E・HERO プリズマー(遊戯王OCG)

登録日:2011/05/24 Tue 21:10:21
更新日:2025/01/12 Sun 22:15:53
所要時間:約 13 分で読めます





《E・HERO プリズマー》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つ。

E・HERO】のカテゴリに属する一枚である。


E・HERO プリズマー
星4/光属性/戦士族/攻1700/守1100
(1):1ターンに1度、エクストラデッキの融合モンスター1体を相手に見せ、
そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体をデッキから墓地へ送って発動できる。
エンドフェイズまで、このカードは墓地へ送ったモンスターと同名カードとして扱う。


【概要】

光属性、戦士族とかなり優秀。攻撃力も《E・HERO エアーマン》に次ぐ1700とそこそこ安定している。
だが、なにより特筆すべきはその効果である。

EXデッキの融合モンスターを相手に見せて、デッキからその融合素材を墓地に落とすことで発動し、
《E・HERO プリズマー》のカード名をその融合素材に変更、そのモンスターの代わりができるようにする。

たとえば《青眼の究極竜》を相手に見せ、デッキから《青眼の白龍》を墓地に送ることで、1ターンだけこのカードの名前が《青眼の白龍》に変化する。
この後、《青眼の白龍》を墓地から蘇生させてもいいし、《青眼の白龍》になったこのカードを《青眼の究極竜》に融合させてもいい。

当時としてはこの代用効果も優秀だが、そもそも遊戯王OCGは「デッキにある未使用のカード」よりも、「墓地にある使用済みのカード」を再利用するほうが楽という不思議なゲームであるため、
好きなモンスターを墓地に落とせるこのカードはかなり強力なのだ。

「デッキのモンスター1枚を墓地に送る」というだけの魔法カード《おろかな埋葬》が制限カード(デッキに1枚まで)な点からもこの効果の強さはお分かりいただけると思う。

さらに名前が同じになるために、2つ首3つ首の《サイバー・ドラゴン》や《Dragoon D-END》などの
「このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない」という制限で融合素材代用モンスターが使えない場合でも、融合素材の代用にできる。

何せ名前が同じなのだから。


また、カード名を変更する効果により、必殺技カードとの相性もよい。
《青眼の白龍》が場にいるとき、相手の場のモンスターを全て破壊する魔法カード《滅びの爆裂疾風弾》を撃ったりもできる。
何しろ場にはまごうことなき《青眼の白龍》がいるのだから。

なお「名前が指定されてる」カードで無ければダメなので「《F・G・D》でドラゴン族、《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》で戦士族を何でも墓地に叩き込む」という使い方はできない。
気をつけよう。


ちなみに、このカード名を変更する効果は起動効果である。
そのため、効果を使った後に《スキルドレイン》を発動されても、カード名はそのままとなる。
(もちろん、起動効果にチェーンして《スキルドレイン》を発動されるとカード名の変更は無効になる)

また、融合モンスターを見せてデッキから融合素材となるモンスターを落とすのはコストなので、
何らかのカードをチェーンされてしまっても、デッキからの墓地送りは止めることができない。ルールも優秀。


そんな彼は活躍する場所を選ばない。
E・HERO】で融合素材の代用にするのは基本中の基本。

もちろん【剣闘獣】で《剣闘獣ベストロウリィ》をコピって《剣闘獣ガイザレス》を出すのにも使える。
《ヒーローアライブ》で連れてこよう。

融合体を持ち、蘇生手段の豊富な《青眼の白龍》《真紅眼の黒竜》《ブラック・マジシャン》といった原作キャラの切り札たちとの相性もよい。
《銀龍の轟砲》《永遠の魂》《ダイガスタ・エメラル》などを使って効率よく場に出そう。

ダーク・ガイア】では《混沌幻魔アーミタイル》を見せて《幻魔皇ラビエル》《インペリオン・マグナム》を見せて《マグネット・バルキリオン》など、
高打点に生み出すのに便利な素材をデッキから墓地に送れる。

そして、彼がその実力を最大限発揮するのは【ネオスビート】だろう。
他でも充分すぎるほど活躍するが【ネオスビート】におけるこいつの活躍っぷりはハンパない 。

まず【ネオスビート】では《E・HERO ネオス》はリアニメイトを連打する都合上、場以外では墓地にいてくれるのが一番よく、デッキから墓地にダイレクトに送れるこいつはかなりありがたい。
そのまま《E・HERO ネオス》のサポートを自身に使えるのも評価を上げる。
ともに光属性のHEROなので、《マスク・チェンジ》を使えば《M・HERO 光牙》に変身できる。

《E・HERO プリズマー》《E・HERO ネオス》を落とし、《ラス・オブ・ネオス》で《E・HERO プリズマー》をデッキに戻し場をきれいにした後に、《O-オーバーソウル》で《E・HERO ネオス》を特殊召喚、きれいな流れではないか。

コンタクト融合を狙う際もかなり強力なサポートとなる。
自身がコンタクト融合の素材になるだけでなく、墓地に落とした《E・HERO ネオス》を《ミラクル・コンタクト》で素材にすることも可能。
ラヴァルバル・チェイン》が現役の頃は、このカードを利用して手札2枚から超攻撃力の《E・HERO エアー・ネオス》を呼び出し1ターンキルするルートまであった。


このように便利なカードでありHEROと関係なく様々なデッキで引っ張りだこ。その効果が某世界の破壊者に似ていることもあって、
通称「通りすがりのデッキの破壊者・プリズマー」。特に当時不遇だったファンデッキにとってはまさにヒーローであった。
実際、《真紅眼の黒竜》になって《黒炎弾》等の他人に化けてそいつの必殺技を放つなど、カメンライドやアタックライドっぽいことも可能である。

だが第9期では過去に活躍したモンスターのサポートが大量に登場したため、
デッキによっては《E・HERO プリズマー》の墓地肥やしをもう必要としない場合もあるので、あくまでデッキによりけりという状況にはなっている。

まあそれでも選択肢として覚えておいて損はなく、以前として重要度が高いデッキがあるのも珍しくない。


【アニメでの活躍】

GXでは主人公の遊城十代が使用。
効果は同じだが、アニメではレベル5だったのでユベル戦の1度しか使われなかった。
一応、《レインボー・ネオス》を対象に《究極宝玉神 レインボー・ドラゴン》になれる利点はあったが、
レベル4になったおかげで汎用性では圧倒的にOCGの方が上。《増援》や《ヒーローアライブ》も使えるしね。

効果名は「リフレクト・チェンジ」。


【このカードをデッキに入れたい!】


さて、そんなに便利なカードならば誰しもデッキに入れたいと思うだろう。

だが、かつてのこのカードには大きな問題があった。


「そんな強いカードなら制限カードに引っかかってない?」
「いや、この子は制限どころか準制限にすら入っていないよ」
「そうなんだ!じゃ【ネオスビート】なら3積み確定だね!!」
「ああ……そうだね」











できるものならな




さて、散々こいつの特徴について述べたがこれからこいつの最大の特徴について述べようではないか。

サポート?
効果?

いや違う


値段だ


こいつが収録された初めてのパック?無いよそんなもん。

え?じゃどうやって手に入れるのかって?

  ↓

1、アカデミーデュエルディスク オシリスレッドバージョン 付属カード ADDR-JP001 Ultra

2、DUEL TERMINAL −混沌の覇者!!− DT05-JP007 N-Rare


うん……これが現実、いや絶望か……

片や6000円近い、ソリッドヴィジョンの出ないデュエルディスク
片やKONAMIの貯金箱の超排出率の低い(単純確率で1/400)ノーマルレアカード。
特に再録のノーマルレアは当時のデュエリストを大いに絶望させた。

少年、これが絶望だ……ちくしょう……ちくしょう……



そんなわけでシングル価格は、かの有名な《強欲で謙虚な壺》を軽く上回っていた。
つうか、DUEL TERMINALのノーレアで一番高いんじゃないのかこいつ
上記理由により、こいつの日本語版の3積みは非常に厳しかった。

特に当時まだサポートが充実していなかった《青眼の白龍》や《ブラック・マジシャン》、そして当時の主人公デッキであった「HERO」「ネオスペーシアン」等の人気の高いファンデッカーにとっては事実上の必須カードであったため、
ただでさえ供給不足なのに余計価格が吊り上がり大量のプリズマー難民が大発生。どれ程だったかというとデュエルディスク勝った時の値段とほぼ同じ5000円前後が普通だった。
結果ついたあだ名は「通りすがりの財布の破壊者・プリズマー」である...。ファンデッキのヒーローとはいったいなんだったのか

ただこいつの三枚積み、実はあまりメリットがない。
というのも普通に使おうとすると召喚権が必要だしそもそもこの効果は何回も使えるから強いというものではないからだ。
それに《E・HERO プリズマー》が属するE・HEROと戦士族は《E-エマージェンシーコール》と《増援》を筆頭にサーチ&再利用手段がこれでもかといわんばかりに豊富なので、意外と1~2枚でも十分、むしろ枚数を絞った方がが合理的だったりする。
まぁそうは言っても当時は強いサーチ手段が限られた時代でもあったので、やっぱり3枚入れたいデッキも少なくなかった...。

そのため韓国語版(通称ウリズマー)や英語版のレジェンダリーコレクション2同封のパック収録のものなら、比較的安価で入手できて地味に人気だった。
しかし、余計なルール改定遅すぎるルール整備により、海外版のカードは公式大会では使えなくなってしまった。


そんなこのカードだったが、この度「GOLD SERIES 2014」にようやく再録された。



封入操作なしで







封入操作なし


大事な事なのでry



またノーレアじゃないかという心配も杞憂に終わりました。

これで《E・HERO プリズマー》も財布の破壊者卒業だ!
ついでに「プリズマー難民」という言葉もめでたく死語となった。


その後は、2014年の「THE RARITY COLLECTION」や2016年の「20th ANNIVERSARY PACK 1st WAVE」でも再録され、
もはや小銭で買えるようになった。汎用性が高く面白い使い道が多いカードなので、非常にありがたい話である。


《青眼の白龍》《ブラック・マジシャン》【E・HERO】【剣闘獣】その他、多くのデッキで存分に過労死させてあげよう。



世界の破壊者プリズマー

財布の破壊者プリズマー

デッキの破壊者プリズマー

-いくつものカードショップを巡り、その瞳は何を見る-






追記・修正はゴールドシリーズ2014産ではない日本語版プリズマーを3積みしてからお願いします

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最終更新:2025年01月12日 22:15