登録日:2015/05/24 Sun 16:52:32
更新日:2025/04/06 Sun 18:45:58
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一粒の希望よ!
今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!!
現れろ、SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング!!
【本編での活躍】
カイトに対する遊馬のカウンセリング、そしてこのカードの登場はかなり良い場面である…のだが、ラストシーンで
あの人が全て持っていった感もある。
孤高なる鮫の流儀ェ…
漫画版では(1)の効果は封じられるのはモンスター効果だけで、
(2)の攻撃力変動効果は《SNo.39 希望皇ホープONE》を素材にする必要があったが、X素材を使わず、攻撃力がランク×1000になるものだった。
攻撃名は「ホープ剣ライトニング・スラッシュ」。
【OCG版】
OCGでは漫画
ZEXAL8巻の付属カードとして登場した。
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000
光属性レベル5モンスター×3
このカードは自分フィールドのランク4の「希望皇ホープ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
このカードはX召喚の素材にできない。
(1):このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時までカードの効果を発動できない。
(2):このカードが「希望皇ホープ」モンスターをX素材としている場合、
このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。
このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ5000になる。
正規素材は重いものの、漫画版とは違いRUMを使わずにランク4の希望皇ホープから出せるため、召喚はかなりお手軽になった。
本人のランクは5だが、エクストラの枠を1つ消費するだけでランク4と同じように出すことが出来る。
ホープデッキでは、ホープ→《CNo.39 希望皇ホープレイ》or《SNo.39 希望皇ホープONE》→《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》と重ねまくり、
《エクシーズ・チェンジ・タクティクス》での大量ドロー要員の一人としても活躍している。
《CNo.39 希望皇ホープレイ》or《SNo.39 希望皇ホープONE》を経由して重ねれば(2)の効果を2回使えるのも利点の1つ。
さて、今度は効果の解説に移る。
コイツは2つの効果を持っているのだが、その組み合わせがとてつもないぶっ飛んだシナジーを生み出している。
(1)の効果は《ジェムナイト・マディラ》や《幻層の守護者アルマデス》のように戦闘時に相手の効果の発動を全て封じるというもの。
これにより《
聖なるバリア −ミラーフォース−》や《
オネスト》などの攻撃反応系の効果はもちろん、
シャドール等のリバース効果や竜星などのリクルーターなども気にせずガンガン相手に攻め入る事ができる。
厄介なグレイドルもこれ1枚で完封できるなど、対処できるカードは数知れず。
X素材を必要としない効果なので、(2)の効果を使わずとも
カタストル等の厄介なモンスターを粉砕できるのはなかなか心強い。素の打点も2500と高めなのでこの効果だけでも十分に強い。
とはいえ強力な耐性とステータスの双方を備えたモンスターにはゴヨウラインである攻撃力2800~青眼ラインである3000前後の傾向が多いため、
この効果だけだったらランク4特有のニッチなメタカードに収まるはずだった...。
目玉にして問題の(2)の効果はホープを素材としている時にX素材を2つ取り除いて攻撃力5000にする効果。
( ゜Д ゜) え?
5000である。
もう一度書く。
5000である。
長年の間、元々の最高打点だった
F・G・Dと同じ打点である。
遊戯王で攻撃力5000というのはオーバーキルの極みのような数字であり、
「最強のモンスター」の称号のようなものである。
攻撃力5000ともなれば戦闘破壊されない方がおかしい。
一体どれだけのモンスターを葬れるのかというと……
あちらとは違いモンスターと戦闘するときにしかパワーアップできないが、
これを利用して《ブラック・ガーデン》を利用した
1ショットキルも存在する。
ただでさえヤバイこの効果だが、(1)の効果と合わせると更にヤバいことになる。
まず(1)の効果で攻撃に入ると罠による迎撃はできない。
ダメージステップ時の効果の発動も封じられるので、
《神の通告》や《
サイバー・ドラゴン・インフィニティ》での妨害も不可能。
よって、相手モンスターへ確実に5000打点を叩き込む事ができる。
つまり
素で5000以上の攻撃力が無ければ迎え討つことができない。
いくら大型のエース級のモンスターでもここまでの打点を持っている者は少ない。
最も被害を被ったのは《
青き眼の乙女》。
低攻撃力を晒し、攻撃された瞬間に《
青眼の白龍》を召喚しようとすると、
効果発動を許されずに5000ダメージを叩きこまれてしまう。
そのためそれまで青眼デッキの定番だった《青き眼の乙女》は採用率が下がり、青眼デッキが更なる強化によってランク4デッキよりも上位についた2016年環境でも、《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》相手に致命的被害を受けかねない《青き眼の乙女》は採用がほとんどされていない。
青眼とは切っても切り離せないキサラを投影した大切なカードなのに・・・。
ならば効果を受けずダメージ計算時に攻撃力・守備力をフィールド上で一番高いモンスターと同じにする《合神竜ティマイオス》はどうかというと、
同士討ちして《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》をフィールドに残さなければ「伝説の騎士」を呼ぶことができる…が問題は(2)の効果を使われた場合である。
《合神竜ティマイオス》に《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》が攻撃する時、優先権は攻撃する側のプレイヤーにあるため《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》→ティマイオスとチェーンが組まれる。
つまり「《合神竜ティマイオス》の攻撃力が上がる」→「《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の攻撃力が5000になる」という逆順処理が行われる。
これによりフィールドに攻撃力5000以上のモンスターがいなければ《合神竜ティマイオス》は戦闘破壊され《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》はフィールドに残るため、
(1)の効果で後続を呼ぶのを封じられ完全除去される。ルールまで味方するのか。というか攻撃力無限以上はどうした。
そして一番の問題がこんな効果を持ったモンスターが、素材指定なしのLv4×2体のランク4モンスター経由で特殊召喚できる、
つまり、レベル4モンスターを2体並べれば大抵のモンスターは除去できるというところにある。
遊戯王OCGは昔からお手軽な除去が多いカードゲームではあったが、
最早ここまで来ると大型の強力耐性モンスターを出すのなんてやってられないレベルである。
等など、今までだってとんでもない広範囲の除去能力を持っていたレベル4×2体のエクシーズに対抗する最後の砦、
効果耐性を持っている高打点でさえも攻撃力5000未満なら無力となってしまったのだった。
このため必然的に同時期に登場した《
星守の騎士 プトレマイオス》と共に、ホープデッキだけでなくランク4主体の様々なデッキに出張することとなり、
「まーたランク4優遇か」とか「なんでRUMを内蔵したのか」など余計にヘイトを集めることとなった。
《星守の騎士 プトレマイオス》と禁止以前は「《星守の騎士 プトレマイオス》とセットとホープセットと《深淵に潜む者》がいれば大体なんでも処理出来る」と言われてしまう始末であった。
しかも「X召喚の素材にできない。」と言うテキストの都合上から、某
ヲーさん宜しくエクシーズチェンジする原作再現も満足にできず、そういった意味でも余計なヘイトを集めることに。というか何故付けたし...。
【他のカードとの比較】
ちなみに攻撃時にあらゆる効果の発動を封じる効果を持つ既存のモンスターは、
幻層の守護者アルマデス(攻撃力2300/シンクロ(☆5)/チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上)
ジェムナイト・マディラ(攻撃力2200/融合/ジェムナイトモンスター+炎族モンスター)
デストーイ・チェーン・シープ(攻撃力2000、効果で2800/融合/エッジインプ・チェーン+ファーニマルモンスター)
と概ねATK2500前後であり、そこまで理不尽な打点は持っていなかった。
更に言えば《幻層の守護者アルマデス》以外は召喚条件の都合上汎用性がなく、3つとも《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》よりは出しにくい。
この点からも《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の異常さがうかがえるだろう。
ちなみに同時期に登場した封印効果持ちの《
悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン》は3200打点。
上級以上を素材とする融合モンスターと比較してさえ1800の開きがある。
- EXデッキを圧迫すると言う本カード最大のデメリットを耐性封じと引き換えに回避出来る。
- 属性と種族が違う。
- X素材をバトルフェイズに入らなくても効果で墓地へ送ることができる。
- エクストラを圧迫せずに上昇した攻撃力を永続的に維持できる。
- 他のフィールドアド次第では上げた攻撃力をダイレクトアタック時にも適用可能。
- 逆鱗遊矢宜しく自身を素材として《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》を召喚と言った原作再現が行える。
- 本来の使い手、ユートの使用するランク3軸デッキ「幻影騎士団」では攻撃力5000を軽く超える切り札となる。
などと言った差別化を得られている為、依然として採用される事も少なくない。
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》と《H-C エクスカリバー》と大きく違う点は相手の打点を下げてかつ攻撃力を上げるので他のカードとの絡みでワンキルを狙いに行きやすい。
さすがにコンマイも右を見ても左を見ても《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》だらけの状況をマズイと思ったのか、
このカードの進化形態である《
SNo.0 ホープ・ゼアル》はホープからエクシーズチェンジする際にRUMを必要とするようになった。
まぁあっちもあっちで色々とぶっ飛んだ所はあるのだが…
(向こうは素の条件が厳しすぎるし、漫画での条件的にもRUMを使って出せるというのは満足できる条件である)
【弱点】
弱点は発動しない永続効果や戦闘破壊耐性を持ったモンスター。
このカード単体ではマシュマロンすら突破できない。
三邪神(遊戯王OCG)も永続効果で圧倒的な戦闘能力を誇るためこのカードでは太刀打ちできない。
消しゴムは状況次第だが。
更に、攻撃力の変動は5000に固定である為、相手の攻撃力が5000より高い場合はこの効果では突破できない。
現在攻撃力が5000を超えている時に使うとダウンし、5000の時に使うと素材を無駄に消費するだけである。
その為4999以下の時にしか強みを発揮できない能力であり、効果を使ってワンショットキルを行う事が苦手であるのは明確な弱点となる
また戦闘では驚異的な強さを誇るが、それ以外は何の耐性も持たない。
奈落や、強制脱出装置などのフリーチェーンのカード効果で戦闘に入る前に潰すようにしよう。
間接的な対策としては、本命を出す前に別の大型を繰り出し、
それに《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》を消費させるといったプレイングが挙げられる。
いくらランク4デッキでもこのカードを複数枚採用することは稀だからである。
【総評】
苦手な相手はいるのだが、その苦手な連中は他の汎用ランク4で突破できる。
これがランク4エクシーズ達の厄介な点と言えよう。
おかげで大型モンスターを運用するデッキはランク4対策のフリーチェーン除去がほぼ必須となる。
対戦中はこのカードの存在を意識したプレイングが必要だろう。
しかし、この万能ランク4たちがいないと突破できないモンスターもまた多いのが何とも悩ましい。
そのためのサイドデッキや魔法・罠だったりするのだが、それらをエクストラに積める性質上、
空いたメインに汎用除去やメタカードを更に積める所もランク4デッキの強みと言える。
「あらゆる除去でどうしようもない相手を殴り殺して黙らせる」という、
他の汎用カードで埋められない穴を最後に
埋めるのがこのモンスターの本当の役割なのである。
こいつでも埋まらない穴は最早《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》や《痛み分け》といったごく限られた除去くらいしか方法がない。
流石のランク4もこのクラスの除去を持つカードは登場していない。
……まあ、その一線も
意味がなくなったが。
まあそうしてレベル4が少ないデッキに出張レベル4を数体入れると
「
もっとレベル4増やしてランク4に特化させた方が良くね?
」になり
最終的に元のデッキがランク4特化型に塗り潰されるんだけどな!
もうやだこのゲーム……
【現在の状況】
そんなこんなでどこもかしこも《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》が駆け抜けていたOCG環境だったが、
2016年4月の制限改訂で、【EMEm】【EM竜剣士】の誕生以来暴れまわっていた【ランク4軸EM】にメスが入った。
また「あらゆる方法で除去されるなら
何度やられても次のターンには戻せばいい」という発想で
毎ターン攻撃力3000の青眼の白龍を召喚する【青眼】が隆盛したことで「その場に応じた対処手段を好きなときに出せる」ランク4デッキでは除去が追いつかないという状況となり、
どこもかしこもランク4という状況は比較的緩和されつつある。
【ABC】【真竜】のようにエースカードがフリーチェーン除去を内蔵したデッキが登場し、このカードを始めとするランク4では対応が困難に。
さらにはランク4でも突破できなかった相手をさくっと除去できる
汎用テーマまで登場。
除去を《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》に頼る必要性は薄くなった。
一体どこまで行くんだろうか
とはいえランク4デッキでの《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の重要性が高いことは変わらず、
攻撃力5000未満の大型モンスターを切り札とするデッキは相変わらず対策に悩まされている。
???「俺もいるぞ!」
追記・修正はホープに重ねて5000打点にしてからお願いします。
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最終更新:2025年04月06日 18:45