ゲネガーグ

登録日:2020/08/04 Tue 11:28:28
更新日:2025/01/16 Thu 21:15:55
所要時間:約 6 分で読めます






\G E N E G A R G !/


この怪獣はゲネガーグ!
宇宙から来た凶暴な怪獣で、口から色んな物を吐き出してくる手強い相手だ!!



ゲネガーグとは、『ウルトラマンZ』に登場する怪獣。


プロフィール

別名:凶暴宇宙鮫
身長:67m
体重:6万t
出身地:不明(恐らく宇宙のどこか)


概要

本作初登場となるオリジナル怪獣。
「巨大な口であらゆるものを飲み込む」生態を持つ巨大な鮫のような宇宙怪獣。
凶暴な気質に加えて小惑星程度なら平気で丸飲みして捕食し、更にはかの四次元怪獣ブルトンすら飲み込むとんでもない悪食である。
この身体サイズで小惑星やブルトンを飲み込み平然としているなど、胃袋や内臓は並外れて強靭な様子。もしくは胃袋内の空間は常識とは異なるのかもしれない。

「鮫」という肩書ではあるが二足歩行で地上を闊歩するなど、鮫というよりはどことなくっぽい。まぁ古い言葉で鰐は鮫の事を指すし、どっちでも同じようなもんだろう。
全体的なフォルムを例えるならば『ガメラ対大悪獣ギロン』に出てきた大悪獣ギロンや、『ウルトラマンティガ』に出てきたレイロンスに近い。

頭部から背中にかけては地球の鮫に似たビジュアルだが、
  • 体の各部の皮膚を引き裂くように奔る無数の紅く大きな裂傷
  • 鼻先から生えた巨大な包丁のような一本角
  • 背中や体側面部にある小さな無数の穴
が眼を引く。
巨大な口腔内には埋め尽くすようにびっしりと牙が生えている他、体の側面からは胸鰭が生えておりこれを手のように使う。
また鮫の背びれのように大きく盛り上がった背中にはロケットの噴射口に似たエラ状の穴を備えており、ここからジェット噴射を行うことで大気圏内外での高速移動に使用。劇中では一瞬巨大隕石の落下と間違われるほどの猛スピードで地球に侵入を果たした。



戦闘能力

例えるならばウルトラ怪獣版イビルジョー
悪食を支える強靭な顎と牙を利用した噛み付き攻撃がゲネガーグ最大の武器。
飲み込んだものは自由に吐き出すことが可能で、劇中では小惑星を吐き出して飛び道具代わりにしたり、小惑星に見せかけてブルトンを吐き出し、敵を四次元空間に飛ばす悪質なフェイントも使っていたりと案外知恵も回る。

その他、
  • 突進時の衝角や格闘戦用の武器としても使える一本角
  • 口から発射する紫色の大出力の破壊光線「ゲネバスター」
  • 側面に空いたエラ状の穴から弾幕のように乱射する追尾性の赤い拡散光弾「ゲネパラサイトボム」
  • 大きな口で飲み込んだものを吐き出して攻撃する「ゲネヴォミット」
  • 背中からのジェット噴射により猛スピードで突撃して敵を蹴散らす
といった豊富な武器と手数を持ち、攻撃力・機動力共に高水準。
おまけにゼットの回想では、光の国を護るウルトラマン達の光線技の集中砲火をまともに受けながらものともせず光の国に侵入し、ウルトラゼットライザーとウルトラメダル各種を強奪してから逃亡に成功するぶっ飛んだ機動力と肉体の耐久力も見せていた。
この際回避行動や防御の類は一切していないので、よりゲネガーグの肉体強度の凄まじさが窺える。
更に身体の側面部の無数の小さなエラ状の穴はスラスターの役目を持ち、側面の穴から炎を小刻みに吹かして宇宙空間で姿勢制御や方向転換を行う器用さを見せた。

お前は超獣か何かか。


「ゼットとハルキとの融合」アルファエッジへの変身」が無かったとはいえ、
それらを加味してもセブンガーウルトラマンゼットを相手に単騎で圧倒して一度はハルキを絶命させ、ゼットも死亡寸前に追い込み
更にブルトンを使ってウルトラマンゼロを完封したことを踏まえると、第1話の怪獣でありながら実質ウルトラマン相手に2度も勝利を収めたかなりの強豪怪獣である。


劇中での活躍

第1話「ご唱和ください、我の名を!」

突如前触れもなく光の国を強襲し、研究所にあった「ウルトラゼットライザー」「ウルトラメダル」を飲み込み強奪した。
そのまま宇宙に逃亡していたが、追跡してきたウルトラマンゼット及びゼロと交戦。
吐き出したブルトンでまんまとゼロを封印・無力化して逃げ出し、そのまま地球に襲来する。

そうしてゲネガーグ迎撃のためセブンガーに乗って出撃したハルキと自身を追ってきたゼットと交戦。
当初は2対1であっても優勢であり、更に避難者が多く居る避難所目掛けて光弾をばら撒き、避難所を護る為庇ったセブンガーとゼットに攻撃を確実に当て、光弾の対処に追われている隙を狙い切り札の破壊光線を直撃させるという悪辣極まりない手段でハルキを殺害、ゼットすら死亡寸前に追い込んだが、
ここで急遽ハルキと一体化したゼットがアルファエッジに変身。
その猛攻に押され、最後はゼスティウム光線を受け倒された。

だがゲネガーグが飲み込んでいたウルトラメダルも各地に散らばってしまった上に、ゲネガーグの肉片を介して地球を脅かす侵略者も人知れず地球への侵入を果たすことになる。


第2話「戦士の心得」

ウルトラマンゼットの回想で登場。
上記のようにぶっ飛んだタフネスを駆使してウルトラメダルとウルトラゼットライザーを強奪したことが明らかになった。
またゲネガーグの襲来に触発され、地球の地底で休眠状態だった大型怪獣達は続々と活性化を開始。
以後ハルキの世界の地球はより一層の怪獣災害に見舞われることになる。
ストレイジのヨウコ曰く「目覚まし時計」


特別編「リ・ストレイジ」

総集編ということもあり僅かではあったが登場。
解説によればゲネガーグが襲来するまで『Z』の世界では50m級怪獣が出現することは少なかったとのこと。
文字通り巨大怪獣達の目覚まし時計の役目を完遂したと言える。


ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀

登場こそしないものの最終話で言及があり、光の国を襲撃したことが明らかになる。
シリーズの背景で起きている騒乱「デビルスプリンター」の対抗策として開発された重要アイテムだったが、アブソリュートタルタロスが様々な混乱を引き起こし、光の国のメンバーを中心としたウルトラ戦士達が対応に当たっていたため、警備が手薄になっていたためであった。
ウルトラマンゼットは真っ先にそれを追いかけて行き、追い付いた後の経緯は『Z』本編で描かれた通りである。

ゲネガーグがわざわざ光の国を襲撃して、ウルトラゼットライザーとウルトラメダルに強奪に成功したのは、こういった火事場泥棒的経緯の結果である。

ウルトラマントリガー エピソードZ

デスドラゴと共に宇宙怪獣なのに地底から突如として出現。
ガゾートを倒した直後のトリガー スカイタイプを襲撃しその力で圧倒するが、アキトとユナにより回収されたGUTSハイパーキーによりトリガーがパワータイプへとチェンジ、ゼット ベータスマッシュも参戦し、近くの鉄塔と電線をリングのロープに見立てたタッグマッチを展開。いっつもプロレスしてんなこの赤マスク
最終的にはゼスティウム光線とデラシウム光流の同時攻撃によりデスドラゴ共々撃破された。

後述のルーツを考えると野生産のゲネガーグが存在することはあり得ない筈だが、その辺の説明は一切ない。
怪獣兵器による戦争で作られていた、という経緯から考えると複数体作られていたものの1体を『トリガー』の宇宙へ向かう途中のセレブロが回収したと考えるのが自然か。しかし何故地面から……
『トリガー』恒例の『ティガ』怪獣オマージュだが、「鮫の怪獣」で「人工的に作られた怪獣」という点や、本作のラスボスがイーヴィルトリガーである点から、ゲオザークをオマージュしているものとみて間違いない。*1
あちらはロボット怪獣なのに対し、ゲネガーグはバイオテクノロジーで作られた人工生命体である。


ゲネガーグについて

第1話からその知能の高さと凶悪な戦闘力でウルトラマンを苦しめ、視聴者に存在感をアピールしたゲネガーグであったが、
一部の視聴者からは「ここまで強かったのはセレブロに身体を乗っ取られていたからでは?」という考察が存在する。

そもそも只の野生の怪獣がわざわざ光の国を強襲してウルトラゼットライザーとウルトラメダルを奪取する旨味や利点はゼロである。
加えて光の国への強襲もウルトラゼットライザーとウルトラメダルの保管庫のみを狙った極めてピンポイントな行為であり、戦闘自体も野生の生物とは思えないぐらいに合理的で狡猾な戦法を駆使して戦っていた。
その為第1話であれ程の暴威を齎したのは、あくまでセレブロがゲネガーグをコントロールしていたからこそ強かったとも考えられる。
劇中でのずば抜けた耐久力も、セレブロがゲネガーグの身体の負担を無視して無理矢理操作していた副産物という可能性も否定できない。


実際ゲネガーグの死後、セレブロがゲネガーグの死骸を介して地球に侵入しているため、ゲネガーグは光の国からアイテムを奪うために操られた犠牲者だったのかもしれない。
…とはいっても、長いウルトラシリーズの歴史の中では宇宙人顔負けの高い知性と悪意を持った怪獣達も少なからず存在するので、真実は定かではない。

そして最終盤、セレブロの最終目的が『文明自滅ゲーム』という悪趣味を極めた遊びであったことが発覚。
そのためゲネガーグの役割とは、「ゲームに必要な小道具を入手するための手段」であると同時に、「地球で眠っていた怪獣達の覚醒を促して怪獣災害を多発させ、怪獣への『恐怖』を煽る引き金」だった模様。
だが同時に前から妙にメカメカしさが散見されたゲネガーグの正体が「文明自滅ゲームの標的にされた他の星で開発された最終兵器の成れの果てという説まで浮上するようになった。おまけに暴れる際のBGMがデストルドスと同一なことがこの説に拍車をかけている。

そして超全集の小説『ジャの道は蛇』にて、とある宇宙の惑星にある政府直轄の怪獣兵器製造工場のバイオテクノロジーで生み出された正真正銘の怪獣兵器であったと判明する。つまりホントに「超獣か何か」だったのである。
ゲネガーグが生まれた星では怪獣兵器を利用した壮絶な世界大戦が勃発していたが、裏では同時にその星の住民に寄生したセレブロが暗躍していた。
よってゲネガーグもまた、セレブロが仕組んだ文明自滅ゲームで生み出された最終兵器の1つであったのだろう。
なお、これらは全てグルジオライデンが『Z』の地球へ送り込まれた後の話であり、下地作りと同時進行で別の惑星でゲームを愉しむセレブロの悪辣さが見て取れる。


余談

着ぐるみは『ウルトラマンオーブ』のラスボスマガタノオロチ」の改造
刺々しさが消え、派手な色でなくなったので面影はあるが印象はかなり変わる。
何の因果かあちらもコイツも「食べる」能力の持ち主である。

『ゼロVSベリアル 10周年記念読本』収録の田口清隆監督のインタビューによれば、セブンガーの着ぐるみを新規造形する都合で、代わりに第1話怪獣の着ぐるみを新規で作れなくなる状況になってしまった結果、
マガタノオロチは設定的に再登場できないし、したとしても雑魚敵にされるぐらいなら生みの親の監督として新怪獣に生まれ変わってもらった」とのことで、マガタノオロチの着ぐるみを改造する(=二度と使えなくする)決断を下した。




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最終更新:2025年01月16日 21:15

*1 ゲオザークの開発者はイーヴィルティガに変身したマサキ・ケイゴ。