登録日:2020/07/10 Fri 19:55:29
更新日:2025/02/26 Wed 19:55:11
所要時間:約 19 分で読めます
『
エースコンバット6 解放への戦火』(
ACE COMBAT 6 Fires of Liberation)とは、バンダイナムコゲームスのシューティングゲーム。
2007年11月1日に
Xbox360で発売された。
エースコンバットシリーズとしては唯一
Xbox360に対応している。
またシリーズ据え置き作品としてはソニーハードに対応していないのは本作のみである。
《概要》
シリーズ8作目となる作品。
シリーズに於いて本作のみ副題が
日本語となっている。
PROJECT ACES製作・シリーズナンバリングタイトルとしては初めてバンダイナムコからリリースされた作品でもある。
シリーズでは初めて第7世代ハードからリリースされた事で、そのグラフィックは過去作から飛躍的に向上しており、第8世代ハードで
ACE7がリリースされるまでは最高峰を誇っていた。
本作の舞台はACE5から5年後、04のユージア大陸や5のオーシア・ベルーサ大陸とも異なるアネア大陸となる。
初めての土地という事もあり時系列的にはどの作品とも直接の前後関係は無いが、
- 5でも一度は戦いの舞台となったラーズグリーズ海峡が登場する
- 04で重要な役割を果たした小惑星ユリシーズが再び関わって来る
- ZEROで行方不明になっていた兵士や登場した超兵器の発展型が登場する
など、過去作との繋がりを意識させる描写は比較的多い。
またZEROから引き続き、撃墜した敵機のパイロットや仲間の詳細が語られる「アサルトレコード」も実装されている。
独自要素として「支援要請」があり、これは一定数のエネミーを撃破する事で専用のゲージが溜まり、ゲージを消費する事で友軍に応援を求める事ができるというものである。
大勢の友軍機が応援に駆け付け、画面内の敵を一掃してくれる様は爽快の一言。
またミッション中は地上部隊や空軍の別動隊なども同時に作戦(オペレーション)を展開しており、どれに加わるかによって先の展開が変化するという要素もある。
これらの要素や、散り散りになってしまった友軍と合流を目指すという序盤の展開などもあり、主人公の周り以外の友軍の様子がひときわ詳しく描かれている作品とも言える。
またシリーズとしては初めてミッションの途中からやり直す事が可能となった。
本作は1ミッション当たりの尺が長く、またほとんどのミッションが前後編構成になっているため、5の最終ミッションのように「また最初の長いムービーや前半戦からやり直しか!」という事が無くなっている。
本作は全体的に敵の数が非常に多く、また上述の通り大勢の友軍も味方してくれるため、シリーズでも類を見ない「大軍対大軍」の戦いに加わり、またシリーズ屈指の大軍を蹴散らす爽快感を味わう事ができる。
その性質上、4連・6連長距離
ミサイルや広範囲に爆弾をバラ撒くディスペンサー爆弾が強く、1機ずつしかロックできないQAAMやSAAM、攻撃範囲の狭い投下爆弾は若干不遇気味の調整となっている。
また
機銃がかなり強く、当たり判定が広い上に掠っただけでも大ダメージを見舞う事ができる。
機銃が苦手なプレイヤーでも本作であれば機銃で敵機を撃墜して回る事もできるだろう。
現在では終了してしまっているが、Xbox360の機能を活用した通信対戦・DLCも据え置き機として初めて採用しており、そのお陰でシリーズ屈指の珍要素が生まれている(詳しくは後述)。
《あらすじ》
小惑星ユリシーズの落着から16年が経った2015年。
アネア大陸には3つの国があった。
西にはエメリア共和国。アネア大陸最大の国家で、ユリシーズの被害も少なく、豊かな国力と共に平和と繁栄を謳歌していた。
東にはエストバキア連邦。かつて安定した発展を続けていた連邦国家だったが、ユリシーズにより大きな被害を出した事が原因で長らく内戦状態に陥り、最近になってようやく「将軍たち」による軍事政権に統一された。
そして北西部にはノルデンナヴィク王国。永世中立国で豊かな国土は持たないものの、工業力・技術力に優れ多くの有力企業を抱えている。
エメリアはユリシーズ落着の翌年からエストバキアに向けて復興支援を行っていたのだが、エストバキアではそれが内戦に利用され、多くの被害を齎してしまうこととなった。
やがて軍事政権によって統一されたエストバキアだが、ユリシーズ落着と内戦による国土の疲弊、困窮する経済事情など数々な問題に悩まされ、やがて「エメリアの『無計画な援助』が内戦を招いた」と主張し、徐々にエメリアとの関係が悪化して行く。
2015年8月30日、疲弊しきった経済を立て直すべく、遂にエストバキアはエメリアに宣戦布告、同時に攻撃を開始する。
エメリア・エストバキア戦争の幕開けである。
主人公ガルーダ1らエメリア軍の抵抗で一時はエメリア有利に傾くが、エストバキアの送り込んだ空中艦隊とエース部隊"シュトリゴン隊"を前にエメリア軍は戦力の大部分が壊滅、エメリア軍令部は首都グレースメリアの放棄を決断。
残存戦力は大陸西部のケセド島まで撤退を余儀なくされ、また撤退し切れなかった部隊は大陸各地で残党化するも、掃討されるのは時間の問題であった。
撤退から約3ヶ月後、エメリアに残された最後の飛行場からガルーダ1とその仲間達の反撃が始まる。
《搭乗人物》
主人公でありプレイヤーキャラクター。TACネームはタリズマン(「御守り」の意味)。
エメリア共和国空軍東部防空軍第8航空団第28飛行隊「ガルーダ隊」の隊長を務める。
相変わらず詳細不明だが珍しく階級が判明しており、アサルトレコードによると中尉との事。
エストバキアのグレースメリア侵攻に伴い防衛のために出撃するが、スクランブル発進に伴う混乱により空に上がった頃には僚機を見失い、空中管制機による緊急編成でシャムロックを僚機に宛がわれて以来、彼と共に戦争を戦い抜く。
過去作主人公の様な異名の類は持っていないが、やはり驚異的な戦果を各地で上げ続けた事でエメリアの士気の支えとなり、またエストバキアを恐怖させる有名人となる。
主人公の相棒。本名はマーカス・ランパート。階級は中尉。35歳。
元々は別の隊の所属だった様だが、タリズマン同様スクランブル発進の混乱で僚機とはぐれてしまっていたため、ゴーストアイの指示でタリズマンの僚機「ガルーダ2」となり、そのまま彼の2番機であり続ける。
本人曰く「方向音痴」。
ガルーダ1と共に各地で戦果を上げて来たため、彼もまたエースとして名を上げて行く。
首都に妻モニカと娘ジェシカを残しており、彼女らの待つ首都を取り戻さんとする意思は強い。
エメリア空軍の仲間の一人。
乗機は
F-16C。
全ステージ皆勤の頼れる戦友。
ウインドホバーとは、その名の通り風を受けて空中静止できる鳥"チョウゲンボウ"の別名である。
チョウゲンボウは英語で
ケストレルであるが、5で主人公らがお世話になったオーシアの空母とは関係ない。
僚機の「セイカー」と紅一点「ラナー」と共に、TACネームがハヤブサの種類名繋がり。
エメリア空軍の仲間の一人。(えっ?エメリア海軍所属?細かいことはいいんだよ)
乗機は
F/A-18F。
部隊長就任直後に開戦しガルーダ隊と共にケセド島に脱出、反攻作戦の主力として戦い抜く。
僚機の「ブリザード」「セラック」と共に、TACネームが氷雪系繋がり。
エメリア空軍の仲間の(ry
乗機は
Mirage2000-5。
中盤にシルワートタウンにて合流し以後ガルーダ隊と共に各地を転戦していく。
僚機のTACネームが「レッドバロン」「ブルーマックス」であることから、元ネタはナムコのシューティングゲーム「スカイキッド」であろう。
なお「スカイキッド」はエスコンシリーズにはちょくちょく出て来ており、一種の伝統のネタである。
エメリア空軍の仲間(ry
乗機は
A-10A。
スカイキッドと同じくシルワートタウンで合流する。
僚機の「ウィプレイ」「ソウフィッシュ」と共に、TACネームが魚のエイ繋がり。
エメリア空軍の仲(ry
04以来お馴染みの友軍側AWACS。機種はもちろん
E-767。
主人公ら空軍の作戦を的確にサポートする。
スカイアイに近い、割かし冗談の通じるタイプであり、パイロットと冗談を飛ばし合う一面も見られる。
本作の語り部の一人。
エメリア陸軍第1軍第9旅団第4戦車中隊「サーバル隊」に所属する戦車兵。33歳。
ケセド島まで撤退して来たエメリア軍兵士の一人である。口癖は「なんてこたぁねぇ」。
階級は軍曹。車長であるが、他の乗員(ドニー・トーチとケヴィン・ホブズボーム)2名も軍曹であるため、車長になったのはくじ引きの結果である。
戦況悪化により士気がだだ下がりしていたが、操縦手のドニーがかつてエメリア中央銀行の銀行強盗を企てて地下トンネルを掘っており、金庫まで目前という所まで来ているという話を聞いて闘志が蘇り、エメリアに一番乗りを決めて戦車乗員3人で銀行強盗を実行する事を企てる。
その為彼の戦車は突出しがちな事が無線で語られており、実際に戦闘のどさくさに紛れて部隊から抜け出す事に成功するが……
本作の語り部の一人。
金髪を後ろで結った女性。32歳。実質的なストーリーパートの主人公である。
エメリア空軍に属する夫を持つ主婦であり、彼女自身は普通の民間人。
ストーリー冒頭、娘のマティルダがエストバキア軍の攻撃に巻き込まれて消息不明となり、意気消沈しながら西部への避難の途中で夫の機体の残骸を発見、夫と娘を同時に失ったショックで幽鬼同然の状態となってしまう。
が、避難所の
ラジオで偶然マティルダの声を聞いた事で彼女の生存を知り、グレースメリアで
ストリートチルドレン化しているという娘に再会する為に一人でグレースメリアへと向かう。
なおヴォイチェクやマクナイトなど、本作の語り部全員と面識があるのは彼女とその同行者であるルドミラのみである。
本作のキーワードである「天使とダンス」は彼女の口癖に由来しており、夫が愛機を「天使」と呼んでいた事から、彼が長期任務で家を空ける際に「天使とダンスでもしてな」と皮肉交じりに言って見送っていた事に因む。
それが娘に移って彼女に去り際の挨拶として使われるようになり、いつの間にかエメリア軍内部でも流行語となる。
なお本作のCMは15秒版と30秒版の2種類があるが、いずれも彼女が悲痛な表情で「マティルダァァァァアアアア!!!」と叫ぶシーンから始まっている。
メリッサがグレースメリアを目指す旅の途中で出会った女性。23歳。
エストバキア人であるが、ノルデンナヴィク王国に留学していた医学生。
自動車に乗っていたため、徒歩で大陸西端から首都を目指そうとして力尽きかけていたメリッサを拾い、共にグレースメリアへ向かう。
無口であり、終盤までほとんど台詞が無い。
シュトリゴン隊のトーシャとは恋人同士である。
本作の語り部の一人。
エストバキア空軍の軍人で階級は中佐。41歳。
内戦時からシュトリゴン隊隊長を務めるエリートだったが、グレースメリア侵攻時の戦闘で足を負傷してしまい、空軍情報部に転属した。
地上勤務の情報将校として占領直後のグレースメリアを訪れるが、その直後に
ストリートチルドレンに着替えの入ったトランクを盗まれてしまう。
しかしその後、
ストリートチルドレン達と交流していくうちに、彼らへの認識を改めていく。
軍人としてエストバキアに忠誠を誓う一方で民間人をみだりに傷つける事を嫌い、先述の
ストリートチルドレンたちとの交流では彼らに
チョコレートを配るなど、比較的誠実・善良な軍人と言える人物。
終盤、エストバキアの秘密作戦の情報を受け取るが……
ちなみに名前の由来はソ連・ロシアの戦闘機
テストパイロットである「ヴィクトル・プガチョフ」。Su-27を操縦して初めて
コブラ機動を行ったことで知られる。
エストバキア空軍中尉でシュトリゴン隊隊員の一人。26歳。
高校在学時に内戦に巻き込またことで軍に志願し、戦闘機パイロットとして人並み外れた能力を発揮したことでシュトリゴン隊の一員となった。
ゲン担ぎとしてシュトリゴン隊に配属されて初めて出撃した際のコールサイン「シュトリゴン12」を使い続けており、これは12機未満の編成の時も同様である。
エストバキアの形勢が不利になっていくなか、それでもエストバキアの為に命を投げ捨てるつもりでいたが……
中盤から登場するエストバキア軍少佐。35歳。
エストバキア空軍のエース部隊
「ヴァンピール隊」の隊長で、かつてはシュトリゴン隊の副隊長も務めた。
ヴォイチェクのかつての教え子の一人で、同軍を代表する
エースパイロット。
ガルーダ隊を倒すために送り込まれたとヴォイチェクには語っており、これまでの戦いで戦力を消耗したシュトリゴン隊がヴァンピール隊と統合する形で再編された新生シュトリゴン隊の隊長に就任する。
エストバキア軍人でありながらエメリアの海賊放送
ラジオを聞くなど素行はあまり良くないが、部下からの信頼は厚く、また女性にもモテるイイ男。
終盤、部下の命をエストバキアの未来に繋げるべくある決断をする。
その男らしい生き様から、プレイヤー間からも
兄貴と慕われている。
《用語》
主人公らの属する国。アネア大陸の西半分を支配する。
エスコンとしては珍しく、敵側よりも国土・軍事力が大きい。
1999年の小惑星ユリシーズの被害はほとんどなく、無数の破片となったユリシーズが流れ星の如く地球に降り注ぐ様を天体ショーとして観察する国民も多かったようである。
首都グレースメリアは国土の西端の海辺の都市で、その立地が原因で開戦直後にエストバキアに占拠されるという、相変わらず普通なら降伏しているような状況からストーリーが始まる。
グレースメリアには巨大な吊り橋"王様橋"があり、これはグレースメリア住民の自慢であるという。
また昔にはこの地を治めていた王族の居城のある旧市街地も残っており、歴史のある土地でもある。
各種の用語などから、モチーフはイタリアと見られている。
上記の、昔のグレースメリアを治めていた王が作らせたという巨大な黄金色の鎧と、それを着ている穏やかな表情の王の像。
旧市街地にある城に設置されており、王様橋と並ぶグレースメリア市民の誇り。
小柄かつ優し気な王であった彼は、隣国の侵攻の知らせを聞くとこのような鎧を作らせ、それによって敵国を戦わずして平伏させたという伝説が残っている。
開戦直後に占領軍によって首都が制圧された後は、城にあった他の美術品諸共略奪されてしまったのか、ヴォイチェクが城を訪れた時点では無くなってしまっていた。
エストバキア占領下のエメリアでラジオ放送をしている集団。
元はグレースメリア新市街のラジオ局でFM放送をしていた。
時にはエストバキアのプロパガンダ放送に割り込んでエメリアを勇気付け、エストバキアをおちょくるような内容の陽気な放送を行うという、いろんな意味でとんでもない連中。
どういう訳か異様に耳ざとく、エメリア軍の動向を即座にキャッチしてはその旨を放送しており、時にはエメリア軍が大陸上陸に成功した瞬間にその旨を速報で伝えるなどしている。
本作の敵国。こちらはアネア大陸の東側を支配している。
元々複数の共和国からなる連邦国家で安定した発展を続けていたが、小惑星ユリシーズの落着によって多大な被害を被る。
最終的に2007年に内戦状態に陥った後、2013年に内戦が終結。
終結後は「将軍たち」と呼ばれる主要軍閥の各軍管区司令官による軍事政権が成立したが、ユリシーズ落着の被害と内戦によって疲弊しきっており、ついに経済問題の解決のため、関係が悪化していたエメリアへの武力侵攻に踏み切った。
ユリシーズによってここまでの被害が出たのは、当初は破片落着地点はユージア大陸一帯と考えられていた事が挙げられる。
観測が進むにつれて、実際にはユージア大陸だけでなくアネア大陸も被害範囲に含まれると判明したのだが、それは落着予想の僅か1年前の事であった。
ユージア大陸の迎撃用巨大対空砲"ストーンヘンジ"の射程を伸ばす事も考えられたが断念、エメリアは地下シェルターを各地に建設した一方でこちらは対空
レールガン"シャンデリア"を建設するが、エメリア等の周辺諸国から軍事転用を危惧されて反対され、開発中にどんどん巨大化して行った事もあって結局未完成に終わってしまったのであった。
結局、ユリシーズの落着によってエストバキアは甚大な被害を被り、政治家や官僚は次々に国外へ脱出した結果中央政府が機能停止状態となって政治・経済双方の混乱が続くことになる。
そんな中央政府に代わって台頭したのが各地の軍人たちであり、最終的に「リエース派軍閥(後のリエース派統一戦線、以下LUF)」「東部軍閥」「自主関税同盟」「諸島連合」「北部高地派」「政府残党軍」の6つの軍閥による分割統治に移行するが、これらの軍閥は小規模な衝突を繰り返していた。
破片落着から約8年後の2007年、LUFが政府残党軍に代わって首都機能を掌握・旧政府からの政権引き継ぎを主張し、これによってエメリアからの復興支援物資援助が再開される。
しかし、LUFは復興の傍らエメリアからの物資を反対勢力への弾圧にも利用し、遂にはLUFの支配を拒んだ都市のライフラインを破壊して20万人もの死者を出す事態となり、各地の軍閥が蜂起し本格的な内戦に突入する。
当初は数に勝るLUFが優勢だったが、シュトリゴン隊の活躍やアイガイオンの戦線投入により東部軍閥が主導権を奪い、最終的に2013年にLUFが東部軍閥に決定的な敗北を喫して首脳部が戦死したことでようやく一段落する事となった。
エストバキアがエメリアの復興支援を「無計画」と非難したのはこのような背景があったのである。
シャンデリアが未完成に終わった原因の一端もエメリアにあるため、戦争に至ったのも全くの責任転嫁・八つ当たりという訳ではない。
もっとも自国民の大半を巻き込む内戦をおっ始めた挙げ句、復興支援金を弾圧に使用する「ご察し」な連中が軍上層部を占めてる時点でシャンデリアの軍事転用も想像に足るものだったろうが。
なおACE5の時点ではアネア大陸は「アネア共和国」という一つの国という設定だったのだが、本作の発売に伴い、「アネア共和国設立の為に準備に動いていたが、この内乱勃発に伴う政情不安により立ち消えになってしまった」という形に変更された。
明確なモチーフはユーク、ベルカ等と比べてはっきりしていないが、おそらく東欧諸国と推測され、一部ではユーゴスラビア、ルーマニア、ロシア辺りとも言われている。
エストバキアの超兵器。
重航空管制機である
「P-1112 アイガイオン」を中核に、それを護衛する電子支援プラットフォーム
「P-1113 コットス」、航空火力プラットフォーム
「P-1114 ギュゲス」の2機ずつの計5機で構成される。
外観は一言で表せば「空飛ぶ巨大
マンタの群れ」。
アイガイオンは
全幅963.77m・全長433.3m・全高102.39m・エンジン24発という航空機としては規格外の超巨大機である。
因みに実在する世界最大の航空機An-225は全幅88.74m・全長84.0m・全高18.1mである。単純に考えて
An-225の10倍くらいデカい。
コットス・ギュゲスも比較的小型とはいえアイガイオンの約半分、全幅486.45m・全長約200m・全高43.61m・エンジン6発という超弩級航空機。
性質上着陸する事ができないため、アイガイオンは
KC-10六機がかりで空中給油して常時飛行し続けており、メンテナンスで地上に降りる際は海上に着水する。
そのため空中艦隊は言わば
超巨大飛行艇であり、所属も海軍である。
アイガイオンはその名の通り空中管制機であると同時に、「ニンバス」と呼ばれる空中で炸裂し広範囲を破壊する特殊な長射程巡航ミサイルの発射基地であり、またニンバスを誘導するためのUAV、そして多数のSu-33を発着艦させる能力を持つ
空中空母でもある。もちろん多数の対空砲や対空ミサイルで武装している上、更には近接防御用なのか自走高射機関砲も搭載している。
ギュゲスも同じく多数の対空砲や対空
ミサイルを搭載しているが、こちらは機動性が高く鈍重なアイガイオンをカバーする。
コットスはアイガイオンやギュゲスと違い一切の武装を搭載しない非武装機だが、代わりに強力な電子戦能力とデータリンクシステムを有しており、巨大電子戦機として空中艦隊を電子戦の面から支援する。
アイガイオンはそのサイズもあって非常に鈍重だがコットス・ギュゲスは比較的軽快に飛ぶことが可能で、ミッションではアイガイオンが攻撃されていると、ギュゲスなどドリフト航行しながらアイガイオンを庇いに行くという挙動を見せる。
設計の元になっているのはZEROに登場した巨大ガンシップXB-0フレスベルクであり、ベルカからエストバキアに亡命してきた技術者が本機の開発に関わっているという。
その中にベルカのエース部隊の一つだったゴルト隊の元隊員もいたことが分かっている。
実際外見や構造も似通っており、空中艦隊はフレスベルグの発展形・完成形と言えよう。
お馴染みの敵エース部隊。正式名称は「エストバキア連邦中央軍管区空軍370航空連隊第009戦術飛行隊」。
赤黒いカラーリングのSu-33で構成されており、エンブレムは死神。
エメリアからは「魔術師」とも呼ばれる。
旧東部軍閥に所属しており、内乱当時から活躍し東部軍閥の勝利に貢献していた。
しかし支援攻撃が強いゲームシステムの都合上ステージによっては巻き込まれて撃墜されることも…
なおシュトリゴン(Strigon)とはスロベニア等東欧の伝承に登場する
吸血鬼、もしくは魔術師の名前である。
大陸北西部の島国。
永世中立国であり、エ・エ戦争中も同様である。
国土は寒冷であり豊かな土地とは言い難いが技術力は高く、エメリア軍がブリーフィングで使用しているソフトを開発した"マクミラン重工業"はこのノルデンナヴィク王国に属している。
なおマクミラン重工業には「使途不明金が多く、黒い噂が絶えない」という不穏な設定が存在する。
《余談》
本作にはDLCにより様々な機体をダウンロードする事ができ、特別なカラーリングや性能調整がなされた戦闘機や特別なミッションをプレイする事が可能となっていた。
その結果、まさかまさかの
アイドルマスターとのコラボを実現しており、765プロのアイドル達が大胆にあしらわれた戦闘機、通称
痛戦闘機が登場している。
痛戦闘機は
ミサイルの軌跡が各アイドルのイメージカラーになっている、
各種兵装の弾数が対応するアイドルの身長体重・3サイズと同じという特殊性を持つ。
また各アイドルの個性に合わせた特徴的な性能チューンが施されており、どれも個性的な使用感になっている。
一例を挙げると、
- F-22:天海春香。メインキャラらしく全体的に高性能だが失速しやすく、減速するとすぐに墜落する。
- Su-33:星井美希。性能調整の結果、性能評価のレーダーチャートが美希の好物であるおにぎりの形になっている。
- F-15E:如月千早。全体的に高性能だが防御力が低く、更に被弾する度に機動力が低下する。
- F-117:萩原雪歩。高速度域に達すると攻撃機でありながら戦闘機以上の運動性になる。
- タイフーン:菊地真。ミサイルロック速度が致命的に遅い代わりに運動性が非常に高く、真同様に機銃を駆使したドッグファイトが得意である。
- F-2A/F-16C:双海亜美/双海真美。双海姉妹同様元戦闘機も双子。またどちらも安定性が非常に低く、F-2Aはピッチ、F-16Cはロールすると逆方向に入力しない限り勝手にピッチ又はロールしっ放しになるというイタズラ好きな双海姉妹と同様のアンコントローラブル振り。
などなど……。
これらはハセガワから
プラモデル化もされている。
痛戦闘機の他には海賊のマーキングがされたSu-33、メビウス1の塗装とエンブレム、極めて高い運動性と逆に非常に低い防御力を併せ持つF-22などが存在した。
ACE7発売に際し、PS4版の初回特典にはリマスター版ACE5が付属していたのに対し、XboxOne版には本作が付属していた。
Xboxプラットフォームの優れた後方互換性は本作でも発揮されており、より高画質となっている。
上述の通りDLCは2022年現在は利用できないが、
Xbox360版でダウンロード済みのものは引き継がせる事ができる。
- エストバキアのモデルは恐らくルーマニア + スロバキア -- 名無しさん (2020-07-10 21:06:22)
- ↑ 西洋史には明るくないので、できれば何故そのように推測されたのか教えていただきたいです -- 名無しさん (2020-07-10 21:20:20)
- まずエストバキアのエストはルーマニア語で東を意味する言葉であり、また同国人の登場人物名もルーマニア系である事。長らく内線が続いて統一が遅れた事と、東部軍閥が統一したエストバキアに対してルーマニアも第一次大戦後に東部から西側に向かって領土を獲得した事。ベルカ(ドイツ)との関連性やユーク(ロシア)と地理的に近い事。(第二次大戦期には枢軸側でありドイツと同盟関係にあった)架空機のペットネームであるノスフェラト(吸血鬼)が元はルーマニア語である事。ルーマニアはローマ帝国の属領ダキアに起源を遡る事が出来るが、エメリア=イタリアとした際にアネア共和国をローマ帝国と見做す事が出来る、等々。ただルーマニアは歴史上連邦共和国になった事が無い事からダキア人に起源を同じくし、連邦共和国になった事のあるスロバキアが折衷されたと見ています。スロバキア説についてはチェコに相当するウスティオとの関連性が不明瞭なのであまり自身ありませんが、ルーマニアはかなり手堅いと思います。 -- 名無しさん (2020-07-10 22:04:15)
- これをプレイするために360を買った思い出…確か箱1版の7の早期購入特典はこれのアップグレード版がついてきたんだよな -- 名無しさん (2020-07-10 22:42:14)
- ↑2 解説ありがとうございます。そうなると確かに共通している点がありますね。以前にもエストバキア=ルーマニア説も散見されますし、モチーフの一つと見て良いかもしれませんね -- 名無しさん (2020-07-11 08:31:05)
- グレースメリア解放戦で流れるBGMは名曲 -- 名無しさん (2020-07-12 14:59:06)
- 個人的にはM11での味方爆撃機護衛も結構好き。敵でもその数まとまって出てくることないよ、という24機のB52と護衛部隊12機と味方の数が多い6作中でも特に数が多い -- 名無しさん (2021-11-23 16:28:12)
- 味方の援護とかストーリーとか光る物が多いがほかのシリーズと比べて評価が今一歩及ばない印象…やはりミッションの少なさと機体の大幅リストラが足を引っ張ったか(F-35などこれまでの高性能機体が一部出ない、ミグ全滅、まさかのテルミナートルがリストラなど) -- 名無しさん (2024-06-05 18:52:07)
- 好きな機体がリストラされてたのに敵機としては登場してたのが気に入らなくて当時体験版だけしかやらなかったな…機体さえ多ければなあ -- 名無しさん (2024-06-24 22:46:03)
- 個人的には5のブリーフィング地図に既にあった「Mante(マンテ)」がどんな街なのか気になるところ -- 名無しさん (2025-02-26 19:55:11)
最終更新:2025年02月26日 19:55