ホルスの黒炎竜(遊戯王)

登録日:2010/12/20 Mon 09:49:48
更新日:2025/03/20 Thu 20:46:17
所要時間:約 5 分で読めます





「ホルスの黒炎竜」とは、遊戯王OCGに存在するモンスター群。
英名は「Horus the Black Flame Dragon」。

LVモンスター」の内の1体で、レベルは「4」「6」「8」。全て属性のドラゴン族である。

初登場は第4期最初のパックである「SOUL OF THE DUELIST」でパッケージには《ホルスの黒炎竜 LV8》が描かれている。
この時期のLVモンスターにしては珍しく初登場パック「SOUL OF THE DUELIST」のみで全てのレベルの「ホルスの黒炎竜」を入手可能である。

名前が「『エジプト神』の『なんとか竜』」というネーミングなので何となく神のカードっぽい雰囲気を感じるが、
この時期は原作の「神のカード」や「王の記憶編」などとリンクするようにエジプトに範を取ったガチめのカードが結構あり、
「ホルスの黒炎竜」のほかにも《ネフティスの鳳凰神》《エンド・オブ・アヌビス》《守護者スフィンクス》《王家の眠る谷ネクロバレー》《ピラミッド・タートル》などが環境内で存在感を放っていた。
神のカードがまだ正式なOCG化を果たせるような時代ではなかったため、雰囲気だけでも寄せようというわけである。
スピリッツ・オブ・ファラオ》「あのっ……!」


【各種詳細】

ホルスの黒炎竜 LV4
効果モンスター
星4/炎属性/ドラゴン族/攻1600/守1000
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、コントロールを変更する事はできない。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で 「ホルスの黒炎竜 LV6」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

ホルスの第一形態。
下級モンスターだが、攻撃力が中途半端にリクルーターの上限ラインを越えてしまっており、
同じドラゴン族のLVモンスターである《アームド・ドラゴン LV3》や《真炎の爆発》に対応する《フレムベル・グルニカ》に比べてやや使い勝手が悪い。
また、アタッカーにするにもやや物足りずやはり中途半端
《レベルアップ!》ですぐに《ホルスの黒炎竜 LV6》へとレベルアップさせ、《レベルアップ!》が手札にない場合は《レボリューション・シンクロン》で《ラヴァルバル・サラマンダー》のS素材にしよう。

【お触れホルス】全盛期だと採用する人は「人次第」といったところで、採用するにしても1枚程度にとどまる。レベル6をリクルートする役といった感じ。
当時はリクルーターなどが環境に多かったので戦闘破壊は案外狙えるし、《月の書》《エネミーコントローラー》《収縮》などで戦闘破壊自体は補佐できるため。
しかし帝モンスターの流行で「2400ライン」が出来上がってからは、レベル6になったところで戦闘破壊されてしまうという弱点が目立つため、潔く抜いてしまうことも多かった。

ホルスでは唯一《灼熱の火霊使いヒータ》でのサーチに対応している。


ホルスの黒炎竜 LV6
効果モンスター
星6/炎属性/ドラゴン族/攻2300/守1600
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、魔法の効果を受けない。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ホルスの黒炎竜 LV8」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

ホルスの第二形態で、上級モンスター。
上級モンスターとしては一歩及ばない攻撃力が難点だが、
「表側表示で存在する限り、魔法カードの効果を受けない」耐性を持つ。

そして、相手モンスターを戦闘で破壊したターンのエンドフェイズ時、自身を墓地に送ることで《ホルスの黒炎竜 LV8》に進化できる。
竜の渓谷等で速やかに墓地へ送り、《転生炎獣バースト・グリフォン》や《炎王円環》で蘇生して攻撃しよう。
現在では攻守共に2300を上回るモンスターが出ることも多いので《フレムベル・ベビー》や《守護竜プロミネシス》で打点を強化すると良い。

こちらもLVモンスターのサポートカードである《レベルアップ!》も使用できるので、意外と簡単に進化させられる。


魔法カードが通用しないので、《ライトニング・ストーム》などで退場しないのが強み。
戦闘破壊を狙う際も、《禁じられた聖槍》《収縮》《月の書》などで妨害されないにも嬉しい。


このカードが登場した第4期には《レベル制限B地区》《平和の使者》のようなロックカードがまだまだ現役で使用されており、
それらを無視して攻撃できるのは非常に大きな利点だった。
エネミーコントローラー》《収縮》などにも強いので安定感が桁違い。
当時はS召喚などで低ステータスのモンスターを処分する方法がないので、普通にデュエルしていればレベルアップ条件を満たせてしまう。
時にはあえて進化させないプレイングが行われたり、このカード単体で【ドラゴン族】などに採用されることもあった。
また、自分からロック効果を持つ永続魔法を使用し、相手を縛りながら攻撃するテクニカルなデッキも存在した。


レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》や《聖刻龍王-アトゥムス》《天球の聖刻印》の登場。
未来融合-フューチャー・フュージョン》や《竜の渓谷》で墓地送りが簡単になったことで《ホルスの黒炎竜 LV4》無しでも採用しやすくなった。


ホルスの黒炎竜 LV8

効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻3000/守1800
このカードは通常召喚できない。
「ホルスの黒炎竜 LV6」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、魔法カードの発動を無効にし破壊する事ができる。

ホルスの最終形態にして特殊召喚モンスター。
青眼の白龍》と同格の攻撃力3000となり、
魔法カードをカウンターする効果を身に付けた。
そもそも魔法カードはこのゲームの基本であり、根幹を為す要素の一つ。
その発動と効果を無効にして破壊してしまうのはいわずもがな強力である。

まさに生ける《マジック・ジャマー》。
いや、《超魔導剣士-ブラック・パラディン》と異なり、コストが無い分こちらの方がタチが悪い。
特殊召喚モンスターの例に漏れず蘇生不可なのだが、効果がそれを補って余りある。
「のみ召喚」でありながら《レベルアップ!》に対応しているのでものすごく出しやすいうえ、そもそも《ホルスの黒炎竜 LV6》のレベルアップ条件も緩いので本当にたやすく戦場に出せる。
《転生炎獣の炎軍》でデッキに回収しつつ、LV4~6を蘇生できる。
しかもダメージステップでも発動可能なので、速攻魔法による戦闘のサポートにも強い。当時よく使われていた《収縮》さえもろともしない、まさに完全制圧を行うためのカード。

当然だが「対戦相手の魔法カードの発動」以外には無力であり、特にこの当時だと弱点は以下の5つ。
  • 自分より攻撃力の高いモンスター
  • 特殊召喚や戦闘破壊に反応する罠カード 《奈落の落とし穴》《炸裂装甲》など(ただし奈落は当時の環境的にあまり見かけなかった)
  • 効果モンスター、特に対戦相手に「セット」という形で反撃につなげられるリバース効果モンスター 《執念深き老魔術師》《ペンギン・ソルジャー》など
  • モンスター除去 《ならず者傭兵部隊》《雷帝ザボルグ》《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》《サンダー・ブレイク》《強制脱出装置》など
  • すでに発動されている魔法カード 《光の護封剣》《平和の使者》など

しかし裏を返せば、弱点はこれくらいしかない。
高攻撃力のモンスターというが、当時はいわゆる「ブルーアイズライン」のせいで単体で攻撃力が3000を超えるモンスターというのは珍しく、当然だが「シンクロ召喚」のような便利な手段なんてあるわけがない。
ホル8は先述した通り攻撃力3000の中だとダントツで召喚しやすい。先出ししたホル8を相手に(=魔法カードを使わずに)相打ち以上の成果に持ち込めるモンスターを出す手段というのは極めて限られている、というより「存在しない」デッキも多かった。
また、当時はまだモンスター効果が非常に弱く、除去を魔法や罠に頼りきっているデッキのほうが多かった。
すでに発動されている魔法カードにも無力だが、これはデッキタイプ次第ではあるが対戦相手は「永続魔法が手札に多くなりやすいデッキ」ともいえる。ホル8を出すだけで手札が急激に腐る。

つまり頻繁に遭遇する弱点はせいぜい罠カードくらいだ、という結論が出る。
これを《王宮のお触れ》と組み合わせ、相手の魔法と罠を徹底的に封じ込めて速やかに殴り勝つ。
これが『お触れホルス』である。
《ホルスの黒炎竜 LV6》とアドバンス召喚のギミックを共有できる《人造人間-サイコ・ショッカー》を採用することもある……というより、
効果モンスターに対して弱いので足をすくわれないようにさっさと殴り勝つ必要があるので間違いなく採用される。

以前の版ではこのデッキを「コントロール」と評していたが、このコントロールは「じわじわと勝勢を築く」というより「お触れホルスセットを盤面にそろえ、相手の身動きを封じた隙にとどめを刺す」というもの。
かなり強引なたとえになるが、「寒波3積み時代の猫シンクロ」のとどめパートを数ターンかけて行うもの、って趣なので対戦相手になるべくターンを渡さず、いらんことをせずに殴り切る必要がある。


ここまでの説明だと「ふはははー!つよいぞー!かっこいいぞー!」「これ相手にどうやって戦えばいいんだ!」となるが、当然だが穴はある。っていうか穴がなかったら規制されてる。

まず《ホルスの黒炎竜 LV6》と異なり、《ホルスの黒炎竜 LV8》は既に発動して適用中の魔法には何の耐性もない。進化のタイミングはよく見極める必要がある。
次に出しやすいとはいえやはり「条件の極めて限られた特殊召喚モンスター」、除去にはかなり弱い。これでも一応ホルスの性質上耐性はある方だが、弱いものは弱い。
さらに自分より高い攻撃力のモンスター相手にも弱い。こちらは魔法カードを使い放題なので、《収縮》あたりでこちらから攻めに転じて倒してしまおう。
さらに《王宮のお触れ》を使うということは、対戦相手に「罠カード=反撃の手段に乏しい」と教えるようなものなので、
お触れの発動タイミングを誤ると「ホル8を 出したはいいが もはや負け」と辞世の句を詠む羽目になる。

そのためこのロックをただそろえればいいのではなく「揃えるタイミングを見計らい、そこから相手に何もさせずに殴り勝つ」必要がある。
やってることは「一方的に殴り殺す」ながら、相手に反撃をさせない研究をしなければならない結構ストイックなデッキ。

また、そもそもの問題として、モンスターには何も干渉しない。そのため《雷帝ザボルグ》《ならず者傭兵部隊》《異次元の女戦士》《N・グラン・モール》などには本当に弱く、これらの対策に多くの【お触れホルス】使いが腐心したのだが、
そもそもこれらのカード、準制限や制限になっていることも多いので「相手が引けないまま勝つ」なんてことがままある始末。
ただしこの性質は【お触れホルス】の急速な衰退の原因となった(後述)。

チェーンして無効にする効果のため、チェーンさせてもらえないと意味がないというのも弱点の一つ。
超融合》も天敵の1つであり、ほとんど起こらなかったが理論上は《超融合》で《F・G・D》にしてしまうというのが対処手段のひとつだった。
現在では融合素材の緩いカードがいくらでもあるので、現実的な頻度で除去できるだろう。

これが当時のTier1デッキ【お触れホルス】であり、この2枚がそろってしまうとほとんどのデッキは何もできない。
対戦相手としてはとにかくこの2枚が揃わないようにする必要があるのだが、ホル8は上述の通り当時としては出しやすさの極みのようなゆるっゆるな召喚条件なのでかなりたやすく出てきてしまう。
魔法カードと罠カードにおんぶ抱っこの時代だった当時では圧倒的なロックであり、それが高攻撃力で速やかに殴ってくるのだからたまったものじゃない。
その分かりやすい理念もあって結構人気のあるデッキだった。

第5期にもなると《風帝ライザー》《スナイプストーカー》など、このカードをローカロリーに対処できる効果モンスターが増えたものの、
前者は「デッキトップに戻すということは再利用が可能ともとれる」、後者は「サイコロの出目が悪いと手札が枯れて負け確定」と根本的な対処とはならず、
そしてどちらも準制限・制限になってしまう。天敵が出てきてもKONAMI様がそれを咎めてくれる。ホル8はこのデフレ環境の中ではまさに圧倒的だった。

ちなみに当時のガチデッキだと対処は結構簡単で、「ホル8にさせない」「お触れを割って罠で対処」「ザボルグやモグラや女戦士で除去」「アド取り勝負に持ち込む」あたり。
ぶっちゃけキーパーツ=弱点が非常にわかりやすいデッキなのでガチデッキが相手をすること自体はかなり楽で、こういった点が規制と無縁だった理由かもしれない。ファンデッキ?知らんな
そのため対戦相手に反撃をさせないための布陣の作り方というのが必要になり、プレイングが問われるちょっと難しいデッキ。
たとえば【ロックバーン】が相手の時は「ラヴァゴで処理される可能性を見越して隣に打点用モンスターの展開をしない」、とか。


しかし第5期末期に「PHANTOM DARKNESS」およびストラクチャーデッキ「帝王の降臨」が発売されると、【お触れホルス】の天下は急激に崩れ始める。
  • ホル8がかわいく見えるレベルで出しやすい(現代遊戯王で通じるんだから当時としてはオーパーツ級)上に、除去によって対戦相手の布陣をお触れホルスと違った形で否定できる、攻撃力2800の《ダーク・アームド・ドラゴン
  • 除外という最高の形でホル8を葬れる新カード《邪帝ガイウス》
  • 他にも闇属性モンスターを非常に展開しやすくなる各種ギミックで、ホル8の「出しやすい高攻撃力」という個性が吹っ飛ぶ

これにより崩れた天下に、さらなる追い打ちがかかる。
  • ホル8がごっこ遊びに見えるレベルで出しやすい上に、攻撃力3000とLP1000による布陣否定が可能なフィニッシャー《裁きの龍
  • 攻撃力という概念を全否定し、さらにホル8が相手の場合は「2枚以上発動しての逆1キル」さえ視野に入ってくる《オネスト
  • 当時は本当にどんなデッキにも入った「除去効果を持つリバースモンスター」《ライトロード・ハンター ライコウ
  • 魔法に頼らないモンスター除去《剣闘獣ガイザレス》
など、ホルスの天敵レベルのモンスターが大挙して押し寄せてくるインフレの時代が訪れた。こんなもんと《大寒波》が全部3枚、《ハリケーン》と一緒に入るのだ。今考えるととんでもないインフレである。

最初ホルス側はこれに《レインボー・ヴェール》などを搭載することでなんとか対応しようとしたが、
そもそも【お触れホルス】の理念は「魔法と罠に依存した相手に何もさせず、こちらもいらんことをせずにさっさと殴り勝つ」のである。
相手が「え、魔法禁止?罠禁止?どーぞどーぞ!モンスターだけで勝ってやりますよ!」と動いてきて、こちらがその対応(=いらんこと)をさせられる始末。
これではそもそもデッキの理念が成り立たないのである。

もはや虫の息だった【お触れホルス】のとどめを刺したのは、シンクロ召喚である。
氷結界の龍 ブリューナク》が出現すると、モンスター効果のインフレ、特殊召喚手段の容易化という傾向は確固たるものになっていき、
ホル8の天下はここで終わりを迎えた。

……と説明されやすいのだが、実際にこのカードの(というか当時のデッキ全般の)天下を終わらせたのは《氷結界の龍 ブリューナク》の裏択のひとつだった《A・O・J カタストル》。
《氷結界の龍 ブリューナク》とレベルは違うのだが《ジャンク・シンクロン》から出せるので手札1枚での展開が可能。そしてこのカード、当時シンクロの選択肢が存在しなかったので本当にどんなデッキにも入る
確かにブリュゴヨウも強いのだが、ホル8のほんのわずかに残った「攻撃力による制圧」という長所を《オネスト》ともども完全につぶしてしまう。
さらに《ホルスの黒炎竜 LV6》の餌になる低ステータスモンスターを「シンクロ素材」という形で処分して登場するのでそもそも出せるかも怪しくなる。
そして《A・O・J カタストル》をどうにかしても、裏に控える《氷結界の龍 ブリューナク》をはじめとした他のSモンスターや先述の天敵たちが、《大寒波》で抵抗を封じたうえで押し寄せてくる。
つまり【お触れホルス】の究極の理念を、ほかのデッキがもっとうまく実現できるようになってしまったのである。

こうして【お触れホルス】はもはやコンセプトそのものが成立しなくなってしまったのだが、そのポテンシャル自体はまだまだ感じられる時代。
アプローチを変えたデッキが『カウンターホルス』である。
あえて《王宮のお触れ》を採用せず、カウンター罠や《ブレイクスルー・スキル》《デモンズ・チェーン》等
モンスター効果側を防ぐカードを多く採用してその制圧力を維持する。

罠カードへの対応は『お触れホルス』に比べるとやはり遅れがちになるが、効果モンスターのほうが圧倒的に怖い時代ではこちらのほうが小回りはきく。
現在の遊戯王でも天敵は依然多く、《氷結界の龍 ブリューナク》や《鳥銃士カステル》など、手頃な除去で簡単にやられてしまう。
エフェクト・ヴェーラー》や《幽鬼うさぎ》等の手札誘発も天敵でこれらを防げないと辛い。
《墓穴の指名者》や《抹殺の指名者》、《炎王獣ガネーシャ》等でしっかりとカウンターしよう。

これらのデッキはもはや過去の栄光だが、出せさえすれば現代遊戯王でも通用する性能。
罠カードも現在は「即座に発動できないので効果を盛る」ということが行われているため、【カウンターホルス】戦略自体はまだまだ成立する……はず。
「寒波3積み」「猫も杓子もカタストル」などという無法時代も遠い昔話となった現在なら、もしかしたら復権だってあるかもしれない。
そんなわけで現在でも折に触れて話題になることのあるカードである。

なお、魔法カードに強制発動するのではなく任意で発動するものである。
そのため「対戦相手にとってデメリットの大きい状況を作る」と判断した場合、素通しするというテクも必要になる。
《天罰》《エフェクト・ヴェーラー》などで反撃の手段を与えてしまうからだ。


【関連カード】


ホルスのしもべ
効果モンスター
星1/炎属性/獣戦士族/攻 100/守 100
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は「ホルスの黒炎竜(全てのレベルを含む)」を魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。

カード名通り、ホルスに仕えるモンスター。
効果は「相手はホルスを効果対象に選択不可」と言うもの。
しかし、社長にも殴り倒される貧弱極まるステータス故に、あまり役に立たない。
炎舞のサポートも受けられるが、所詮焼け石に水で《ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-》で事足りる場合が多い。
下記の《ホルスの黒炎神》のトリガーにはなれるため、かろうじて名前負けはしていない。

レベルアップ!
通常魔法
フィールド上に表側表示で存在する「LV」を持つモンスター1体を墓地へ送り発動する。
そのカードに記されているモンスターを、召喚条件を無視して手札またはデッキから特殊召喚する。

LVモンスターを条件を無視して進化させられる魔法で、イラストでは《ホルスの黒炎竜 LV6》が《ホルスの黒炎竜 LV8》になろうとしている。
一見、魔法の効果を受けない《ホルスの黒炎竜 LV6》には使えないように感じるが、進化前を墓地に送るのはコストなので問題ない。
ただし、このカードを無効化されても、コストとして墓地に送ったカードは戻ってこないので気を付けよう。

とにかくホルスとの相性が激烈によく、まさに「ホルスのために作られたカード」。
もちろん《アームド・ドラゴン LV7》《サイレント・マジシャン LV8》あたりとも相性はいいのだが、ホルスとの相性は圧倒的だった。
そのせいでホルス以降のLVモンスターには「自分の効果でレベルアップした時にのみ」という厳しい条件が付けられてしまうことにもなり、
「出しやすい上に圧倒的なホルス」と「出しにくいくせに効果がしょっぱい後発組」の格差がますます残酷なことになってしまった。

レベル調整
通常魔法
相手はカードを2枚ドローする。
自分の墓地に存在する「LV」を持つモンスター1体を、
召喚条件を無視して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン攻撃できず
効果を発動及び適用する事もできない。

ホル8を蘇生できる非常に少ないカード。召喚条件を無視する最初期の例だが、蘇生制限は無視できない。
ホル8の蘇生を目当てにデッキに入れる人もいた(当wikiでもたびたびこのコンボが推されていた)のだが、
実際に使うとこの「2枚ドロー」がものすごく重くのしかかる。
先述の通りホル8を使うデッキというのは対戦相手に反撃の手段を与えずに速やかに殴り勝つためのデッキなので、相手に反撃の手段を与えてしまうこのカードはまさに「寝た子を起こす」ようなもの。
除去モンスターを引かれて反撃の糸口にされてしまう可能性があるので、強いプレイヤーには全く好まれなかった。

あくまでも「お触れホルスロック」にこだわって戦いたい人が使う。
なおホルス以外に使った場合は単なる利敵行為である。
そのため「レベル調整側から見て相性のいいカードはホルスだが、ホルス側からは別にお前に頼らなくても相方はいくらでもいる」という結構寂しいカード。
まぁ居場所があるだけいいじゃないか。

ダーク・ホルス・ドラゴン
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守1800
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手のメインフェイズ時に魔法カードが発動した場合、自分の墓地のレベル4の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚できる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

闇堕ちした《ホルスの黒炎竜 LV8》。
蘇生制限無しでATK3000の最上級モンスター。
特殊召喚モンスターではなくなったが、自力で特殊召喚できるわけではないので一長一短。

本家のカウンター効果は失われ、相手が魔法を発動すると星4の闇属性を蘇生する効果となった。
かなり限定された範囲とはいえレベル4の闇属性モンスターを蘇生できるのはそこそこありがたいのだが、
魔法を止められるわけではないので、制圧力は大幅に下がっている。
そもそも相手に依存するため、効果はオマケと割り切ろう。

あいにくこのカードが登場した「PHANTOM DARKNESS」には対抗馬となるダークモンスターがそれはもうたくさんおり、
《ダーク・クリエイター》のようにこのカードよりも優先したいモンスターは結構いた。
特に《ダーク・アームド・ドラゴン》の圧倒的な性能は「ホルスとアームドの立場が入れ替わった」と話題になったものである。


メタファイズ・ホルス・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星6/光属性/幻竜族/攻2300/守1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがS召喚に成功した場合、そのS素材としたチューナー以外のモンスターの種類によって、
以下の効果をそれぞれ発動できる。
●通常モンスター:このターンこのカードは自身以外のカードの効果を受けない。
●効果モンスター:このカード以外のフィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。その効果を無効にする。
●Pモンスター:相手フィールドのモンスター1体を相手が選び、自分はそのコントロールを得る。
このターンそのモンスターは攻撃できない。

メタファイズ化してSモンスターとなったホルス《ホルスの黒炎竜 LV6》。
幻竜族に変更され、属性も光になっている。

素材になったチューナー以外のモンスターの種類によって効果を得られる。
通常モンスターなら自身以外のカード効果を受け付けなくなり、
効果モンスターなら自身以外の表側カード1枚の効果を無効化し、
Pモンスターなら相手モンスター1体を攻撃不可にしてコントロール奪取する。

特にPモンスターを素材にした時のコントロール奪取が狙い目。
確実に2つの効果が得られるので可能なら狙っていきたい。

効果を使った後はバニラ同然なので、
クリスタルウィング》や《輝竜星-ショウフク》などの素材にしてしまおう。


なお、効果モンスターでない融合儀式シンクロモンスター
素材に使うと全く効果を得られないが、わざわざそんなことをするプレイヤーはいないだろう。


ホルスの黒炎神
効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻3000/守1800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「ホルス」モンスター及び「王の棺」が存在する場合、
手札のこのカードを相手に見せ、自分の手札・フィールドのカード1枚を墓地へ送って発動できる。
フィールドのカード1枚を墓地へ送る。
(2):「ホルスの黒炎神」以外の自分フィールドの表側表示の、
「ホルス」モンスターか「王の棺」が相手の効果でフィールドから離れた場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
その後、フィールドの他のモンスターを全て墓地へ送る事ができる。

2023年にカテゴリー化した「ホルス」用にリメイクされた《ホルスの黒炎竜 LV8》。

場にホルスと《王の棺》が揃っていれば手札から公開して自分の手札・場のカードをコストに場のカードを墓地に送る効果と、
黒炎神以外のホルスか《王の棺》が相手の効果で場を離れた時に手札から特殊召喚して他のモンスターを全て墓地送りにする効果を持つ。

どちらも対象を取らない墓地送りと言う強烈な除去が使え、《王の棺》に関連するホルスはノーコストで自力蘇生してくるためコストや全体除去に巻き込んでも被害は少ないと言う設計となっている。

ちなみに後半の全体除去は既存のホルスでもトリガーになれるので黒炎竜デッキの隠し味として仕込んでも面白い。


【その他】

カード自体に接点は無いが、神話中では同格とされる。
名前の構成もよく似ている。 


表遊戯が戦いの儀で使用したLVモンスター
ホルスと同じく、相手の魔法を対策する効果を持っている。
ただし、最終形態のLV7は、フィールドの魔法を敵味方問わず無効化する効果なので、ホルスに比べると使い勝手が悪い。

だが、「デュエリストパック」で新規サポートカードが登場し、多少は使いやすくなった。


  • ホルス
2023年に突如として登場した同じ「ホルス」の名を持つモンスター群。彼らの登場を以てめでたく「ホルス」がカテゴリー化した。
しかし、現状は「場に王の棺があれば墓地から無条件で蘇生し、他の自分のカードが場を離れたら固有効果を発揮する」特徴を持つレベル8モンスター主体の墓地利用テーマと、一部サポートは受けられるものの既存のホルス達と特段相性が良いと言うわけでもないため同じ元ネタを持つだけの別カテゴリーと言った趣が強い。
一応所属モンスターはホルスの4人の息子をモチーフにしており、息子は出揃っているが肝心の「ホルス」自身が出ていない事と、属性・種族がバラけている中で黒炎竜と同じ炎属性・ドラゴン族のモンスターが居ないことから、決闘者からは「その内黒炎竜のリメイクが出るのではないか?」と言われており、実際に上記の通りに《ホルスの黒炎神》が登場した。



【余談】

『モンスターフィギュアコレクション Volume 3』に於いてDUEL TERMINAL対応カードとして《ホルスの黒炎竜 LV8》が登場。
このカードをスキャンすると、隠しデッキ「ブラック・メガフレイム」が登場する。中身はモロ『お触れホルス』である。

使う場面は無いだろうが、《ホルスの黒炎竜 LV8》は自分の魔法も無効に出来る。《歯車街》の補助にもなる。
そんなことをするなら最初からサイクロン系統を使った方が安定しやすいのでほとんど使うことはない。
使ったことのある人はどういうシチュエーションで使ったか教えてほしい。

登場パックの「SOUL OF THE DUELIST」のCMボイスは城之内である。このカード名に「黒炎」が含まれるからだろうか?


【アニメにおいて】

GXにて、十代にあこがれる二年生オベリスクブルー・エース「空野大悟」(CV:豊永利行)が使用。

しょっぱなからお触れホルスのコンボを完成させて十代の融合を封じた。
しかし効果モンスターの効果と魔法カードを使わないコンタクト融合*1によって《E・HERO フレア・ネオス》を出され、
《ホルスの黒炎竜 LV8》を撃破されたことで魔法カードの使用を許して敗北した。
彼の【お触れホルス】は《守備封じ》を使って強引にダメージを通していくタイプのものであり、空野もプレイング次第では全然勝てていたこと、
あんまり実用的に見えない新カードのお披露目デュエルだったことなどもあり、商売事情を感じるあまり評価の高い回ではない。

その直後、一人でスランプに陥っているときにミスターTと遭遇。
自分と同じ姿に化けたミスターTとデュエルしたが敗北してしまい、闇に飲み込まれて消えてしまった。

その後ミスターTは彼の姿を借りてデュエルを行っており、その時のデッキも「お触れホルス」である。
劇中では剣山や翔とデュエルを行い、いずれも圧勝した。



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最終更新:2025年03月20日 20:46

*1 現実でもホル8突破のためにコンタクト融合が行われていた。