冥響のオルケストラ

登録日:2022/01/03 Tue 10:48:00
更新日:2025/02/20 Thu 13:56:10
所要時間:約 30 分以上で読めます





『───私は、貴方を待っています。どうか、貴方の為に歌を』



冥響のオルケストラは、シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~の劇中作VRMMO「シャングリラ・フロンティアに登場するボスモンスター。
「七つの最強種」とも呼ばれる、世界に7体しかいない「ユニークモンスター」のうちの一角である。


概要

旧大陸を統べるエインヴルス王国の王都「ニーネスヒル」にある王城図書館のとある書物に情報が一部記されていたユニークモンスター。
その書物の記載も「津波を操り、炎を纏い、雷を落とし、怪物を従える」という曖昧な情報のみで、シャンフロのサービス開始後約1年間一度も遭遇報告が上がっていない謎に包まれた存在としてプレイヤー間で知られていた。

その実態は、新大陸の各地に出没する機械人形型NPC征服人形(コンキスタ・ドール)と、征服人形自身が持つ目的を前提として「プロトコル*1『オルケストラ』」を結ぶ「歌姫」と「楽団」の姿を取るモンスター。
現実を「浸食」する能力を持ち、ゲームの舞台「惑星ユートピア」において超常現象の基となっている「マナ粒子」の原理に反する事象を引き起こすことから、征服人形の一体・エルマ=317ことサイナをして正真正銘の「オカルト」と言わしめた。

長らく正体不明とされていたが、サイナの契約者・サンラクに「招待状」が進呈されたことで事態が動き出すことになる。


出現条件

  • 新大陸の各地に出没する機械人形型NPC「征服人形」と契約する。
  • 暫定規約に基づいた旧人類知識(神代に関する情報)の一定保有。
  • 規定ラインに到達する戦闘力の保有(隠しパラメータ「歴戦値」を一定以上にする)。
上記3条件を満たすことで、プロトコル「オルケストラ」の設定条件を満たすと見做され、契約している征服人形から「コンサート」への招待状が進呈される。
この招待状を受け取ることでユニークシナリオEX「あなたに捧ぐ旋律(ウタ)が発生、オルケストラと戦う資格を得る。

征服人形の案内で新大陸奥地の樹海内にある事務所(ドールフロント)に行くと、更にオルケストラへと続く「門」に案内され、触れると招待状を受け取った者のみが吸い込まれる。
ちなみに、同行していた征服人形はそのまま付いていこうとしても弾かれてしまう。
吸い込まれた先にある「劇場」の壁の音楽プレイヤーを調べ、プレイリストに唯一収録されている楽曲「エリーゼ・ジッタードール」の「Your Orchestra」を再生すると、オルケストラとの戦闘が始まる。


戦闘の流れ

第一~第四楽章

オルケストラとの戦闘は第一、第二、第三、第四楽章及び最終楽章の全5つの戦闘によって構成されており、第一~第四楽章については同じ内容。
この楽章で何をしてくるのかと言うと、現実に存在する「シャングリラ・フロンティア」のMS(メインサーバー)「リヴァイアサン」に格納されている挑戦者の過去の戦歴を参照して隠しステータス「歴戦値」の蓄積率が高かったエネミーをランダムで再現してくる。*2
要するに「『お前という物語』における強敵を抜粋したボスラッシュ」だが、厄介になるのが攻略条件にHPを削る以外の条件として「かつての自分の状況再現が強制される」こと。
再現内容は「部分的な要所の再現」に留まっているが、敵によっては長期戦に及ぶことがあるし、内容によっては過去に使用した武器、または同じ武器種が必要となり、装備やアイテムの不足により再現できない場合は攻略不可能となってしまう。

再現される戦闘でかつて共闘相手がいた場合は「共闘」までも再現される。
また、当人にあまり関係のない状況は再現されることはない。
一応、同じ装備を破壊する必要がある戦闘が連続する場合は考慮され、装備の状態が回復する。

各楽章の戦闘中は「歌姫」により再現内容をモチーフとした詩が唄われる。
これはその楽章のクリア条件のヒントの役割を持つ。


最終楽章


『───私は観測者』
『───私は歌う、歌う。私は問う、問う。』
『紡ぐ旋律は命の螺旋、叫ぶ歌声は大いなる問いかけ、語る言葉は英傑となる』
『───私達(コレ)は、貴方を見ている』
『───問いは、比較を経て結論に至る。だから、だから………!』
『───遠く、遠く、根無しの旅人。数多の世界を見つめる数多の眼。ならば貴方は「渡り鳥」………』
『…………』
『───立ち上がって、私の英傑。そして、歌うことしかできない私に代わって……』


───問いかけて。

第四楽章終了までの戦闘リザルトにより、現実のSS(サブサーバー)「オルケストラ」がMSに「正典」プログラムの使用を申請。
認可後、「オルケストラ」以外6つのSS間で決議を取り、その判定で最終楽章の内容が「正典」「偽典」に分岐することとなる。
「正典」に進む条件は、「シャンフロという世界の中で何を成したか」……例えば、何かを突き詰めて頂点になったり、例えば人と竜の絆を育んだり、例えば勇者としての武器を振るったり……そういう偉業が正典に繋がる。
なお、「偽典」と「正典」でユニークシナリオEXそのものに優劣はなく、どちらをクリアしてもワールドストーリーは進行する。

  • 偽典
「偽典」ルートに入るとプレイヤーの情報を基に生み出されるモンスターを倒すことになる。
登場するモンスターはWM(ワールドマスター)の継久理創世が仕込んだ嫌がらせ込みの法則性があり、対象が心の中で思っている「自分はこういうやつなんだろうなぁ……」という部分がモンスターデザインに組み込まれる。
「正典」が歌姫の独唱なのに対し、こちらはフルオーケストラで挑むことになる。

  • 正典(カノン)あなたに捧ぐ旋律(ユア・オーケストラ)
「正典」ルートに入ると舞台から演奏者が次々と退場。
「歌姫」はプレイヤーに二つ名をつけると、1人残った演奏者に二つ名にちなんだ仮面を渡す。

「歌姫」エリーゼ・ジッタードールの世界「羨望劇場」が展開される中、渡された仮面を装着した最後の演奏者は「再現体」としてプレイヤーの姿を形どり、プレイヤーに襲い掛かってくる。
この「再現体」はロード時点でのプレイヤーの装備を完全にコピーした上に、プレイヤーを上回るステータス調整*4が施されており、その上プレイヤーを徹底的にメタるための最適解を出し続ける
装備品の扱いは本人より上手い事もあり、今のプレイヤーにとって余分となる装備を持っていくと思わぬ扱いをされてしまう。

「再現体」はNPCであることから、プレイヤーと違って「肉体的な疲れ」とは無縁であり、疲労が原因の判断ミスは望めない。
第一~第四楽章の長丁場を越えた先で、プレイヤーはこの難敵に挑むことになる。
極めつけに、どうにか攻撃を掻い潜って「再現体」や「歌姫」に有効打を与えようとすると、どこからともなく楽器が出現し、有効打を防がれてしまう。(サンラク曰く、「忖度ガード」)
「再現体」は正攻法ではどう足掻いても攻略不可能だが、攻略にはどうにかしてオルケストラのリソースを削り切らなければならない。


攻略

必ず単独で挑むことになるため、事前の準備、それも装備品関係が重要となってくる。

第一~第四楽章(正典・偽典共通)

「過去の再現」を強要されるため、攻略条件次第では「当時使っていた系統の装備」が必須となる。
戦闘中の歌が今後望まれる展開のヒントとなっているので、何度でも挑んで覚えることが出来るのが救い。

最終楽章:正典

オルケストラのリソースを削る方法はただ一つ、「歌姫」が世界の維持に回しているリソースを「再現体」の保護に割かせる事で「世界」の主導権を奪取すること。
先述した「忖度ガード」がまさに「再現体」を保護するためのそれで、「忖度ガード」が発生する度に「歌姫」が「世界」を維持する力が弱まっていく。

ざっくり言うと、「HPゲージを持っているのは『歌姫』や『再現体』ではなく『世界』の方で、『忖度ガードを引き出す』ことで『世界』のHPゲージを削れる」くらいに考えれば良い。
その行動を引き出すにはユニークシナリオEXを発生させるために契約し、「事務所」に入る際に弾かれた「征服人形」をオルケストラの「劇場」内部へと持ち込む必要がある
征服人形が場にいる事で、オルケストラと征服人形の間で混線が起こり「再現体」のAIが弱体化、プレイヤー側にも勝ち目が見えてくる。
その状況を起こすためには、隠しダンジョンでもある恒星間航行(バハムート)級アーコロジーシップ「リヴァイアサン」「ベヒーモス」で入手可能な征服人形を収納できるアクセサリー*5を装備してあらかじめ収納しておくか、召喚転移系魔法最上位の「門魔法」を習得する必要がある。

アイテム完全コピーの「穴」として、「プレイヤー以外の人物」の所有物はコピーできない
このため持ち込んだ征服人形の装備がコピーされることはない。
また、特殊な例として、世界観的に特殊過ぎる装備もコピー不可の対象となる。
サンラクの装備では兇嵐帝痕(イデア=ガトレオ)(スペリオル)、そしてヴァイスアッシュに貸し与えられた災浄大業物「覇国兇嵐(アガトレオ)が該当する。

戦闘の流れは「前半フェーズ」「後半フェーズ」「最終フェーズ」に分かれる。
  • 前半フェーズ
「歌姫」エリーゼ・ジッタードールの世界「羨望劇場」を9割以上制圧することで、後半フェーズに移行する。

  • 後半フェーズ
「歌姫」が再度「世界」を5割制圧するので、前半フェーズと同様に戦う。
ただし「再現体」のCPUレベルがプレイヤーに対応される強化を受けているので、こちらも一筋縄ではいかない。
「世界」を9割以上制圧することで最終フェーズへ移行する。

  • 最終フェーズ
「歌姫」の世界がそれを象徴する物に集約する。
最終フェーズに入ると「再現体」への保護が行われなくなるので、「再現体」を撃破することで第五楽章攻略完了となる。

正典において「再現体」を倒した後、プレイヤーと征服人形はバー「マスカレード」に転移する。
そして、床に落ちている「仮面」を拾うことでクリアとなる。
……が、実は「正典」ルートにはいくつかの「選択肢」が存在しており、条件をすべて満たすと「トゥルーエンド」が解放される。

なお、正典トゥルーエンド以外のエンディング(偽典含む)に到達したプレイヤーは、「討伐報酬の仮面を招待状代わりに返却」という形で使用することで、難易度は上がるが再挑戦することが可能
そしてトゥルーエンドに到達したプレイヤーは獲得報酬の仮面を装備した状態で入場することで、いつでもバー「マスカレード」でエリーゼの歌を聞くことが可能となる。


報酬

  • 冥響正典(ユア・カノン):○○
正典ルートのクリア者に共通する確定報酬。正典での「再現体」が装備している仮面そのもの。
各プレイヤーのログを参照してサーバーAIが生成した、そのプレイヤー専用のユニーク頭防具。形状は「仮面」固定。
他プレイヤーへの譲渡不可、所有者のHPが0になると破壊され、HP1以上になると同時に復活する共通効果を持つ。*7
ただし、辿ったルートに応じて性能に制限が掛かるようになっており、全解放するためにはトゥルーエンドに辿り着かなければならない。

  • バー「マスカレード」のキープグラス
正典ルートのクリア者に共通する確定報酬。
サンラクは「世界観的なフレーバーアイテム」と認識しているが、Twitterの追加情報によると「絶対に破損しない条件付き無敵オブジェクトであるが、戦闘に使おうとすると非物質化する」とのことで、戦闘で役に立つものではない。
「酒がちょっと美味しくなる」というテキスト外効果がある。
その情報が明かされた時、シャンフロ酒飲み勢に電撃が走る……っ!!

  • 世界の真理書「冥響編」
ユニークシナリオEXに共通する確定報酬。
運営が想定していた攻略方法や背景ストーリーが記述された攻略本のようなもの。
クリアした最終楽章の内容によって「正典」と「偽典」の対応する方が獲得できる。
「偽典」は一見正確なようで、正体については起源も過程も書かれていない等、真相についてはぼかされた内容となっている。*8
また、正典の方も第五楽章の展開からボス戦の説明等で一部オンリーワンとなっている。


関連キャラクター

NPC

  • サイナ/エルマ=317
サンラクと契約している「征服人形」の一機。エルマ型317番機。
オルケストラ戦で呼び出されてオルケストラと混線して以来、自身のアイデンティティについて思い悩むようになる。

  • エリーゼ・ジッタードール
オルケストラと戦う前に触れることになる音楽プレイヤーに唯一楽曲が記録されている人物。
オルケストラのルーツを知るために、サンラクは彼女が何者かを知るために世界を駆けることになる。

  • アンドリュー・ジッタードール
シャンフロの世界観における重要人物の一人で、神代でのアンドロイド学の権威。
ジークヴルムの誕生に関わったジーク・リンドヴルムとは対照的なようで共通点も多いが、当人同士は「別に嫌ってるわけじゃないが徹底的にソリが合わない」という奇妙な関係性で関わっていた。

実は重度のドルオタであり、アンドリューが知った時には既にメンバーが天寿を全うしていたアイドルグループ「シュテルンブルーム」に傾倒。
技術交流時にメイドロボを見て、「推しのロボットを作って未来永劫その素晴らしさを保全したい!!」と考案。
首脳陣が死んでベヒーモスの代表になった際に、権力のゴリ押しでシュテルンブルームそっくりの人形……「征服人形」の大量生産ラインをベヒーモス内に製造した
最期は松永久秀よろしく大量の最推しを詰めた小型宇宙船と共に爆死。
神代史上最大の謎死因に、その時点で生き残ってた全員が「えっ」てなったとか。享年33歳。

  • ヴァイスアッシュ
ラビッツの長を務めるヴォーパルバニー。
オルケストラで「正典」に挑むことになったサンラクの苦戦を知っており、所有する三振りの災浄大業物の一つ覇国兇嵐(アガトレオ)を貸し与えた。
結局はこれ無しでもクリアは可能だったのだが、ヴァッシュ含むNPCのAIを司るSS達は「せっかく貸したんだから使わないなんてもったいない!」ということでわざわざ忖度ガードを追加発生させてまで使用を促した。


作中での活躍

旅する狼よ、大志を抱け

この時は情報だけが登場。
web版ではあとがきに記載されていたが、漫画版ではキョージュが語る形で紹介された。

響けグレイトフルレガシー

話が動き出すのは、世界的格闘ゲームギャラクシア・ヒーローズ:カオスでサンラクが「顔隠し(ノーフェイス)」としてアメリカの強豪ゲーマー、アメリア・サリヴァンとの激闘後になる。
久々にシャンフロに復帰したサンラクに対し、サイナからオルケストラの「招待状」を渡されたことでユニークシナリオEXが発生。
シナリオの発生条件が難しくないことから、クランリーダーのアーサー・ペンシルゴンと相談した上でクラン「ライブラリ」に情報を売った後、オルケストラとの戦いの舞台となる「事務所」へ向かう。

手探りの状態からオルケストラの戦闘に入り、特殊な勝利条件に戸惑うも第一楽章から第四楽章まで何とか初見で突破。
このまま初見撃破かと思いきや、最終楽章に登場した「再現体」の圧倒的な強さの前に敗北。
2回の挑戦でおおまかな「再現体」の実力を掴むも、このままではどうにもならないと悟る中、対抗策を練るために道場破りしたり、レイドモンスター「彷徨う大疫青」にルチャ叩き込んだり、アラバに話を聞いたり、新大陸の前線基地に出来た巨人族の居住区で英雄譚を語ったりとあちこち寄り道するが、目ぼしい解決策は見当たらずにオルケストラの元へ戻る。

情報を売ったライブラリの面々とやり取りをした後にオルケストラに挑むも、途中でインベントリアから呼び出したサイナの挙動が怪しくなり、戦闘行動に移れなくなる。
そのまま「再現体」との戦いになるのだが、「再現体」の動きが甘くなっていたことに気付いたサンラクは、事情は分からずとも千載一遇のチャンスとばかりに攻め込み、遂に決定打を打ち込めたと思ったその矢先……床から大量の楽器群が横槍として飛び出し、決定打を防がれてしまう
そのまま納得のできない事態を受け入れる間もないまま押し切られて敗北、入口に戻されたサンラクは中にいたライブラリの面々を無視し、エムルを拾い上げて事務所の外まで出ると、

「クソゲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

と心の丈をぶちまけ、サンラクはシャンフロからログアウト。
それから3日後、サンラク以外のプレイヤー(ライブラリのミレィ)によってオルケストラを攻略された事が、アナウンスで報せられることになる。

それから1週間後、即ちサンラクが最後にログアウトしてから10日後。
久しぶりにログインしたサンラクはキョージュ達の前に現れると、異様なハイテンションのまま巨人族の居住区で発見した「世界地図」を叩きつけ、さらに「1週間後の『祭り』に参加する為のファストパス」という条件でライブラリの全面協力を取り付け、オルケストラ打倒を宣言するのであった。

謳えスカイスクレイパー:上

話は巻き戻って前章の10日前、サンラクが叫んでログアウトした直後まで遡る。
攻略に全く糸口が見えなくなったことで楽郎は一時的に心折れながらも、オルケストラについて考えを巡らせていた。
そんな折、楽郎(サンラク)に想いを寄せる斎賀玲からの誘いで現実のゲームイベント「ジャパン・ゲーミング・エキスポ(JGE)」に参加するのだが、イベント会場でオルケストラが攻略されたことが発表され、少なからずショックを受ける。
ショック状態の楽郎を煽る合流した永遠と心配する玲に対し、気分転換も兼ねて1週間ほどシャンフロから離れることを宣言。
JGE後はクソゲーから良ゲーに変貌した事を知ったギャラクシートラベラーをプレイ。
その1週間で行われたプレイヤー間の大規模戦争に参加していたのだが、戦争の最終盤で得た閃きから、オルケストラはウェザエモンのように「倒せば終わり」ではなく、クターニッドのように正体(ルーツ)を知る過程で条件を満たさないと完全クリアとならない」相手であることを悟る。
そしてオルケストラの暫定本体が「音楽端末」であることから、オルケストラの正体を知るにあたって、その音楽端末の「持ち主」について調べることに。

久々に様子を見に行ったゴルドゥニーネの「分け身」であるウィンプを紆余曲折の末に「蛇の林檎」の料理人とした後は、オルケストラの正体を探るに当たって、ジークヴルムとの戦いの中でサンラクが開放した隠しダンジョン「リヴァイアサン」の攻略に着手。
当初はサバイバアル、後にサイガ-0、ヤシロバード、ルスト&モルドと合流して、怒涛の勢いでリヴァイアサン完全攻略を達成。
リヴァイアサン最深部で管理AIの「勇魚」に「オルケストラ」の暫定本体である「音楽端末」の詳細について尋ねるも、分かったのは音楽プレイヤーが「この星における神代の歴史の更に前、宇宙を旅していた頃よりも更に更に前、つまり地球から人類が逃げ出す前に作られた超超超骨董品」という情報だけであった。
そして暫定の持ち主と考えらえた「エリーゼ・ジッタードール」については、「ジッタードールについてはベヒーモスを当たってください」と回答を貰う。

謳えスカイスクレイパー:下

目的地のファステイアへ向かう途中のサードレマにて、ペンシルゴンとその弟のオルスロットとの間でひと悶着あったものの、ファステイアに眠っていた第二の「バハムート」こと隠しダンジョン「ベヒーモス」を解放。
オルケストラ戦の影響と「ベヒーモス」内における同型機の扱いから、自身のアイデンティティが揺らぐサイナをショック療法(金晶独蠍"皇金世代"(マブダチ)との死闘)で立ち直らせつつも怒涛の勢いで「ベヒーモス」を攻略、遂にアンドリュー・ジッタードールのラボに辿り着き、アンドリューの思考をトレースしたAI「アンサートーカー」のアンドリューと邂逅。
自分が創造主にとって望まれた「人形(ひとがた)」だと認められたサイナが「N」パッチを受け取る一幕がありつつも、音楽端末について聞いてみた所、エリーゼ・ジッタードールについては自身の叔母であること、音楽端末については「“愛着のあった道具”でしかなかった」と回答を受け、逆になぜ今もこれが残っているのかと質問を返されるなど、望んだ回答は得られなかった。

完全に手詰まりになったかと思いきや、突破口は意外な形でやってきた。
クソゲーフレンズである武田インゲン氏の頼みで「デスゲーム・リベリオン・オンライン」のβ版を玲とプレイした翌日、ゲームで盛大にバグった玲との会話で源氏物語に出てくる「六条御息所」の話となった時、サンラクの中でオルケストラの真相に辿り着く「仮説」を見出す。*9

「仮説」の正しさを証明するため、ライブラリのキョージュと毘猩々磐斎、そして協力者のエターナルゼロと共に、情報が眠っていると考えられる「ベヒーモス」の最奥に辿りつき、確証を得た後は準備を整え、遂にオルケストラとの雌雄を決する戦いに赴く。
対策を講じてなお強く、さらには初見となる「後半フェーズ」では「歌姫」としてサイナ(=エルマ型)の原型(オリジナル)である「エルマ=サキシマ」が登場。
サンラクの持ち札を総てぶつけ合う死闘となったが、遂に勝利。
バー「マスカレード」に転移後も、長年のゲーム勘から聖杯で女性化+バニースーツに着替えつつ、トゥルーエンドに辿り着き、「正典」の完全クリアを成し遂げたのだった。


『───私は観測者』
『───私は歌う、歌う。私は得た、得た。』
『紡ぐ旋律は命の螺旋、叫ぶ歌声に答えが返る、響く言葉に英傑を見た』
『───()は、貴方を見届けた』
『───問いは、比較を経て結論に至った。だから、だから………!』
『───遠く、遠く、明日を眼差(まなざ)す旅人。数多の世界を見つめる数多の眼。ならば貴方は「渡り鳥(ミグラント)」………』
『───さぁ進んで、サンラク。そして、人ならざれど人の輝きを持つ貴女も……』

───ありがとう。


シナリオクリア後の影響

サンラク以前にライブラリのミレィにより偽典が攻略された結果、ワールドストーリーが第5段階に移行。
新大陸の亜人種達の処遇に関する問題で父王トルヴァンテを失脚させてエインヴルス王国の権力を握った新王アレックスと、王位簒奪を認めないサードレマ大公との間で内戦が勃発。
各街の領主達は新王派と大公が庇護する旧国王派に分かれ、戦力として開拓者(プレイヤー)を巻き込んだ大規模PvPイベント「王国騒乱」が開催されることになった。

一方、サンラクの方は大問題が発生。
ライブラリの協力の見返りとして、先日全プレイヤーに配布された配信用アクセサリー「別天津の隕鉄鏡」を用いた「冥響のオルケストラ正典ルート攻略のプライベート生配信」を実施していたのだが、これが設定ミスによりパブリック配信となっていた。
ミレィ達は直ぐに気づいたものの、攻略中のサンラクにこの事実を伝える術はなく、事態を察知したディープスローターにより配信ページのURLがネット上に大規模拡散。
結果、該当のライブ配信「オル検証」は同時接続300万人以上を記録、生配信のために作った映像チャンネルSun(サン) Luck(ラック) Channel」は登録者数56万人に達することに。
なお、クリア後のストーリーのネタバレ部分に関しては規制処置がされていたため配信されていない。

想定外すぎる事態を知らされたサンラクからはオルケストラ戦の余韻や達成感など軽く消し飛び、外道仲間から大量の煽りメールが届く中、頭を抱える羽目になってしまうのであった。
一方、レベル150になったことでサンラクにサブジョブ「神秘(アルカナム)」をもたらしたNPC「覚醒の導師アーカヌム」が登場し、「神秘」の効果をひっくり返してしまう「逆位置イベント」が発生。
これが後々足を引っ張ることになるのだが、それはまた別の話。


オルケストラ攻略の様子が大規模で配信された結果、これまで噂程度でしか伝わっていなかったサンラクの変態性プレイヤースキルや未知の武器達が周知された他、攻略後のバー「マスカレード」での「バニーガールとなったサンラクの衣服が、最後に(刻傷の効果で)破裂したシーン」については「BB」Bomber(ボンバー) Bunny(バニー)の略称)としてMAD動画が作られるほどのインパクトを与えた。

加えて、キーパーソンとしてゴリゴリに目立っていたサイナがネット上で絶大な人気を獲得。
征服人形の中でもサイナと同型である「エルマ型」の人気が爆発的に高まり*10、こちらも海外で「ID」Idol(アイドル) Doll(ドール)の略称)として切り抜きのMAD動画が作られるほどだった。
時間的に視聴していた大半が海外の視聴者が多かったらしく、世界規模で「おすすめ動画」のトップ画面に出てきたとのこと。
シャンフロは日本でしかプレイできないため、わざわざサイナと会いたいがために日本へ渡った剛の者も現れることとなった。


設定



余談

  • 各楽章について
第一~第四楽章については、サービス開始前の段階ではWMである継久理創世の意向で「当時の性能据え置き」としていたが、天地律が頑張ったことで「部分的再現」にナーフされた。
最終楽章の「正典」シナリオだが、実はサービス開始前の段階では律によってオミットされたはずのモードであった。
「シナリオを進行させていく」という戦闘方式が特殊すぎてゲーム向きじゃないのと、単純に難しいのでカットしたのだが、創世はこのことを根に持っており、ジークヴルム戦後にシャンフロのデータをいじくる中で「正典」シナリオを復活させた。
最終楽章の「偽典」についてだが、こちらは「新人類の強さを神代以前人類の意思に見せる為」という目的があるとのこと。

  • 旅狼メンバーがオルケストラに挑んだら

  • 主要プレイヤーのオルケストラ偽典If



追記、修正は契約した征服人形から招待状をいただいてからお願いします。

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  • 主人公の天敵
最終更新:2025年02月20日 13:56

*1 コンピュータでデータをやりとりするために定められた手順や規約、信号の電気的規則、通信における送受信の手順などを定めた規格のこと。身近なものとして、インターネット接続に用いるTCP/IPや、Web閲覧などに用いるHTTPなどが該当。

*2 ただし、プレイヤーへの影響が少なかったことは再現されない。

*3 厳密に言うと当時レベル50以降のステ振りをしていなかった。ちなみに当時レベル99だったペンシルゴンの場合はがっつり影響を受ける模様。

*4 サンラクの体感だと「約2割増」。

*5 具体的には「収納鍵チェストリア」並びに「格納鍵インベントリア」。

*6 言わばコンサートのアンコール待ちに相当する時間経過が必要。

*7 つまりPK・PKKで略奪されることはない。

*8 ミレィ曰く、「速さ重視の突貫工事で作られた攻略本みたいないい加減さ」。

*9 なお、この時ヒントをくれた玲に感謝したのだが、玲はその言葉がきっかけで高熱を出した。

*10 「サイナとは別のエルマ型に花束抱えて求婚した」「エルマ型と契約した人がRMT持ちかけられた」「前線拠点にアイドル活動しに来たエルマ型に半裸の群れが群がり、全員がうっかりサイナちゃん呼びして全員フラれた」というエピソードも多数生まれた。