百獣王ゴライオン

登録日:2020/07/11 Sat 22:22:22
更新日:2024/08/07 Wed 10:06:02
所要時間:約 6 分で読めます







広大な宇宙を揺るがす、そのすさまじい雄叫びを耳にした人は数多い。

しかし、それは何者なのか?

鬼神か? 獣か?

あるいは……暗黒の巨大な魔物か……?


▲概要

『百獣王ゴライオン』とは1981年に放送されたテレビアニメである。東映テレビ事業部企画、東京動画製作。全52話。
当時の規制が緩かった為に描かれたいくつもの(エロ&グロ両面で)過激なシーンが多いのが特徴。あとキャラ名と搭乗メカと戦闘服の色が統一されていないのも
そのせいもあってか、日本国内では映像ソフト化はされておらず視聴困難な作品だったりする。
海外では『機甲艦隊ダイラガーXV』とクロスオーバーさせてボルトロンというタイトルで放映されており、これと別に別にゴライオンとダイラガー名義のDVDBOXが発売されており、互換性がある映像機器なら日本でも視聴出来る。
2016年にはMARVLE映画の『デッドプール』にボルトロンのグッズが登場している。
同年からはボルトロンをベースに『ゴライオン』のエッセンスをふんだんに取り入れた新作アニメ『ヴォルトロン』もNetfilxにて配信された。


▲ストーリー

西暦1999年、長きにわたる冷戦に端を発した第三次世界大戦によって人類が滅亡した地球に戻って来た、黄金旭達5人の少年。
彼らは無残に変わり果てた故郷の姿に絶望する間もなく、突如飛来したガルラ大帝国の宇宙船に拉致されてしまう。
第三次世界大戦が起きている間、全宇宙はガルラ大帝国が支配していたのである。
やがて黄金達は自由を求めて彼らの宇宙船を強奪し、ガルラ星から脱出を試みるが追っ手の追撃を受ける。
だがその時、謎の光に導かれてアルテア王国に不時着し、そこでファーラ姫と5体のライオン型メカに出会う。
ファーラ姫はガルラ大帝国の暴虐を阻止するため、5体のメカを5人に託し、伝説の守護神・ゴライオンを復活させる。

ギブアップせい!!

今、斗いの幕は切って落とされた―――!!


▲登場人物

☆アルテア王国
主人公。黒獅子に搭乗。赤い戦闘服を纏う。仲間内では「チーフ」と呼ばれており、実際熱血感ではあるが思慮深さも備える、今の戦隊ものにも多く存在する「頼れるリーダー格」。

青獅子に搭乗。黒い戦闘服を纏う。愛称が「だんまり」であることからも分かる通り、冷静沈着で無口な参謀格。

  • 黒鋼勇(CV:水島裕)
赤獅子に搭乗。青い戦闘服を纏う。臆病でお調子者で皮肉屋で、ついたあだ名が「お天気屋」。しかしストーリーが進むにつれ少しずつ成長していく。

黄獅子に搭乗。橙色の戦闘服を纏う。「向こうっ気」という呼び名を付けられており、情に厚く責任感の強い熱血感。ちなみに高所恐怖症。

緑獅子に搭乗。緑色の戦闘服を纏う。ニックネームはそのまま「チビ」。しかし忍者の子孫故に体術に優れ、メカも得意と侮れない。

  • ファーラ姫(CV:鵜飼るみ子)
帝国に滅ぼされたアルテア王国の最後の生き残り。
宇宙ネズミの一家と友達で、彼らが黄金やファーラ姫の窮地を救うこともある。

  • ライブル(CV:藤城裕士)
アルテアの遺臣でファーラ姫の御守り役。

  • ヒス(CV:青木和代)
ファーラ姫を世話する女官長。


☆ガルラ大帝国
ガルラ大帝国の皇太子で前線指揮官。整った顔立ちをしているが性格は冷酷非情で、自身が帝王になるために父親を謀殺しようとするなど野心家で卑劣漢。
今まで征服した星の女性達を集めてハーレムを作っているという、羨ましい汚らわしい面も持つ。

  • ダイ・バザール(CV:富田耕生)
全宇宙の支配を目論むガルラの帝王。500歳。外見に違わぬ怪物的な能力と精神の持ち主で、シンクラインが薬と偽って猛毒を飲ませてもそれで病から回復してしまったことがある。
当初は息子には甘かったものの、やがてその野心に気付くにつれて確執や衝突が多くなっていく。そして終盤ではシンクラインの手でメカブラック獣人ガルラの頭脳として組み込まれ、ゴライオンと戦い戦死することに。

帝王の側に仕える妖術使い。「ヒッヒッヒッ」と不気味に笑うのが特徴。ちなみに宇宙ネズミが苦手。


▲メカニック

メカライオン
ゴライオンの身体を構成する、「黒獅子」「赤獅子」「緑獅子」「青獅子」「黄獅子」の5体のライオン型メカ。
それぞれが五行に相当する属性*1を持った武器と動力源を持っており、弱点属性の攻撃を受けてピンチになることもしばしばあった。
あと鬣を持っていないので全機がメスか、オスだったとしても第二次性徴前のショタだと思われる


レーッツ!!

ゴー・ライオン!!!



ゴライオン
黒獅子が胴体、赤獅子が右腕、緑獅子が左腕、青獅子が右脚、黄獅子が左脚を構成して完成する巨大ロボ。獅子の頭がそのまま手足になっているという、衝撃的かつ斬新なデザインが特徴。
遥か昔宇宙を暴れ回り、後に宇宙の女神に敗れて5つの獅子に分断され、アルテア星の守護神になったという物騒な曰く伝説を持つ。
身長60メートル、体重700トン、動力源は惑星エネルギー。出力は600万馬力。最高時速500キロ、最高飛行速度はマッハ10。4×4(獅子)=16の語呂合わせで、16種類の武装を持っているが、未使用の物も存在する。

☆主な武装
  • ファイヤートルネード
右腕の赤獅子の口から火炎を放射する。

  • レーザーマグナム
左腕の緑獅子の口から放つ射撃武装。レーザーだが作中では光弾たまにミサイルとして描写されている。

  • フットミサイル
両足のライオンの口から発射されるミサイル

  • 十王剣
両腕を合わせることで出現する実体剣。万が一折れてもナックルガードの部分にあるアルテア王家の紋章にゴライオンの鍵を重ねることで再生可能。
一振りで獅子の雄叫びが響き渡り、ガルラ帝国の獣人を真っ二つにする。
後半では電撃を放って敵を拘束した後両断する「十王剣稲妻落とし」を必殺技としている。

  • フォーライオンアタック・100トンパンチ
後半に追加された17番目の武装。両腕両脚のライオンの頭部を発射する。
所謂ロケットパンチ、及び世にも珍しいロケットキックに該当する技。より正確にはロケット頭突き


デスブラック獣人
ガルラの主力兵器にして、前半における「今週のやられメカ」。ホネルバの妖魔力で巨大化してゴライオンと対決する。
その素体は各惑星から捕らえられて来た奴隷を改造したもので、厳密にはサイボーグに近い。そのため攻撃を受けることで出血したりなど生々しい描写が描かれたこともあった。


メカブラック獣人
後半の主力兵器で、巨大ロボットにデスブラック獣人を制御ユニットとして搭載したサイボーグ兵器。
中には完全なロボも存在する。
名前は「ラムダー」「ガンマ」などギリシャ文字から取られているものが多い。


▲主題歌

OP:斗え!ゴライオン
作詞:千家和也 作曲:小林亜星 歌:水木一郎

ファンファーレのようなイントロ、冒頭の「プラスワァン!」で1人ずつパイロットが写されるOP映像が印象的だが、なによりBメロ始めに突如入る「ギブアップせい!*2が全部持っていってしまう曲。


▲外部作出演

スーパーロボット大戦シリーズには『スーパーロボット大戦W』にて参戦。
参戦当時、というか現時点でも唯一国内にて映像ソフト化がされていない作品であるのにもかかわらず参戦したという異色の存在に。
ゴライオンは「遥か昔にザ・データベース(『W』オリジナルの敵勢力)を撃退する」「イデオンの如く多くの魂を集め新たな宇宙へと導く役割を持つ」「ジェネシックガオガイガーは同じ獅子座文明の産物」「ボソンジャンプに似た空間跳躍能力」と数々の設定を有しており、多くの敵勢力から警戒される存在となっている。
前述の通りゴライオンのメカライオンはメスのデザインなのでギャレオンがハーレム状態と揶揄された。ライオンの生態からすれば不自然ではないが…。
しかし肝心の性能そのものは「複数乗りによる精神コマンドの多さ」「敵を弱体化させる武装持ち」という部分くらいしか秀でたところが無く、他のユニット*3と比較するとどうしても見劣りしがち。とは言え充分主力になり得る強さはあるので使えないユニットではない。ぶっちゃけ『W』は難易度自体低いので大して問題なかったり。

また、原作では捕まって無理矢理改造されてしまったダイ・バザールは自らの意思でメカブラック獣人ガルラに乗り込んで出撃し、兵士達を「奴らを倒せば褒美は思うがままだが、逃げたら殺す(意訳)」と鼓舞すると同時に恐怖で震え上がらせる(出撃と同時にガルラ所属の敵ユニットの気力が150まで上がる)という大帝王の迫力と風格と格好良さをプレイヤー部隊に見せつけてくれる。
……のだが、最後に伝説の歌詞を言ってしまったことで一転してシリアスな笑いを誘うことに。

やたらグルメなコメントをする黄金や「声はヒーローみたいなのに」と評され、竜馬の声を「気に入らん」「良い声」「暑苦しい」と全然一定しない評価をして向こうからは「俺はそんな人を見下したような笑い方はしない」と迷惑がられるシンクラインなど声優ネタも完備。
あるマップでシンクラインと女性キャラを戦闘させた時の戦闘前会話では自軍女性キャラ全員にボロクソに貶されるという、後のシリーズでも引き継がれていくイベントの元祖的イベントも。

ちなみに第三次世界大戦で主人公達以外の地球人類が滅亡した件については流石に他作品とのクロスオーバーに支障が出るため、後年の『蒼穹のファフナー』における日本壊滅の一件同様再現されていない。まぁ原作でも大して重要な設定ではなかったし。

参戦はこの1回だけ*4だが、寺田貴信Pによれば版権上の問題で滅多に参戦させられない(ラジオ『うますぎWAVE』第769回より)が、このタイミングで参戦できるという話が出たためこの時だけ参戦できた(『うますぎWAVE』第901回より)のだという。
事実、2005年頃にアメリカで『ボルトロン』を映画化させようとしたところ東映と権利関係で揉めた事があり、後に『ボルトロン』の版権を一本化するための権利譲渡の話が持ち上がり、その後正式に売却が行われ東映は本作の版権を手放すこととなったため、再び参戦させようとしたら現在の版権元であるWorld Event Productionsとドリームワークス社という海外の版権先に許可を得にいかなくなるので、再参戦のハードルが高いと見られる。*5


来い、Wiki籠もりよ!

冥殿文明に謳われたアニヲタWikiは今ここで追記・修正される!

この銀河の大帝王、ダイ・バザールの手によって!!

だから…


ギブアップせい!!


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最終更新:2024年08月07日 10:06

*1 黒:雷、赤:炎、緑:風、青:水、黄:地

*2 調べると分かるが空耳とかではなく、本当に「ギブアップせい」という歌詞になっている。

*3 文句なく最強機体に変化する主人公機、同文明のジェネシックガオガイガー、強力なMAP兵器持ちのテッカマンイーベルやフリーダムガンダムなど。しかしお気に入り選択で選んでおけば、獲得資金が1.5倍になるので、ボスキラーを務めさせて資金を効果的に稼げる(この点では条件が同じ真ゲッターロボが競合相手になってしまうが、幸いお気に入り枠は3つある)。

*4 番外編的な『スパロボ学園』にも出ているが

*5 2016年に発売された超合金魂「ゴライオン」のコピーライト表記には東映の表記がなくWorld Event Productionsとドリームワークス社の二社の表記がされていた。