グリム(RWBY)

登録日:2022/1/17(月) 22:21:00
更新日:2022/01/18 Tue 22:21:26
所要時間:約 18 分で読めます




グリム」とは、アメリカの3DCGアニメ『RWBY』に登場するモンスターの総称。
人類の脅威となる存在で、ルビーたちハンターが作中に主に戦っているエネミーである。


概要


漆黒の体色と、赤いラインの走った白い仮面、棘や骨を思わせるような白い外殻が共通の特徴。
しかしそれ以外の点では、動物に酷似した姿のグリムも居れば人間に近い形態の種も居り、その姿は様々である。
動物型のグリムには現実に存在する生き物だけでなく、ドラゴン等空想上の生物を象ったケースも。
作中世界であるレムナントの全域に生息しており、森や荒野や海、炭鉱から廃墟まであらゆる所に現れる。

グリム全体の生態や習性として、基本的に以下の特徴が挙げられる。

  • 血液や臓器等は存在せず、斬られたり銃撃された場合は黒い靄のように霧散して消滅する。
  • 食餌や生殖といった生存活動をしている描写が無い。
  • 人間の抱く負の感情(悲しみ、嫉妬、孤独、憎悪等)を察知し、引き寄せられる
  • 人間を敵視しており、積極的に襲い掛かる。
  • ある場所に存在する黒い湖から這い出るように発生する。
  • "銀の瞳の戦士”はグリムに対抗する力を生まれつき宿しており、瞳から放つ眩い光を浴びたグリムは消滅したり、動きを封じられたりする。

ただし、上記はあくまで基本的にという枕が付く通り、例外も存在する。
2022年1月現在、本作は日本語吹き替え版がシーズン8にあたるVol.8まで発売されているが、シーズンが進むにつれてどんどん新種形態のグリムが登場しており、規格外の性質を見せるグリムも増えてきている。

レムナントにおいては当たり前のように生息している脅威であるが、アカデミーの教授や軍関係者の生態調査・研究でも、なおそのルーツは謎めいていると言える……。
+ 以下、Vol.6以降の展開のネタバレ注意
グリムのルーツは、レムナントを創造した2柱神のうちの一方、闇の神にまで遡る。
原始の世界では、光を司る兄が昼に世界を生命で満たし、闇を司る弟が夜に兄の創造物を破壊するという無為の闘争を続けていた。
やがてそれに疲れた兄弟神は力を合わせ、創造と破壊両方の力を持った生物“人間”を創り出し、世界には直接関与せず見守るスタンスへと変わったという。

前置きが長くなったが、この闇の神が光の創造物を破壊する目的で生み出したのがグリムである。

話がややこしくなるのは、セイラムの謀略の報いによって当時の人類が絶滅させられた事案の後。
詳細はここでは語らないが、2神はレムナントを去り、セイラムは犯した罪の罰として不死の肉体を与えられた。*1
絶望したセイラムは闇の神の力であれば自分を破壊してくれるのではないかと一縷の望みをかけて、レムナントに残された闇の領域を訪れ、漆黒の湖へと身を投げた。
だが湖に満ちる凄まじい破壊の力に晒されてなお、セイラムは死ぬことはなく、闇の力と神々への憎悪に心身とも染まった魔女となってしまったのである。

闇の神の力を宿したセイラムは、闇の創造物であるグリムを支配する能力も宿しており、再び人類がレムナントに繁栄するようになった本編の世界になってからも憎き神々の創造物たる人類を滅ぼすべく暗躍するようになった。
グリムが前述のような人類の天敵のような特性をしているのも、人類を憎むセイラムが支配しているためである。
一方“銀の瞳の戦士”の力は光の神に由来するものであり、グリムに対して特効を発揮する。


作中に登場したグリム


★ベオウルフ
本編で最初に登場したグリム。
人狼のような姿をしており、普段は前傾姿勢や四つん這いで行動するが、後ろ足で二足歩行も可能。
大きさは人間サイズで、敏捷性と鋭い鉤爪を持つが、ぶっちゃけ沢山出て来て薙ぎ払われる雑魚枠
というか監督のモンティ・オウム氏がトークで「ドラクエのスライムみたいな存在」って語ってる。

通常種よりも大きく、甲殻がより刺々しくなったアルファ・ベオウルフも存在する……が、アイアンウッド将軍に容易く捻り潰される等やっぱりこちらもかませっぽい。

名前の由来は叙事詩『ベーオウルフ』。
ちなみに本編配信前にWeb公開されたショートムービー「"Red" Trailer」には、この種のプロトタイプと思しきモンスターが登場する。
そちらはより人狼のイメージに近いシルエットで白いパーツが一切ない漆黒の体毛、切断面が赤く血煙か赤い花びらのようなエフェクトが発生する等の違いがある。


★アーサ
熊型の屈強なグリム。見た目通りのパワーを持つため一撃が重い。
ベオウルフ同様あまり活躍の機会は無いが、Vol.2までに2度に渡ってジョーンの前に立ちはだかる事で彼の成長を見せるかませになる等、序盤はそこそこ見せ場があるクマエネミーと言える。
一般的な個体は「アーサ・マイナー」、より体格が大きい個体は「アーサ・メジャー」と呼ばれる。

名前の由来はラテン語の「ursa(熊)」。


★キング・タイチートゥ(キング・タイジツ)
尻尾が無く両方が頭となっている双頭の大蛇。
体の半分が白蛇で、もう半分が黒蛇となっている。
頭部だけでも人間ほどの大きさがあり、また口には複数の牙が生えている。*2
ピュラによるオーラの説明台詞をバックに、レンによって頭を吹っ飛ばされるシーンが印象に残っている視聴者は多い。

「タイジツ」とは「太極図」を意味する言葉で、当グリムが白と黒なのも“陰陽”をモチーフにしていると考えられる。
ちなみに「キング」は「コモンキングヘビ」という実在の蛇から取ったとのこと。


★デス・ストーカー
サソリの形態をした大型のグリム。
ベオウルフやアーサよりも格段に大きく、個体によってはちょっとした小型戦車位のサイズはある。
白く頑丈な甲殻と、尻尾に付いている黄金色の毒針が特徴で、チーム分け野外訓練の際に中ボス的な存在としてルビー達の前に立ちはだかった。

現実の毒サソリである「オブトサソリ」の英名が正に“デスストーカー”であり、そちらは全身がクリアイエローと鮮やかだが、気性が激しく猛毒を持つため日本への輸入が禁止されている。


★ネヴァーモア
カラスとコンドルの中間のような鳥系グリム。
翼の上部に鉤爪が付いているのが特徴。
デス・ストーカー共々、チーム分け訓練時に中ボスとして襲い掛かって来た大型グリム*3で、翼を矢のように飛ばしたり急降下突進する等、空中から自在に攻撃してくる。

名前の由来はエドガー・アラン・ポーの詩作『大鴉』。
詩の中で大鴉が度々“Nevermore”という英語を口にする。

なお、Vol.1における上記2種との一連の戦闘シーンは、ハイスピードな連携アクションと疾走感溢れる挿入歌が相まって非常に人気が高い。


★ボーバタスク
鋭く反り返った二本の牙を持つ、イノシシ型のグリム。
見た目通り勢いを付けて突進したり、回転しながら高速移動する等の豪快かつスピード自慢な攻撃方法が特徴。
直接の出番自体は序盤の授業における模擬戦闘以外に目立ったものはないが、ワイスが召喚獣として氷の実体を使役する場面が何度かあるため、むしろそちらの印象の方が強いかもしれない。


★ゴライアス
大きな耳と長い鼻、湾曲した2本の牙を持った、アフリカゾウやマンモスに近い形態の大型グリム。
既に廃墟となった都市マウンテン・グレン周辺の荒野に群れで生息しており、グリムにしては珍しく人間を積極的に襲わない。
ウーブレック教授曰く、長年の経験から人類と戦えば自分たちも無事では済まないことを学んだため、攻撃されない限りは自分からも人類に近づかない知恵を習得したとのこと。
ただし「負の感情に引き寄せられる」というグリムの習性自体は消失していないようで、Vol.3でビーコンが襲撃を受けた後にはその周辺を闊歩するまでに生息圏が近くなっている。



★クリープ
恐竜かトカゲのような顔つきをした小型のグリム。
尻尾はあるものの前脚は無く後ろ脚のみの2足歩行で、ダチョウのように脚が“く”の字型に曲がっているのが特徴。
サイズは小さいが登場する時は大量に出てくる。

スタッフ曰く、特定の実在生物のみをモチーフにはしておらず、爬虫類と鳥類両方から要素を合わせて考えたグリムらしい。


★グリフォン
伝説上の生物グリフォンのような姿をした中型グリム。
鳥の頭部や翼に哺乳動物の胴体や尻尾という特徴も概ね元ネタ通りだが、グリム特有の白い仮面に覆われた頭部に赤い瞳が4つある。
高い機動力と獰猛さを兼ね備えており、その形態故に空中でも陸上でも猛威を振るう。
また、作中で初めて生きた人間を丸呑みにする描写のあったグリムである。*4


★ワイバーン
いわゆる飛竜のような姿をした大型の飛行グリム。
マウンテン・グレン近郊の山中で眠りについていたが、シンダー一派とホワイトファングによる襲撃で大量のグリムがビーコンへ押し寄せた際に目覚め、ビーコン・タワーへ飛来した。
翼から滴るタールのような液体は地面に付着すると水溜まりのように広がり、そこからクリープやアーサといった別種のグリムが生み出されるという奇怪な能力を持つ。

Vol.3の終盤で登場し、シンダーの操る章ボス的なエネミーとして猛威を振るう……のかと思いきや、ルビーが初めて覚醒させた"銀の瞳の力”によって凍結されたため、戦闘力は不明。
ただし消滅したわけではなく、その凍結体はなおもタワーに残りグリムたちを引き寄せているため、予断は許さない存在と言える。

コンセプトアートやスタッフのコメンタリーでは「グリム・ドラゴン・ワイバーン」等とも呼ばれている。


★ビートル
手のひらサイズの超小型グリム。
見た目はテントウムシ等に近く、作中で登場した中ではダントツでスモールサイズ。
野生のグリムというよりは、魔女セイラムによって明確な目的のために作り出された特異グリムと思われ、蜘蛛糸のような黒い物質を介して"四季の女神”の力を奪い取るというピンポイントな能力を持つ。
Vol.8時点までの出番は、シンダーが女神フォールの力を奪取するために、セイラムの紋章が刻まれた手袋からこのグリムを召喚している回想シーンのみ。


★ベリンゲル
ゴリラのような体格をした見た目通りのパワーファイター。
Vol.4のショートムービーで初登場し、ルビーと激しい戦いを繰り広げた屈強なグリムで、手近なグリムを掴み上げて投げつけるというどこぞの雪男のような豪快な攻撃が印象的。
また、セイラムによって翼を授けられた個体も存在する。

名前の由来は恐らくヒガシゴリラの英名“Gorilla beringei”と思われる。


★ガイスト
下半身が途中で消失している人型に近い形態のグリム。
いわゆるゴースト系のエネミーだが別に実体が無いとかではなく、普通に物理攻撃で討伐できる。
ただしこいつは岩やダスト鉱物といった物体に憑依し、強固なボディとして身に纏う厄介な習性があるため、撃破するにはまず外身を破壊した上で、逃走するガイストにトドメを刺さなければならない。
シーズンをまたいで何度か中ボス的に別個体が登場している、本作では珍しいポジションのグリムと言える。

ちなみに本編登場はVol.4からだが、実は本編前のショートムービー「"White" Trailer」に登場したワイスと対峙する巨大な鎧もこいつが憑依したものである。*5


★シー・フェイロン
海に出現する初の水棲グリム。
移送船に匹敵するサイズの海竜で、蛇のように長い体躯に腕が生えており、口からは電撃ブレスを吐き出す。
また、普段は隠れているが蝙蝠のような翼も生えており、飛行することも可能。
漆黒の神龍に翼が付いているようなビジュアルである。
海中でも空中でも巨体に似合わぬ素早さを誇り、皮膚の硬度も並の武器では有効打を与えられない強力なグリム。

なお、フェイロンは飛竜を意味する。


★ナックラヴィー
Vol.4に登場した章ボス的なポジションの特異グリム。
漆黒の馬の背に人型の上半身がくっついたような異様なシルエットをしており、地面まで届くほど長い両腕をだらりと引き摺って移動する。
人型とは言ってもその頭部は悪鬼のような悍ましい形相の仮面で覆われており、反り返る2本角も合わせて完全に妖怪や鬼のような印象を受ける。

かなり長く生きているため非常に賢く、ルビーたちの隊形に合わせて攻撃方法を変えたり、過去に葬ってきたハンターたちの武器を戦利品*6として根城に持ち帰ったりと、並のグリムからは逸脱した行動を取るのが特徴。
元は単独の種ではなく、馬のグリムと人型のグリムが何らかの要因で融合した個体らしい。

元ネタはスコットランドの伝承に登場する同名の妖怪。
当Wikiだと個別項目は無いが、こちらの項目に少し概要が記述されている。


★シアー
空中浮遊するクラゲのようなグリム。
水晶玉のような頭部から長い触手が生えており、触手の先端は鏃のように鋭い。
2体のシアーを介して遠隔会話が可能であり、主にセイラムが手下や協力者と連絡を取るのに使用する。
とはいえ戦闘力が皆無と言う訳ではなく、触手で対象を締め上げたり尖った先端で物理的に攻撃することも可能。

「シアー(seer)」とは観察者、予見者、占い師等を意味する単語。
また見た目はキロネックスに比較的近い。


★シャドウ・ハンド
黒い腕だけの特異グリム。
ルビーとの戦いで左腕を失ったシンダーは、セイラムによってこのグリムを移植された。
基本的には義手のようにシンダーの意思で動かせるが、時折彼女の制御に反して独自に動くことがある。
ビートル同様、"女神の力”を奪い取る能力を持つ他、単純に鋭い爪を活かした武器としても使える上に斬り落とされても自己再生する厄介な存在。*7

セイラムは他にも無数のシャドウ・ハンドを魔法陣から出現させて使役することもあり、前述のナックラヴィーのような長い腕のシャドウ・ハンドで対象を拘束する場面もある。
なお、魔法陣から召喚される個体は基本的に陣の表面から出現するため、手首だけで這うように動いたりはしない。


★ランサー
成人男性と同等かそれ以上のサイズをした蜂型のグリム。
尾の毒針に加え、ノコギリのような牙と足先の鋭い鉤爪が目立つ、全身殺意の塊みたいなエネミーである。
毒針は尾から射出可能な上に、針と本体はワイヤー状の組織で繋がっているため、逃走する飛行船等に針を突き刺しそのまま船体まで張り付く厄介な習性を持つ。

通常個体よりさらにデカいクイーン・ランサーと呼ばれる大型グリムも存在し、Vol.5でワイスを苦しめた。
なお、ワイスにとってはアーマー・ガイガスと並んでイメージしやすいグリムのようで、召喚獣として度々呼び出しては空中戦で活躍させている。


★マンティコア
同名の伝承生物をモチーフにした中型グリム。
哺乳類の胴体とサソリの尻尾を持ち、ワシの翼を生やしたキメラ系のグリムだが、伝承と異なり頭部は人間でなく反り返った2本角の獣っぽい造形となっている。
首回りから生えた白い外殻はライオンのたてがみのようにも見える。
群れで行動することが多く、空から飛来して標的に組み付き、地上戦ではその膂力で圧倒する。
また接近戦以外にも炎を吐き出して攻撃してくるため、下手に距離を取るのも危険な相手と言える。


★スフィンクス
こちらも同名の伝承生物がモチーフ。
大まかな造形はマンティコアと似ているがこちらは尻尾が蛇となっている。
サイズもほぼ同じだがマンティコアに指示を出しているような描写があるため、群れの中ではボス格のグリムかもしれない。
動き自体は緩慢だがパワーは侮れず、群れを率いて襲い掛かってくるためスピードの割に戦いづらいエネミー。
マンティコア同様、火のブレスを放つことも可能。


★アパシー
主に群れで行動する人型グリム。
黒い胴体に肋骨のような白い外殻と髑髏のような仮面をしているため、遠目には赤い眼光の光る白骨死体のようにも見える。
動きは非常に緩慢だし積極的に攻撃を仕掛けても来ないのだが、こいつが叫び声を発すると付近の人間は意思や気力を減衰させられる。
この影響は文章以上に凶悪で、アパシーの群れが蠢く地下道の真上に立地した集落で生活しているだけで、徐々にやる気は失われ、感情は死に、やがてベッドから起き上がる気力すら無くなって衰弱死してしまう。
直接叫び声を聴いた場合には途端に全身が鉛のように重くなってその場にうずくまり、目を開けていることすら困難になるほど。

おまけにアパシー自体の耐久力も見た目とは裏腹に高いため、いざ遭遇しても並の武器では満足にダメージを与えられないまま叫び声によって戦闘不能に陥る危険性が非常に高い。
仮にアパシーを討伐する場合、気付かれる前に超火力で一撃必殺を行う必要があり、もし気付かれた場合には叫び声を聴く前に死に物狂いで撤退しなければならないという、かなり面倒くさいグリムと言えるだろう。*8

名前のアパシーとは「無感情」を意味するワード。
ちなみに特徴的な叫び声の能力と不気味な動きは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に登場する敵キャラクター・リーデッドが元ネタとのこと。


★リヴァイアサン
イルカのような頭部と爬虫類のような手、尻尾を軸に二足歩行で立ち上がる姿が特徴的な超大型グリム。
怪獣映画に出てくるモンスターのような存在で、例えるなら大海獣の体表から緑色の苔を除去して、体色を黒くし白い外殻で覆ったような感じである。
見た目通り水棲グリムだが陸上でも活動できると思われるため、海洋から近づき沿岸都市へ出現されると大変な脅威となる。
その圧倒的な巨体と禍々しい見た目故に、見る者を恐怖させパニックを誘発することから、必然的に他のグリムも集まってくるためである。

溜めに時間はかかるが強力な火炎ブレスを吐くことも可能。
軍事国家アトラスの航空艦隊によるミサイル爆撃ですら致命傷には至らない耐久力から、迎撃には通常の兵器だけでは到底足りず、大型の決戦兵器が必要になる。

名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承に登場する海の巨獣「レヴィアタン」の英語読み。
FFに慣れた人なら巨大な海竜や海蛇を想像するだろうが、元ネタ的には「強大な海の野獣」または「巨大な魚」等として扱われており、ドラゴン系である描写はない。


★セイバー
サーベルタイガーのような鋭い牙が目立つグリム。
サイズはベオウルフ等と大差ないが、基本的に複数体で行動し襲い掛かってくる。
完全四足歩行のためベオウルフやアーサ程には攻撃パターンが多くない一方、敏捷性に優れ勢いよく獲物を押し倒して牙の餌食にする動きが得意。


★メゴライアス
ゴライアス同様、象に近い形態をした大型グリム。
あちらに比べ顔付近の白い外殻がより刺々しい代わりに、大きな耳は無くなっている。
湾曲した牙はこちらも健在で、その鋭さと硬度は脅威。
また人里から離れた地域に生息するゴライアスと違って、メゴライアスは市街地の付近にも生息し負の感情によって積極的に引き寄せられるため、危険度は高い。


★センチネル
ムカデのような姿をした気持ち悪いグリム。
洞窟や荒野等に棲息し、突然地面や土壁を突き破って出現するため心臓に悪い。
垂直な壁や天井等にもへばりついて這い回ることができるため、陸上型のグリムにしては行動範囲が広く、思わぬ所まで襲撃をしかけてくることも。
口からは酸性の液を吐きかけてくる。

「センチネル」とは「歩哨、番人、見張り」等を意味する単語だが、その形状から「センチピード」(英語で「ムカデ」)も掛けていると思われる。


★テリクス
プテラノドンのような姿をした飛行型グリム。
ネヴァーモアやクイーン・ランサーと比べてやや小柄だが、その分小回りが利くため市街地に侵入されるとたちまち厄介なエネミーと化す。
腕は翼と一体化しているため、尖った口と脚の鉤爪で獲物を狙ってくる。

名前の由来は始祖鳥の英名「アーケオプテリクス」と思われる。


★セントール
ドクロ風の仮面外殻が付いた頭部とカマキリのような鋭利な両腕を持ち、胴体から下半身にかけてはぶっといイモムシのような形状をしたメチャクチャ気持ち悪い中型グリム。
地中から不意打ち気味に出現したり口から酸性液を吐出する等、センチネルに似た性質を持つ。
腕のブレードは硬度も高く、生半可な武器攻撃ならば防いでしまえる。

セントールとは「ケンタウロス」の別読みだが、見た目的には全く別物である。
一応、上半身はそこそこ人型に近く下半身が異形という点では類似点がある……と言えなくもない?


★モンストラ
飛行するクジラのような姿をした超・超大型グリム。
どれくらい大きいかと言うと、前述のリヴァイアサンがオモチャに思えるくらいべらぼうにデカい。
ちょっとした都市や城塞レベルの大きさであり、実際その体内は無数の通路や部屋が存在する拠点となっている、いわゆる体内ダンジョンである。

その大きな口から溢れ出す黒い液体からは大量のグリムが生成されるため、モンストラの侵入を許した都市はこいつ本体を撃破しない限り、無限湧きする多種多様なグリムの群れに蹂躙される。*9
おまけにその巨体相応の耐久性も備えているため、最早いちハンターチームや自警団で対処できるような脅威ではなく、国家レベルの最高戦力を投入しなければ前線を維持することすらままならない。
まさに決戦兵器とも言える超巨大移動要塞である。

元ネタは『ピノキオ』に登場する大クジラ。
KHシリーズでも体内ダンジョンとして登場しているので、ゲーマー系オタクにとっても馴染み深い。


★ストーム・フィッシュ
モンストラの周囲を浮遊するクラゲ型のグリム。
名前の通り凄まじい嵐を巻き起こし、移動中のモンストラを乱雲で覆い隠してしまう他、アトラス軍の航空艦隊等を妨害する役割も果たす。

……が、いかんせん超巨大なモンストラの近くに居る上に嵐のせいで視界が悪くなりがちなため、本編中でしっかり姿を視認できる場面がほぼ無いというレアエネミーである。


★サーファー・フィッシュ
ヴァキュオ王国の砂漠地帯に棲息する小型グリム。
甲虫のような体から3本の針のような尾が生えており、大量の個体が高速で這いながら迫ってくる姿はおぞましい。


★ラヴェジャー
コウモリのような姿をした飛行型グリム。
サーファー・フィッシュ同様砂漠地帯に出現し、空から集団で襲い掛かる。

名前は「破壊者、略奪者」等の意味。


★ハウンド
Vol.8で登場した極めつけの特異グリム。
一見ベオウルフ等に近い犬型の姿で、セイラムの傍にお座りしている様子は可愛い忠犬控えている様は忠臣のよう。

だが戦闘中にナックラヴィ―のように腕を伸ばしたり、飛行種のような翼を生やす等、明らかに進化している様子が窺える。
更には捕らえた人間を盾のようにして他のハンターの攻撃を牽制するという、他のグリムには見られない知能の高さを持ってさえいる。
ついにはたどたどしいながら人間の言葉を話すようにも……

+ セイラム曰く「実験体」とのことだが……(Vol.8のネタバレ注意!)
その正体は、銀の瞳の戦士を母体として創り出されたグリム。

オオカミのような頭部の仮面が外れると、精悍な成人男性の顔が出現する。
だがその銀の瞳は既に正気を失っているかのように胡乱で、発する言葉もうわ言のようにセイラムの指令を繰り返すだけ。
また、グリムは死亡すると肉体が霧散するが、コイツの場合は死亡した後に黒ずんだ人骨が残るのも特徴。

ハウンドの存在はルビーを大きな衝撃を与え、動揺から「ママも同じことされたのかも……」と塞ぎ込むほどであった。
これは銀の瞳の戦士マリーアが若かりし頃にセイラムから命を狙われたのに対して、ルビーは殺害ではなく捕縛対象とされていたこと*10から、セイラムが何かしらの利用価値を銀の瞳の戦士に見出したのではないかと推測していたが故の発想。
ハウンドのように捕獲した戦士を利用するという計画をセイラムがどの時点で思いついたのか考えた際に、それまでわずかばかり言葉を交わした中でセイラムがルビーの母サマー・ローズを認知している風に語ったこともあって、最悪の予想をしてしまったと思われる。
なお、Vol.8時点ではサマー・ローズについての詳細は未だ不明な為、ルビーの想像が的中しているのかも不明である。

ハウンドとは犬種のひとつで主に狩猟犬に適した種である。
銀の瞳の戦士という、本来グリムを狩る優れた猟犬たりうる筈の人間が、セイラムの意のままに動く知能ある忠犬に成り果てたと思うと、中々に悪趣味なネーミングと言える。


余談

  • 「グリム」という名称は恐らくグリム童話が由来と思われる。
  またドイツ語で「Grimm」には「憤怒、憤激」といった意味を持つ。

  • 作中の登場する亜人種・ファウナスの中の過激派テロ組織「ホワイトファング」は、グリムを模した獣の仮面を装着している。
  これは「人間がファウナスを忌避すべき獣、怪物と蔑んだが故に、あえて我らは真に怪物となりお前たちを脅かそう」という意思表示のため。

  • モンストラやリヴァイアサンといった超大型グリムや、アパシー等の凶悪な能力を持つグリムを総動員すれば、レムナントなんてアッサリ落とせてしまえそうに思える。
  だが作中でセイラムは機が熟するまで辛抱強く暗躍を続けており、特に人間側の戦力を分断するための内部工作に徹している辺り、これだけ多種多様なグリムを使役しても圧勝とはいかない様子である。
  実際、アトラス王国がヴァキュオ王国と共同戦線を張りでもすれば、一気にこちら側が窮地に追い込まれかねないといった趣旨の発言をティリアンがしている。


追記・修正は銀の瞳の力を使いこなせる方がお願いします。

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最終更新:2022年01月18日 22:21

*1 セイラムに生と死の尊さを理解させるため

*2 普通の毒蛇は牙が2本

*3 これより小さいサイズのネヴァーモアも何度か登場している

*4 ただし捕食行動と言うよりはあくまで攻撃行動の一環

*5 この個体はアーマー・ガイガスと呼ばれる。実は撃破した際に鎧の隙間から白い気体のようなものが霧散しており、これは残滓であると思われる

*6 ちなみに古い剣等が何本か背中に刺さっているが、その点には無頓着である

*7 ただし再生時は宿主にも苦痛が走る。また、銀の瞳の力の影響を受ける体となってしまうデメリットもあ。

*8 一方で「感情の起伏が無くなる」関係上、「負の感情に引き寄せられる」グリムの性質に対してはプラスに働き、1~2体程度を上手く誘導して姿も声も届かない場所に閉じ込めておけばグリム除けになると考える人物も居る。実際、前述の衰弱死事例においては、死の間際まで恐怖や嫌悪といった感情が沸き上がらなかったためか、アパシー本体や他のグリムによって集落が荒らされた形跡自体は無かった

*9 同様の力を持つワイバーンよりも黒い液体の量が桁外れに多い上、モンストラからはメゴライアスやアパシー等の大型や特殊なグリムも召喚される。

*10 セイラムの忠臣であるティリアンから、ルビーを生け捕りにしに来た旨を直接宣告されたことがある。