登録日:2023/08/21 Mon 23:41:26
更新日:2025/04/18 Fri 23:17:32
所要時間:約 6 分で読めます
【概要】
イラストは薄い色のカラフルな背景をバックに濃い色でカラフルな「HERO」の文字が並んでいるというシンプルなものとなっている。
【効果】
通常魔法
自分の墓地の「H-ヒートハート」「E-エマージェンシーコール」
「R-ライトジャスティス」「O-オーバーソウル」をゲームから除外して発動する。
自分のデッキから「E・HERO」と名のついた通常モンスター1体を特殊召喚する。
このターン自分フィールド上の「E・HERO」と名のついた通常モンスターは、
相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。
通常モンスターの
E・HEROのサポートカード。
通常モンスターのE・HEROは2006年に登場した《
E・HERO ネオス》を最後に追加されておらず、対応するカードは5枚のみと非常に狭い。
発動条件として墓地の《H-ヒートハート》《E-エマージェンシーコール》《R-ライトジャスティス》《O-オーバーソウル》の4枚を除外する必要がある。
4種類かつそれぞれがサポート非対応のためサーチなどには対応しておらず、
発動条件としては大分重めの部類に入る。
ランダム墓地肥やしを行うカードや《
おろかな副葬》などで地道に墓地へ送っていても骨が折れる。
かといってそれぞれのカードの採用枚数を増やしてデッキから引きやすくするとしても、サーチなので腐りにくい《
E-エマージェンシーコール》はともかく、他の3枚は発動する状況をいくらか選ぶため無暗に積み過ぎると事故を引き起こす。
特に《
O-オーバーソウル》は通常モンスターのE・HEROサポートなのでデッキを選ぶ性質を持っている。
とはいえ《ヒーロー
フラッシュ!!》を採用する以上、デッキ構築が通常モンスターのE・HEROに寄った構築になるので、デッキ内でチグハグな要素同士が喧嘩することが起きないのでそれほど問題はないが。
また、《
H-ヒートハート》《
R-ライトジャスティス》に関しても使いにくいカードではないのも幸いか。
採用枚数を極力抑えるなら
相手に《魔法除去細菌兵器》を発動してくれるように土下座するか《
マジカルシルクハット》を使いたい。
効果はデッキから通常モンスターのE・HEROを1体特殊召喚し、加えてその時点でフィールドにいる通常モンスターのE・HEROはこのターン直接攻撃ができるというもの。
ハッキリ言って発動条件がやたら厳しい割に効果がしょぼい。
下級の通常モンスターのE・HEROは最高攻撃力が《E・HERO スパークマン》の1600と低く、そもそも下級のE・HEROをリクルートするなら《ヒーローアライブ》や《予想GUY》の方が圧倒的に簡単。
最高攻撃力は最上級の《E・HERO ネオス》となるが、それも《融合派兵》を使った方が簡単である。
もっとも、《ヒーローアライブ》《予想GUY》《融合派兵》は当時存在していないが、当時ですら《E・HERO ネオス》1体をデッキからリクルートするためだけにここまで手間をかける価値はさすがに乏しい。
さらに直接攻撃が可能となるが、
《ヒーローフラッシュ!!》の発動時点で直接攻撃1回で相手のライフを削り切れる段階でなければ価値がない。
逆に言えばライフ2500以下まで詰めていればこの1枚で勝利できるので使えない効果というわけではないが、単純に二重に状況が限られることで成功率が低すぎる。
一応《ヒーローフラッシュ!!》でリクルートしたモンスター以外にも付与されるため、通常モンスターのE・HEROをあらかじめ並べておくか強化しておけばワンキルも可能だが、それはそれで準備が難しい。
発動条件が難しいからと言って、発動条件を踏み倒す《
D-HERO ダイヤモンドガイ》を使うほどの価値もないだろう。
辛辣な評価になってしまうが「デッキ構築が難しい」「発動条件が厳しい」「見返りが弱い」のダメな三拍子が揃ってしまっており、完全にファンデッキ用のカードと言わざるを得ない。
《O-オーバーソウル》であらかじめ墓地へ送っておいた《E・HERO ネオス》を蘇生し、《R-ライトジャスティス》で露払いを済ませ、
《E-エマージェンシーコール》で《E・HERO オネスティ・ネオス》をサーチしつつ、《H-ヒートハート》で先ほど蘇生した《E・HERO ネオス》の攻撃力を500上げた後に、
《ヒーローフラッシュ!!》を発動し2体目の《E・HERO ネオス》をリクルートして直接攻撃時に《E・HERO オネスティ・ネオス》を発動すれば丁度8000ダメージを与えられるためワンキルが成立する。
現実的に狙うのは相当厳しいのだが。
アニメではアビドス3世戦でエンドカードになった他、
斎王戦では《E・HERO ネオス》を呼び出すのに使用した。
【発動条件となるカード】
4枚とも《ヒーローフラッシュ!!》と同じく「ENEMY OF JUSTICE」に収録されている。
重く使いにくい《ヒーローフラッシュ!!》に対して、総じて比較的扱いやすいカードとなっている。
《ヒーローフラッシュ!!》を全く意識せずとも単体で運用できる。
カードパワーのインフレや競合となるカードの増加、環境の変化などから現在では1枚を除いて力不足ではあるが、当時としてはどれもそれなりには使える効果となっていた。
《H-ヒートハート》
通常魔法
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップし、
このターンそのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
赤色の炎を背景に燃えている大きな青色の「H」が大きく映し出されたイラスト。
唯一E・HEROに全く関係のない効果で、
自分フィールドのモンスター1体をターン終了時まで攻撃力を500上げ貫通を付与する。
アドバンテージに直結せずカードパワー自体は低いが、汎用性はある。
攻撃力を補助するカードとしては上昇値が控えめで、速攻魔法でもないのでコンバットトリックにも使えないため、貫通効果まで活かしたい所。
E・HEROで噛み合った性質を持つのは、全体攻撃効果を持つ《E・HERO ワイルドジャギーマン》だろう。
だが当時のカードプールからすると、最も噛み合っているのは同じく全体攻撃効果を持っていながら下級モンスターかつ2100ラインを超えてくれる《
阿修羅》だった。
装備魔法の《ビッグバン・シュート》と比べると攻撃力の上昇値が僅かに上回っており、使い切りな反面魔法カードへの除去で無効化されるリスクがない所が優っている。
それと現在でもたまに下ネタに使われる。
アニメでは十代が単体強化カードとして度々使用している。
《E-エマージェンシーコール》
通常魔法
(1):デッキから「E・HERO」モンスター1体を手札に加える。
爆発の様な背景に大きな緑色の「E」が大きく映し出されたイラスト。
発動条件や制約もなくE・HEROのモンスターを何でもサーチできる。昔のカード故に1ターンの発動回数制限もない。
サーチカードの有用性は言うまでもなく、安定性の上昇に大きく貢献してくれる。
《増援》《
E・HERO エアーマン》に加えこのカードが存在することから、E・HEROにはサーチカードが多く極端にデッキのモンスターが少なく、その分を魔法・罠にスロットを割ける【HEROビート】の様な構築を可能とした。
E・HEROの大半は戦士族で下級なら《増援》でもサーチできるため、それに対する差別化点は戦士族以外かレベル5以上のE・HEROをサーチできることが利点。
だが登場してから暫くはロクな候補がなく、《フュージョン・ゲート》を採用し除外絡みの融合を多用する場合は《E・HERO ボルテック》がワンチャンある程度でほぼ《増援》の下位互換と見られがちだった。
しかし《E・HERO オネスティ・ネオス》の追加で改善された。
……と言っても、《増援》はその汎用性の高さからこのカードが登場した時から準制限であった上、一時期解除されたとはいえそこから大きく間を置かずに制限カードとなっているし、
そもそも【HEROビート】の例が示すように汎用サーチカードは役割が被ろうが強いので、実際のところ差別化は別に重要ではない。
実際採用されていたE・HEROはほぼ下級で戦士族だったため、E・HEROをサーチする分には《増援》と使用感の差はなかった。
とはいえ《
フォトン・スラッシャー》などの戦士族を採用することもあったため、《増援》の方が便利ではあるのだが。
近年の【HERO】は
V・HEROや
D-HEROとの混合構築が主流なことから採用されないことも多くなったが、
HEROは主役級のテーマということで日の目を見る機会も多く、カードプールの発展と共に強くなるサーチカード故にさらなる再評価の可能性も残されている。
《ヒーローフラッシュ!!》関連カード群の中では
頭一つ以上飛び抜けた実力を持っており、
もはや《ヒーローフラッシュ!!》関連カードという枠では認識されていない。
再録回数も最も多く唯一スーパーレア以上の絵が光るレアリティでの再録も果たしている。
また、規制経験のあるカードで【HERO】系統のデッキが活躍していた12/09/01の制限改定で準制限カードに指定され、活躍が落ち着いた13/09/01の制限改定で解除された。
アニメでは十代が使用しているが、デッキの安定性に四苦八苦する一般決闘者とは違い圧倒的なドロー力を持つ十代は《ヒーローフラッシュ!!》の発動条件程度にしか見ていない節がある。
いいよなぁ……ドローに恵まれてるやつはよ……
空野戦では《
ホルスの黒炎竜 LV8》に無効にされるのを承知の上で発動し墓地へ送り《マジック・ストライカー》の特殊召喚コストにした。
《R-ライトジャスティス》
通常魔法
(1):自分フィールドの「E・HERO」カードの数だけ、
フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
発光している様な背景に大きな黄色の「R」が大きく映し出されたイラスト。
効果解決時に存在するE・HEROの数だけフィールド上の魔法・罠カードを破壊する。
2体以上E・HEROがいれば1枚で大量のアドバンテージを取れる可能性もあるが、それを狙う場合には展開した際に相手の罠が直撃してしまうリスクもある。
一方、対象を取らない効果であるため、相手がこのカードにチェーンする場合は先撃ちを迫られ、除去先の選択で優位に立てる。
ただし、フィールドに存在する
E・HEROの数ピッタリ分だけ破壊しなければならないという効果なため、融通が利かない場合がある。
対象を取らないことは長所の一方、効果解決時までに「フィールドの魔法・罠カード」や「E・HEROの数」が変動した場合は自分の場のカードを破壊してでも処理を行わなければならない。足りなくなれば不発となる。
決して弱い効果ではないのだが安定性に欠けるのだ。
これは過去に《
ドッペルゲンガー》が流行らなかったのと大体同じ理由である。
とはいえ登場当時は汎用的な魔法・罠除去が制限カードの《
大嵐》《
サイクロン》ぐらいしかなかったため使われることもあった。
しかし、後に登場した《E・HERO エアーマン》が似たような効果を持っていため一時期評価を落としていたが、後に制限カードになった後は再び評価を持ち直した。
その後はE・HEROの戦術の変化に始まり、環境全体がこの手のカードに厳しくなり、それに伴ってサイクロンなどの制限も緩くなり、汎用的な魔法・罠除去も種類が増え……と逆風が吹き続けており、現代で見ることはまずないだろう。
《O-オーバーソウル》
通常魔法
(1):自分の墓地の「E・HERO」通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
他の3枚と比べると紫色の暗めで落ち着いた紫色の背景に、紫の炎に包まれた大きな紫色の「O」が大きく映し出されたイラスト。
墓地の通常モンスターのE・HEROを完全蘇生する。
ノーコストかつ制約もなく、通常魔法で即効性もあるが通常モンスターのみのため《ヒーローフラッシュ!!》同様サポート範囲は非常に狭い。
ただし、フィールドと墓地では通常モンスター扱いとなる《
E・HERO アナザー・ネオス》が範囲内なので、あちらより僅かに範囲が広くなっている。
狙いは最高打点を持つ《E・HERO ネオス》になるのだが、それ以外は下級モンスターであり攻撃力も下級アタッカー基準にさえ満たないため出す魅力に欠ける。
それ以外であえて挙げるなら優秀なサポートカードが存在する《
E・HERO フェザーマン》だが、戦闘破壊で墓地へ送られやすいので《摩天楼2-ヒーローシティ》で維持する形の方がマシかもしれない。
現在では蘇生でアドを取れるモンスターが増えて通常モンスター蘇生の価値が落ちる一方、下級モンスターでも
エクシーズ召喚などで活用する手段も増えており、一概に悪いばかりではない。
《
E・HERO プリズマー》などで手早く墓地へ送り、《E・HERO ネオス》を
過労死させて戦わせる【ネオスビート】というデッキも存在した。
当時の蘇生カードとしては条件もコストもなく、通常魔法であるが故に《リビングデッドの呼び声》のようなラグや蘇生カード自身とモンスターとの命の紐付きも無いと結構優れた性能をしており、さすがに環境レベルとまではいかなくても十分実用的な一枚であった。
アニメでは十代が使用したが、作劇的に便利な効果のためか《ヒーローフラッシュ!!》関連のカードの中では使用頻度が最も高い。
【余談】
初出のレアリティは《ヒーローフラッシュ!!》のみレアで他はノーマル。
発動条件となる4枚と比べて汎用性が低く扱いにくかったためか「デュエリストパック-十代編2-」でノーマルに降格したのはともかく、「EXPERT EDITION Volume.4」でもノーマルに降格してしまっている。
更には「ストラクチャーデッキ-HERO's STRIKE-」では発動条件となる4枚とリクルート先の筆頭候補である《E・HERO ネオス》が再録されているのにもかかわらず、このカードは再録漏れと憂き目を見ている。
アニメではOCGと違い初期ライフが4000ため《ヒーローフラッシュ!!》で《E・HERO ネオス》をリクルートして、直接攻撃を決めればOCGでは5000相当のダメージを取れる。
発動時にフィールドに《E・HERO スパークマン》がいればワンキルが成立するので、アニメのルールなら狙ってみる価値はあるのかもしれない。
後に《E・HERO フラッシュ》という名前は似ているが、直接的に関係のないカードが漫画版で登場している。
効果で墓地の魔法カードを回収できるのでシナジーがないわけではないが、発動条件が「自身が戦闘破壊された時に墓地のE・HEROを3種類除外する」必要があるためこちらも使いやすいとは言い難い。
尚、この《E・HERO フラッシュ》は漫画版の効果は「墓地へ送られた時に、ノーコストで魔法か罠を回収する」というとんでもないぶっ壊れカードだったため、OCG化の際に当然の様に弱体化し相当使いにくくなった。
追記、修正は《ヒーローフラッシュ!!》発動からの直接攻撃でゲームエンドを決めてからお願いします。
- ロマンは今でもある、一応... -- 名無しさん (2023-08-22 00:42:01)
- ネオスで直接攻撃しつつオネスティネオスを使えば引導火力としては十分だな。そこまで行くのが大変だが……。 -- 名無しさん (2023-08-22 02:46:05)
- 宝玉獣版のGEMフラッシュというのもある -- 名無しさん (2023-08-22 06:26:32)
- ↑GEMフラッシュじゃなくてGEMバーストじゃない? -- 名無しさん (2023-08-22 07:48:19)
- せめて通常モンスター縛りがなければなぁ -- 名無しさん (2023-08-22 08:02:06)
- 評価の変遷は、フラッシュはいらんけどパーツはH以外優秀だな→うーん、まぁEとOは使えるな→Eだけは使える、てイメージ -- 名無しさん (2023-08-22 12:27:07)
- 環境次第でHも使われてたぞ、大会クラスのデッキにH阿修羅入ってたくらい。弱小リバースに刺さるからな -- 名無しさん (2023-08-22 17:19:42)
- 効果の貧弱さもだけどフラッシュ!も素材4枚も全部モンスターに関する効果だからランダム墓地肥やしのモンゲや名推理とも相性バチクソ悪いという詰みっぷり。GX一年目って録なメインデッキのヒーローいなかったから効果モンスターでも良かったんじゃ.....。 -- 名無しさん (2023-08-22 19:08:51)
- Rもサイクロン制限時代はまぁヒーローデッキならって感じ。エアーマンはどっちかというとサーチ要因としてのほうが優秀だし。Oはネオスビートの概念が出てから変わった。 -- 名無しさん (2023-08-22 19:14:35)
- ロマンはあるんだけど肝心の効果のうち蘇生が実質Oと被ってるのが絶妙に微妙な感じ、こっちは効果も選べるとか差別化しておけば・・ -- 名無しさん (2023-08-23 07:57:54)
- メイト台で「H」があるもんだから一部の決闘者に女性モンスターのメイトがたまに乗せられるネタ扱いに… -- 名無しさん (2023-08-24 06:37:24)
- H・E・R・Oをそれぞれ酷すぎる単語の頭文字に変えて最後にH・EROフラッシュをぶち込むSSには昔笑ってしまったw -- 名無しさん (2023-08-24 21:53:30)
- イラストがwordのワードアートみたいで安っぽい -- 名無しさん (2023-08-25 09:46:21)
- どうでもいいけどちょろっと言及されてるE・HEROフラッシュはプロモーションカードとしてしか収録された事ないから何気に入手難易度高いんだよね。 -- 名無しさん (2023-08-25 09:48:56)
最終更新:2025年04月18日 23:17