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更新日:2025/04/24 Thu 04:30:11
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●目次
●アニメ『遊戯王5D's』概要
デュエルモンスターズはその長い歴史から、様々なレアカードやノーマルカードが存在する。
多くの人に愛されるカードもあれば、大半の
初期上級モンスターのように誰からも使われないカードまで様々である。
眠れる巨人ズシンは
遊戯王5D'sの世界に存在する伝説のノーマルカードである
ノーマルカードゆえに、誰もが持っているらしい
決して
ノーマル(笑)なんかではない。
あちらの世界では。
眠れる巨人ズシン
☆10地属性
ATK/0 DEF/0
【戦士族・効果】
このカードは通常召喚できない。
レベル1の通常モンスターが自分のターンで数えて10ターン以上(召喚ターンを含む)自分フィールド上に表側表示で存在し続けている場合、
そのモンスターをリリースする事でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードの攻撃力・守備力は、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力+1000ポイントの数値になる。
このカードは魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にはならない。このカードが戦闘を行う効果モンスターの効果は無効化される。
攻撃名は『ズシンパンチ!』
『ズシンパンチ!』
大事なことなので二回言いました。
このカードが伝説のカードと言われる理由は、圧倒的までの難しさを誇る召喚制限にある。
その条件とは、レベル1の
通常モンスターを
自分のターン計算で10ターン、つまり
返しの相手のターン分を含めて実質20ターンの間ずっとフィールドに表側で維持した場合のみ手札から特殊召喚出来るというもの。
いわずもがな
遊戯王OCGにおいてもっとも普及しているビートダウン同士の戦いであれば、低レベル
バニラの維持は困難を極める。
レベル1通常モンスターなんて本来、フィールドに出たフェイズが終わるころには、なにかしらのリソースとしてどっか違う場所にいくのが普通。
場に残ったとしても一時しのぎの壁か、2ターンも経たず自分相手問わずにさも居ないかのようにさっさと場から離されるのが普通の存在である。
同じ20ターンでも実質プレイヤーさえ生き残ればどれだけのアド損を払っても構わない《
終焉のカウントダウン》とは訳が違う。
曰く、《ウィジャ盤》の方がまだ簡単(もちろん強化前の)。
仮にどんなに防御札を駆使しても、氷結界の龍や
ブラック・ローズ・ドラゴンのようなレアカードによって、通常モンスターはたちまち吹き飛ばされてしまうだろう。
しかもテキストの都合上、一時的に場から離れたり裏側になってもアウトと徹底的に条件が厳しい。
しかし万が一、それこそ奇跡が起きたとして、特殊召喚に成功したとしたら?
1:戦闘ではほぼ無敵となる攻撃力上昇能力。相手がどんな攻撃力でも強制的に1000ポイント上回る。
2:《収縮》や《
BF-疾風のゲイル》や《
炸裂装甲》、《死者への手向け》などの強力な効果を防ぐ、魔法・罠・効果モンスターの対象にならない能力。
ユベルのような強力な戦闘補助効果を持つモンスターを一方的に破壊できる、戦闘を行う相手モンスターの効果を無効にする能力。
このように、
三幻神に匹敵する最強クラスの性能を誇る、究極のモンスターなのだ。
しかし残念ながら、誰もが持っているようなノーマルカードにもかかわらず、その使い難さから『効果は極めて強力だが、誰も使わない雑魚カード』と呼ばれていた。
そもそも20ターンもあれば召喚前に決着が着かない方が珍しい為、召喚自体が奇跡とも呼ばれた。
現に龍亞は何枚も持っているがデッキから外したと発言していた。
名前の通り、ズシンは眠り続けていたといえる。
しかし……
●アニメでの活躍
WRGP決勝トーナメント。
フォーチュン・カップ優勝者にして現キングの
不動遊星をリーダーとし、
元キングの
ジャック・アトラス、ガチデッキの
クロウ・ホーガン、黒薔薇の魔女でフォーチュン・カップ準優勝の
十六夜アキ、
メカニックのブルーノ、ピットクルーでともにフォーチュン・カップ参加者の
龍亞&
龍可(龍亞は最初の一回戦のみ変装して代役出場)とデュエリストの層が厚く、優勝候補と言われたチーム5D'sと初戦で当たる事になった
チーム太陽。
彼らは何処にでもあるようなノーマルカードしか集められず、希少で強力なカードはほぼない。
そんな彼らの戦術は、「手を繋ぐ魔人」の効果で守りをかためつつ、更に「スクラム・フォース」で効果破壊耐性を魔人と弱小カードに付与し、スピードワールド2のバーン効果で戦うというもの。
遅延じみてて消極的ともとれて何より同じ事を延々と繰り返す戦術に、観客はすぐ飽きてしまい太陽は観客から激しいブーイングと野次をうける。
戦況もラストホイーラーの太郎とかんばしくない…
だが、太陽メンバーの目に諦めは無かった。むしろデュエルが長引けば長引くほど彼らは生き生きとしていた。
その理由が上記の「ズシン」。
簡単に入手できて、出すのは難しいが強力なズシンは太陽の「希望」だった。
そう、先攻最初のターン、吉蔵が召喚した「キーメイス」が場に残っておりしかも19ターン経っていたのだ。
それに気づいた不動遊星は、デュエル中のクロウに「CAUTION ZUSHIN」と指示を出した。
その時には手遅れであったことには誰も気がついていなかった…
出した指示は観客にも伝わるのか、それを知った観客もざわつき始めた。
さすがにそんなネタじみたカードのことは忘れていたらしく、隣の客に聞いたり、手持ちのカードに無いか調べたりした。
が、MCがズシンのカードを公開したことにより、観客たちは、その狙いに驚愕する。
強力だが出すのがまず無理なノーマルカードを出すことが狙いだったということもだが、大会の盤面の引き継ぎルールを最大限利用し、キーメイスが19ターン生き残らせたこと。
スピード・ワールドⅡと魔人のロックバーン戦術がズシン召喚のためのカモフラージュだったこと。
そして、1ターン後の奇跡に期待を募らせ始めた。
「見てぇ!ズシン見てぇよ!」
「俺も奇跡に立ち会いたいぜ!」
「頑張れ!チーム太陽!!」
観客達は目前に迫った奇跡への期待の方が高まり、太陽のズシン召喚に期待して太陽の応援をはじめた。
急にアウェー状態になった遊星達。そして、ブーイングが一転して応援に変わったことに一番驚いていたのは他でもない、チーム太陽の甚兵衛と吉蔵だった。
そんな中クロウは場のブラックフェザー・ドラゴンでなんとかキーメイスを破壊しようとするのだが、チーム太陽は「はさみ撃ち」「ドラゴン族・封印の壺」といった罠カードを総動員し、ブラックフェザー・ドラゴンからキーメイスを守り切った。
……そして迎えた20ターン目、太郎は喜びにガッツポーズを取る。
太郎は手札のズシンの召喚条件を高らかに読み上げ、キーメイスをリリースした。その瞬間太郎の脳裏に浮かんだのはチーム名が決まった時の光景。彼らは今このデュエルの「太陽」になろうとしていた。
太郎『これが……俺達の絆の結晶!! 俺達の希望!! 俺は、キーメイスをリリース! 現れろ、眠れる巨人ズシン!!!』
声を上げながらズシンのカードを置いた瞬間雷がコースを貫く。そこからコースを破壊し徐々に現れる影。ガードレールを破壊するほどの雄叫びを上げ、眠りから目覚めた巨人。
巨人の姿を見た瞬間、観客、5D's、太陽…多くの人々が言葉を失った。
その時、デュエルモンスターズの歴史が動いた。
太郎『やっと会えたな、ズシン! さあ、俺達と戦おう!!』
公式試合でズシンが歴史上初めて召喚されたのだ。
到底召喚できないだろうという常識を破って。
「この放送を見ている、そしてこのデュエルを見に来ているみんな! 誰がこの瞬間を想像できたろうか!?
今、われわれは奇跡を目の当たりにしている!
長きデュエルモンスターズ史上、
このモンスターを召喚出来たデュエリストは一人もいない!!
そのモンスターの名は!!!
眠れる巨人 ズシン!!!!
そして、その奇跡を起こしたのは、全く無名のチーム
チーム太陽!!!」
前代未聞かつ、世界大会で歴史的な偉業を成し遂げたチーム太陽に対して、MCは感動の涙を流しながら興奮の実況をし、その奇跡を肉眼で見た観客は大歓声&スタンディングオベーション。
更にWRGPは世界中で中継されてる世界大会。大会を見ていた人々が、チーム太陽が起こした奇跡を目撃し人々はモニターにくぎ付けになっていた。
そして多くの観客と視聴者が太陽側に流れた。
まさに太陽が上った瞬間だった。
これには神のカードを持つチーム
ラグナロクまでもが驚愕した。
大会参加に反対していたその太郎達の父親達も、テレビ中継でこの偉業を目撃し感動の涙を流し考えを改めた。
一方5D'sにとっては予想できる中でも最悪の事態であった。応援してくれる人々は根こそぎ相手チームに流れてしまい、目の前には対策もわからずましてや対抗策も用意してない巨人が立っているのだから。
太郎はズシンの素晴らしい攻撃名「ズシンパンチ!!」でブラックフェザードラゴンをそのまま破壊し、更に罠カード「パワー・スロー」のバーンダメージでクロウに勝利。
クロウがチェーン発動した「モンスター・バトン」は通したものの、ついにラストホイーラーの遊星を引きずり出す。
ガチBF使いのクロウがノーマルカードの前に敗れ去るという実質初敗北かつ屈辱的な負けに、当時のアンチBFと古参プレイヤーや一部のファンの方々は歓喜し太陽の味方となったとかならなかったとか。
以下、涙のネタバレ
4週に渡った太陽と5D'sの戦いは、太郎と遊星の一騎討ちにもつれこむ。チーム太陽の大いなる挑戦を見て、サテライトにいた頃の初心、チャレンジスピリッツを思い出した遊星は、敬意を表して全力で戦う事を宣言。
遊星は、ズシンの自己強化が相手モンスターの攻撃力のみを参照することを利用して攻撃力を0にすることで反射ダメージを与えるといった奇策で対抗するも、バーンカードでライフは並んでしまう。
彼らの偉業に感動した観客と視聴者たちはさっきのブーイングがまるで嘘だったかのように「太陽!太陽!」と言いながらズシンのカードを片手に太陽を応援していた。テレビを見てる観客も同様の反応だった。
その光景に牛尾やカーリーといった5D's派の人々は黙って観ているしか無かった。
まさに太陽一色。
「みんなが俺たちを応援してくれてる。」
「聞こえるか、この声が。太郎!」
更に、爆走する太郎の目に映ったものは……
チーム太陽がんばれ 行け!太陽!
なんと、さっきまで太陽に散々野次を飛ばしてた観客たちはそう書かれた旗を下げて応援していた。いつ用意したお前ら
「俺達が…チーム太陽がこんな声援を受けるなんて。
たった3人で一台しかないDホイールと誰でも持ってる俺達が。
誰からも見向きもされなかった…無名の俺達が。
そんな俺達が、こんな最高の舞台で自分の全てをぶつけてデュエルができるなんて!
仲間を信じて、自分を信じていれば必ず勝機は訪れる。
不可能と言われたことも可能になる。
どんな世界のどんな奴だって、自分の気持ち一つで未来に輝くことができる!
俺達はそれを証明したんだ!
俺はもっともっと自分の力を試したい!どこまで行けるのかを確かめたい!
だから遊星!俺達はこの試合に絶対勝つ!」
これを見て応援することに戸惑ってた視聴者もきっと太陽の応援を始めただろう。
前人未到のデュエルを実現させた強敵に対し全力で挑む遊星は
アクセルシンクロを敢行。
ズシンがチーム太陽の絆の結晶であるように、チーム5D'sの集いし夢の結晶、シューティング・スター・ドラゴンを召喚する。
ズシンは自力でフィールドから逃げられるシューティング・スター・ドラゴンは捉えることはできず、自己除外効果を使われてズシンの攻撃はそのまま空振り。
ズシンは戦闘する相手モンスターがいなければ攻撃力は上がらず、その性質上ダイレクトアタックの役には立たない。しかしシューティング・スター・ドラゴンもズシンを倒すことはできない。
膠着状態かと思われたが、ズシンの弱点は当然、使い手である太郎自身がよくわかっていた。
「愚者のサイコロ」といったバーンにより、チーム5D'sの対抗策への対策を用意し、追い詰めることに成功する。
この時点で太郎の手札にはスピードスペルが1枚あり、スピードカウンターは2。
遊星の次のターンを守り切れば、スピード・ワールドⅡのバーン効果で確実に勝利できる状況だった。
だが迎えた遊星のラストターン。
太郎『たとえシューティング・スター・ドラゴンでも、俺たちの眠れる巨人 ズシンを倒すなんて不可能だ!』
遊星『たしかに、俺のシューティング・スター・ドラゴンだけではそうかもしれない。だが、「俺たちの」シューティング・スター・ドラゴンならば話は別だ!!』
遊星はこのターンでドローした「アースクエイク・ジャイアント」をコストとして、ジャックが伏せてクロウに託し、クロウが「BF-尖鋭のボーラ」をコストに発動した永続トラップ「モンスター・バトン」の効果を使用し、ボーラの効果をシューティング・スター・ドラゴンに適用。
ズシンはバトルする相手モンスターの効果を無効化するが、ボーラの「戦闘したモンスターを破壊する効果」はズシンを対象としたものではなく、シューティング・スター・ドラゴン自身に与えられた効果でもないため、無効にはできない
そのまま放たれたスターダスト・ミラージュの一撃でズシンは撃沈。
さらに遊星は「炸裂突破」で追撃のダイレクトアタックをかけ、太郎のライフを削り切る。
最後の一撃の瞬間、太郎の意識に走馬灯のように浮かんだのは、共に戦い続けてきてくれたチームメイトのヨシとジン、
そして WRGP参加を後押ししてくれた父親の姿……
このシーンで視聴者の涙腺は決壊した。
こうして、チーム太陽は敗北した。
涙を流す甚兵衛と吉蔵…二人に謝る太郎。
しかし二人の涙は悔し涙ではなく、負けたとはいえズシンを歴史上初めて召喚という大偉業を成す事ができた喜びの涙だった。
更にあの遊星たちチーム5D'sをノーマルカードデッキで互角に渡り合い、冗談抜きで敗北寸前まで追い込みあと1ターン耐えればスピード・ワールドⅡのバーン効果で勝利、というところまで詰め寄った上での競り負けだったのは紛れもない事実だった。
事実、彼らのデュエルが心を動かした多数の観客と視聴者達は、太陽が負けたにもかかわらず大きな声援と拍手、太陽を称える声を送った。
良かったぞ!チーム太陽!!
また、ズシンを見せてくれ!!
太郎の言う“自分達の持つ可能性”を証明したチーム太陽は、遊星達と互いの健闘を称えあい、彼らのWRGPを終えた。そして彼らは自分の居場所を照らすために故郷に帰った。
自分達の可能性が、デュエル以外においても通用するというズシン、もとい自信を得て……。
●TFのズシン
TF6にてチーム太陽が参戦したため、このカードはTF名物
ゲームオリジナルカードとして収録された。
なのだが、
ウルトラレア仕様で収録されている。
甚兵衛「レアカードなんかに、俺達は頼ら…ねえ…?」
できればレアリティにもこだわって欲しかったとこである……。
入手方法は山下太郎のストーリークリア特典となっており、皆が持っているカード感は薄れた。
クリア特典のカードは、全てウルトラレアとして手に入る仕様となっている。
もっとも、TF名物スタッフによる気遣いによって、効果は原作より強化されている。
眠れる巨人ズシン(TF版)
効果モンスター
星10/地属性/戦士族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分のターンで数えて10ターン以上フィールド上に
表側表示で存在しているレベル1の通常モンスター1体をリリースする事でのみ
特殊召喚する事ができる。
このカードが戦闘を行う場合、
バトルフェイズの間だけ戦闘を行う相手モンスターの効果を無効化し、
このカードの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ戦闘を行う相手モンスターの
攻撃力+1000ポイントの数値になる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
このカードはこのカード以外の魔法・罠・効果モンスターの効果を受けない。
対象を取らない効果にもバッチリ対応。
アニメがこの仕様であれば遊星は勝てなかったということは密に。
観客が遊星に対し、「どんな手を使おうと無駄だ!」「ズシンに勝てるカードがこの世に存在するものか」と言ってたが、この耐性だったら本当に「どんな手を使おうと無駄」であり、自前の効果も併せて「ズシンに勝てるカードは存在しない」。
もっとも、実質20ターンという時間を稼ぐくらいならカウントダウンでおkなのには違いない。
耐性だけなら無敵だが、実は
邪神アバターよろしく守備力が攻撃力より1000以上高いモンスターを出されると突破できなくなる。
ちなみに「勝利前提の」チャレンジに「眠れる巨人ズシンの召喚に成功する」というものが追加されたが、正直できる気がしない。
召喚自体は案外行けたとしても、その後勝てない場合が結構存在するのである。
こちらが20ターンかけてコイツを召喚出来たということは、
裏を返せば対戦相手も20ターンかけて防衛・迎撃体制をガッチリ固める時間的猶予が得られたということでもあって……。
活用法としては、バニラを交えたロックデッキのダメ押しに用いるのがいいだろう。TF6の禁止・制限リストでは、魔法・罠で固めても、ハリケーンを使われると逆転されかねない。盤石の布陣を固めるにはもってこいの一枚。
正直実用性で言えば「手をつなぐ魔人」(これもウルトラレア)の方が上。
というか、タッグフォースにおけるチーム太陽は実質バーンの無いロックデッキなので、
相手にしてもタッグパートナーにしても非常にメンドクサイデッキ。
パートナーになった際には、もれなくズシンの扱いに困る…。
本人達はスッキリした好青年達なのに……
なお、禁止解除するとまさかの【凡骨エクゾ】である。確かにノーマル通常モンスターをメインに使うデッキではあるが……
●OCGのズシン
5D's全体を通しても印象深いカードのひとつで多くのファンからOCG化が望まれてたが、ある程度期間を要した。
主人公サイドやボスキャラに押されどうしてもカード化順の優先度が低いこと、
上述の通り《終焉のカウントダウン》の方が同条件かつより勝利に直結すること、10ターンものカウントがジャッジ泣かせで再現しづらいこと等あってかOCG化はかなり遅かった。
しかしながら6年の時を経て遂にOCG化が決定した。
特殊召喚・効果モンスター
星10/地属性/戦士族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
ズシンカウンターが10個置かれた自分のモンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、手札のこのカードをターン終了時まで相手に見せ、
自分フィールドのレベル1通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターにズシンカウンターを1つ置く。
(2):このカードは他のカードの効果を受けない。
(3):このカードがモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。
このカードの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ、
そのモンスターの攻撃力+1000の数値になる。
どうするのかと思われたターンカウントは、手札にある自身をターン終了時まで公開してカウンターを乗せるという処理で再現している。
「手札にこのカードがある状態で」という条件により《眠れる巨人ズシン》自体を速やかに手札に加えなければならず、若干難しくなった。
一方、手札に複数枚のズシンが存在していればその分カウンターが乗るスピードが上昇するためとんとんか。
ズシン戦法がばれやすい欠点も地味に増えたが、
レベル1の通常モンスターを頑に維持しようとすればまず2.3ターンでばれるためあまり問題ではない。
なおレベルこそ高いが、攻守0の戦士族なため墓地やデッキからのサーチ自体は容易。
ちなみに、カウンターが乗るのはターン終了時ではなく(1)の効果を使った効果解決時。
そのため仮にズシンの(1)の効果に《
マインドクラッシュ》をチェーンされ、ズシンが墓地に送られた場合なども問題なくズシンカウンターは乗る。
これはつまり
死者転生などで効果を使ったズシンを墓地に落とし、同時に回収しても(1)の効果を再度使えるという事。
これを酷使すれば理論上1ターンでもズシンは出せるため、ズシンデッキを作る際には覚えておくといいだろう。
また特殊召喚モンスターを条件無視して出せる魔法カード《青天の霹靂》を利用すれば即座にズシンを出す事が出来る。
相手ターンのエンドフェイズにデッキに戻ってしまうが、《G・B・ハンター》で対策したり、
《連撃の帝王》から《
The tyrant NEPTUNE》に繋げる事でズシンの効果をコピーしたNEPTUNEで戦線維持が可能。
やや浪漫溢れるコンボであるが決まれば爽快である。
そんなネプさんは瑠璃のカードの影響で禁止になってしまったが
耐性はTF同様の完全耐性。
昨今完全耐性持ちが増えすぎな気もするが、ズシンの召喚難易度は十分それに見合ったものと言えるだろう。
破壊はもちろん、除外やデッキバウンスに墓地送りを含めほとんどの除去を受け付けない。
残念ながら戦闘時に相手の効果を無効化する能力は削除されたが、相手の攻撃力を上回る効果は健在。なかなかの再現性である。
詳細は複雑な話になるので後述するが、なんとこの手のカードの天敵であるホープ・ザ・ライトニングも殴り倒せる。
以前は倒せていたのだが、
2019年6月末突如裁定変更があり、ライトニング等の持つ相手がカードの効果を発動できないという効果が相手モンスターではなくプレイヤー課する効果扱いとなった。
その影響で効果を受けないズシンのようなモンスターであろうと効果をライトニングとの戦闘中は効果を発動できなくなってしまったのである。
つまり
倒せなくなったどころか攻撃力0の状態のまま効果も発動できずに一方的に殴られる裁定になってしまった。
まず、ライトニングには戦闘する際に相手が効果を発動できないという一見プレイヤーに課する効果があるが、
これは効果を受けないモンスターであればライトニングと戦闘する場合でも効果を発動できるという裁定が出ている。
そのためライトニングと戦闘する場合でもズシンは(3)の攻撃力アップの効果を使える。
また、ズシンの(3)の効果は強制発動であるため、ズシンからライトニングに攻撃する場合でもライトニングからズシンに攻撃する場合でも、
必ずライトニングの攻撃力5000になる効果より先にズシンの(3)の効果のチェーンが組まれる。
これは遊戯王のチェーンルールでは、
「ターンプレイヤーの強制効果→非ターンプレイヤーの強制効果→ターンプレイヤーの任意効果→非ターンプレイヤーの任意効果」
という順番でチェーンが組まれることに起因している。
そのため、チェーン1ズシン(3)効果→チェーン2ライトニング攻撃力5000効果、とチェーンが組まれ、
チェーンの逆順処理によって攻撃力が5000となったライトニング+1000の攻撃力にズシンがなるためライトニングとの戦闘に打ち勝てる、という訳である。
遊戯王のルール複雑スギィ!
そして
同じくらい複雑なルールを持つ《
邪神アバター》には勝てない。
常に最後に処理するという特殊裁定を持つため《眠れる巨人ズシン》の攻撃力が決定後にさらに100だけ上回るので勝てるのである。
なお、同じく最後に処理される《
邪神ドレッド・ルート》については耐性によって攻守半減を受け付けないので《眠れる巨人ズシン》が勝つ。
また、このカードに関しては元々の設定からして強さよりも
ロマン重視の存在なので、あまり性能面での批判も出ないかもしれない。
●余談
太陽戦は本作を通してもかなりの人気でファンからの評価も高く、一部は5D'sの神回と言う人も
○評判がよく、神回や傑作と呼ばれる話だったのにもかかわらず、海外の遊戯王5D'sではZEXALへの移行期間の都合上太陽戦そのものが丸々カットされている。
なんてことを…。
○ズシンが召喚されるのは121話で、
その前の120話の予告で龍亞が《眠れる巨人ズシン》のことに触れた。
しかし、本来はアニメオリジナルで未OCGかつ効果どころか正確な正式名称すら判明していない状況なのに「みんな持ってるあのカード」と発言したため、視聴者には大いに混乱を招いた。
あまり詳しくない者はもちろん、長く遊戯王に触れた視聴者でも《眠れる巨人ズシン》のことなど知るはずはなかったのである。その影響は大きく
Google検索ワード一位が一時的にズシンになる
という珍事が起こった。
その後、アニメで《眠れる巨人ズシン》がフィールドに出現すると興奮に包まれた観客は揃って《眠れる巨人ズシン》のカードを掲げてチーム太陽の応援を始めた。アニメに登場するデュエリストはほぼ全員が所持しているのでアニメの世界観では「みんな持ってる」という発言に間違いはないことが示されたのだった。お前らなんで揃いも揃って《眠れる巨人ズシン》を持ち歩いてるんだよ。この一件は現実世界との共通点の多いホビーアニメ独特の混乱と言えよう。
○5D'sスタッフにとっても印象深い一枚だったのか、共通のスタッフが多いARC-Vにて63話の
回想シーンにこっそり出演している。
コモンズのDホイーラーが召喚したようだが、よく出せたものである。 まぁ相手もダンジョンワームなんぞ使っているが。
○OCGのズシンはTAG FORCEと違い見た目はノーマルだが、どうやらノーマルレアらしい。
残念と思うか、KONAMIもうちょいだけ頑張ってほしかったと思うか、見た目ノーマルだからおkと思うかはデュエリストたちに委ねられる。
収録された「閃光の決闘者」は
銀河眼の光波竜のためにかなりの枚数が剥かれているため、現在のところは高額ノーマルレア
というわけではない。
ちなみに
遊戯王マスターデュエルではNである。
○なお、ネタにされているズシンパンチであるが、実際にはクロウのブラックフェザー・ドラゴンにしか攻撃が成功していない。他は全て「攻撃力を0にしたり、フィールドから逃がすことで対応されてしまっている。
…逆に言えば遊星ですらズシンの効果を非常に危険視していたということの裏返しでもあるが。
○更に余談だが、バーンメタのブラックフェザー・ドラゴンがフィールドにいる間にスピードワールドⅡを撃たなかったり、ズシン撃破後のシューティング・スター・ドラゴンの追撃の際、通常モンスターが守備表示で残っていたら、恐らくチーム太陽は勝っていた。
クロウにスピード・ワールド2を無駄撃ちしなければ、遊星に対してバーン効果を1ターン早く撃ち込めたし、最後のターンで壁モンスターを出せていれば「炸裂突破」による追撃を防げたからである(もっとも前者はアニメでは相手のカードの効果を確認できないためブラックフェザーの効果を知らなかった、後者も「愚者のサイコロ」のコストとこの時の太郎の手札の関係上、壁モンスターは出せなかったのだが。
追記・修正は公式戦でズシンを召喚し、観客を味方につけてからお願いします。
最終更新:2025年04月24日 04:30