驪駒早鬼

登録日:2020/05/31 (日曜日) 10:30:41
更新日:2020/07/01 Wed 05:13:11
所要時間:約 6 分で読めます





驪駒早鬼(くろこまさき)とは、東方Projectに登場するキャラクター。

二つ名:勁牙組組長
能力:比類無き脚力を持つ程度の能力
テーマ曲:聖徳太子のペガサス 〜Dark Pegasus
登場作品:東方鬼形獣(EXボス)
スペルカード:勁疾技「スリリングショット」
       勁疾技「ライトニングネイ」
       勁疾技「デンスクラウド」
       勁疾技「ビーストエピデミシティ」
       勁疾技「トライアングルチェイス」
       勁疾技「ブラックペガサス流星弾」
       勁疾技「マッスルエクスプロージョン」
       「フォロミーアンアフライド」
       「鬼形のホイポロイ」
       「鬼畜生の所業」



『東方鬼形獣 〜 Wily Beast and Weakest Creature.』にて初登場。種族は驪駒、というかの動物霊。
たかが馬と侮るなかれ。なんと彼女、畜生界において最上位に位置する四大組織の一つ、勁牙組(けいがぐみ)組長である。肩書きに反して名前可愛すぎだろ。
ちなみに、同じく四大組織とされる鬼傑組(きけつぐみ)の組長は吉弔(きっちょう)≒龍の亜種で、剛欲(ごうよく)同盟の組長は十二国記第2次スーパーロボット大戦OGで強烈なインパクトを残した四凶の一角、饕餮(とうてつ)。要するに早鬼がそれらと肩を並べるほど強大な動物霊ということである。

今回主人公に憑依することになる動物霊の内、オオカミ霊は彼女の配下で、他には脚力や牙、強靭な肉体が特徴の動物霊が所属している。
早鬼自身は強者には敵であっても敬意を払い、部下の意思や手柄を尊重する良き上司であり*1、当人は自分の組織を「我ら最強最速軍団」「勁牙組は竹を割ったような奴ばかりだし、組織は超絶ホワイトさ」と語り、オオカミ霊も「勁牙組は強大な腕力、俊敏な脚力、無限の勇気を自慢とする動物霊の集団である。畜生界最強の組織だぞ」「元々、我々勁牙組は畜生界ナンバーワン」と自賛している。

しかし、鬼傑組のカワウソ霊からは「勁牙組は獣らしい獣の集団で、力しか取り柄のない筋肉馬鹿組織」「勁牙組なんてただ暴力が好きなだけのそのまんま暴力団」、
剛欲同盟のオオワシ霊からも「生き方に何の誇りも持っていない、暴力集団」と言われており、
更にはZUN氏も、早鬼は「筋肉馬鹿らしい」「性格は悪くなさそう」「畜生界では一番安心感がある」とコメントするなど、完全に脳筋認定されてしまっている模様。
あろうことかオオカミ霊まで「物理は強いんですけど、頭の方がちょっと…」と自分たち勁牙組がバカだと認めている。
実際、本編では袿姫が倒されたと知るや否や、勁牙組が畜生界を支配するのは時間の問題と考え、更に地上を視察して可能であれば支配しようと行動を開始するという短絡さを見せている。
状況を正確に把握できていない上に、下手をすれば八千慧の策と、異変を解決した主人公たちの頑張りを台無しにしかねない行為である*2*3*4

彼女自身の性格は一言で言うと脳筋豪快な体育会系であり、裏工作の類を嫌い、正面からの激突を好む。
「袿姫を倒した時と同じ戦力じゃないと面白くない」という理由で配下のオオカミ霊に自機のサポートを命令するなど、勝ち負けより戦いその物を楽しんでいる節がある。
一方で、必要とあらばたとえ気に入らない敵対組織のボスの策だろうと利用されたふりをして隙を伺う強かさや、
どちらかが倒れるまで決着がつかない事を察知した際には戦おうとする相手を止めて一時休憩を申し出る柔軟性も兼ね備えており、
畜生界最上位のヤクザの親玉をやっているだけあって単なる戦闘狂というわけでもない。

意外と傷つきやすいタイプなのか、霊夢を勧誘して断られた際は「え? 断るなんて酷い……」とショックで涙目になっている。
ちなみにこの時、地味に口調がそれまでの中性的な口調から普通の女口調に変わっている。
しかしすぐに気持ちを切り替えて再戦の約束を取り付けるなど、同時にあまり引きずらないタイプでもあるようだ。何も考えてないだけかもしれない。

余談だがギャグセンスは無いらしく、カワウソ霊によると「組織は超絶ホワイトさ。上司は漆黒の天馬(ブラックホース)だけどな」が持ちネタとの事。
好意的に見るなら敵対組織の構成員相手でもユーモアを忘れない気さくなボスと言えなくもない……?


○容姿

肩出しでミニスカなカウガールの格好をした。首まわりも露出しているが、スカーフを巻いているため鎖骨は見えない。
ちなみにそのポーズのおかげで体のラインがわかりやすく、何がとは言わないが結構大きい。
背後に長い毛のようなものが見えるが、髪の毛なのか尻尾なのかは不明。
立ち絵ではポーズの関係なのか、右腕が無いように見える。
一方ドット絵では普通に反転している辺り、隻腕というわけではないらしい*5

なお、馬が乗馬する側の服装をしていることには作者からツッコミが入った。


○元ネタ

  • 甲斐の黒駒
古代甲斐国の伝承に登場する馬。驪駒は別表記。
複数の伝承が存在するが、早鬼のテーマ曲に「聖徳太子のペガサス」とあることから、『聖徳太子伝暦』に登場する個体のことだと思われる。ギャグ漫画日和にも出ているので知ってる人も多いのではなかろうか。


時は飛鳥時代。聖徳太子は諸国に推古天皇に馬を献上するようお触れを出した。
太子は全国から献上された数百頭の良馬の中から一頭の「4足が白い馬」を神馬であると見抜き、それが甲斐から献上された「甲斐の黒駒」と呼ばれる馬であった。
太子がこの馬に試乗すると、黒駒は天高く飛び上がった。太子と調使麿を連れて東国へ赴き、富士山を越えて信濃国まで至ると、3日を経て都へ帰還したという。これを聖徳太子は「飛ぶこと雷電の如し」と述べ絶賛している。
その一方で繊細な性格の持ち主だったようで、太子を驚かせてしまい、それを悔やみすぎて絶食したという。
聖徳太子が亡くなると、黒駒はそれを理解し嘆き悲しんだ。
太子の埋葬が終わると、黒駒は太子が生前使った鞍をつけて墓の前に立ち、一声いななくとその場で亡くなったという。
黒駒の遺体は中宮寺の南の墓に埋葬されたとされる。
…が、『聖徳太子伝暦』には「黒駒は聖徳太子より先に亡くなり、嘆き悲しんだ聖徳太子が黒駒を中宮寺の南の墓に埋葬した」という説もある。
どちらにせよ、聖徳太子と黒駒が強い絆で結ばれていたことは間違いないだろう。

ちなみに聖徳太子は能力のある者を取り立てる制度である冠位十二階でも知られており、彼女の実力主義的な側面は(かなり筋肉に汚染されてはいるが)飼い主の影響もあるのかもしれない。

鬼形獣の時点では早鬼と神子の関係は不明だが、上記のことから「もし早鬼が久侘歌の水際作戦を突破し、主人公たちに勝利したとしても、地上で神子含めた豪族たちに出会って丸く収まったのでは?」と言われている。
…しかし、天空璋に続き、連続して元ネタに「聖徳太子の縁者」が含まれるキャラクターがEXボスになるなど誰が予想できただろうか。

  • 黒駒勝蔵
幕末に甲斐を拠点とした任侠の大親分。
ちびまる子ちゃんでたびたび名前が登場することで知られる「清水の次郎長」と同時代の人物で、次郎長と抗争を繰り広げたという。
おそらく、鬼形獣にヤクザの要素が取り入れられた一因。

  • 黒駒土偶
山梨県御坂町上黒駒で出土した土偶の通称。
右手が欠損しており、右腕が見えないポーズはこの土偶を意識したのではないかと言われている。


○二次創作・考察

脳筋の愛すべきバカ。見た目が文に似ていると言われる彼女だが、二次創作での扱いは「何でも力業で解決しようとする」「高身長で抜群のプロポーション」「飼い主のことが大好きなペット」とお空に近い。
好敵手にして凸凹コンビの相方にされる八千慧の「逆らう気力を失わさせる程度の能力」も、「バカ故に、そもそも『逆らわない』という発想が頭に無いから通じない」という扱いである。
完全に豪族たちの舎弟と化しており、組長としての威厳は基本消え失せている。まあ、死んだはずの飼い主と1000年以上経って再会できたペットの気持ちを考えれば仕方ないか。
元ネタ通り神子の不興を買うことを何よりも恐れており、いざそうなると1000年絶食しようとしたり、ヤクザらしく小指を切断しようとしたり、拳銃で自分の頭を撃ち抜こうとしたりとオーバーなリアクションを見せる。
意外なことに本人は狼じゃなくて馬なせいか、響子影狼あうんといった、狼キャラとの絡みは少ない。

憑依華でのドレミーの対神子の勝利台詞である「本当は排他的に幻想郷を支配したいのではないか?」という質問や、グリモワールオブウサミの中での正邪の神子に対しての露骨なまでの嫌悪感は早鬼登場の伏線だったのではないか、という説がある。
畜生界で人間霊を支配する早鬼を見た結果、飼い主である神子に対してドレミーは危惧を抱き、曲がりなりにも弱者救済を謳っていた正邪は「弱者を虐げる存在」という認識をした、という考察である。
ただ、ドレミーはともかく、正邪は「どうやって畜生界に行き、早鬼の飼い主が神子であると知ったのか」という疑問が残る。単に「政治家≒権力者」という点に過剰反応しただけかもしれない。



追記・修正はオオカミ霊に憑依されてからお願いします。
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