けられないPCケースも多く、そういった場合でもUSB接続の外付け光学ドライブがあれば事足りる。
実際に、SATA接続の内蔵式光学ドライブの優位は価格面位で、余程頻繁に使うのでなければ内蔵式にこだわる必要性は薄い。
一応、古いゲームソフト等には互換性の問題かSATA接続でなければ動かないものもあるらしく、内蔵ドライブを選ぶ余地が全くない訳ではないが。
それ以前に「光学ドライブ自体がそもそも必要ない」という環境も珍しくなくなっている。
Appleが2008年に発売した
MacBook Airが光学ドライブ非搭載という割り切った仕様で商品展開して以降、現代ではディスクドライブを廃したノートPCも増え、OSのインストールやリカバリーはUSBメモリから実行するものが大半を占める。
Windowsでも10以降のリテール版の中身は
USBメモリとライセンスキーである。
このため、使用頻度が減少した光学ドライブベイを2.5インチドライブやM.2ドライブに置き換える改造部品も販売されており、ノートPCでは内部容量の増加やRAID環境確保等に使われている。
自作界隈でも、内蔵するのをやめて内部容量の拡張やUSBと言った端子の追加場所として活用する人もいるし、そもそもドライブベイをごっそり切り捨てたケースも多々増えてきた。
それに配慮して、パーツ付属のドライバがUSBメモリで配布される事も増えたが、それもメーカーのサイトから直接ダウンロードすれば問題ない……どころか、付属のものは古い事も多いので最初から最新版をダウンロードしてきた方がいいという側面も。
2010年代後半になるとインターネット上でのダウンロード販売が一般化し、アプリであればUSBメモリすら不要になりつつある。Microsoft Officeを筆頭に、店頭で買った場合でも入っているのは「ダウンロード用コード」だったりと、ディスクで流通するもの自体が減少傾向。
仮にオフラインの環境でインストールする場合でも、あらかじめネットから拾ってきたデータをUSBメモリを経由してインストールすればいい。
最高画質のUltra HD Blu-rayビデオを見たいと言う人もいるだろうが、なんとPCではデータディスク用途を除くと
第7〜10世代のIntel Core i CPU搭載機しか再生できない仕様になっている。しかもグラフィックボード出力は不可で、内蔵GPU付きのIntel CPUを搭載したマザーボード出力じゃないと視聴できないという有り様。
そのためPCではなく、専用プレーヤーや
PlayStation5または
Xbox Series等で視聴した方が楽で便利になってしまっている。
とまあ、CD・DVD・Blu-rayにとって苦しい時代であるのは確かだが、光学メディアはバックアップ用の記録媒体に適する他、どうしても物理媒体でデータを配る予定がある場合(DVD・BDを編集して誰かに渡す、同人活動で手焼きする等)では未だに使い道がある。
ただ、見られる環境がない人も増えているので、同時にダウンロード版も提供する人も増加傾向にある。
ネットワークアダプタ ※ほぼ必須
ローカル通信網やインターネットに接続するのに必要なパーツ。今の時代、インターネットに繋がらないパソコン程寂しいものはない。
オンラインゲームをやり込む人であれば、ラグを極力抑えるにも有線LANがベターだろう。
このLANポートはマザーボードの標準装備である事も多いので、改めて買い求めるケースはあまり無い。
LANケーブルの形状は一つしかないが、「中の配線が両端共に同じ並びのストレートケーブル」と、「途中で入れ替わっているクロスケーブル」がある。自動判別する製品が多いので大して気になる事もないと思われるが、参考までに。
2026年現在ではカテゴリー6A以上の規格が主流。
通信速度は1Gbps(1000Mbps)のものを選んでおけばまず問題ないが、2020年代に入ると2Gbpsや10Gbpsと言った超高速回線も登場しているので、その場合は対応したマザーボードを購入する必要がある。有線LANカードをPCI Expressスロットに挿して対応させる方法もある。
逆に古いアダプタやケーブル(カテゴリー5以前)は100Mbpsまでしか対応していない事があるので、これも念の為(といってもYouTube位は普通に見れる)。
LANケーブルの取り回しが面倒なら無線LANを採用してもいい。有線LANケーブルが届かない環境等で無線にせざるを得ない人もいるだろう。
かつては有線よりもラグがあるのが問題だったが、技術の進歩できちんと環境が整っていれば大抵の用途で実用上支障はなくなっている。
あらかじめマザーボードに無線LAN機能を内蔵してくれるメーカーも増えているが、ない場合はPCI ExpressやUSBに差し込めるタイプを使えば容易に増設できる。
形状によってはマウスのレシーバー並に小さなものや、端子から直接アンテナが数本伸びたものだったり、ケーブルを介して据え置きアンテナとPCを繋ぐ方式だったりする。価格と受信性能、必要スペースも基本的に見た目相応。
こちらの規格は若干複雑だが、一番見ておきたい表記は「IEEE 802.11〜」の部分。
最新の規格から順に「be>ax>ac>n>g……」と付き、もちろん新しい程速いが対応機器は少ない。2026年時点での主流はax(Wi-Fi 6)、実用的には最低でもn(Wi-Fi 4)以上は欲しいところ。
データ盗聴防止のセキュリティ規格は最新は「WPA3−PSK」だが、今主流の「WPA2−PSK」とは全く互換性がないのがネック。混在モードに対応するルーターもあるが、それも不安定な場合は一方に統一するしか対策がなくなってしまう。
なお、旧規格の「WPA−PSK」「TKIP」「WEP」等は外部から電波が解読されるリスクがあり、極力使わない方が望ましい。
余裕があれば使用する周波数も見ておこう。6GHz帯、5GHz帯、2.4GHz帯があり、周波数が高い程混みにくく通信も速いが、ルーターから離れる程電波が弱くなり易い。
IEEE 802.11n以上のものなら5GHz帯に対応しているので、ゲームや配信を目的にする人は5GHz以上の周波数で接続する事を推奨。
「同じ規格と周波数なのに速度が違う…?」という場合は、よくあるのはアンテナ(ストリーム数とも)の搭載数が違うパターン。
一般的に「MIMO」と呼ばれる機能で、同じ電波の質でも、アンテナが増えるだけ小分けにできるので通信速度が上がるという理屈である。但し、アンテナの少ない方に合わせないといけないが。
もう一つは、無線のチャンネルが空いている時に複数チャンネルを独占して使用できる機能の稼働状況。こちらは「チャネル(チャンネル)ボンディング」と呼ばれる。
通常はチャンネル一つにつき20MHz分位使えるが、新しい規格なら40MHz、80MHz、160MHz……と複数チャンネルを同時に利用できる機種もある。
とはいえ余程空いている状況でない限りフル活用はかなり難しく、ルーターの性能通りに速度が出なくてもそこまで気にする必要はない。というか、混み易い2.4GHzの理論値はまず出ない。
■無線LAN対応マザーボード
一番簡単な方法。特にこだわらないならこれが無難だが、新しい規格に気軽に移行できない欠点もある。
■USBレシーバー
こちらも簡単な方法。おまけでBluetooth機能も追加もできるものも。
しかしノイズの性能を受けやすく、速度が安定しないのが欠点。オンラインゲームや配信、ビデオ会議、金融取引が多い人にはおすすめしない。
■PCIeスロットに接続するWi-Fiカード
グラフィックボードと同じ要領でマザーボードに装着する。マザーボード直結のためUSBレシーバーと比べるとノイズの影響が出にくく十分な速度が出る。
こちらもBluetooth機能を追加できる事が多い。しかしGPUの大きさによっては付けられない場合もあるので注意。
■Wi-Fi中継機・メッシュWi-Fiと有線LAN接続
これらの機器は基本的に親機ルーターからの電波感度を広げるために使う印象が強いが、有線LAN端子も搭載されているものも多く、それを活用すれば途中まで無線で通信しつつ、パソコンにはLANケーブルで有線接続できる。
PC内部には手を加える必要はない上に通信機能が分離しているおかげで、不具合が起きた時にも対処し易いのが利点。
余っているWi-Fiルーターが中継機モードに対応しているなら、それを流用してもOK。こちらはLANポートの数も多く、他の家電等を複数接続する場合のハブも不要になるので実用的。
しかしケーブルレスは諦める事と、コンセントが1本分増える事になるので、見た目をスッキリさせたい人には向かない。
自作であってもパソコンには変わりないので、いざとなったらスマートフォンのテザリング機能を使ってインターネットに接続もできる。
無線以外でもUSB直結か有線LANケーブルに変換して有線接続できるので、パソコンの場合は速度面で有線接続を推奨。通信障害が発生した際に使える手法なので覚えておいて損はない。
但し、パケットデータをかなり消費する上、光回線程速度が安定していない点は注意。
OS ※必須
正式名所は「オペレーティングシステム」。
人間でいうなら「脳とそれ以外の部位を繋ぐ神経」に相当するパーツで、これを入れないとPCはまともに動かない。立ち上げたとて、無機質な設定画面が表示されるのみである。よって、これも必須。
「パーツ」とは言ったが、実際にはソフトウェア……要はデータの塊なので、多くの場合「OS」等と書かれたCDやUSBメモリを買って読み込ませる(インストールする)事になる。
OSには
Microsoft Windowsや
Linux等の種類があるが、これは自分の好みで。よく分からないなら
とりあえずWindowsにしておけば失敗はない。
市販のゲームやアプリケーションはWindowsでの起動を前提としたものも多く、下手にLinux等にすると起動できない等のトラブルに見舞われる可能性もある。
どれを選んでも頑張れば『DOOM』は動く
なお、
MacはそもそもAppleが自作パーツを売っていないので、当然OS単体では買えない。欲しいならお店でiMacやMacBookを買おう。
一時期のmacOSではディスクメディアによるアップデートが可能であり、このディスクやアップデート用の仮想ディスクからmacOSが手に入ったので、それを自作PCにインストールする
「Hackintosh」という裏技をやる者達もいた。
パーツ単体がそれぞれ非公式に対応してないと、インストールの途中でエラーを吐いて止まるという茨の道だったらしいが、Intel Mac時代のmacOSならば割と簡単に動かせたという噂もある。
スマートフォン向けのOSである
Androidをインストールする事も、やろうと思えばできる。
また、ITエンジニア界隈を中心にOSを自力で構築するという離れ業をやってのける人も昔からちらほらいる。Linuxはこの過程の産物と言っていい。OS自作に関する書籍等も売られているので、興味があれば挑戦してみるのも良いだろう。
ただし市販のアプリケーションが正常に動作しない等のトラブルも起こり得るので、あくまでも自己責任となる点には注意。
Microsoft社が開発しているOS。多く……どころかほとんどの家庭用PCで使われており、一般的な店舗で買ったPCはMacBookを除けば100%コレ。もはや世界基準と言っていいレベルで普及している。
既製品でなくとも、ディスク等の単体で売られてもいる。正規品は大体1万円。
利用者がメチャクチャ多い上に製造元のMicrosoftが定期的にアップデート・サポートをしてくれるおかげで、困った時の対処法やソフト等がすぐに見つかり易い。よって、
一部の変態マニアとエンジニア・クリエイター系の人以外は、基本的にWindowsを選んでおけば間違いない。
ただし、クリエイターも環境と設定さえ整えばWindowsを使っていて困る場面は他OSとのデータ共有以外では少ないので、そこはお好みで。
初心者~中級者が
特に理由もないのに調子に乗ってWindows以外のOSを選ぶと、ほぼ確実に泣きを見るので注意。
「ユーザー数が多い故にWindowsを狙った
マルウェアも多い」とよく言われるが、他OSもそこらの注意点は全く同じなので、マルウェア対策はどのOSでも気を付ける事。
Apple社が開発している、UNIXベースのOS。
基本的にMacBook等、Appleが販売する製品に組み込まれて販売されており、OS単体で入手する事はできない。また、Appleが開発しているこれらのPCは全てmacOSで固められており、MacBookにWindows等の別OSをインストールするのは不可能だった。
2012年以降販売のIntel CPUが使われているMacであれば、BootCampという公式のユーティリティと、Windows(非アップグレード版)のディスクイメージがあればインストール可能になっている。
2020年から発売されたApple Silliconチップ仕様のMacBookはIntel CPUじゃないので今のところは不可能。ARM版のWindowsなら動くらしいが……
iPhoneに導入されている「iOS」も同社開発かつこのmacOSから派生した系列にあたり、このためAppleの製品同士ならデータのやり取りが円滑に行える。
ヌルっとしたやたら滑らかな動作が特徴で、歴史的事情からグラフィックデザイナーやイラスト、音楽等のクリエイターにとってはWindowsよりもこちらの方がなじみ深い人もいるだろう。
反面、Windowsよりも対応しているゲームソフトが少なく、これまた幾つかの事情からソフト開発等が面倒だったりするのが欠点。
Steamゲームが数割以上対応してない事、「.exe」ファイルが動かない事はとりわけ問題になり易い。
iOS向けのゲームはApple Sillicon機なら動作が可能であり、Windows向けのソフトの一部もWindowsエミュレーターアプリで動作する事も一応可能ではある。
フィンランド出身で現在はアメリカで活躍するプログラマーである「リーナス・トーバルズ」によって開発され、有志の手で改良が繰り返されてきたOS。
Linux、
Linuxディストリビューションに項目があるので、気になる方はそちらを参照。
Windows程にはサポート体制がしっかりしていないというデメリットはあるが、裏を返せば「余計なソフトが入っておらず軽量である」「カスタマイズにおける制約が少なく改造がし易い」という特徴もあり、エンジニア等の技術職……の中でもOSをとことんいじりたい層や上級マシンオタクに好まれがち。
デメリットは上に挙げた通り、サポート体制がしっかりしてない所が多く、扱うのが難しい事。
◇「WindowsでもMacでも使えるのに、Linuxだけ非対応」というアプリがそれなりに存在する
◇CLIを扱うスキルが半ば必須
◇日本語対応が遅れ気味で、ある程度以上の英語スキル・検索スキルを要求する
◇そもそもLinuxといっても、幾つもの「ディストリビューション」に分かれている(後述)
◇単に無料だからと始めようとした事を他OSでやる場合とで比較すると、時間と労力的に割に合わな事も多い
など利用難易度面でのデメリットが大きく、PC初心者には基本的におすすめできない。どうしても使いたいのであれば、使途とある程度覚悟を決めるように。
世界中の無数の技術者によって改造・独自アップデートが重ねられた結果、派生形が多数存在しており、「ただのLinux OS」というものは事実上存在しない。
レトロゲームに特化したものから、WindowsやMacの挙動をパクっ真似たもの、サーバーに使う業務用、通常の家庭PC用、宇宙ステーションの制御に用いられているもの(!)等、その種類は多岐に渡る。
GUIがない(つまり、プログラマがよくやる真っ黒い画面をカチャカチャやって操作しなければならない)タイプも多いため、利用するには「Linux Desktop」と呼ばれるタイプのディストリビューションを導入しなければならない。
一般用途として使われる主なLinux Desktopは「Fedora」「Debian」「Ubuntu」「Linux Mint」「MX Linux」「Manjaro」「EndeavourOS」等があるので、この中から肌に合うものを選ぶといいだろう。
ゲーム用途なら専用機に近いUIでも使える「SteamOS」「Bazzite」等もおすすめ。自作界隈では嫌々ゲーム用途だけでWindowsを使ってきた層やWindowsの更新対象から外れたPCを安全にゲーミング用途でも使い続ける手段として注目されている。
無論、パソコンに疎いならWindowsをまずは推奨するのだが……
改造版のLinuxの中には「USBからブート可能」なものもある。OSが壊れて起動しなくなった時のデータレスキュー用に1個持っておくと便利。
Googleが開発するOS。正確にはLinuxのディストリビューションの一種である。
一般的にはChromebook向けに搭載されているOSとして知られているが、「Chrome OS Flex」としてOS単体で配布されているので
個人のパソコンにも導入する事も可能。
ただ、Chrome OSの魅力であるAndroidアプリの互換動作は標準配布版では不可能である。どうしてもの場合はLinux経由で対応版をインストールできる手段があるが。
動作がWindowsより軽いので、自作界隈の場合は古いCPU搭載機の活用のために他のLinuxディストリビューションと共に使われている。
PCにインストールするAndroid。
スマートデバイスと比べて高容量を確保し易い利点はあるが、互換性が高いかは別問題。2026年現在更新停止しており、セキュリティ面からも尚更導入は非推奨。
ソーシャルゲーム等をPCでしたい場合は、これではなくnox等のWindowsに入れるエミュレータの方がマシかもしれない。ただしエミュレーターは重たくなりがちだったり、相性問題やエラーも多発しがち(アプリ側のサポートも基本対象外)なので、導入のためにPCに投資する場合は下調べを怠らない事。
カリフォルニア大学バークレー校で生まれたOS。こちらもオープンソースを採用しており、様々な派生ディストリビューションが存在する。
Linuxの「GPLライセンス」よりも規約が緩い「BSDライセンス」を採用しているので、ゲーム機のOSの基礎として使われる事もある。
しかし、ドライバーの数はLinux以上に少なく、普通の使い方をするなら他のOSの方を最初は推奨する。
ディスプレイ ※必須
要は画面。今で言えば液晶ディスプレイがほとんどを占める。「(PC)モニター」とも呼ばれる。
PC初心者にありがちな勘違いだが、本体と画面が一体化しているテレビやタブレットと違い、パソコンは上述したCPU〜ケースで構成されるPC本体とディスプレイが揃って初めて成り立つ(※ノートパソコンやオールインワンパソコン等の例外もある)。
というか、電子機器とは本来そういうものである。PC本体だけ作っても何も見えないし、ディスプレイだけ買ってきても何も映らない。
組み上げたPCの全ての結果が表示され、分かりやすく使用体験に直結する機器なので、ディスプレイに予算を多めに割く人も結構多い。
なお、最近のテレビではディスプレイとして使えるものも存在するので、ディスプレイを買い忘れたうっかりさんはHDMIケーブルをテレビに繋いでみよう。
多くは机に置いて使うので、サイズは20〜32インチで縦横比16:9〜16:10のワイド画面が、個人で使うのに適した大きさ。
後述する解像度によっても変わってくるもので、FHDなら24インチ、WQHDだと27インチ、4Kだと32インチ当たりが主流であり当該製品も多い。
横方向に広くしたものも登場しており、21:9だったり中には32:9なんてものもある。横に長過ぎぎると視線の移動が激しくなって目と首が疲れるので、本当は縦に積んだ方がいいらしいが。
あとは
某漁師集団は32:9大好き。同ゲームの推奨環境は16:9デュアルとされているが、32:9モニターであれば1枚で足り、画面の境目もなくせるからだ。
解像度やリフレッシュレートはGPUの性能とのバランスを考えよう。
ビジネス用途等一度に表示できる情報量を増やしたい場合、2台以上接続する事もある。
実際にデュアルモニターを使ってみると、色々な事がすごく捗る。サブモニター側に「チャットツール、SNS、ゲームの攻略サイト、音楽再生ソフト、動画再生ソフト(YouTube等も可)」を逃がすだけでも、タスクバーへマウスを動かす回数がめちゃくちゃ減り、最大化最小化でイライラする事も減る。
メイン画面にゲーム、サブ画面に攻略サイトとするのもおすすめ。SNS用に縦長ディスプレイを置く場合も。
特に株やFXといった取引を長時間行う個人投資家等は3~4台使う事も。そういった作業で目が疲れないよう、画面の明滅を軽減した機能(フリッカーフリー)もある。
複数ディスプレイを使う場合に異なるサイズや解像度のものを用いたい場合もあるだろうが、最低限サイズあたりのドット数(dots per inch, dpiとも)は揃えておくと扱いやすくなる。
拡大・縮小でウィンドウが見にくくなったり、マウスカーソルの物理的な位置と内部的な位置が対応せずにカーソルを見失ったりする事を防げるからだ。
見た目が見た目なので、PCに詳しくないお父ちゃん/お母ちゃんがPCと勘違いしてディスプレイだけを買ってきてしまい、子供や知り合いに相談するという微笑ましくも悩ましい問題が起こりがちなパーツでもある。
同様に、Windows 8発売時にOSの機能としてタッチパネル対応を謳っていたのだが、コレを「Windows 8を入れればPC(モニター)がタッチパネル操作できるようになる!」と勘違いしてしまう人が続出した。
無論、実際にはそんな事はなく、ノートPCも含めタッチパネル操作に対応したディスプレイを別途購入しなければならない。
ここではパソコン用途を前提に紹介しているが、ディスプレイはPCに限らず映像出力できる物なら何でも使える。ゲーム機やAmazon Fire TV Stickのようなメディアプレーヤー用に購入する人も少なくない。
40インチ以上の大型ディスプレイの種類や単体での音響性能、標準でリモコンが付帯している点ではテレビの方が上だが、それらを求めない場合は一つの選択肢になりえる。
■ブラウン管
「CRT」とも呼ばれる。昔の頃に一般的だった画面。液晶よりも応答速度が速いのでゲーマーには好まれていた。
置き場所を取る上に消費電力も多いので、液晶が普及するにつれて衰退していった。
今では新規製造されておらず、中古販売店でしか見かけない。
■液晶/LCD
現在の主流である画面。省電力省スペース長寿命で比較的安価だが、後述の欠点がある。
それらを克服するべく各社が様々な技術を投入している。
■有機EL/OLED
液晶よりも色鮮やかかつ省電力で、
パネルメーカーや端末メーカーのゴリ押しに近いせいもありスマホでは普及が進んだが、パソコン向けはラインナップが少な過ぎる上に値段も極端に高い。
しかし動作原理上、液晶よりも応答速度は極めて高速。画面の色が完全に黒の場合は発光せず、その時の消費電力は制御回路等の分だけになる。
欠点として、長期間の使用で画面の
焼き付きが起きる可能性があり、対策として輝度を抑制する処理が入る場合がある。
更に
パネル自体が紫外線に極端に弱いという決して無視できない弱点もある。このため直射日光はほぼ厳禁、未使用時にはカバーか何かをかけて外光を遮る事が望ましい。
劣悪環境が当たり前の産業機械と、負荷の重いゲームセンターでほとんど使われていない時点で耐久性や信頼性はお察し
ただ液晶にはない強みとして、
パネルの造形の自由度が高い、曲面や折り曲がる画面を作れる等の点もある。
「それって『普通の』PCやスマホ等には必要なくね?」というツッコんではいけない
■マイクロLED
小さなLEDを並べて作ったディスプレイ。
有機ELも含めた他のディスプレイよりも黒のコントラスト比が高く、応答速度、省電力性能も最高。焼き付きの心配もない。
欠点は値段。力技的な最新技術なので4Kディスプレイ1枚が1500万円以上(2024年時点)。大きさも100インチ前後のものしかない。
現状で自作PCに使うにはあまりにも高額だが、メーカー各社が開発競争を進めているので安くなるのを待とう。
■ミニLED
マイクロLEDの廉価版とされる技術。厳密には液晶のバックライトを小型のLEDに変えただけで、単純な性能では劣るものの、既存の液晶や有機ELよりはずっと上。
こちらもまだまだ高価ではあるが、有機ELよりは安めであり、徐々に現実的な選択肢に加わりつつある。
■量子ドット
液晶、有機ELの双方で使われる技術なのでついでに解説。
量子とついている時点で物々しい雰囲気だが、ものすごく乱暴に言うと「光の波長=色を変化させる物質や構造」である。
これ自体は実はそれ程目新しいものではなく、赤色レーザーを特殊な結晶に通す事で波長=色を変える「DPSS方式」の緑色レーザー等でかねてから実用化されている。
現在では青色LED/有機ELパネルを光源とし、色を変化させる方式が主流。特に白が自然な色合いになるのが特徴。
ただし、発光体の中でも寿命が短くなりがちな青色光源を使うため、寿命は比較的短いとされる。
■プロジェクター
映画館のように光を壁やスクリーンに当てて画像を映す装置。新製品なら一般的な液晶より電気代がかからない事が多く、天井に映す事もできる。
デメリットとしては「明るい場所では画像が薄くなる」「起動音がする」「起動時間がかかる」等。
■E-ink/電子ペーパー
電子書籍リーダー等に搭載されている、発光しないディスプレイ。明るい部屋でしか使用できないが、目に優しく消費電力も低い。
PC用のものも幾つか売られているが、基本的に白黒で、リフレッシュレートもものすごく低く(アクションゲーム等はほぼ壊滅)、しかも液晶等と比べると値段がものすごく高い。
■ヘッドマウントディスプレイ
頭に装着するディスプレイで、VR用のものも存在する。PlayStation VRもPCで使用可能。
液晶ならば「TN」「VA」「IPS」の3つに分けられる。
■TN (Twisted Nematic)
3つの中では最も安価。GPUの項目でも触れた、リフレッシュレートが高い製品が数多く揃っているのが特徴。応答速度も上げ易い。
欠点として視野角が狭く、複数人での鑑賞には向かない。個人用途でも、ちょっと視点がズレたり左右の端を見る時に影響する事はあるので、無視できない。
また、コントラスト比(後述)も低い。例えば真っ黒な画面を表示すると、少し明るくて灰色っぽい黒色になってしまう。
IPSの発展に伴い、現在ではFPSプレイヤー等ゲーミング用途の中でも競技的なゲームのための特化型という向きが強い。
■IPS (In-Plane Switching)
ゲーム向けを謳っていない、一般的な液晶ディスプレイでは主流の存在。製品数も3タイプの中では最も多い。
視野角が圧倒的に広く、色もかなり鮮やかに描かれる。
2024年頃にはIPSのゲーミングディスプレイの開発が進み、TNに匹敵するような高リフレッシュレート、低応答速度のものも増えている。
今や低価格帯でもTNとも大差ないリフレッシュレートを実現できるようになったため、ゲーマーでも迷ったらこれでOKと言える万能型。
■VA (Vertical Alignment)
TNで問題となっていた、視野角の狭さや変に明るい黒色を改善するために開発されたタイプ。
3つの中では圧倒的にコントラスト比が高く、黒色の表現力はIPSすらも凌ぐ。映画等の映像作品の鑑賞用途に強い。
一方で応答速度が低く、視野角もIPSには劣り、黒色が強すぎるのが邪魔な事もある……と弱点も多く汎用性は低め。
しかし、こちらもゲーミングディスプレイ向けの開発が盛んに行われており、曲面ディスプレイとの相性がいい事からそのための採用が多く、ハイエンドモデルなら応答速度の問題も解決できるので、予算が許すなら最強と言える立ち位置。
直下型はディスプレイの下にLEDを配置し、光を送る方式。
エッジライト型は安価なモバイルディスプレイに多く、ディスプレイの端にLEDを配置し、導光板等でで光を送る。そのためLEDに近い部分は必然的に明るくなり、LEDから離れる程暗くなる。黒い画面だと端にLEDの光がくっきり見えるものも。
高い解像度程、画面に映し出せる情報量が劇的に多くなる。
非常に大きなメリットがあるが、前述の通りグラボの負荷に直結する上、自分の目で追い切れなくなるなど一概に高ければいいというものでもない。
特に目が追い付くかどうかは選ぶ上で最も重要なポイント。とはいえディスプレイ側で縮小できたりするので、大は小を兼ねるという選び方もOK。
2026年現在では「フルHD、1080p(1920×1080)」「QHD、WQHD、1440p(2560×1440)」「4K、2160p(3840×2160)」の3種類が主流。複数ディスプレイを駆使して8K以上の超高解像度を実現する猛者もいる。
当然ながら価格への影響は大きく、4Kディスプレイは同等のFHDの3倍位する。しかもグラボを始めとした周辺機器の要求水準が一回り上がってしまうので、見た目以上に高くつく。
分かっているとは思うが、「解像度」と「ディスプレイ本体のサイズ」は別物なので注意。
同じ24インチパネルでも、解像度と駆動速度の違いで複数のモデルを製造しているメーカーが多く、品番も少し違うだけとややこしいので選ぶ際には注意。
また情報量が多いという事は、ディスプレイサイズが小さい場合「高解像度100%だと米粒みたいなアイコンサイズしかねぇ!」とかになるので、高解像度なのにサイズ小さいモニターを買う人はその前に家電量販店等で現物(なければ類似スペックのもの)をしっかり見ておきたい。
液晶ディスプレイはPCから送られてきたデータを綺麗に処理してから表示する仕組みになっていて、信号が入力されてから画面に表示されるまでにどうしても若干の遅延が発生してしまう。
よって、ゲーム用の場合はこの「表示遅延」対策がどの程度行われているかを重視する事が多い。
現実問題として5フレーム(1秒あたり60フレームとして、約0.083秒)も遅れていれば大抵の人は違和感を覚え、0.1秒遅れると
クリボーを踏むのも困難である。
ゲーミング向けを謳っている商品は概ね低遅延だが、FPSや格闘ゲーム等特に表示遅延が死活問題になるゲームを遊ぶのならば、カタログに「スルーモード搭載」等と記載のある商品を選択するとよい。
スルーモードとは前述の「映像を綺麗にする処理」を省いて表示するモードの事であり、その分映像の綺麗さとはトレードオフである。
商品によっては「遅延○○ms」と明記されている事もあるが、メーカーの自己申告でしかないのが辛いところ。
表示遅延を計測するソフトもあるが、「基準となるディスプレイと同時出力し、表示されるタイマーをデジカメで撮影する」という手間のかかる計測方法になる。
なお、一般用の液晶テレビは今でも遅延を重視しない傾向が強く、(上述の通り画質と遅延は基本的にトレードオフの関係になるので)アクション要素のあるゲームを遊ぶには不向きだが、「ゲームモード」や「低遅延モード」といった設定で解決できる場合もある。
液晶ディスプレイが市場に出回り初めて間もない頃は遅延の重要性が全くと言っていい程認識されておらず、ゲーミングディスプレイ等という物もの存在すらしていなかったので「アクションゲームをやりたいなら液晶は買わずブラウン管で遊べ」と言われたりもした。
上記の表示遅延と似たイメージで紛らわしいが、単に「応答速度」と書かれていた場合は「液晶パネルが《黒→白→黒》という変化をした場合にかかる時間」といった意味になる。
この数値が小さい程表示を素早く切り替えられて、残像が少なく動画の表示に適したディスプレイと考えられる。
よって「応答速度○ms」等と謳われていても、上記の表示遅延時間とは無関係である点に注意が必要。ひどい場合はショップ店員や雑誌まで混同している時がある。
また、表示遅延と同様に応答速度の表記もメーカーの自己申告でしかなく、実は最も良い条件の数字のみ記載していたり、そもそも応答時間・表示遅延共々測定方法・記載方法に統一された基準がなく各社まちまちだったりと、なかなか悩ましい状況が続いている。
液晶パネルの応答速度は白から黒にする場合、あるいはその逆を行う場合に最も速くなるが、中間色から中間色への応答速度はそれより遅くなる他、その度合いも駆動方式等によって差がある。
その為「GTG(Gray To Gray:中間階調応答速度)」という指標が生まれてもいるが、これも中身が曖昧。
画面を1秒間で何回書き換えられるかという数字。単位はHz、もしくはfps。
両方とも同じ意味だが、基本的には「モニターの規格はHz」「実際の出力はfps」で表される事が多い。
従来は「1/60秒以下の書き換えは人間の目では分からない」として、基本的には60Hz出てればいいとされてきた。しかし60Hz以上で書き換えると「なんとなくにゅるにゅる動く」と、実際には60Hz以上も判別できる事が判明。
現在は倍速駆動と呼ばれる120Hz、さらにブーストした144~240Hz辺りのモニターがゲーム用途向けに販売されている。3Dゲーム全般、特に昨今流行りの対戦ゲームを遊ぶプレイヤーは要チェック。家庭用ゲーム機であるSwitch2やPS5等も高リフレッシュレートに対応し始めている。
2026年現在、4K 240Hz・WQHD 360Hz・FHD 480Hzモニター辺りが多数のメーカーの最速リフレッシュレートになっているが、600Hz超えモニターもあったりする。
しかし、いくらモニターが60Hz以上に対応していても、実際に60fps以上を出すにはPCの性能もかなり要求されるため、この辺りの高速駆動はハイエンド構成でなければ発揮できないので注意。
特に4Kとなれば尚更、もとい超重量級のゲームは何をしても4Kでは120fps出ないなんてものも多い。例えば『
鳴潮』はフレーム生成なしではRTX5090を持ってしても100fpsを切ってしまう。
ハイエンドでなくとも設定変更で144Hzを引き出す事も(ゲームによっては)可能だが、実際に自分が遊びたいゲーム・遊びたい画質で144Hz出るかどうかはPC構成の際に店員さんに聞くといいだろう。
一応整数倍なら綺麗に動くので、144Hzモニターで72fpsで(ゲーム内設定やグラボのドライバーを使って)リミッターをかければミドルレンジでも実用的に運用可能。
ただ、処理落ち等でリフレッシュレートと実レートがズレると、「テアリング」と呼ばれる画像の乱れを引き起こすので注意。G-SyncやFreesyncといったリフレッシュレートブレを吸収する規格も存在する。
ディスプレイを構成する画素、即ち光る点が並ぶ間隔。画素の大きさと言い換える事もでき、「表示領域の寸法÷最大解像度」で計算できる。
注意したいのは、安価なディスプレイの中には稀に縦方向と横方向の画素ピッチが違う機種があるという点。
縦横の画素ピッチが揃っていないという事は、つまり画素が長方形の液晶パネルを採用しているという事で、こういったディスプレイでは表示内容が画素の形に引き伸ばされて実際の印象が変わってしまう。
「安い」という点以外にそのようなディスプレイを使うメリットは皆無であり、特にイラスト制作やCADといった表示に厳密さが求められる用途では避けたい……が、メーカーによってはそもそも画素ピッチが公開されていなかったり、ボカされていたりする事もある。
気にする場合は「0.△△mm×0.△△mm」といった具合に、両方の画素ピッチを明記している機種から選ぶのが無難。
画面内の「白」と「黒」の輝度の比を表す指標。例えば1000:1ならば、白い部分が黒い部分の1000倍明るい事になる。
液晶ディスプレイでは1000:1~1500:1位が主流で、上述したVAパネルだと3000:1~5000:1、有機ELに至っては100万:1にも及ぶ。
「人間工学」という意味。要はモニターを支柱上で動かして扱い易い位置に動かしたり傾けたり、あるいは90度回して縦置きしたりできる機能。
ゲームでも仕事でも、長い間同じ姿勢でいる事が多いPCではちょうどいい位置にディスプレイを置いておく事で、作業のしやすさが段違いに上がる。
特に縦置きができるものは省スペースで作業領域を稼いだり、論文や攻略サイト等の縦長の文章が読みやすくなったり、ある種のサイドバーとして活用できたりする等活用法も増える。
2019年~2021年頃に各社が売り出したディスプレイの形状。2022年以降は下火になりつつある。「湾曲モニター」等とも呼ばれる。
その名の通り画面が物理的に曲げられ、両端が前面にせり出している。
画面の中央と両端の視線の距離差が少なく、ゲームや映像への没入感を高められるメリットがあるが、平面ディスプレイより高価、人によっては画面酔いし易い等といったデメリットもある。特に自分の正面にディスプレイを置かない人は酔い易い。
パネルの種類はほとんどがVA。メーカーサイト等では「1800R」「1500R」といった表示があるが、これはディスプレイの曲がり具合を半径で示しており、数字が小さい程キツいカーブになっている。
USB給電や内蔵バッテリーで稼働する、携帯型のディスプレイ。超乱暴に言うなら「ノートPCの画面だけ版」。
この性質上、パネルやノートPCの発展とほぼイコールの進化を遂げており、現在では4Kやそれ以上のピクセル数の画面や有機EL、120Hz以上の高速駆動等据え置き型にも負けず劣らずの機能を備える機種も増えている。
「ゲーム等で4K映像を楽しみたいが、4KTVは大き過ぎて置く場所が……」という人や、「旅行好き、あるいは出張が多いのでホテルの部屋でPC作業やゲームをしたいが、客室のテレビのHDMIが封じられている事がある。どうすればいい?」という人にはオススメ。
しかしその性格上、HDMIは一般的なフルサイズではなくビデオカメラ等に使われるminiHDMIが主流なので、miniHDMIケーブルや変換アダプターを用意するか、そもそもHDMIを使わずにUSB-Cで接続する等で考えた方がいい。
また「持ち運べるディスプレイ」として考えた場合、あまりにも大きいと今度は収納するバッグに難儀する事も。大画面と携帯性を両立させるなら、高性能ノートPCで主流のサイズともなっている15.6インチワイドがちょうどいい落とし所になるだろう。
逆に事実上の据え置き用途や、「家庭内モバイル」として使う場合、18インチや23インチといった大型機も出回っているので、手軽に大画面や高精細画面の環境を構築したい際にも検討してみるといい。
大型機の場合はHDMIもminiではなくフルサイズとなっている機種もあり、接続が手軽になるというメリットもある。
なお、飛行機での移動の際はバッテリー内蔵機種の場合、預かり手荷物にできないので要注意。
持ち運びをしない場合もデュアルディスプレイに(3個以上も)できる。
主にモバイルディスプレイに搭載されている。
特に今のWindowsは、どの端末でも使えるOSにする流れの一環で、8以降ではスマホのようなスワイプ操作にも対応しており、力を入れている。
厳密には違うが、後述する液晶タブレットもこの類かもしれない。
超乱暴に言うなら「
ペンタブになるモバイルディスプレイ」。
基本的な繋ぎ方はモバイルディスプレイと変わらないが、基本的には絵を描く道具なので、リフレッシュレートが60Hzなどディスプレイとしては最低限である事が多い。
また左右にショートカットキーがあるものも多いが、それ以外の部分のベゼルも広いのが普通で、画面サイズ以上にでかい。
上述のように、ペン操作とタッチ操作は別物。中には両方の機能を持っているものも。
「タッチ操作を何に使うの?」と思う人もいるだろうが、タッチで画面をスクロールできるソフトが存在する。またペンだとピンチ(拡縮)もできない。
「モニターアーム」とも。最初から付属しているスタンドの代わりにディスプレイを取り付けるロボットアーム状のパーツ。
ディスプレイの位置を上下前後左右自由に調整でき、付属のスタンドではデッドスペースになりがちなディスプレイ直下部分が空いて、机を広く使える事がメリット。
1台用はもちろん、2台以上のディスプレイを同時に取り付けられるアームも用意されている。
ディスプレイとアームの接続には「VESA」という規格のネジ穴を使う事がほとんどだが、VESA規格にも幾つかサイズがある他、VESA非対応のディスプレイも多い。
ディスプレイとアームの両方が同じネジ穴を備えているかどうか調べておくと後が楽。一応、非対応のディスプレイを接続するための変換パーツや大きな爪でディスプレイを掴むような金具もあるにはあるが。
アームの基部は机や壁に固定する。机に固定する場合、主にクランプ式とグロメット式(デスクに穴を空け、穴にボルトを通して固定する方式)の2種類。
クランプ式は挟めばいいだけなので設置が容易だが、あまり重くすると不安定になり、グロメット式は安定性に長けるが、デスクに穴を空けないといけないので設置の柔軟性に劣ると一長一短。
大抵のアームはどちらかを選べる構造になっているので、どちらでも取り付けられるデスクであればまずはクランプ式から始めた方がハードルが低く済む。
ちなみにWindowsには画面の向きを縦横変えられる機能がある。縦の画面を使いたい場合は、タブレットスタンドを使う事もできる。
あんまり重いモニター(4Kモニター等)だとアームが負けてお辞儀折れる場合があるので、使用可能な荷重はよく確認しておこう。
PC本体からモニターへ映像信号を伝送する為のケーブル。「何だそんな事か」と思うかもしれないが、意外と馬鹿にできない。
何故なら、例えばHDMIの場合HDMIのバージョンにより伝送できる映像に上限があるからだ。
「奮発して高性能CPU、メモリガン積み、高価だけど超高性能なグラボだ!もちろんディスプレイもそれ相応に奮発したぜ、何しろ4K 180Hzダメ押しでHDR対応だ!」となっても、それを接続するケーブルのバージョンが古かったら「……なんでここまで金かけたのに、明らかに4K 30Hzしか出てないんだ? HDRも効いてないし…。不良品掴まされたのか!?」となってしまう。
PCだけでなく
ゲーム機でもこのような事例が発生し、プレイヤーを困惑させる事が少なくない。
そこでPlayStation5やSwitch2なのに何故か4K 30Hzしか出てないとお悩みのあなた、もしかしたらバージョンの古いケーブルを使ってませんか?
最先端の映像を堪能したければ、ケーブルもケチらずそれに対応したものを買おう。
ダイソーで700円でHDMI2.1世代のケーブルが売っている時代なのに、電器屋では未だにHDMI1.4世代が幅を利かせているのどうにかなりませんかね……
入力機器 ※必須
キーボードやマウス等。
色々な機種で使い回せるので、手持ちがあればわざわざ改めて買う必要もない……が、使い心地に大きく響くため、こだわる人も多い。
当然消耗品でもあるが、仕事にせよ趣味にせよ使用頻度が高いと肉体への負担が深刻になるので、ヘビーユーザー程お金をかける傾向にある。「キーボードを交換したら肩こりが治った」「マウスからトラックボールに替えたら腱鞘炎が改善した」等の声も。
基本的に好みで選ぶものだが、ちゃんとした良いものを買う事をおすすめする。良いものはやはり値が張るが、痛めた目や指や腰を治療するために病院に通うより、高級機器でそれらを未然に防ぐ方が結果的に安上がりだ。
機械も人体も、壊れてしまう前にケアするのが最善である。ディスプレイと同じく外部機器であり、自作PCの範疇とは言えないので市販のPCを使う人もこだわりたいところ。
初心者向けの注意点だが、ノーブランドで安価のゲーミングキーボード(マウス)は、実のところゲーム用途には力不足なものが多くて全くオススメできない。見た目や値段で選ぶと後悔する可能性があるので注意。
共通項
手の大きさが人によって大きく異なる以上、マウスやキーボードのサイズも大小さまざま。使いやすさに直結する要素であるが、使ってみないと分からない部分でもある。
キーボードの場合は、キー同士の間隔やキー自体のサイズも重要になってくる。
どの機器も大きく分けて有線式と無線式の2つに分かれる。どちらを選ぶかは人の好みにもよるが、優劣というよりは相互互換に近いので、自分に合うものを見つけたい。
■有線式
コードの都合上、置き方や配置に制限がある上、PCのUSBポートを占領する。
しかし、電池交換や充電の必要がなく、トラブル時(初回起動時やデータ復旧時等)も安定して使える。無線式を使っている人でも、トラブル復旧用に1台持っておくと何かと便利。
マウスの場合は電池不要な分軽くなるので、配線が問題なければ地味にストレス軽減し易い。
■無線式(Bluetooth以外)
コードを気にせず好きな場所に置けるし、有線同様にトラブル時も安定して使える。
しかし、定期的な電池交換または充電が必要になる上、レシーバーがPCのUSBポートを占領する。
機器にもよるが、入力に遅延が発生する。
■Bluetooth式
好きな場所に置けるのは上述の無線式と同じだが、こちらはUSBポートを占領せず、USBポートのないタブレット等にも接続できる。
ただ、電池交換や充電が必要な事に変わりはない。Bluetooth設定をしないと使えないのでトラブル復旧時に使えなくなる。そもそも、繋ぐ機器にBluetoothが搭載されてないと、試す事すらできない。
機器にもよるが、入力に遅延が発生する。
ポートを占領したり、いちいちコードを引きずったりするのは嫌という人には無線式がおすすめだが、充電や電池交換が手間だったり、肝心な時の電池切れやラグが嫌という人は有線式がおおすすめ。物によっては有線と無線を両立しているものも。
特に少しのラグが命に直結しているゲーマー(特にアクションや格ゲー・FPS・RTS等の対戦ゲームをやり込みたい場合)は有線式がベターと言える。
ただし、Logicool Gシリーズの「Lightspeed」等、近年は有線式と遜色ない速度の無線式機器も存在していて、ゲーム目的でも必ずしも有線式にこだわる必要はない。
とはいえ、ゲーム目的で購入するのであれば、事務作業向けの無線式は避けるのが無難。無線派の人も、有線式の予備を持っていると電池いらずで何かと便利だったりする。
過去にはキーボード・マウス共にPS/2という端子を使っていた。
2026年現在はUSB接続がほぼ全てを占めているが、それでもなおUSBドライバなしでも動く事や同時押し制限数のなさから、古い規格であるPS/2を利用したキーボードの人気が未だ根強い。
元々は多くのメーカーがPS/2を全廃する中で、変態企業ASRockが1ポートだけ残していたら、その後何故か他のマザーボードメーカーもゲーム用上級機を中心に1ポートだけ搭載し始めた。
その後もASRockはクリエイター向け高級機と最廉価品以外でPS/2を継続搭載する傾向があり、昔からの自作erの財布に非常に優しい。2020年代になっても、Intel CPU用マザーボードでは未だにPS/2を用意する程。
AsRock「いつも通りユーザーが『低コストで新プラットフォームへ移行する』為に残しておいたのにどうしてこうなった」
とはいえ、現在はPS/2キーボードの方がほぼ壊滅しており、あまり考える必要がなくなってきた気がする。
あのリアルフォースですらRシリーズにフルモデルチェンジした際、PS/2モデルを廃止してUSBに統一した程。
……とはいえこのリアルフォースシリーズ、静電スイッチを採用しているので本当に壊れない。追記者の一人が使っていた無印の106Sはポンジュース×2回、加糖コーヒー×4回をぶっかけた経験があり、中に入っている鉄板もこの影響でサビまくり。
しかしトラブルはキーの戻りが悪くなった位で、キーの洗浄によってそれも元通り。購入から18年経過して、遂にPS/2のないマザーボードに変更した事でやっと引退となった。正直壊れたら変えようとか思ったけど、10年以上かかりました
キーボード
■メンブレン式
接点シートを内部に敷いただけの簡素な構造で、キーを押して接点が導体に触れる事で入力される。最も安価だが、性能や押し心地も値段相応。
かつては富士通から「Libertouch」という高級メンブレンキーボードも発売されていたが、2021年に再販が終わってしまい、絶版になっている。
キーを押し切らないと反応しないので、指を痛め易いという指摘もある。
■パンタグラフ式
キーが
電車のそれと似たような支持構造になっている。薄型化が可能なで、軽い打ち心地になる。
それ以外はメンブレンと同じ仕組みでこれも安価。ノートPCや折りたたみ可能なキーボードに採用されている。
一部のゲーマーは「ストロークが短い」「キーが平面なので指を滑らせ易い」という理由でフルサイズパンタを愛用していたりする。
■メカニカル式
キー1つずつにスイッチとバネが組み込まれた方式。しっかりとした打鍵感と耐久性があり、長時間操作しても疲れにくい。ゲーミング用途での主流。
構造が複雑であり、値段も高め。あと故障率が他と比べると桁違いに高い。
幾つか種類があるので、気になる人は下記の種類の項目を参照。
■アナログキーボード
物理的な接点がなく、キーを押し下げるとセンサーが反応する方式で、耐久性が高い。
無段階のセンサーに閾値を設けてキースイッチとして動作させているので、閾値を変える事で好きな押し具合で入力動作させる事ができるモデルも。
文字入力(事務/経理やプログラミング等)が主のプロ向けで、これも構造が複雑なせいで値段が数万円と高い。
他と違って「スプリングがラバードームの機種はキーが極端にふわふわしている」「キーを押し切らなくても反応する」という特徴があり、これは利点でもあり欠点。
特に押下圧30gモデルでは、キーの上に手を投げ出してたらソレだけで押したと判断され、勝手に文字が入力されるなんて事も。慣れるまではゲームで使っている時に意図せず左移動(Aを入力)しがち。
そのため「REALFORCE(リアフォ)ってどうよ?」と聞いた時に「リアフォじゃないと生きていけない」という人と、「リアフォはピーキー過ぎて使えない」という人と、どちらにしろ極端な感想が帰ってくる事が多い。これだけは必ず持ってる人に使わせてもらってから購入したいところ。
アナログの利点にアクチュエーションポイント(閾値)を変えられる事を前述したが、もしキーボードが自分に合わないと思ったらアクチュエーションポイントの変更を試してみよう。操作感が180度変わる場合もある。
アナログキーボードにも方式が色々あり、タッチパネルの仕組みを転用した静電容量無接点方式は原点にして頂点。リアフォもこれ。
リアフォ以外では、Ctrlキーを空気なCapsキーの位置に置いた変態配列で有名なHappy Hacking KeyBoard Professionalシリーズ位位か採用例がない。
他の方式だと鏡を押し下げてレーザーの当たる位置で押し下げ位置を判定する光学方式、磁気センサーと磁石の位置関係を変えて磁場を変化させる磁気ホール方式等が2010年代後半以降増えている。
現在のアナログキーボードの隆盛の理由はゲーミング用途が主。無段階でセンサーを作動させられるので、キースイッチの位置ではなく速度で反応させる事もできるのだ。
これは「ラピッドトリガー」と呼ばれ、早押し速度で有利不利が決まる競技ゲーマーに非常に人気の機能となっている。
これらの新方式は様々なメーカーから出ており、静電容量無接点方式よりもやや安く買えるものも多い。あとはスプリングリターン故にメカキーにフィーリングが近いのは利点。
2020年代現在、ドイツのCherry社が作ったCherry MXスイッチがデファクト・スタンダードになっているため、中国のKalihスイッチといった他社製のスイッチでも規格と色毎の特徴がCherryの仕様で概ね踏襲されている。
「メカ式=バキバキ鳴る」というイメージが強い人もいるだろうが、実際は様々なスイッチが存在し、その通称として「軸」が使われている。
これは上のCherry MXシリーズがこの特徴毎にスイッチ可動部分(軸)の色を分けていたため、◯色の軸のスイッチ→◯軸と呼ばれる様になった。
大きくリニア軸・タクタイル軸・クリッキー軸に分かれており、多くの市販されているメカニカルキーボードはこの3つ+それぞれでスプリングの重さを変えた派生モデルという売り方をしている。
■リニア軸
高速にタイピングしたい人向け。黒軸がスタンダードで、派生として赤軸や銀軸がここに分類される。
クリック音は全体的に控えめというか全く無し。キーが反応するタイミングで重さが変わらないのが特徴。
◇黒軸/Cherry MX Black:最初に登場したリニア軸。タイピングが強めな人向け。
◇赤軸/Cherry MX Red:黒軸の入力が重いという評判から荷重を下げたバランス型。
◇静音赤軸/Cherry MX Silent Red:赤軸を静音化したもので、ピンク軸とも呼ばれる。周囲の環境に配慮したい人はこれを選ぶといい。
◇銀軸/Cherry MX Speed Silver:赤軸をベースにキー入力が有効になるストロークを短くした超反応モデル。意外だが重さ自体は45cNで赤軸と一緒。
■タクタイル軸
カクッとした適度な打鍵感が特徴。茶軸/Cherry MX Brownがここに分類される。
このカクッの部分で微妙に音が出るが、下の青軸よりかは静かではある。静かな室内で使っているとちょっと気になるかな程度。
リニアとクリッキーの中間的存在。下の静電タイプ同様に押し切らなくとも反応するが、そっちよりはちょっと手応えがある分、誤入力はしにくいとされている。
■クリッキー軸
わざわざキー自体に音を出すギミックを追加したもので、カチャカチャとしたクリック音が特徴。青軸/Cherry MX Blueがここに分類される。
その分、うるさいので環境を選ぶ点に注意。
近年はストロークを減らした「ロープロファイル」と呼ばれるスイッチも登場している等、これ以外にも多数の軸が存在する。
これらCherry MX規格のスイッチはキーボード基板やキーキャップと独立しており、別売りのキースイッチやキーキャップに取り替える事でカスタムが可能。サードパーティの互換スイッチもあるので、予算に応じてメーカーも選べる。
この様なスイッチの取り替え機能を俗に「ホットスワップ」というが、これは元はキーボードの取り換え機能ではなく、「電源を入れたまま装置の部品を取り替える事ができる」機能を指す。
キーボードの回路の都合上、電源を入れたままでも押していない限り通電はされないので、結果的に後者のホットスワップの定義に合致してはいる。
そのため複数の軸を共存させる事も構造上可能であり、自作パソコンと別で沼る人も。お試し用のサンプラーも販売されているので、それで軸毎の打鍵感を体験してみるのもいいだろう。
なおメカニカルだけではなく、磁石を押し下げるという原理上、磁気ホール式キーボードにも軸の取替えに対応したものが存在する。だが、メカニカル程規格が統一されていない事には注意が必要。
キー配列は言語によって異なるが、日本語では英語や中国語、スペイン語等と同じQWERTY配列が採用されている。
しかし、QWERTY配列でも細かな違いが各言語・地域毎に存在する。
■JIS配列
日本市場での標準仕様。ローマ字入力とかな入力に対応している。特にこだわりが無いなら、これが一番無難。
ガラパゴス規格……かと思いきや、実はエンターキーや記号の配置等はISO 2530配列にかなり忠実であり、欧州で使われているキーボードとはむしろUS配列よりも移行が容易だったりする。
■US(ANSI)配列
アメリカ合衆国やカナダ、スペイン語圏等で使用されている配列。Enterキーが横長、変換・無変換・かなローマ字キーがない分、Spaceキーが巨大化しているのが主な特徴。
見た目がスッキリしている事とアルファベット入力に最適化されている事もあり、JISより好む人も一定数いる。そのため国内企業でもUS仕様のものを用意している所も多い。
ちなみに、現在アメリカではANSI配列が主であり、使われていないがJIS等多くの国のキーボードの起源となったISO 2530配列もアメリカが起源だったりする。Reddit等ネット上の国際的な場では、ISO配列派とANSI配列派が今でも宗教戦争を繰り広げているとか
■UK配列
イギリスでの標準仕様。US配列とは実は結構な違いがあり、こちらはEnterキーがJIS配列に近い仕様である。
これはJIS配列もUK配列もISO配列が元となっているから。USのEnterキーの形に慣れない人はこっちがおすすめ。
しかし、日本市場だとUS配列以上に製品の選択肢が少ないのが難点。
■HENTAI配列
キーボードを省スペースに収めるべく、キーの位置を極端に崩したキーボードが存在する。
あまりにもあまりな配置なので通称でこの名称。昔の省スペースノートPCも横幅を圧縮するためHENTAI配列になっているのが多かった。テンキーレスやファンクションキーをFn+数字キーにするのは序の口で、中には矢印キーすらFn+何かに割り振るものも。
2020年代に一部で流行った「自作キーボード」や「70%キーボード」の類はほぼHENTAI配列。
アナログキーボードだと、浅押しと深押しで異なるキーとして割り振る「デュアルアクチュエーション」なる変態機能を搭載しているものもある。
テンキーとは、キーボードの右端(エンターキーより右側)についている事がある、電卓の様な配列のキーの事。
キーボードによって付いていたり付いていなかったりし、テンキーが付いていないものをテンキーレス(TKL)と呼ぶ。
数字と四則演算記号だけを打ち込む場合は(慣れれば)便利なのだが、文字を打ちつつ数字も打ち込む様な場合は、配置の都合もあってあまり使わない。そのため使わない人は本当に使わないキーであり、キーボードがデカくなって邪魔になる事もしばしば。逆に多用する場合は片手で高速タイプできる利便性は圧倒的。
メインのキーボードと独立してテンキーだけを付けられる製品もあり、あまり使わない様ならテンキーレスにして使う時だけ外付けという手もある。
独立テンキーには、HOME等のキーがあるものや、電卓機能がついているものもある。中にはこれを見越したのか、USBハブ端子が付いたテンキーレスキーボードも存在する。
手のひらサイズのミニキーボードならともかく、一般的には小さなキーボード程キー数は少なくなる。
上にも書いたが、圧縮に圧縮を重ねたHENTAI配列キーボードは一部キーをFnキー+何かで代用する事になる。
JIS配列のテンキーありなら109キー、テンキーレスで91キーがデフォルトなので、不安になったらこの数字以上のキーボードを探そう。
ちなみに一般的なキーボードのファンクションキーの数は12個だが、Windowsが認識できるのは24個であり、キーボードのユーティリティソフト(マウスのマクロ等)で選べる。
メーカーによって違うが、基本は「真ん中が逆アーチ状にぐにゃっと曲がったもの」である。
6と7の間が分割されているもの(スペースキーも2つある)、分割されずにキー配列も曲がっているものがあるが、それ以外にもキーボード自体が分割されているもの、リストレストがくっついているものもある。
ポインティングデバイス
今主流なのはマウス、次いでトラックボールだろう。
トラックボールは一見昔ながらのボールマウスを逆さにした様な見た目だが、仕組みは光学マウスのセンサに窪みをつけて中にボールを入れたといった感じ。
珍しいタイプとしては小型化を優先し、超小型の感圧式ジョイスティックを採用したタイプもある。IBM/Lenovo党の人なら、同社のノートPCに搭載されているトラックポイント(赤い小型ジョイスティック)、あれを独立させたものと考えればいい。指輪サイズにまで小型化が出来る反面、手や指を動かさずにスティックを「押す」ことでカーソルを移動させるという操作は慣れが必要で好みも分かれがち。
マウスとトラックボールを比較すると、マウスは直感的な操作感があるので初心者からFPSゲーマーまで使いやすく、また手首を左右に動かしてカーソルを移動させるので自然な操作感が得易い。
一方、トラックボールは直接手を動かさずに球体を転がすので手首を安定的に保つ事ができ、また長時間使用しても手首の疲れが少なく、デスクトップのスペースを取らないというメリットがある。
しかし、トラックボールの操作感覚に慣れるまでには時間がかかり、初心者には使いにくく、AIM等をやるゲームコントローラとしては尚更難物であるというデメリットがある。
また、マウスはある程度形が決まっているが、トラックボールは比較的自由。手のひらサイズだったり、キーボードに内蔵されていたりするものもあるが、ボールを親指で操作させるか否かで大別される。
親指ボール型はマウスに寄せた形状が多く、あまり癖がない代わりに親指に負荷がかかるのがネック、大玉型はトラックボール特有の癖がモロに出る事と、ドラッグ操作やゲーム運用が非常にやりづらいのが難点。
DPIとは「Dots per inch」の略で、マウスを1インチ動かした時にカーソルが移動するドット数である。DPIが高い程、カーソルの動きが早くなる。
マウス側でDPIが変えられる場合は、Windows側の設定を真ん中にするとDPIと移動距離が1:1対応するので、そこからDPI変更で好みの速さに調整するのが正解。
近年のマウスはDPIを50や100の単位でネイティブ可変できるものが増えたが、昔のマウスでは400/800/1800の様にネイティブで出せるDPIが固定だった。これ以外の解像度を選択すると入力抜けが出るので、非推奨という時期が存在した。どのDPIがネイティブなのかは調べておこう。
マウスのボタンが2つだけだったのは大昔の話。今は普通に売っているマウスでも3(3つ目はスクロールホイールを兼ねる)から5個(大抵4・5個目は戻る・進むボタン)あるものも多い。
また、ゲーミングマウスには通常のマウスに比べて多くのボタンがついている事がある。これはゲーム中によく使用する機能をボタンに割り当てる事で、素早く操作できる様にする為だ。
また、ゲーミングキーボードやPC本体にも言える事だが光る。ネオンサインの如く光る。
一概にどちらがいいというものではなく、FPSゲーマーの中には「そんなもん増やすなら軽くしろ、マウス振り回しながら左右クリック以外を押すとか無理、エイムがずれる」という人も結構いるし、逆にリアルタイムシミュレーションゲーム等の場合ショートカットに使うボタンの多さや配置にこだわる人もいたりと、ジャンルやユーザーの好みで振り幅の大きい部分である。
なお、Windowsのデフォルトでは5ボタンまでしか認識できず、6ボタン目以降はドライバで割り振る必要がある(チルト/横スクロールには普通に対応している)。
2010年頃からはマウス自体にメモリを搭載し、一度ドライバで書き込んだ設定を保持して、ドライバの入っていないPC(や家庭用ゲーム機)でもその通りに動かせるという機種が増えている。
なお、PC上級者の中にはモノホンさながらのハンドル・ペダルや、
音ゲー専コン等のゲーム機のコントローラーを繋ぐ強者も。
XboxシリーズやPlayStation4/5、Nintendo Switch/2のコントローラーはUSBやBluetooth接続になったので普通にPCに繋がる(Xbox360からは純正品がWindows対応している)ので、本体を持ってなくてもパッドだけ持っているなんて人も。
ドライビングフォースGTとかPlayStation3用に出たものも、PC用のドライバが用意されている場合が多い。
最近では主に絵描きの人がSwitchのJoyコンを片手で使える補助入力デバイスとして利用しているケースもあったり。昔からUSBパッドを左手に持って……というのはあったが、Joyコンのおかげで軽くなったのである。
ちなみに便利なダイヤル等が搭載された専用のデバイスを左手に置く場合も存在する。
また、Xbox360登場前にPC専用を謳うゲームコントローラーやアーケードスティックは非常に出来の悪い安物ばかりだったので、PS3/4やXbox用のスティックを流用する事が多かった。
Xbox360用はネイティブ対応、PS3用は非公式だが対応、PS4用はスイッチでPS4用の信号とPC用の信号を切り替えられる様にして両対応というものが多い。
またSteamは「Steam Input」という機能があり、PSやSwitchのパッド入力を自動的にXboxのものへ変換してくれる機能がデフォルトで有効になっており、あまりデバイスには困らなくなっている。
ただ、EpicやMicrosoft Store等この機能がないストアもあるので、やっぱりネイティブXInputパッドはあると便利だったりする。
キャプチャーボード ※用途により必須
主にゲーム機のゲームを録画・配信するのに使われる。
今でこそPlayStationやXboxは単体でも配信できるようになったが、設定項目が必要最低限かつ配信できるサービスが限定されるので、多くの配信者はPC経由で行うことが多い。
バーチャルYouTuberならその性質上、必須となる。
それ以外だと「2台のPC(1台はゲーム用、もう1台は録画配信用)を用いて負担を軽減する」「ビデオカメラの映像をPCに直接保存する」といった用途で使われている。
高級品だと4K 120fps+HDR録画も可能になるが、PC側にも相応の性能が必要になってくるので用途や予算と相談しよう。
外部からのUSB接続と、PCI Express経由の内部接続の2種類の規格が存在する。性能差はそこまでないので、一般的には取り回しの簡単なUSB接続の方が人気。
和訳すると「符号化する」という意味。キャプチャーボード用途では、入力した映像をPCでも扱える様に変換する行為を指す。
エンコードを行う場所によって、それぞれソフトウェアエンコード・ハードウェアエンコードに分かれている。
■ソフトウェアエンコード:PC側でエンコードする必要があるもの。PC側のCPUやGPUに左右されるが、その分細かく設定する事ができる。
■ハードウェアエンコード:キャプチャーボード側でエンコードしてくれるもの。PC側のCPU・GPUに依存せずに使えるが、性能に限界がある。
HDMIが支配的。ただ、レトロゲーム需要向けにRCA端子に対応したものも販売されている。
HDMI対応のものしかない場合でも、RCA-HDMI変換機を挟めば入力が可能。
PC画面から見るとどうしても遅延が発生するので、遅延なしで外部ディスプレイに出力する機能。
シミュレーションゲーム程度ならこの機能がなくても問題なかったりするが、動きの激しいゲームをプレイする場合はほぼ必須となる。
これに対応したキャプチャーボードはHDMI入出力端子が1種類ずつ搭載されており、HDMI OUTから出力した映像をディスプレイに接続して利用する。
高級なものだとHDRや高リフレッシュレート出力も可能。
- なんだこれすげぇ -- 名無しさん (2025-01-27 09:42:41)
- 本体より分割先の方が文字多いw -- 名無しさん (2025-01-27 09:59:50)
- AMDも4090の性能を見てさすがにハイエンドの性能を競うのに飽きたのか、最近発表されるグラボは大体80台の性能を狙いながら安めの値段にしているようだ かなりオススメできる -- 名無しさん (2025-01-27 11:33:26)
- 全部最優先になってるコピペの項目かと思ったら超絶ガチ項目だったでござる -- 名無しさん (2025-01-27 13:12:54)
- しかしここまでクソ長いとまた容量オーバーになるのも時間の問題かね。さらに細分化した分割も視野に入れるべきかと。 -- 名無しさん (2025-01-27 19:55:37)
- すげえ気合の入った記事で驚いた、本当に沼だなぁw -- 名無しさん (2025-01-27 22:10:18)
- めちゃくちゃ分量多いのに内容はせやな…ってなるしこれでも語り切れないのがわかるので自作PCという沼が深い事を再認識してしまう -- 名無しさん (2025-01-27 22:23:31)
- 『性能の高い(≒値段が高い)ものほど消費電力や発熱が増えてしまうため、高ければいいわけではない』とは言うモノの、どうしてもマザボやメモリとセットになる関係で最新のを選びがちになっちゃうんだよなぁ・・・ -- 名無しさん (2025-01-27 23:05:39)
- 表示遅延と応答速度の混同は15〜20年くらい前からあったし、何が凄いってその頃から勘違いが減る気配がないこと -- 名無しさん (2025-01-28 09:03:30)
- このwikiでやることか? -- 名無しさん (2025-01-28 12:47:29)
- 今さらだけど「自作パソコンのパーツ」もしくはもっと短く「パソコンのパーツ」ぐらいシンプルでもいい気がする。自作に限定される内容じゃないし -- 名無しさん (2025-03-12 12:30:46)
- 会社の使用済みPCのストレージとメモリだけ破壊処理した上で持ち帰り、M.2 SSDとCPUto -- 名無しさん (2025-04-07 14:56:10)
- ↑続きメモリを増設した上、コンパクトPC用のグラボを入れたら5万以内で快適に使える普段使いPCが出来た。動画再生やネット閲覧程度ならこれくらいの性能で必要十二分 -- 名無しさん (2025-04-07 14:58:37)
- ↑3のご意見を受け、項目名を「パソコンのパーツ」に変更することを提案したします。異論がなければ1週間後に実行いたします。 -- 名無しさん (2025-04-12 12:33:57)
- 項目名を「自作パソコンのパーツの選び方」から「パソコンのパーツ」に変更いたしました。 -- 名無しさん (2025-04-20 15:41:42)
- ↑乙。冒頭も単独項目として成立する書き方になっててよき。(誤字なのかDが入りまくってる箇所あるけども) -- 名無しさん (2025-04-20 16:56:41)
- キーボードには物理キーが存在しない「レーザーキーボード」とかいうトンチキなやつもある。因みに使用感はお察し -- 名無しさん (2025-04-20 16:59:06)
- 当時はメモリーをかえるだけでも苦労してたなあ -- 名無しさん (2025-05-07 11:55:45)
- SSDの項目が作られたけど、ここのSSDの記述はどうするの? -- 名無しさん (2025-07-12 19:41:56)
- 性能や特性は違ってもストレージという仕事はHDDと変わらんよ -- 名無しさん (2025-09-05 22:54:28)
- サウンドカード関連が音響装置にまとめられて下の方に移動してるのが微妙にモヤっとするなぁ(マザボ上のパーツという意味で)。内容がハードウェア面の話より用途に偏重してるから仕方ないっちゃ仕方ないけど。 -- 名無しさん (2026-05-16 07:23:38)
最終更新:2026年08月18日 21:58