聖園ミカ(ブルーアーカイブ)

登録日:2023/02/02 Thu 00:39:02
更新日:2024/03/13 Wed 20:46:11
所要時間:約 22 分で読めるじゃんね?




※当記事は性質上、ネタバレ避け部分以外でもメインストーリーVol.3「エデン条約編」のネタバレをいくらか含みます。





「もうちょっとこう、アイスブレイクとか要らないの? ちょっとした小粋な雑談とかは?
天気が良いですねとか、昨日は何を食べたのですか、とか。そういうのは挟まないの?
ほら、ティーパーティーって、基本的には社交界なんだし?」

聖園(みその)ミカは、ゲーム『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』の登場人物。

【人物】

学園:トリニティ総合学園(3年生)
部活:ティーパーティー
年齢:17歳
誕生日:5月8日
身長:157cm
趣味:おしゃべり、アクセサリー集め
CV:東山奈央

トリニティの生徒会組織「ティーパーティー」の生徒会長3人のうちの1人で、「パテル分派」のリーダー。

無邪気で自分勝手、衝動的でズケズケとものを言う。可憐な容姿と相まって、さながらおてんばなお姫様。
「ティーパーティー」トップの他2人、理知的なナギサとセイアとは対照的に、この立場に求められる政治は明らかに不向きな人物。
ナギサ曰く「ミカさんは政治的には基本アレですし」
なお、天然のカリスマ性で特別慕われている的な感じでもない。
もっとも、決して頭を使えないわけではなく、とにかく前述したような性格面がネックなのであろう。
ナギサとは十年来の幼馴染であり、「ナギちゃん」と呼ぶ。仲は良いはずではあるが、ミカの奔放さにナギサがキレるのがお約束めいている。
セイアとはそういった縁はなく、友達は友達であるが、小難しく回りくどい言動などからさらに相性が悪く、いがみ合いがちなところがあった。

一方で、武闘派には程遠い2人とは対照的に、戦闘能力は高いらしいが……?



【メインストーリーにて】

「エデン条約編」1章の冒頭にてナギサと共に、先生に「補習授業部」を任せる件についてナギサがほとんど説明をする。

補習授業部から脱出するための第一次試験を案の定失敗した直後、先生はナギサに補習授業部の真の目的について聞かされる。
その後、補習授業部の「合宿」の最中、先生のもとにミカが現れ、秘密の話を始めるのであった。

+ 以下、エデン条約編4章まで順次ネタバレ
“私は、生徒たちの味方だよ。”

「あ、あのさ……っていうことは、その……。
先生は一応、私の味方でもある……って考えても良いのかな?
私も一応この立場とはいえ、生徒に変わりはないんだけど……。」

“もちろん、ミカの味方でもあるよ。”

「……わーお。さらっとすごいことを言ってのけるね、先生……。」

ミカの口から語られるのは、自分が先生を補習授業部に招いたこと。
ナギサはエデン条約を締結させることで、強大な権力と武力を握ろうとしているのだということ。
かつてトリニティ内部で決定的に対立し、排斥される結果となった「アリウス分派」の存在。
ナギサが補習授業部を使いあぶり出そうとしている「トリニティの裏切り者」は白洲アズサであり、
ミカはアリウスとの和解の可能性があるということを証明するため、「和解の象徴」となるべき者としてアリウスの生徒である白洲アズサを転入させた当人であること。
入院中とされていたセイアは、首謀者は不明だが実は何者かにヘイローを壊され殺されたこと。

それらの情報を提示したうえで、2人の食い違う証言のどちらを信じるかは先生に任せると言い、その場を去る。



それから色々あって、最後のチャンス、第三次試験前日。
アズサは、自分がアリウスから来て、だがその真の使命はミカの意思に背いてのナギサの暗殺であること、
そして自分はアリウスの意思にも背き、試験と同時刻に行われるナギサの暗殺を阻止するつもりであることを明かし、
補習授業部はアズサと共に、自分たちが先にナギサを「襲撃」して身柄を確保。
そして予定通り暗殺に来たアリウスに対応しつつ正義実現委員会を呼び込んで事を収める……という計画を実行する。
その計画は、ナギサの確保、アリウスの迎撃までは上手く行っていたが――


「やっ、久しぶり先生。また会えて嬉しいな。」
「今日は学園が静かだったよね。
正義実現委員会以外にも、邪魔になりそうなものは事前に全部片付けておいたの。
ティーパーティーの命令が届く限り全てのところに、色んな理由をつけて足止めしておいたから。
ナギちゃんを襲う時に、邪魔なんてされたら困っちゃうもんね。」

「まあ簡単に言うと、黒幕登場☆ってところかな?」


その動機は、「ゲヘナが心底嫌いだから」――両校の和平条約であるエデン条約の締結などまっぴら御免だった。
アリウスをバックにつけ、厄介な予知夢の能力を持つうえ政敵となるセイアを(殺すつもりではなかったと言いつつ)排除。
実権を持つ現「ホスト」のナギサに対するクーデターを起こし、実権を握り、ゲヘナとの全面戦争を引き起こす――

しかし、ハナコが正義実現委員会だけでなく、身を切ってシスターフッドにも話を通しておいたことで計算が狂う。
自身とアリウスの一般兵のみで一大武装勢力であるシスターフッドまで相手にするのは容易ではなく、押し込まれる。
……もっとも、実際のところは「おそらくツルギとも渡り合える」=学園最強クラスの個人戦力であるミカを相手取るならこれでも油断ならないと言える状況だったようだが……

その時ハナコから、セイアが実は殺されておらず(意識不明の状態だが)、安全に配慮して身を隠しているだけであることを告げられる。
それを知って安堵したように、戦意を失って降伏。

「やっぱりシャーレを巻き込んだのが、私の最大のミスだった。うん、でも……」

“もちろん、ミカの味方でもあるよ。”

「……あの言葉を聞いた時は本当に、本当に嬉しかったんだ。あの時、もし……」
「……ううん、やっぱり何でもない。バイバイ、先生。」

そうしてミカは罪人として連行されていった。



3章「私たちの物語」

投獄されたミカは全ての罪を認め、「全部自分が感情のままにしたことだ」という態度をとり続ける。
しかし、親しいナギサや多くの情報を知るハナコには、その態度は腑に落ちなかった。
ゲヘナ憎し、それだけでこれほどのことを実行するのだろうか。
お互い友情があると信じていたナギサには、ミカにそう言われても決して鵜呑みにはできず、

「最初は軽い気持ちだったのに、アリウスがセイアを殺してしまったことで、思い詰めて行くところまで行くしかなくなったのでは?」
「ナギサ襲撃の時にわざわざ姿を現したのは、ナギサも殺してしまう可能性を阻止したかったからでは?」

そんなハナコの問いをミカは一笑に付す。


事は進展しないまま、エデン条約締結を妨げるアリウスによる攻撃が始まる。
大規模攻撃でナギサが消息不明となった混乱に乗じ、ティーパーティーの主戦派が対抗勢力を制圧。
そしてこの状況で唯一宣戦布告の権限を持つミカを担ぎ上げ、ゲヘナとの戦争を始めようとするが、当のミカは――

「でもさ、今の私はあんまりそういう気分じゃないんだよね。だから悪いんだけど、帰ってもらえるかな?」

「私は私の気分とか気持ちの問題で、ゲヘナが嫌いなの。そのことの何が悪いのさ。
別に、その裏に隠れた理由とか目的なんて無いんだよ?」

「お耳掃除でもしてあげようか? 命令されなきゃ憎むこともできないの、って言ってるの。」

まさかの反発に激昂し、彼女らから暴行*1を加えられるが、偶然そこに居合わせたコハルが果敢に割って入り、続いて先生が現れたことで事なきを得る。
なぜ彼女らの提案を拒んだのか。そう先生に問われ、ミカは自分の中の不可解なところに気がつき、過去を振り返り始める。

「え、意図? 別に政治的な利益っていうか……だって元々は、同じトリニティでしょ。
直接自治区に行ってさ、『仲良くしよ?』って言ってみようよ! ほら、みんなでお茶会でも開いてさ!」

君は自分勝手だ。あんまり何も考えていないうえに衝動的で、欲張りで、時に自傷的な……
そんな君のことが、私は好きではなかったかもしれない。

(セイアちゃんが、死んだ……?)
(……何で? どうして? 何がどうなって、え、何でそんなことに……?)
(どうして? バカなの? だって、私は……)
(あれ、私……私、どうしてセイアちゃんを襲撃してって指示したんだっけ……?)

(……ああ、そうだ。私は、ホストになろうとして……)
(そう、ゲヘナのことが嫌いだったから。嫌いなものは嫌いだったから。
ナギちゃんも条約とか、何か変なことをしようとしてるし)

(だから、だから……
こうしているために、そしてゲヘナを一掃するために、これくらいの犠牲は仕方のないことだった)
(そうだった、はずなのに……)

「ごめん、セイアちゃん…………。どうして、こうなったのかな……。
ごめん……ごめんね……。こんなにバカで、ごめん……。」
「先生……私、セイアちゃんに会いたい……。ナギちゃんにも、もう一度会いたい……。
こんな私じゃ、もうダメかもしれないけど……。」

……とにかく私は、君を許そう。
そして私もまた、君に許しを乞わなくてはならないのかもしれない。
私たちはもう一度お互いに伝え合って、それで……もしかしたらその先は……

“……任せて、ミカ。”

その言葉と共に先生はその場を去り、事態の解決に向けて動き出す。
ミカはここで物語からは退場し、エピローグでのみ登場。
ナギサに向けられた手紙には監獄を快適に過ごすためのリクエストが並び立てられており、ナギサをキレさせた。



4章「忘れられた神々のためのキリエ」

なにやら全部上手く行きそうな雰囲気を漂わせた3章のエピローグであったが。
結局、トリニティ内部からの「公共の敵」レベルの悪評は留まることなく、監獄暮らしの間に私物は荒らされ焼却される有様。
そしてミカも、聴聞会(という名の査問会)という場を与えられても釈明どころか出席の意思すらない。
周囲の人間がいくらミカを救いたいと思っていても、本人がこれではどうにもできない。

「……お待たせ。礼拝の時間だったの。今日は賛美歌を聞く日。
ここでも礼拝だけは必ず参加しなきゃいけないなんて、ちょっと過酷じゃない?」

「そうかな? 聞いてて退屈じゃない? 『ご慈悲を』とか『憐れみたまえ』とか――
Kyrie eleisonなんて、名前も気に入らない。どうして見えもしない存在に縋らなきゃいけないの?」

聴聞の前日、ミカと面会した先生は、ミカを強く自罰的にさせている最大の要因は「セイアには決して許してもらえないから」だと理解する。
実際にはセイアは和解を望んでいるし、セイアと会話できる機会はあったのだが、行き違いでその意思を示せていなかった。
セイアと改めて話せるよう取り計らうことを約束し、療養中のセイアのもとに向かった先生は、彼女が見たという「ゲマトリアが引き起こすと思しい、世界の終焉を告げる事件の夢」のことを聞かされつつ、ミカと会うよう伝えた。
だが、セイアがしばしの眠りについた瞬間、夢の中でゲマトリアの会談にアクセスするという突然の事態が発生。
深入りするリスクも承知で情報を探ろうとするが、ベアトリーチェに察知され、攻撃を仕掛けられてしまう。

……その直後、セイアのもとに呼ばれ現れたミカ。
切羽詰まったセイアは本来の目的を忘れ、今起こったことについての話を一方的にまくし立てた。

「君が、アリウスに接触したことによって……。
先生が……スクワッドに狙われている……。

君が、先生を連れてきたから……!」

「……いや、君のせいではないな……済まない。」
*2

その言葉を最後にセイアの意識は失われ、ベアトリーチェのもとに縛り付けられてしまう。

……というわけで、「傷つけられたのは過去のことだと、罪を赦すことを示す」ために呼んだのに
いくら不可抗力とはいえ「目の前で危篤の状態に陥り、罪を糾弾する」という大チョンボが炸裂。
本人もこのシーンの裏で「私は君にまた同じことを」「これは私が招いた失敗」って即認めてるので……

犯人は! 聖園ミカですか!? あの魔女が!!
待ってください! ミカ様は何も……。
彼女がセイア様の部屋を訪ねたからこんなことが起こったのではありませんか? あの女が何かをしたに決まっています!
やめなさい! 今ここで争ったって……!?
人殺し! この魔女め!! 出てきなさい!!

――恐れていたような状況に晒されるミカ。
セイアへの罪に悩み、セイアが無事だったことを最後の拠り所にしていたミカの心は、壊れてしまった。

「私がバカだから、アリウスに……『アリウススクワッド』に……サオリに利用されるばっかりで……。
そのせいで……大切な人たちを傷つけて、怪我をさせてしまって……これじゃあまるで……。」


魔女め!!



「……なんだ、考えてみたら簡単なことじゃん。
……『アリウススクワッド』の錠前サオリ……
すべては……。あの女が元凶なんだから。」

「……そうだね。こんな結末になるくらいなら……私、何をすればいいのかわかったよ。
私の大切な人たちがこんな目に遭っているのに、錠前サオリだけ安穏と過ごしてるなんておかしくない?
うん、そう。そうだよ――あの女も……。
私が奪われた分だけ、同じように奪われなきゃ不公平でしょ。
あの女の大切な人も、同じように……全部。」

――そう言って、ミカは晴れやかな笑顔を浮かべた。

「ぐあっ!」
「な、なんだ……!? 壁が……壊れた!?」

「ごめんね~★ えーっと……私の銃、どこだっけ………。
あっちだっけ? さてさて、行くとしよっか。」


「か、壁を……素手で……?」「……み、聖園ミカ……聖園ミカが……。」
「聖園ミカが脱獄した!!」

何やってんだミカァ!!
トリカスざまぁ


……ところで、キヴォトスの住人はこと耐久力に関してはおおよそまともな物理攻撃で死ぬことはない超常性で描かれる一方、
同時期にサービスインした某娘さん方と対照的に)身体能力に関しては、通常は我々の常識が通じる人間の範疇で描かれる。
四六時中起こる破壊活動はあくまで火器や機械をカジュアルにぶん回すせいで、決して素手で建造物の壁を盛大にぶっ壊せる世界ではない
ただし、特殊能力として超人的身体能力を持つ場合も存在し、おそらくはミカもそれに該当するのだろうが、
その典型例である若葉ヒナタは「怪力である」とわかりやすく示すように描かれているのに比べてミカは特に説明や言及もなく暴れ回る




その頃、憎きサオリは――大切な人、スクワッドの「姫」こと秤アツコを救うため、先生とスクワッドの仲間と共に、アリウスの同胞とベアトリーチェに立ち向かう決死の作戦に臨もうとしていたのだった。
そんな一行が予期するはずもないミカの存在により、事態は混迷を深めていく。



アリウスの「協力者」だったミカは、関係者以外には一切伝わっていないアリウスへの出入り方法も実のところ熟知していた。
戦闘パートにて、普通に攻略してボスユニットと対峙した直後、横道からミカが現れ、残りHPたっぷりのボスをワンパン射撃一発で葬るという衝撃的な演出で登場する。
ついでに言うと、ミカの3D(SD)モデルが見られるのはここが初めてのことだったのでそういう意味でも衝撃。*3

「聖園、ミカ……。」
「悪役登場☆ってところかな! ……まだ覚えててくれたんだね?
会えて嬉しい……って顔じゃなさそうだけど、どうしたの?」


「そんな、魔女でも見たみたいな顔しちゃって。」

To Be Continued...


休む間もない強行軍で消耗しているとはいえ、スクワッドの3人を圧倒するミカ。
しかし、遅れて来ていた先生と対面し、想定外の事態に動揺。一行はその隙に離脱する。
追撃に来たアリウス部隊を白兵戦でしばき上げてから今のスクワッドの立場を知りつつ、第三勢力として好き放題に動いていく。

そして、アリウス自治区侵入後に再び遭遇。
先生の指揮するスクワッドを倒すためのアイデアが浮かばないので「とりあえず一回ぶつかってみようかな」という脳筋な理由で交戦し
その見込み通り、先生の指揮下かつ3対1の正面勝負では敵わなかった。

「わ、私は……悪党だから……人殺しだから……。
だから……私に残っているのはこんなものしか、ないの……。
なのに、あなた達は……どうして?
私は大切なものを全部失ったのに! ――ぜんぶ、奪われたのに!!
あなた達は……どうして?」

その場で号泣しながら感情を吐露し、「だから先生、私を止めないでね」と告げて死んだ目のまま立ち去っていく。
撃退は十分できても鎮圧は無理なことがわかる

目的地のバシリカに続く地下回廊、待ち伏せには絶好の場所で、ミカは爆破工作による地形破壊・分断という手を使って再度仕掛ける。
待ち構えるミカの方に残ったのは、サオリ1人だった。

先生の指揮下でなければ3人でも敵わなかったミカに、1人では到底敵うはずもない。
だが、サオリは合流を拒否。アツコの救出が至上目的だと告げて先へ向かわせ、覚悟を決め単身で抗うが、あえなく倒れる。
朦朧とした意識の中でサオリが呟いていた「アズサに聞きたいこと」について興味が湧いたミカが尋ねた。
和解の象徴」アズサ。
今のミカは「先生を騙すための方便」だと思い込んでいたが、かつて先生に語った通り、それは確かにアリウスに単身乗り込んで対話を試みたミカが提案したことだった。
ベアトリーチェによってあえなく握り潰されてしまったが、ミカの無垢な提案がサオリの心の隅から消えることはなかった。
そうして「スパイ」として送り込まれたアズサは、様々なものに抗い、人並みの幸福を勝ち取ってみせた。
そんなアズサに「私も、お前のようになれるのだろうか」と問いたかった……が、もはや諦めはついた。

「……ミカ。もう、この有様だ。
――好きにするといい。お前が奪われた分だけ、奪うといい。
優しい心を持っていたお前を……憎悪の『魔女』にしてしまったのは、他でもない私なのだから。
私は他人からたくさん奪ってきた……これで少なくとも公平になるだろう……。」
「ああ……この役目が来るとしたら、アズサだと思っていたのだが……お前だったんだな、ミカ。」

ミカは撃てなかった。
サオリの言葉に、自分を重ねてしまったから。
取り返しのつかない罪を重ねた、やり直すチャンスなんてない、そうどれだけ言い聞かせていても、「赦し」を諦めることはできず。
ここでサオリを罰すれば、すなわち、自分にも救いはないと証明することになってしまう。

そこに、サオリの言葉を無視して助けに駆けつけた先生(とスクワッドの2人)が現れる。

“そうだね――ミカは悪い子だ。”
“人を騙し、己を偽り。人を傷つけ、己を痛めつけ。”
“そんな事をしておきながら、結果を受け入れる事ができずに泣いてしまう――そんな子だ。”
“でも、和解の手を差し伸べようとする優しさも持ち合わせているし、嫌われる事を恐れて自傷してしまう、不安定な子供でもある。”
“ミカは魔女じゃないよ。ミカは、人の言う事を聞かないだけの不良生徒だ。”
“だから――ちゃんと、話を聞かせてほしいな。”

“ミカ、サオリ……一度や二度の失敗で道が閉ざされるなんて事はないんだよ。”
“――この先に続く未来には、無限の可能性があるんだから。”
“チャンスがないというのなら、私が何度だって作るよ。
――生徒が未来を諦める事なんてあってはいけない。そういう事は、大人に任せて。”

先生がそう諭した直後、ベアトリーチェが動き出す。
予定されていたはずの日の出までというタイムリミットを蹴り飛ばし、一行を葬るべくユスティナ聖徒会の「聖女バルバラ」という虎の子の戦力を投入。
桁違いの戦闘力を持つそれの前に立ちはだかったのは、ミカだった。
サオリたちに与えられた大切な人を救うチャンスを守るため、単身、バルバラと聖徒会という不滅の軍勢を相手取る。
なお、ここも戦闘パートで、攻略中に掟破りの後方から現れるバルバラの前にNPCのミカが出現、交戦しているうちに戦闘終了というイベント戦闘演出が入る。

戦いを続けるミカは、偶然、聖歌隊室に足を踏み入れた。
「魔女がハッピーエンドを迎えるお話なんてどこにもない」と自嘲しながら、サオリたちを助けようと思った気持ちを顧みる。

「だから……アリウススクワッド。あなた達のために、祈るね。
いつか……いつか、あなた達の苦痛が癒える事を――
やり直しの機会を希うのと同じように――
あなた達に、未来が……次の機会がある事を――
だから、私は……――あなた達を赦すよ。
それは互いが公平に不幸であることよりも、もっと良い結末だろうから。」

起動しようとして動かなかった蓄音機が、気まぐれに音を奏で始める。

「あなた達は通れないよ。この先にあるのは、救済の戦いを繰り広げる主人公の舞台。
私たちみたいな悪役には許されていないの。さあ、先生――あの子たちを救ってあげて。
ここは私が食い止めるから。」

―Kyrie Eleison

―Kyrie Eleison
―Kyrie Eleison

(※2023年10月のアップデートからはこのシーンにミカがボイスつきで歌う演出が追加されている)



一方の先生とスクワッドはベアトリーチェを打倒し、アツコの救出に成功。
全てが終わり「この先」のことを考え始めたスクワッドを置いて、先生はその場を立ち去った。

不滅の軍勢を相手になんと日の出まで持ち堪えていたミカだったが、さすがに限界が近かった。
観念するミカのもとに――先生が駆けつける。
ミカが戦い続けても倒すことのできない相手に、無謀とも思える行動だが……

「先生、お願いだからやめて!
私はそんな価値のある存在じゃないよ……今からでも逃げて……!!」

“ミカは問題児だよ。”
“でも、問題だらけの不良生徒だとしても……。
危険に晒されている生徒に背を向ける先生なんて、どこにもいない!”

大人のカードを取り出す。

“……私の。”

“私の大切な生徒に何してるの!!”
“私の大切なお姫様に何してるの!!”

本作における先生の発言選択肢は基本的に「両方言ってるor同じこと言ってる」スタイルで選択肢になってないのだが(※当記事でも一緒にして記載)、
ここにきて突然、謎の2択が発生する。

ちゃんと変化もあり、「生徒」を選んだ場合はミカのリアクションが驚きの表情の「!?」になり、
「お姫様」を選んだ場合は赤面表情で沈黙の後「……わーお。」というものになる。
ちなみにここのエピソードタイトルは、間をとって「大切な人」である。

そうして「大人のカード」を行使してバルバラを打ち破った後、トリニティの主要戦力による援軍と共に現れたナギサと
とある代償を払いながらも回復したセイアと再会し、改めて和解の言葉を交わす。
そして、取り戻せるものの存在と証明するかのように、コハルが燃え残りから密かに回収していた私物のアクセサリーが届けられる。
夜は明けた。ミカはボロボロで人前に出せる姿ではないが、すでに当日となってしまった*4聴聞会への出席を準備するのであった――


やっぱすげぇよミカは

  • 戦闘シーンにおいて、「射撃を微動だにせず受ける→反撃」という演出が何度も出てくる
  • 自称では2章から一貫して「結構強い」
  • バルバラとの交戦シーンではミカとバルバラのHP減少速度が互角
  • 死亡フラグビンビンの展開をやってジリ貧ながらもしぶとく耐えてる
  • 実装後のセリフでは「力が足りないって思ったことはないけど」
  • 明らかに豊富な表情差分 曇り顔とか絶望顔とかガンギマリ顔とかそういうのばかり目立つが


+ 最終編(主に2章まで)ネタバレ
「あまねく奇跡の始発点編」のオープニングパートでは、罰則は事実上「ティーパーティーとしての特権の即時剥奪、後任が決まり次第代表から解任」のみ、という判決が下されたことが描かれる。

連邦生徒会が観測した、キヴォトスに出現した超高濃度エネルギー体についての非常対策委員会に(まだ代表扱いなので)招集される。
が、先生が事情により不在なこともあり話に興味は示さず、セイアの話を無視して居眠りをかますゲヘナのマコトに「もっと深い眠りに」と称して椅子引きを仕掛けようとしたりしていた。

そうして出現した「虚妄のサンクトゥム」に対しては、仕切りはナギサとセイアに任せて直接戦闘要員として参加。
正義実現委員会と共にトリニティの防衛にあたるが、避難誘導をしていたはずのコハルが避難できていなかった市民を守るため単身で戦う状況に陥っていることを聞きつけ、誰よりも早く駆けつける。

「へっ、か、壁が……?」

「コハルちゃんがここに居るって聞いて、ダッシュで来ちゃった☆」

「あ、えっと……そ、その……ティーパーティーの……」

ま た 壁 破 壊 か
もっとも今回はすでに武装状態であるし、どのようにして壁を壊したかは不明だが、「最短距離」で壁を次々にぶっ壊して来たのではとネタにされている
この時の背中で語るが如しスチルは、お姫様でも魔女でもなく完全にヒーロー。
間に合いはしたものの、コハルの怪我(本人曰く擦り傷程度)を見て――

「あなた達が、やったんだ……本当さぁ……もう……」

「……私の大切なお友達(・・・)に、一体何してるの?」
!?

いつものキマった目になったミカとコハルを操作しての戦闘に突入。
一連のストーリーでは様々な生徒を使って戦闘することになるが、コハルも含めて、基本的に強キャラから一般人まで関係なく「★3・Lv65」というステータスに設定されている。
ところがミカは、★5・Lv83。ちなみにLv83は「最終編実装直前までの最大レベル」である。
それどころか、普通ならタンクでも2,3割程度は回復できる回復量があるコハルの回復を当ててもHPが数%程度しか回復しないし、
本来スキルLv1で「810%」、最大のスキルLv5で「1540%」であるEXスキルのダメージ倍率が「2391%という異常な数値になっている特別仕様。
本来なら2人なのでかなり遅くなるコスト回復も非常に早く調整されているため、オーバーキルを超えたオーバーキルで次々と敵を溶かしていくミカを見ることになる。やっぱすげぇよミカは……

遅れて駆けつけた副委員長ハスミとは立場上やや気まずい関係だが、コハルを助けたことについて率直に礼を言われ、驚きつつその場を立ち去った。


以前自分が先生にされたのと同じようなシチュエーションで、同じような台詞を(その時に「お姫様」に喩えた)コハルに言い放ったミカ。
だが、コハルの方はそのリアクションからして「友達」どころかただの「ティーパーティーの聖園ミカ様」という認識でしかないことが覗える。
それもそのはずで、作中で対面しているのは「2章で黒幕登場した時」と「3章でミカが助けられた時」の2回だけであるし、
しかもこの2回の中ですら2人の間に会話と呼べるほどのものはないため、行間を考慮しないと実質ここが初会話まである。
3章の時もよく見ると会話の流れ上2人の台詞はモブか先生に向いたものばかりなのだ。
ろくに話したこともない、2度にわたり救ったのは「正義感」からで、地位に凄まじい差もあるコハルにしてみれば友達だなどと思うはずがなく、ミカが一方的に想いを募らせている構図なのであった。
ミカ自身も十分に分かっているためか、助けた際も無事を確認したらまたねとさらっと別れたあっさり具合であり、ミカ側からもフレンドリーな程度に収まっている。


3章から始まる最終決戦には同行せず、地上で先生の帰りを待つ組となった。
だが、4章連動イベントのレイド戦にてその性能(+フレンドの生徒を借り放題な仕様)により大活躍していたため、ミカと一緒に戦ってた気がすると証言する先生も発生した。









【性能】【……性能は!?】

さて、このように「悪い子」ながら、エデン条約編において非常に注目を浴びるキャラであったミカだが……


プレイアブル生徒として実装されなかった。

全然。一向に。



2章(21年11月)はともかく、クライマックスと思われた3章が実装されても(22年1月)。
ちょっと待ってみても。
4章の前編が実装されて(5月)3Dモデルが登場しても。
1.5周年ハーフアニバーサリー(7月)はおじさんだった。
4章の後編が実装されたら(8月)まさかの何も知らないアルちゃんがPUされた。サオリですらその時に実装されたというのに。
Twitterトレンドに「ミカ実装」が踊ったかと思えば同じく長いNPC待遇からプレイアブル化された原神のミカだったり。

ブルアカは「シナリオに出してるけど未実装キャラ」のパターンは多く、ミカもその例の一部と言えばそうではあるのだが。
それにしてもミカはエデン条約編の人気と相乗して突出した注目を浴びたため、多くの人々がミカの到来を待ち望んだ。
待ち望む人々が貯め続けた青輝石は「ミカ貯金」と呼ばれしょっちゅう崩される、更新のたびにミカミカミカミカ鳴き続けるミカミカゼミとなり、夏が過ぎても死に絶えることはなくミカを待ち続けた。

そうして、2023年1月の2周年アニバーサリー。
去年のワカモに続く投獄組メインストーリー登場組として、ついにその時はやってきた。



「聖園ミカ、ついに登場~☆って感じかな?
あっ、私と先生の仲だしアイスブレイクとかはいらないよね? これからよろしくね、先生。」

【性能】

レアリティ:★3
役割:STRIKER
ポジション:FRONT
クラス:アタッカー
武器種:SMG
攻撃タイプ:貫通
防御タイプ:軽装備
  • EXスキル「Kyrie Eleison」(コスト6)
    敵1人に対してダメージ
    (対象の現在のHPに比例してダメージが1~2倍に変更)(対象の敵HPが多ければ多いほどダメージが大きくなります)
  • ノーマルスキル「星の呼び声」
    通常攻撃5回毎に、敵1人に対してダメージ
    ノーマルスキルの発動3回毎に、隕石が落ちて追加ダメージ
  • パッシブスキル「Gloria Patri」
    攻撃力を増加
    →(固有武器★2)貫通特効を加算/さらに攻撃力を増加
  • サブスキル「Benedictio」
    全ての攻撃を確定会心に変更。自身の与えるダメージ量が増加、被ダメージ量が減少

貫通単体アタッカー。
色々と満を持して登場した周年限定キャラというのもあり、特殊な能力が目白押しである。

  • 会心ダメージがアタッカーの武器となるこのゲームで全ての攻撃が確定会心になる異例の反則級効果
  • 固有武器★2までの育成が必要だが、強力な付加効果であるタイプ特効が付与される
  • 通常攻撃の回数に応じて発動するノーマルスキルが、さらにノーマルスキルの回数に応じて強化される
  • これまで全く見せてもいなかった隕石を落とすというまさかの特殊能力

バフ効果のバリエーションが多いことが有利なゲームであるため、会心系のバフが安定して効いたうえで「特効」「ダメージ量増加」の効果が重なり、見た目以上に破壊力がある。
そもそも見た目での破壊力も高く、EXスキルはコスト6とかなり重いが相応の性能はあり、ノーマルスキルのダメージ上乗せもわかりやすい。
「見るからに強そう」という評価であったが、実際に地形適性や噛み合わせ次第では、ダメージ等倍&強みの一つである特効が乗らない特殊装甲でも神秘属性を押しのけてメインアタッカーを務め得る*5ほどで、案の定メチャクチャ強かった。
「まあストーリーでもああだしな……」と納得させられてしまう部分もある。

唯一最大の短所がコストの重さであるためコスト減少効果との併用が鉄板であり、元祖たるウイの他、直前に「コスト減少+会心ダメージ増加」というシナジーMAXのEXスキルを持つフウカ(正月)が登場したため、よく併用されることに。
結果、ストーリーであんなことを言っていたミカがゲヘナ生徒によっておせちをぶち込まれまくる展開に。

アタッカーながら攻撃に晒されるFRONTというミカらしさ漂うスタイルも特徴だが、自前の防御手段がサブスキルの最大12.2%のダメージ軽減程度。
しかし、HPも他のFRONTアタッカーと同様に高め程度だが、回避が非常に高く、意外にも耐久型ではないが非タンクとしては生存性能に恵まれている。
敵の攻撃が厳しくなければ、タンクの代わりの前衛を兼ねることも十分でき、これも強みの一つである。
逆に、攻撃が厳しい場合は「敵の攻撃を受けるとミカがすぐ倒されてしまい、FRONT故にタンクで守れないので編成しにくい」ということもあるが。



【余談】

プレイアブルバージョンは、完全にエデン条約編4章以降の状態に準拠したものになっている。
4章の前編~後編の期間で実装されたアリウススクワッドも同様の状態ではあるが、
未読でも「まあなんやかんやで平和に過ごせるようになるんやろな」で流してもさほど問題ないあちらに比べてネタバレ要素が強い。
+ ...
  • 名称・演出・台詞の全てがストーリー上のシーンを再現したEXスキル
  • プロフィールでは「ティーパーティー」「人に言えない悩みを胸の裡に抱えているらしい」など
  • 絆ストーリーでも、経緯は省かれながらも復学を許された身になっている……が、今や没落貴族めいた苦労生活で、差別にも晒されている。
    情緒不安定なままのミカに対して、距離感に気を遣って甘やかすことを控えて突き放す先生といった、(基本ゆるいノリの)絆ストーリーとは思えない空気も漂う。

1章冒頭ではナギサに「その小さな口にロールケーキをぶち込みますよっ!?」と怒られ、以降もロールケーキに関する話題がちょくちょく出てくるが、
後にプレイアブル実装されたナギサのノーマルスキル「Afternoon Tea」がミカに対して発動すると、
通常なら「カットされて整ったロールケーキ」のアイコンが表示されるのに対して「ロールケーキを1本丸ごとぶち込まれて悶えるミカ」が表示されるというネタが仕込まれている。2人の間にシナジーは無いので狙わないとまず見れないが……
なお、ストーリー更新当時の公式4コマでも先んじて同様の画が描かれている。

天使の翼を持ち、「ミカ」という名前、固有武器の名称「Quis ut Deus」*6など、天使ミカエルがモチーフになっていると思われる。

当時は現在のようにミカのコンセプトがしっかり決まらず、様々なデザインが出てきたという。
(グローバル版のブルアカPVでは髪や服装、羽の形状など、その変貌が垣間見られる。)
21年3月公開の『2nd PV』に至ってはヘイローに違いがあるなど現在のデザインとは大きな差異がある。
エデン条約編リリースの5月までにデザインが今の形に修正されたのか、
誤って古いデザインをPVに使っただけなのかは不明。


追記・修正は口の中にロールケーキをぶち込まれながらお願いします。

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最終更新:2024年03月13日 20:46

*1 思いっきり銃撃音も入っているが、キヴォトス基準では暴行。暴行です。

*2 直後のミカの回想を見るに、この部分は全く耳に入っていないのであった。

*3 2章でも戦闘しているが、その時はミカはユニットとして登場しない扱いだった。

*4 エデン条約編4章、一夜の出来事である。

*5 神秘のメイン火力枠が他に比べて薄いという事情もあるが。

*6 「神のようなものは誰か」という、「ミカエル」の名前が持つ意味を訳した言葉。