邪神ドレッド・ルート

登録日:2022/01/21 Fri 23:16:23
更新日:2022/05/11 Wed 18:32:35
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邪神ドレッド・ルートとは『遊戯王OCG』のカード。

●目次

【テキスト】

星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
このカードは特殊召喚できない。
自分フィールドのモンスター3体をリリースした場合のみ通常召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。


【概要】

三邪神の一体で、オベリスクの巨神兵と対を成す。
フィールド上に存在する、自身以外全てのモンスターの攻撃力・守備力を半分にする永続効果を持つ。

極めて高いステータスと合わせて戦闘破壊は非常に困難であり、あの声が元キングのガチムチ天使を使用しても不可能
オネスト》で倒したいのであれば攻撃力が4000以上のモンスターに使うしか方法はない。
例えば、かの《青眼の白龍》に《オネスト》を使っても、攻撃力は(3000+4000)/2=3500となり、敗北する。この計算式に違和感を覚えた人は、後述の【難解なテキスト】を熟読してほしい。

《オネスト》や《収縮》1枚だけでは、攻撃力4000以上でない限り絶対に《ドレッド・ルート》の攻撃力を超えることはない
ちなみに以前の裁定では攻撃力が増減するたびに《ドレッド・ルート》の効果が適用されたため、《オネスト》等を複数枚使っても突破できない時代があった。

効果無効以外で《邪神アバター》を殴り倒せる数少ない存在でもある。
ただし、先に出した方から適用されるので、先に出してしまうと負ける。

効果自体は単純なので三邪神の中では一番扱いやすい。
またアバターが場の他のモンスター、イレイザーが相手の場のカードに依存して攻撃力が決定するのに対し、ドレッド・ルートは単独でトップクラスの攻撃力を兼ね備えている。
永続効果でステータスを半減するため、誘発効果のカウンターを備えた大型の制圧モンスターも(戦闘さえ行えれば)処分できる。

だが制圧力の高さはあくまでも「戦闘に限って」のものであり、特殊召喚が一切できないので極めて重く、更に効果耐性が全くない脳筋なので使いづらい。
効果耐性を持つライバルである《オベリスクの巨神兵》や相手モンスター吸収で打点を確保しやすい《D-HERO Bloo-D》の方が扱いやすい局面も少なくないだろう。
戦闘自体には滅法強い分、耐性面をフォローしてくれる《神縛りの塚》との相性は良いといえる。
攻撃力4000以上のモンスターですら戦闘破壊されるのが珍しくなくなってきているので悪魔族、または三幻神のみならず三邪神にも適用できる有用な召喚サポートが増えれば日の目を見るかもしれない。


【難解なテキスト】

効果自体は至ってシンプルである。
……そう、単に攻守が半分になるだけなら分かりやすい。
だが、実は遊戯王OCGでの「攻撃力を半分にする」は計算方法がややこしい。

後述の《アバター》と同じく、この永続効果は必ずあらゆる処理の最後に適用されるという特殊裁定になっている。この特殊な計算方法のため、特に《ブラック・ガーデン》と併用した場合の処理についてはOCG屈指の難解なルールとなっている。

以下に詳細を記すが、心して読んで欲しい。

裁定例1:ホープレイ

Q1:「ドレッド・ルート」で攻撃力が半減したATK1250の《ホープレイ》が効果を発動して攻撃力を500上げました、どうなりますか?
A1:元が2500でそれから500アップして、それを半分にするので(2500+500)/2=1500になります。

こっちはまだ解る。

元々の攻撃力が2500の《ホープレイ》に500が加算されているが、一度数値を元に戻してから最後に《ドレッド・ルート》で半分にしている。
《ドレッド・ルート》の「攻撃力を半分」は常に最後に適用するという特殊なルールがあるため、それに倣っていることが分かるだろう。

だが、問題は次。

裁定例2:ブラック・ガーデン

Q2:《ブラック・ガーデン》と《ドレッド・ルート》がフィールドにあります。この時、特殊召喚されたモンスターの攻撃力は元と比べてどうなりますか?
A2:まず《ドレッド・ルート》の永続効果で半分になります。次に、《ブラック・ガーデン》の誘発効果で半分になります。
その後、攻撃力の変動が起きたのでもう一回《ドレッド・ルート》の永続効果で半分になります。
最終的に元の1/8になります。

初見のプレイヤーは《ブラック・ガーデン》と《ドレッド・ルート》でそれぞれ1回ずつ半分になり、最終的に1/4になると思うだろう。だが、実際にはさらにもう一度半分にされて1/8となっている。

なぜ《ドレッド・ルート》の攻守を半分にする処理が2回も適用されてしまうのか?

その理由は2つある。

第一に、《ドレッド・ルート》と《ブラック・ガーデン》がそれぞれ「永続効果」と「誘発効果」に分類されるためである。

《ブラック・ガーデン》の効果は条件が満たされることで発動する「強制の誘発効果」であり、《ドレッド・ルート》の効果はフィールドにある限り常に適用され続ける「永続効果」である。

そのため、モンスターを召喚すると

1.《ドレッド・ルート》の永続効果で半減(この時点で計算終了)
2.《ブラック・ガーデン》の誘発効果が発動。さらに半減する(新たな計算を行う)
3.計算の最後に《ドレッド・ルート》の永続効果が適用され、もう一回半減

となる。
《ドレッド・ルート》の効果が適用される「攻撃力の計算」が、モンスターの特殊召喚直後と《ブラック・ガーデン》の効果解決時の2回行われているということである。

なんでそうなるのかというと、
「永続効果」と「誘発効果」の適用はタイミングが違うためである。

《ドレッド・ルート》の永続効果は常に適用され続けるために、最初にモンスターを出した時点で自動的に計算が行われてしまう。

一方、《ブラック・ガーデン》は「『ブラック・ガーデン』の効果以外の方法でモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時」に半減させる効果が「発動」している。だが、実際に半減するのは効果解決時であり、そのタイミングで《ドレッド・ルート》の効果が再度適用されてしまうのである。

……と、このように書くと多くのプレイヤーはこう思うだろう。
「Q1では攻守の増減を処理した後に改めて半分にしているのに、なぜQ2では半分になった数値をさらに半分にしているのだろうか?」


この答えが第二の理由である。
実は《ホープレイ》は攻撃力増減、《ブラック・ガーデン》は攻撃力の固定化という違いによって発生しているのである。

前者は攻撃力の増減なので、一旦数値をリセットしてから計算する。
だが、後者は決まった値に固定化するので、それを基準にして半分にする処理が発生するというのが真相である。

……まるで意味が解らんぞ!?


さらに詳細を説明しよう。

《ブラック・ガーデン》のような「発動する効果での攻守の半減」は特殊なルールがある。それは「今現在の数値を半分にし、以後半分になった数値で固定化する」というものである。計算のやり直しは行わず、現在の数値をそのまま半分にし、その数値で上書きしてしまうのである。

そして、このような倍化・半減など、指定された数値に固定する効果の場合は、固定化された数値が基準となる
よってQ1と違い、Q2ではそのまま《ドレッド・ルート》で半減させるというわけである。

この「数値の固定化」というのは少々ややこしいが、要するに「そのモンスター自身の効果では以後変動しなくなる」と考えればいい。だから他のカードの効果を適用すれば、その数値から攻守が上がったり下がったりするのである。

一例として、攻撃力が常に変動する《トラゴエディア》の場合、
たとえば手札3枚=攻撃力1800の状態でこの効果を受けたとすれば、半分の900となり、以降手札が増えようが減ろうがそのままになるのだ。


つまり、仮に《ブラック・ガーデン》と同時に存在している盤面で、攻撃力2000のモンスターが出たとすると、

  1. 出た時点で《ドレッド・ルート》の効果で攻撃力が1000になっている
  2. 《ブラック・ガーデン》の効果が発動。その数値が半分となり500になる
  3. 攻撃力の変動が発生したが、《ブラック・ガーデン》の効果は「半減で固定」なので元々の数値にはせず、そのまま《ドレッド・ルート》の効果を適用し250になる

というわけ。
逆にそうでない場合、単純なアップダウンの場合は違う。
蘇生したモンスターの攻撃力を300上げる《太陽の祭壇》があり、かつ《ドレッド・ルート》がいる時に、墓地から攻撃力2000のモンスターを蘇生したとする。

  1. 出た時点で邪神の効果で攻撃力が1000になっている
  2. 墓地から蘇生したので《祭壇》の効果で攻撃力が上がる
  3. 攻守の増減が発生したので、元々の数値である2000に300を足して2300とする
  4. その数値に対して《ドレッド・ルート》の効果を適用し、1150となる

てなわけ。

コンマイ語の中でも特にややこしいが、これが理解できれば大抵のコンマイ語は納得できるようになるだろう。


裁定例3:BF-疾風のゲイル

また、《ブラック・ガーデン》と同じく攻撃力を固定化する効果を持つモンスターに《ゲイル》がいる。
《ドレッド・ルート》が存在する場合に《ゲイル》の効果を使った場合の裁定はこちら。

Q:《邪神ドレッド・ルート》が存在する場合、攻撃力・守備力を半分にする効果はどのように処理しますか?
A:《邪神ドレッド・ルート》が先に存在していた場合、このカードの効果で更に半分にします。その後で更に《邪神ドレッド・ルート》の効果が適用されますので、また半分にします。
  先にこのモンスター効果を適用していた場合、《邪神ドレッド・ルート》の効果で更に半分にします。(11/07/29)

理屈は《ブラック・ガーデン》の場合と同じ。
《ドレッド・ルート》が先に存在する状態で《ゲイル》の効果を使うと、《ドレッド・ルート》の効果で半減された状態から《ゲイル》の効果で半減される。そして《ドレッド・ルート》の効果でさらに半減…と《ブラック・ガーデン》と同じく8分の1となる。

ゲイル》の効果を適用したあとに《ドレッド・ルート》を出すと、《ゲイル》で半減した数値を《ドレッド・ルート》で半減して4分の1になる。

《ブラック・ガーデン》と同じく《ゲイル》の効果も「現在の数値を参照して半分にし、以後その数値に固定化する」ので、こうなるのである。

一例として攻撃力2000のモンスターを対象にしてみる。

  1. 出た時点で《ドレッド・ルート》の効果により攻撃力が1000になっている
  2. ゲイル》の効果によりその数値の半分である500になる
  3. 《ドレッド・ルート》の効果が再度適用され、さらに半分の250になる

逆に《ゲイル》の効果が適用されている時に《ドレッド・ルート》が出ると、攻撃力の半減が2回なので500となる。


この「固定化」と「数値ダウン」の違いによって《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を相手にした場合、戦闘で突破されてしまう。
効果を使われると《ドレッド・ルート》の攻撃力は半減して2000、《ダベリオン》は(2500+2000)/2=2250となる。

しかし《ライトニング》が相手なら、5000になった攻撃力がさらに半分の2500になるため、勝てる。

裁定例4:収縮

「元々の攻撃力を半分にする」《収縮》についても述べる。

《収縮》はモンスター1体の元々の攻撃力を半分にする魔法カードのため、《ブラック・ガーデン》や《ゲイル》の効果とは処理が異なる。

例として《ドレッド・ルート》がフィールドに存在する時に魔力カウンターが1つ乗った《魔導戦士 ブレイカー》に《収縮》を発動したとする。

Q:このカードの効果が適用中、魔力カウンターの乗った《魔導戦士 ブレイカー》に対し《収縮》を発動した場合、どうなりますか?
A:まず《収縮》の計算をし、次に《魔導戦士 ブレイカー》の効果を、最後に《邪神ドレッド・ルート》の効果を適用します。
 つまり、まず「1600÷2=800」。次に「800+300=1100」、最後に「1100÷2=550」と計算するため、攻撃力は550となります。
(遊戯王Wikiより引用))

《収縮》は元々の攻撃力を変化させるため「今現在の数値をそのまま半分にし、その値で固定化する」という性質を持たない

そのため、まず《収縮》の効果を処理してから、攻撃力/守備力の増減を処理し、最後に《ドレッド・ルート》で半分にするのである。

上の例だと、まず《ブレイカー》の元々の攻撃力を《収縮》で半分にし、魔力カウンター分の+300を足し、最後に《ドレッド・ルート》で半分にして処理が終了となる。


この状態で《収縮》の効果が切れたり、《ブレイカー》の魔力カウンターが取り除かれたりすると再計算が行われる。
前者は(1600+300)/2=950となり、後者は1600/2/2=400となる。

「攻撃力」「元々の攻撃力」という些細なテキストの違いでここまで処理が変わるのはさすがコンマイ語といったところであろうか。

なお、「収縮」はエラッタがされた一枚であり、旧裁定では「攻撃力を元々の攻撃力の半分にする」ものであったため、処理が変わっている点には注意。


【作中での活躍】

遊戯王R』に登場。

テキストは以下の通り。
Fear dominates the whole field. Both attack and defense points of all the monsters will halve.
(日本語訳) フィールドを恐怖が支配する。 すべてのモンスターの攻撃力と守備力は両方とも半分になる。

まあまあ分かりづらいが、こちらはOCGとは異なり元々の攻撃力を半分にする。
攻撃名は「フィアーズノックダウン」

最初の使い手は天馬夜行に操られた月行。
モンスターの攻撃力を弱体化させ闇遊戯を苦しめたが、罠カード《幻想の呪縛》で効果を無効にされ、最後は《アルカナ ナイトジョーカー》に葬られた。

月行が正気に戻った際にこのカードは破り捨てられたのだが、天馬夜行が海馬瀬人とのデュエルで再び使用している。
恐らく月行が使用していた方はコピーカードだったと思われる。

海馬戦では《邪神アバター》の後に召喚され、《アバター》の攻撃力を4001に上昇させる。
これにより、《アバター》最大の天敵である「フィールドの最高攻撃力より高い守備力を持つモンスター」を倒せる突破口を開いた。
仮に《邪神イレイザー》を引いていてもやはり壁モンスター単体が相手だと攻撃力1000止まり(アバターも1001)で突破できないため、この局面では重要な働きをしたといえる。


【余談】

作中では三幻神の抑止力として作られた邪神であり、《イレイザー》と《アバター》は確かに抑止力となっているが、
このカードの場合は三幻神はこのモンスターの効果を受けないことが作中で名言されており、神へのメタのはずの自分自身が神にメタられるという本末転倒なことになっている。

一応デッキ単位でみれば、デタラメなカードパワー持つ原作の三幻神が入ったデッキとのデッキパワー差を緩和する、
神を出される前に邪神の力に物を言わせて決着を付ける、といった目的なら十分という見方もできなくはないが……。

仮に劇中のセリフが《ラー》限定だったとしても(実際、《ラー》と同じランクの《アバター》には後出ししたのにもかかわらずOCGと違って効果が適用されていない)、
オベリスク》には攻撃力無限で実質無効化できるし、《オシリス》は元々の攻撃力を持たないため効果が全く通用しない。
召雷弾はおそらく他と同様に一ターンで消えるのでそれほど問題ではないだろうが。
むしろ効果が効かないラーの方が、生け贄分の攻撃力を得る能力を実質半減できるため相性が良いともとれる。


追記・修正は1/8の計算が終わってからお願いします。

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最終更新:2022年05月11日 18:32