オミクジワルド(機界戦隊ゼンカイジャー)

登録日:2022/02/27 Sun 02:02:00
更新日:2025/05/09 Fri 21:17:59
所要時間:約 4 分で読めるオミクジ






ハッハッハッハッハ!5人揃って、“運悪ジャー”だオミクジ!!


オミクジワルドとは『機界戦隊ゼンカイジャー』に登場する怪人。

【データ】

CV阪口大助
身長:196cm
体重:297kg
世界:オミクジトピア
名物:今日の運勢
名産:ムゲンミクジ

【概要】

第45カイ!「超大凶って運勢最下位?!」に登場。
ハカイジュウオーの敗北により謹慎状態だったイジルデが起死回生の一手として送り込んだ、オミクジトジルギアを組み込んで不吉に誕生したワルド怪人。
ただし、イジルデの指揮下にあるだけで、実際に製作のためにトジルギアをチョイスしたのはゲゲであった模様。
巨大なおみくじみたいな顔面とおみくじの頒布機みたいな形状の頭部が特徴で、よく見ると顔面の紺色の意匠は「大凶」と読める。

語尾は「~オミクジ」
自身の能力で不幸になり、失敗する相手を小馬鹿にしまくってゲラゲラ嘲笑う陰湿な性格。
ただし、どことなくオネエっぽい言動を取る他、プライドも高いのか自身のおみくじをインチキ呼ばわりされた際には「インチキ!?」とマジキレ気味だった。


【戦闘能力】

凶悪無比すぎる特殊能力に隠れがちだが、これまでのワルドと比べると大砲による機銃掃射が可能と、火力はワルドの中では比較的高めな方。
劇中では終始一方的にゼンカイジャーを苦しめ続けた結果、数々のワルドとの戦いを潜り抜けたジュラン「もしかしてこれゼンカイジャー最大のピンチなんじゃねえのか!?」と愚痴った程で、
ゼンカイジャー達の心を無力感で一時はへし折りかけ、完全勝利目前までこぎ着けた全ワルド怪人中最強クラスのワルド怪人である。
とはいえ、強運によるチート状態が基本だったのか、本体の素の戦闘力や耐久力などは他のワルドと大差がない。


今日の運勢


私のおみくじで出た運勢が、貴様らの運を決定付けるオミクジ!ヒーヒッヒッヒッ!!

オミクジトジルギアによる世界改変。
オミクジパワーを悪用し、何かを開けるたび勝手におみくじが引かれる、奇怪なおみくじの世界を作り出すことができる。
具体的には左腕のおみくじ箱型の大砲から乱射されるおみくじ型の弾丸「ムゲンミクジ」が命中した相手の額に「凶運みくじ」が貼り付き、運勢が強制的に悪運に固定。
被害者は行動する度に様々な災いや不幸な出来事が降りかかってくる。
しかも以後もおみくじが次々と出現しては額に貼り付き、数を重ねる度に運勢が悪い方向に悪化し続け、やがて命の危険を伴うほど運勢が悪化していく。
世界改変の影響下にある者の額にはおみくじが貼り付くが、これはオミクジトジルギアの影響によるものなので、これまでのワルドの例に漏れずオミクジワルドを倒すまではがすことはできない。
また悪運だけではなく、味方に対しては「幸運みくじ」を引かせて戦闘中に幸運が常に訪れるようにする形でパワーアップさせることが可能。

要するに、やってることは運命操作能力
新たなおみくじの出現は「何かを開閉する動作」がトリガーとなるのだが、質の悪いことにこの基準はかなり緩い。
ギアトリンガーの蓋の開閉だけではなく、
  • マジーヌの魔法が発動した瞬間
  • 薬箱や冷蔵庫を開けた瞬間
  • 段ボール箱の底が抜けた瞬間
  • 閉まった扉を開いた瞬間
  • 地面に落ちた物を拾い上げる動作
  • ゼンリョクゼンカイキャノンから弾丸を撃つ行為
すらトリガーとなってしまう*1ため、運勢の悪化を回避し続けるのは文明的な行動をしている限り、まず不可能。
結果として、一度術中に嵌った時点で相手は勝手に悪化していく運勢によって、やることなすこと全てが悪い方向に転がり失敗続きの果てに自滅し、逆に味方は戦いの最中に絶えず訪れる幸運な出来事によって、一方的な優位を維持して戦えることになる。
降りかかる悪運は人によって様々だが、「凶」の時点で呼び寄せたゼンカイジュウギアが運悪くトラックにぶつかって明後日の方向に吹っ飛ばされ、変身不可能になるくらいには凶悪。
センタイギアで悪運に対処しようにも、対処しようとするにはギアトリンガーを開閉する動作が必須となるためゼンカイジャー側はまともにギアを使う事すらできず、
ゼンリョクセンカイキャノンの出目すら干渉されて実質不発同然にさせられるため、一度術中に嵌るとゼンカイジャー側はもはや詰んだも同然になってしまう。

極め付けは、これまでのワルド怪人にはたまに見られた世界法則の欠点が皆無と、真面目に隙らしい隙が見当たらない点が凶悪さに拍車をかける。
大凶になると運悪く自動車と正面衝突する交通事故に巻き込まれるなど、劇中で「早くオミクジワルドを倒さないと命にかかわるチュン!」セッちゃんが忠告した通り、イジルデ配下らしい殺傷力に長けたワルドとなっている。
メタ的に言ってしまえばその能力は、強制的な逆主人公補正を相手に付与する能力といえる。

……とはいえ、運勢操作能力で攻防一体の無敵を維持しているものの、オミクジトジルギアの力はワルド本体の物理的な戦闘力や耐久力の強化には何ら寄与しない点はわずかな弱点でもある。
なので、不運が発生して行動を妨害する前に絶え間なく攻撃されると攻撃を防ぎきれないという、オミクジワルド本人も気がつかない大きな問題を抱えていた。


ダイオミクジワルド


しかし貴様らは既にボロボロ、トジテンドの勝利目前だ!

\プチッ/

オミクジパワーが満ち満ちたオミクジ~!


声:阪口大助
身長:48.5m
体重:2290.8t

暴走したオミクジパワーが、クダイテストに満ち満ちて誕生した巨大級オミクジ戦闘兵。
「ムゲンミクジ」のパワーを自ら浴びることで、自身の運勢を操って有利に戦うことができる。
幸運な「超大吉」に運勢が固定された場合、敵の攻撃は一切当たらず、自分の攻撃はもれなく全てがクリティカルヒットとなる無敵状態に変化。
公式サイトでも「この世界の何者も絶対に勝つことは不可能」と断言するインチキ状態となってしまう。
実際、スーパーゼンカイオージュランの攻撃は幸運な出来事が頻発して全く当たらず、逆にダイオミクジワルドの一撃を受けてしまっただけで簡単に合体を解除させられる有様。
指揮官であるイジルデも「今日こそ勝てる!」と勝利の確信を得るほどの優位に立って戦闘を有利に進めた。


【劇中での活躍】

イジルデによって生み出されるとそのまま出撃。
ムゲンミクジの力で混乱を巻き起こすと、手始めにマジーヌブルーンをムゲンミクジの力で運勢を悪化させ完封する。

凶しか出ねえおみくじはねぇだろうが!

そうだ!もっと大吉とか、中吉とかあるだろ!!

あんなのインチキだ!仕込みだ!ヤラセだぁ~!!

インチキ!?そこまで言うなら見せてやるよ!ムゲンミクジ!6時でも「クジ」ってね!

その後は五色田介人、ジュラン、ガオーンも同じようにムゲンミクジの力で運勢を悪化させ、逆に配下のクダックは幸運にすることで強化。

ほ~らね?凶以外もあるオミクジ!

この強化に、ただでさえ自分たちを上回る強運を身に付けたクダックに本調子を発揮できないゼンカイザー、ジュラン、ガオーンは苦戦し、マジーヌとブルーンも無理を押し切って参戦するが、不運な2人にかえって足を引っ張られガタガタに。
その隙をオミクジワルドが見逃すわけもなく、残り3人にもムゲンミクジを放ち、なぜか飛んできた鳥に「ウン」を付けられた全員に項目冒頭の台詞を発して嘲笑う。

あら良かった、ウン(・・)が付いたじゃないの!!

何とか起死回生の手段を取ろうと、キュウレンジャーギアを使おうとしたものの、ギアトリンガーの蓋を開いてしまった結果、運勢が悪化してギアの操作ができず打開策は不発。
「蓋の開閉」を伴わない起死回生のゼンリョクゼンカイキャノンによる過去の戦隊召喚すらも、おみくじを引くトリガーと化してしまう。
それどころか……

【大凶】

そ、その3人は~~~!?

何の括りでしょう…?

取り返しのつかない、不幸に見舞われたヒーローチュン!!

えーっ!?
そんなパイセンいたの!?ちょっとナニコレ?ちょ、ナニコレー!?

あらあら何て運の悪さオミクジ~?アハハハハハ!!

運勢を大凶に固定された結果呼び出されたのはキレンジャー(2代目)、バトルコサック(初代)、イエローフォー(初代)という過去に戦いの中で殉職してしまったレジェンド戦隊3人組という組み合わせだった。
しかもコサックはいつの間にか強化服を脱いで生身となっており、キレンジャーもおみくじ(原典ではカンキリカッター)が脇腹に刺さったままカビカXが入った箱を持ち上げるなど、
原典で致命傷を負う場面を忠実に再現した3人をオミクジワルドは機銃で一斉攻撃。ゼンカイジャーもイエローフォーの爆発に巻き込まれてしまう。
完全にあきらめムードと化す中、おまけにゴールドツイカー一家は前カイでこの世界から旅立ってしまい、手助けを一切期待できないという不運も重なり、遂にゼンカイジャーを半ば完封。
自身の完全勝利目前までこぎつけてしまう。
しかし、マジーヌの占いで「超大凶」の運勢が浮かんだところ、逆にマジーヌのポジティブシンキングを刺激してしまい、形勢が逆転し始めることになる。

ぬっぬっぬっ……ヌアーッハッハッハ!ハーッハッハッハハッハ!!

自分の占いは外れるんだ…!

超大凶が出たって事は!ハチャメチャ大吉なんじゃーい!オリャーッ!

何を訳のわからん事を!!

はちゃめちゃ大吉の自分が、お前なんかに負けるか~!!

ポジティブシンキングだけを頼りにボロボロになりながら必死に独り戦うマジーヌの姿を見たことで、一時は心が折れかけていたゼンカイジャー達も再起。
結果、大凶により発生する不運を正面から受け止め、発生した不運イベントにオミクジワルドを巻き込む形で攻撃を仕掛ける
「不運に巻き込まれた際の勢いに任せた全力全開の捨て身の特攻戦術」という、理屈もへったくれもない予想外の奇策の前にオミクジワルドは圧倒され始め、

バカな…!私のおみくじに抗うなど…!?

人を苦しめる為に占いを使う奴は!滅びろ~っ!

その宣言と共に、ゼンカイジャー達が考案した即興必殺技「桃色の鮮烈」が必殺技を阻む悪運が発生する前にオミクジワルドに直撃。
威力に耐えられずそのままオミクジワルドは爆散した。


大凶!

チェックメイト!

……からの、超大凶ー!?


しかし、休む間もなくクダイテストが出撃し、ダイオミクジワルドが顕現。
ボロボロになり継戦できないマジーヌに代わってスーパーゼンカイジュランが戦うも、ダイオミクジワルドの運命操作能力の前に運よく完全回避された挙句、
運よく不発に終わったミサイルを投げつけたところ、運よくクリティカルヒットとなりスーパーゼンカイジュランは一撃で合体が解除。
全くの無傷のダイオミクジワルドは勝利を確信し勝ち誇るが…

……仕方ないね

ハーハッハハ……ああ?

ゼンカイジャーの苦戦を見かねたステイシー(に憑依した神)の介入により、オミクジトピアの力を奪われたことで状況は一転。
オミクジパワーが抜けて素体のクダイテストに戻ってしまい、ゼンカイジャーの怒涛の攻撃の前に呆気なく敗れ去った。


運が悪かったのは、俺かー!?ヌォオオオッ!!

一方、力を奪われたオミクジトピアは解放されることなく消滅
トジルギアは塩の塊のような白い粒子に変わり、塵となった。


【余談】

  • 本編では最後の新規造形のワルド怪人となった。

  • 東映公式サイトでは「最強=ゼンカイジャーが手も足も出ない=攻撃が出来ない、という強制力を持ったワルド」と解説され、「『最強のワルド』を作る」という意図的なコンセプトの下、設定されたとのこと。
    実際、ゼンカイジャーは結局ダイオミクジワルド相手に成す術はなく、「神さま」というデウス・エクス・マキナに等しい存在の介入がなければ倒すことはできなかった。
    そういった意味でも異例の怪人であり、強豪ぞろいだったワルド怪人の頂点に君臨する最強の怪人として呼ばれるに相応しい活躍を残したといえる。

  • なお、オミクジトピアを消滅させてしまった「神」だが、彼の目的を考えるとこの手段は不本意な苦渋の決断であったと思われ、事実砂と化したオミクジトピアを見て苦虫を噛み潰したような表情をしていた。

  • その戦闘力は、戦隊ファンや特撮ファンの間ではバカンスワルドと並んで、ゼンカイジャーどころか歴代スーパー戦隊シリーズ史上最強怪人候補とされている。
    ぶっちゃけ「ラスボスボッコワウス様より強かった」という意見も。

  • 上記の通り、「取り返しのつかない不幸」を経たレジェンド3戦士の死亡シーンをネタにした事から、前例同様ドン引きした視聴者も中にはいた模様。
    今回呼び出された3人は「作中で死んでしまったこと」に加えて死亡する展開が書かれた理由が演者の都合という大人の事情に起因する*2という意味での「取り返しのつかない不幸」ということから、「いくらなんでも悪ノリがすぎる」と本気で批判する声も少なくない。
    一方で、死亡シーンをわざわざ完全再現する程にいじり倒した事を「誰がここまでやれと言った」などと、ある意味で賞賛する意見も見られている。


運のいい方が追記修正よろしくお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年05月09日 21:17

*1 何かと何かの間に隙間が出来た時点で「開いた」ことになっている模様。

*2 キレンジャー2代目:初代の演者のスケジュールの都合による代役、バトルコサック:演者とテレビ局の不和、イエローフォー:演者の突然の失踪