聖魔連結王 ドルファディロム

登録日:2021/07/04 Sun 17:57:17
更新日:2024/11/10 Sun 16:13:46
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破壊の創造主。

正義と不義が相食んで連結された存在。

それこそが、聖魔連結王。




聖魔(せいま)連結王(れんけつおう) ドルファディロム》とは、デュエル・マスターズのクリーチャー。
DMRP-17 「王来篇 第1弾 王星伝説超動(レクスターズ・アンド・ディスペクター)」に収録されたキングマスターカードの一枚であり、《聖霊王アルファディオス》と《悪魔神 ドルバロム》を合体させた勢力の王たるディスペクター
20thレア版やキングマスターカードに用意される20thSPゴールドレア版も存在している。


解説

連結王 ドルファディロム KGM 光/闇/火文明 (8)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド 13500
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く。)
スピードアタッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、またはこのクリーチャーの「EXライフ」シールドが自分のシールドゾーンを離れた時、相手の多色ではないクリーチャーをすべて破壊する。
相手は多色ではない呪文を唱えられない。

3色とはいえ8マナでパワー13500に加えスピードアタッカー、T・ブレイカーと小学生の勝舞君ならそれだけで驚愕していたであろうスペックに加え、ディスペクター共通のEXライフも所持しているため場持ちもいい。

そしてドルファディロム固有の効果は2つ。
1つは《悪魔神バロム》を彷彿とさせる相手の単色or無色クリーチャーを全ぶっぱする能力
この能力はcipとしてだけでなく「自身のEXライフシールドが剥がれた際に発動する能力*1」にも指定されている。
その為単色クリーチャーを中心としたデッキはこいつが場に出るだけで壊滅的な被害を受けるのみならず、このクリーチャーを除去しようとする、あるいは盾を割りにいくという行為にリスクを背負うことになる。
この全体除去とSA、TBが凶悪なシナジーを形成しており、出したターンに邪魔なクリーチャーを蹴散らした上で即座にシールドを三枚消し飛ばせる

この時点で大概なビートダウン性能だが、もう一つの《聖霊王アルカディアス》を想起させる呪文ロック能力によってコントロール性能も高い。
対象は多色以外になり、受けるのも相手のみになっている。
こちらも相手の多色比率によって刺さり具合は異なるが大半の呪文は封殺でき、退かそうにもただでさえ使える呪文が限られている中EXライフにより2回除去しなければならないため、与えられるプレッシャーはとても大きい。その過程で前述の全体除去が飛んでくるため、実質的には3重の除去耐性を持っていると言ってもいい。

連結元となった両者の能力を単色or無色メタとして昇華させたような能力となっており、多色カードに乏しいデッキはこのカード1枚で詰みかねない。
その様は往年のキングクイーンロックにも近い。流石にプレミアム殿堂カードの絡んだあの並びほどの理不尽さは無いが、単騎の非進化クリーチャーでありながらそれと似たようなことをやってのけるドルファディロムのカードパワーは、14年後現在の水準で見ても強力と言わざるを得ない。
インフレの極致と言われた超天篇のカードも単色が多いためよく刺さる。

種族、所有文明に関しても優秀。
エンジェル・コマンドとデーモン・コマンドを有する為豊富なサポートを受けられるほか、封印もはずせる。色が合う事で《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の顕現にも貢献出来、共存したデッキも構築しやすい。
コストが8と言う事で後述する《襲来、鬼札王国!》、《灰燼と天門の儀式》に対応するほか、火文明を持つ為《蒼龍の大地》で踏み倒して効果バトルさせるのもいい。
とりわけ「5色コントロール」においてはの3色カードである意義が大きく、《天災 デドダム》、《ウマキン☆プロジェクト》、《ドンドン水撒くナウ》といった自然を含む多色カードと共にマナに置くことで、《フェアリー・ミラクル》の発動条件も満たした強固なマナ基盤を即座に構築できる。
さらにそれらのカードは所謂「初動札」であるため、フィニッシャーであるドルファディロムと枠を食い合う事もない。
勿論ディスペクターを利用してディスタスによるササゲールでコスト軽減もできる。このクリーチャーが入るデッキでは専らマナを伸ばすか踏み倒すかして出す事が多いだろうが、覚えておいて損は無い。

総じて、ビートダウン、コントロールどちらも高水準でこなすユーティリティさと、「無視するにしろ対処するにしろ相手は相応のリソースを消費させられる」という詰み局面作成性能の高さを兼ね備えた、キングマスターに相応しいパワーカードと言える。
白黒赤のカードとしては《最終龍覇 グレンモルト》と共に強力なフィニッシャー格であり、このカードを手に入れた5色コントロールは後の【5色ザーディクリカ】の雛型となる新たなデッキタイプ【5色ドルファディロム】を確立*2
そのまま王来篇初期の環境のトップメタを飾る事となった。





…え?「なんで転生前の方に絡めて能力の解説してるんだ」って?
だってしょうがないじゃないか。アルファディオスの召喚ロックもドルバロムのランデスも再現されていないもん。
ついでに言うなら、アニメにおける連結素材はアルファディオスとドルバロムではなく、ジョーの時代から500年前にいたバロムと白凰から奪ったアルカディアスである。
もう既にその2体で連結したクリーチャーいるんですよ?!


弱点

やはり多色中心のデッキには効果が及びにくいことが挙げられるだろう。
団長しかり守護神しかり、多色中心とまではいかなくとも切り札となるクリーチャーが多色であるデッキにはドルファディロムの破壊効果は効き辛く、また多色呪文にも広く使われていてかつドルファディロムを除去できるものは決して少なくない。
一応「多色カードオンリーの構築」というものがデュエルマスターズではまず起こりえない為最低でも除去耐性持ちSAファッティ以上の仕事はするが、ドルファディロムがそうなるような相手ならばより優先したいカードがいくつもある。
多色の多いデッキならドルファディロム以外で対処するという解決法もあるが、後述するあるカードを使ってドルファディロムの能力の射程を無理やり広げる手もある。

しかしその解決法を使ったとしても、呪文以外のS・トリガーや後から出てくるクリーチャーをケアできないというもう1つの弱点は無視できない。
閃光の守護者ホーリー》、《終末の時計 ザ・クロック》といったトリガー獣によってターンを凌がれ、返しのターンに除去されるなりゴリ押されるなりするリスクは存在する。
また、「そもそも場に出させなくする効果」を持つカードに対しても打つ手がない。《地封龍 ギャイア》がすでに居る状況ではあっさり無力化してしまう。

いくら場持ちがいいとはいえ過信は禁物。相手のデッキ構成をしっかりと見極め、ドルファディロム単体でケアしきれないようなら他のカードの力も借りつつしっかりと盤面を詰めていこう。


相性のいいカード

襲来、鬼札王国! R 闇/火文明 (6)
呪文:鬼札王国
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
次のうちいずれか1つを選ぶ。
►相手のコスト8以下のクリーチャーを1体破壊する。
►コスト8以下のクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
<鬼タイム>自分と相手のシールドの数が合計6つ以下なら、1つのかわりに両方選んでもよい。

前年に登場した鬼札王国の呪文。
蘇生効果の範囲にはドルファディロムがしっかり含まれており、あらかじめ墓地に落としておいた、あるいは一度出したが破壊されたドルファディロムを手軽に蘇生させることができる。
墓地に蘇生対象がいない場合でももう1つのモードの破壊効果は使えるのも大きい。
この呪文自体も手打ちやS・トリガーで唱えるのはもちろん《混成 ザーディクリカ》で墓地から再利用も可能とユーティリティも高い。
一方で、この呪文自身が多色かつ破壊効果の範囲内にドルファディロムがいる関係で、このカード自身ドルファディロムのメタとしても機能する。

灰燼と(ヘブニ)天門の(アッシュ)儀式(・サイン) VR 光/闇/火文明 (6)
呪文
S・トリガー
コスト8以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーに「ブロッカー」を与える。その後、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その2体をバトルさせる。

ドルファディロムと同弾で出た蘇生呪文。
役割自体は鬼札王国と同じドルファディロムのリアニメイト。
こちらは墓地に蘇生対象がいないと何もできない点で劣るが、ドルファディロムの高パワーを活かし強制バトル効果でcipでは焼けない相手の多色獣を討ち取ることができ、かつブロッカーが付与されることで相手の攻撃を抑制できる点で優れている。
さらに、相手の光以外の呪文をロックする《アルカディアス・モモキング》の登場によってそのロックをすり抜けられるこのカードが優先される場面も増えつつある。

クリスティ・ゲート P 光文明 (3)
呪文
S・トリガー
自分のシールドをひとつ見る。その中から、進化ではない光のデーモン・コマンドを1体、バトルゾーンに出してもよい。
カードを1枚引く。

なんだかんだ忘れている人もいるかもしれないが、ドルファディロムは光を含むデーモン・コマンドである。
そのため、運次第では3ターン目にこの呪文で盾からドルファディロムを着地させることも可能。
早期の着地が叶えば、相手は序盤から多色以外の呪文を封じられるためその展開を大きく阻害できる。


希望のジョー星 R 無色 (3)
D2フィールド:ジョーカーズ
このゲームで使うカード、そのコスト、そのテキスト内のコストはすべて文明を失う。(無色となる)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)

ウェディング・ゲート R 闇文明 (6)
呪文
S・トリガー
光でも進化でもないエンジェル・コマンドを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出す。

ドルファディロムを更に強化してくれるのがこの2枚。
あらゆるカードが無色となる《ジョー星》下においては、ドルファディロムの効果範囲が全クリーチャーと全呪文にまで広がる他、素ではできない《ウェディング・ゲート》によるドルファディロム踏み倒しも可能になる。
この機構を活かしたアーキタイプは「ウェディングジョー星」と呼ばれ、5色コントロールから殆ど弄らずにデッキを構築できるため、《ジョー星》がプレミアム殿堂に指定される2023年3月20日以前は環境にもちょくちょく顔を出していた。

このようにドルファディロムはジョー星によってさらに強力になるが、これは同時にドルファディロムが相手のジョー星に対するメタカードにもなることを意味する。
双方がドルファディロムを使うデッキでどちらかがジョー星を採用していると、双方のドルファディロムが互いを破壊しあうという光景が見られるのだそうな。


関連カード

連結王 バロディアス KGM 光/闇/火文明 (8)
クリーチャー:ディスペクター/デーモン・コマンド/エンジェル・コマンド 13000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
T・ブレイカー
多色ではない呪文の効果によって、相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選ばれない。
このクリーチャーが出た時、またはこのクリーチャーの「EXライフ」シールドが自分のシールドゾーンを離れた時、相手のクリーチャーを1体破壊する。

スタートデッキに付属するもう1つの「聖魔連結王」であり、こちらはアルカディアスとバロムの連結ディスペクター。
全体的に「お試し版ドルファディロム」というべきスペックで、呪文ロックは多色以外の呪文に対するアンタッチャブルに、破壊効果は単体破壊と弱体化している。
ただし破壊効果は多色クリーチャーも対象に取れるので、そこで差別化は可能か。

なおドルファディロムと異なり、こちらは能力に火文明の要素は見受けられない。
一応カードイラストをよく見ると、テキストに隠れて見づらいが、炎を纏わせた剣を握っているのが確認できる。
因みにイラストレーターはどちらもSansyu(山宗)氏。


ボルシャック・モモキングNEXに対してドルファディロムは、ディスタスからエネルギーを取り込み始めた。
右半身に聖なる力、左半身に邪悪な力が充填され、融合していく。
この構えは……必殺「ドルファディロム砲」だ!!
ドルファディロム砲 UC 闇文明 (5)
呪文
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-7000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)

ドルファディロムの必殺技
7000のパワー低下はそこそこの数値だが、同コストの呪文で全体-3000と単体-12000のどちらかを選べ、トリガーも付いてる《九番目の旧王》や、トリガーは付いてないにせよどれだけ高いパワーも問答無用で0にできる《永遠の無》がすでに存在している時点で性能はお察し。
そんな散々な性能だが背景ストーリー上では「あらゆる物を分解する威力」を持つとされている。お前それ零龍の前で言えんの?
あまりに貧弱極まるスペックなため、「シールド戦を前提に刷られたカードなのでは?」と推測するユーザーもいる。


全てを暴く光と全てを飲み込む闇が合わさり、後には灰色の世界だけが残る。
(せい)()王秘伝(おうひでん)ロストパラダイスワルツ VR 光/闇/火文明 (6)
呪文
アタック・チャンス:光と闇と火を持つディスペクター(自分の光と闇と火のすべてを持つディスペクターが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。)
次の自分のターンのはじめまで、自分の手札に加える、コスト8以下のシールドカードすべてに、「S・トリガー」を与える。
自分のシールドを1つブレイクする。その後、相手のシールドを1つブレイクする。
ドルファディロムの更なる必殺技。

ドルファディロムをはじめとした3色連結ディスペクターであればアタック・チャンスで唱えることができ、互いのシールドをブレイクする効果で実質1打点の増加になる。
さらにコスト8以下のカードをS・トリガー化することによって相手からの攻撃を抑制でき、ついでに自分の盾1枚を暴発させることができるのでさらなるアドバンテージも期待できる。
この効果で割った相手の盾からS・トリガーが飛んでくるリスクはあるが、単色呪文のトリガーであればドルファディロムで防ぐことができる。

ドルファディロムの攻撃と共に使うことを想定していると思われるが、よりコストが低くかつEXライフシールド以外のシールドが離れても効果が使える《連結 ガイゼキアール》の方が相性がいいかもしれない。

フレーバーテキストを見るに、光と闇によってすべてを焼き尽くす事が、背景ストーリーにおけるこいつの火文明要素のようだ。


聖霊王アルファディオス SR 光文明 (10)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド 15500
進化−自分のエンジェル・コマンド1体の上に置く。
誰も、光以外のクリーチャーを召喚したり、光以外の呪文を唱えることはできない。
T・ブレイカー

悪魔神ドルバロム SR 闇文明 (10)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド 13000
進化:自分のデーモン・コマンド1体の上に置く。
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、闇以外のクリーチャーをすべて破壊する。その後、各プレイヤーは闇以外のカードをすべて、自身のマナゾーンから持ち主の墓地に置く。

合成元となった「天使と悪魔」の両巨頭(byコロコロコミック)。
アルファディオスは超獣王来烈伝にてG・ストライクが追加された完全上位互換《聖霊王アルファディオス GS》が収録されている他、ドルバロムは同弾の20thレアに指定されている。

前述の通りこいつらから召喚ロックとランデスが受け継がれていないが、効果範囲が相手のみとなり、コストの軽さや進化クリーチャーでない事もあって総合的な使い勝手はドルファディロムに軍配が上がる。
また実際にドルファディロムがこの2体と対峙した場合、ドルバロムの除去もアルファディオスのロックも受け付けず、逆にこちらは能力で一方的に屠れるというディスペクターの王に恥じない不敬極まる芸当をやってのける。

他方同時に使う場合でも、召喚ロック/ランデスによってドルファディロムでケアできない部分に干渉でき、ドルファディロム自身がEXライフもあって場持ちの良い進化元になると、オーバーキル気味ながらも相性自体は悪くない。効果の対象に取れない事も、組み合わせる分にはメリットでしかない。
さらに言うと、「同系統のデッキ相手では刺さりが悪い」という点では完全に共通していたりする。ディスりたいのかリスペクトしたいのかはっきりして下さい


悪魔神王バルカディアス SR 光/闇文明 (10)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド 14500
H・ソウル
E・ソウル
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。*3
進化-エンジェル・コマンドまたはデーモン・コマンド1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、他のクリーチャーをすべて破壊する。
相手は呪文を唱えることができない。
T・ブレイカー

ドルファディロム及びバロディアスから先んじる事10年以上前に登場していた、バロムとアルカディアスの融合クリーチャー。
合体というコンセプトは共通するも、こちらは双方をきれいに混ぜ合わせた醜悪さを感じさせないデザイン。

除去及び呪文ロック範囲こそドルファディロムを上回るが除去は味方を巻き込む欠点もあり、更に10コストの進化クリーチャーと呼び出す難易度も高い。
色が増えているとはいえ、8マナの非進化クリーチャーであるドルファディロムがこいつに匹敵、あるいは上回り得る性能である事がインフレを如実に感じさせる。
こちらもドルファディロムを進化元に取れるが、能力(=役割と弱点)が殆ど被っている為アルファディオス、ドルバロムと比べ同時採用する意義に乏しく、そもそも全クリーチャー破壊と全呪文ロックがしたいならこいつよりも上述の《ジョー星》と組み合わせた方が早いのが泣き所。
《ジョー星》が禁止指定されている現状なら多少なりとも採用する余地が生まれるかもしれない。


背景ストーリー


モモキングたちの前に現れたのは、聖霊王アルファディオスと悪魔神ドルバロムとが繋ぎ合わされた、超獣世界の歴史が覆るかのような存在。

その名も、連結王 ドルファディロム


超獣王来烈伝に刻まれし伝説の「天聖王」《聖霊王アルファディオス》悪魔の王にして闇そのもの(the king of demons, the darkness itself)」《悪魔神 ドルバロム》の肉体が悪用されて融合した、「正義と不義が相食んで連結された存在」「破壊の創造主」と称されるディスペクター。
突如として「世界をつなぐ柱」の根本に出現した「王来空間」、そこに置かれていた超獣王来烈伝をモモキングが手に入れたと同時に超獣世界を襲撃。
()(てい)連結(れんけつ) ガイゼキアール》が火文明を、《(しん)(りゅう)連結(れんけつ) バラデスメタル》が闇文明を襲撃する中、超獣王来烈伝を狙いモモキングに直接襲い掛かった。

かつて十王大戦を戦いぬいた各文明の代表者たちをも一蹴し、その凶刃をモモキングに向けたその刹那、モモキングは《王来英雄 モモキングRX》となってその一撃をかわし、刀の一撃をドルファディロムに食らわせる。
ドルファディロムの攻撃が届くまでの一瞬の間にモモキングは『超獣王来烈伝』に刻まれし伝説のクリーチャー達の中で唯一ディスペクター化を免れた「決闘王」《ボルシャック・ドラゴンの魂に触れ、レクスターズの力を得ていたのだ。
そしてモモキングはさらにボルシャックの魂を鎧として纏い、《ボルシャック・モモキングNEX》へとスター進化する。

必殺のドルファディロム砲をかつて神すらも倒したNEXの炎で相殺し、ついにドルファディロムを貫いたモモキングだったが、ディスペクターは2つの命を持つため致命傷とはならず、反撃のドルファディロム砲によってボルシャックの力を失ってしまう。

なんとか食い下がるも、真の必殺技であるロストパラダイスワルツが放たれ、万事休すかと思われたその時、窮地を救ったのはモモキングのお供であるモモダチの一人、モンキッド
龍にして不死鳥たる《超天星バルガライゾウ》の力を得たモンキッドがロストパラダイスワルツを防いでいる間にモモキングの刀がドルファディロムを一刀両断。

ディスペクターの5体の王の1柱はここに斃れ、その意思なき体に囚われていた「天聖王」の魂は超獣王来烈伝に還っていく。
ガイゼキアールから解放された「勝利王」《ガイアール・カイザー》、バラデスメタルから解放された「破壊王」《ヘヴィ・デス・メタル》の魂もまた還り、ディスペクターに囚われた王の魂は残り8つ
そして解放されたアルファディオスの魂は、アルカディアスとしてモモキングに力を貸し与える事となる。

だが、ドルファディロムの襲撃は壮大なる『王来大戦』の始まりに過ぎない。
既に次なる王は、醜き歴史を抹消すべく超獣世界へと迫っていた。

時代と次元を超えた11の災厄と共に凶来するは、かつて避けられたはずの最悪の未来を具現化する者。
禁忌を掲げ、運命奇跡が同位体へと収斂し混ぜられた存在。














……とまあこのように、実は背景ストーリーにおける活躍はあまりパッとしない。
仮にも王でありながらやったことと言えばモモキングと戦って苦戦させた程度であり、奥義ロストパラダイスワルツもモンキッドに止められてしまう有様。
次に登場したドキンダンテが背景ストーリー史上最大級の強さを見せつけたこともその不憫具合に拍車をかける。
どちらかと言えば背景での立ち位置よりも実際のカードスペックの方が語られがちである。

王来MAXでは、「鬼の歴史」において《鬼魂珠》が作った同名のパラレル的個体が存在していたことが判明。
十王大戦での敗北によって龍頭星雲の向こう側にいた《鬼ヶ覇王 ジャオウガ》を襲撃するが、結局撃破されて返り討ちとなった。
邪鬼王来烈伝の内容から察するに、この際「悪魔王」としてドルバロムの力がジャオウガの手に渡ったと考えられる。


イラスト

パッと見は「アルファディオスの意匠を持つドルバロム」のようにも見えるが、じっくり観察すると両者をひどく継ぎ接ぎしていることが分かる。
まずアルファディオスとドルバロムそれぞれの胴体を細かく刻んだ上で一緒くたに繋ぎ合わせることで胴長な体形になっている。
腕も剣を握り宙に浮くアルファディオスの物はそのままに、ドルバロムの物を追加で繋ぐことで6対12本という更なる多腕に*4
またどちらにもない仏像の光背めいた装飾と複数の白い翼も追加されており、禍々しい見た目ながらある種の神々しさも感じられる。
頭部はアルファディオスの額と頭頂の間にドルバロムの顔を挟み込んでいるが、実は顔同士を混ぜ合わせているディスペクターは稀。

20thレアのイラストでは真ん中の組の手で20のハンドサインをしている*5。おどろおどろしい造形の割に中々お茶目。


余談

  • 漫画「デュエル・マスターズ キング」及びアニメ「デュエル・マスターズ キング!」ではジェンドルの切り札として登場。
    基本的には敵キャラらしくオーソドックスにディスタスと絡めて使用しているが、唯一漫画でのジョー戦ではデドダムから《獅子王の遺跡》に繋ぎマナを伸ばして召喚というリアル5cコンムーブをカマしてみせた。
    このデュエルではその他にも《蒼龍の大地》と《偽槍縫合 ヴィルジャベリン》も使用しており、そのまま現実でも通用しそうなガチデッキだった為読者は大いに驚愕する事となった。

  • 頭部デザインが一貫していないという特徴がある。漫画及びアニメ手描きパートではアルファディオスの目に当たる部分がもともと存在しない大きく裂けた口のようになっており、スーパーデッキ「禁王創来」にてdouzen氏が手掛けたイラストではアルファディオスの額部分がせり出すようにドルバロムの顔と接合され、一見バロムに近い造形に。

  • DMART-07「神アート COLORFUL*SNOW」では何と擬人化を果たし、白樺色の髪に着物を着用したファディ=ロムドルちゃんへと新生している。




項目の作成主。
追記と修正が相食んで連結させられた存在。
それこそが、追正連結王。

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最終更新:2024年11月10日 16:13

*1 連結勢力のディスペクターの特色

*2 同時に登場した《龍風混成 ザーディクリカ》や《ドンドン火噴くナウ》等の有力な3色カードも使われていることが理由

*3 2018年の裁定変更以降再録されていない為、実際のカードテキスト欄にこの文面がある物しか存在しない

*4 一方アルファディオス本体に付いていた腕は無くなった

*5 20thレアのカードイラストには20の数字ないし20を彷彿とさせる要素が描かれている