登録日:2023/09/21 Thu 07:01:40
更新日:2025/03/17 Mon 22:27:52
所要時間:約 5 分で読めます
効果説明
遺言状
通常魔法
このターンに自分フィールド上のモンスターが自分の墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
初収録は1999年12月16日発売の「
EX」という初期も初期に登場したカード。
条件を満たした際に、
デッキからモンスターを特殊召喚する残存効果を持つ。
上記のテキストは(最後に収録された)
第2期のものであり、実際の処理とは微妙な齟齬がみられる。
《
増殖するG》を参考に、もし現代のテキストに直すと以下の通りになるだろうか。
遺言状
通常魔法
(1)このターン、自分フィールドのモンスターが自分の墓地へ送られた場合、以下の効果を適用する。
●自分は1度だけ、任意のタイミングでデッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を特殊召喚できる。
また、マスターデュエルでは旧カードの効果テキストが整備されており、そちらでのテキストは以下のようになっている。
遺言状
通常魔法
①:このターン中に自分フィールドのモンスターが自分の墓地へ送られた場合、そのターン中に1度だけ、デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を特殊召喚できる。
要点は以下の通りとなる。
- 《遺言状》カード自体はいつでも発動できる。
- 《遺言状》によるモンスターの特殊召喚は、チェーンブロックを作らない。
- 《遺言状》によるモンスターの特殊召喚は、そのターン中に1度しか行えない。
- 《遺言状》カード1枚で特殊召喚できるのが1体というだけで複数枚発動すればその枚数分モンスターを特殊召喚できる。
- 「モンスターが墓地に送られた」のであれば、《遺言状》を発動したターン中(ダメージステップを除き)いつでもモンスターを特殊召喚できる。
- 例えばメインフェイズ1で《遺言状》を発動し「モンスターが墓地に送られた」場合、メインフェイズ1に限らずメインフェイズ2、バトルフェイズ、エンドフェイズにも特殊召喚ができる。
- 「モンスターが墓地に送られた」後に《遺言状》を発動した場合も、《遺言状》の効果処理時及びそれ以降で特殊召喚が可能。
- アドバンス召喚、効果発動のリリースコスト、EXモンスターの召喚でモンスターを墓地に送ってもOK。そのためタイミングを逃さない。
- まず間違えないだろうが条件は『自分の墓地に送られた時』なので、相手モンスターを魔法カードでコントロール強奪し、破壊や素材消費した場合は相手の墓地に戻るので特殊召喚出来ない。
評価
モンスター1体を特殊召喚するだけであり、効果モンスターがほとんどいなかった初期であれば大したことないカードだった。
しかし、攻撃力1500以下の効果モンスターが増えるに従い凶悪性を増していき、パワーカードへと変貌していった。
結果、このカードは2007年から
禁止カードに指定されており、それ以降は一度も解除されていない。
以下にその理由を述べる。
1.緩い条件
フィールドのモンスターが「墓地へ送られた」という条件は、このカードのコストではなく他のカードのコストなどでも良い。
第1期でも《
キャノン・ソルジャー》の様な自身をコストにできるモンスターなら墓地へ送る条件を能動的に満たしていた。
第2期で生け贄召喚のルールが確立して、生け贄がトリガーにできる様になった他、《
ならず者傭兵部隊》といったトリガーに適したモンスターも増えた。
そのため「実質存在しない」と言えてしまう。
このカードが禁止カードになって以降は
シンクロ召喚などフィールドのモンスターを何かしらの特殊召喚のために墓地へ送ることが増えており、発動はより容易になっている。
一応
【エクシーズ召喚】など、モンスターを墓地へ送らない特殊召喚手段はある。
逆に言えば、それくらいしか苦手なデッキが存在しないほどの汎用性を備えている
というわけでもある。
2.広いリクルート範囲
デッキから攻撃力1500以下のモンスターであれば
何でも特殊召喚ができるというのも破格の効果になる。
額面上こそ「1:1交換」の処理だが、攻撃力は低いながらも効果が優秀なカードは数多く存在する。
特にサーチや蘇生など「更に
カードアドバンテージを稼ぐカード」をデッキから引き摺り出せる点が強く、1:多交換の切っ掛けとなってくれる。
サイエンカタパ(遊戯王OCG)ではキーカードのどちらにもアクセスでき、1ターンキルを補助していた。
第2期には戦闘破壊をトリガーに攻撃力1500以下を引き出せるモンスターが6属性分登場したが、これらも当時の環境では優秀と評価されており、
全属性にアクセスできたこちらがどれだけ優れていたか窺い知れる。
緊急テレポート
速攻魔法
(1):手札・デッキからレベル3以下の
サイキック族モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズに除外される。
比較対象として、このカードを挙げる。
《緊急テレポート》は条件なしにレベル3以下のサイキック族モンスターを特殊召喚できる魔法カード。
2023年9月時点では約70枚のカードが該当しており、効果範囲には優秀なモンスターも多い。
そのため2023年9月時点では
準制限カードに指定されており、かつては
制限カードになった経験もある。
サイキック族しか対応していないことから分かる通り、《緊急テレポート》の対応範囲は《遺言状》のそれを大きく下回る。
それも当然で、2023年9月時点《遺言状》で特殊召喚できるモンスターは3700枚以上も存在する。
ちなみに《緊急テレポート》で特殊召喚でき、かつ《遺言状》で特殊召喚できないモンスターはわずか4枚しかない。
文字通りの「桁違い」であり、《緊急テレポート》とは使用デッキも運用ルートも同様に「桁違い」である。
とはいえ速攻魔法は相手ターンにも使えるため、カード性能自体では比較するのもまた違うが。
制限・エラッタ推移
実はこのカードは一度
エラッタされている。
エラッタ前の効果では
モンスターの特殊召喚に回数制限がない。
そのため「モンスターが墓地に送られる度に新たなモンスターをデッキから特殊召喚できる」という、凡ゆる展開能力を超越した"化け物"のようなカードであった。
エラッタ前の運用法としては以下の通り。
シンクロ召喚が生まれる前のカードプールですら1ターンキルの要として大活躍していた。
そして「ザ・ヴァリュアブル・ブック2」の発売(2000年4月20日)に際して現行仕様にエラッタされ、1ターンに1体しか特殊召喚できなくなる。その後「EX-R」での再録(2000年11月23日)にてエラッタ後のテキストにて再録された。実の所、修正後のテキストでも1ターンに1度という点が読み取れないのだが…。
とにかくもこの弱体化を考慮したのか2001年5月に無制限カードにまで緩和された。
その後はしばらく無制限のままであったが、以下のデッキを筆頭に再びその凶悪性を露見させる。
これを危険視してか、あるいは後に導入するシンクロ召喚を見据えてか、2006年7月に制限カード、2007年7月に禁止カードに指定される。
幅広すぎる汎用性と自由度を備えており、EXモンスターの特殊召喚という流れと強く合致している。
その上で再エラッタしようにも手を付ける箇所が多く、そもそも効果が複雑。
そのため制限緩和を受ける可能性は極めて低い。
余談
「遺言」とはご存じの通り、故人が生前に残しておくメッセージのこと。
この場合は効果条件として「墓地へ送られたモンスター」の遺言という解釈になるのだろうか。
登場当初の環境でフィールドのモンスターを墓地へ送る手段は、
自爆特攻するか、
融合素材にするか、生贄に捧げられるかという状態だったため、当てはまるものではある。
追記・修正は遺言を残してからお願いします。
- 効果モンスターがロクにいなかった最初期だからこそ許されたカードってイメージ。登場直後は1500以下って緩さでも選択範囲は限られてたし。 -- 名無しさん (2023-09-21 07:17:25)
- ↑これの1月前にクリッターとウィッチとキャノソルが出てるのでその擁護も苦しいような気が -- 名無しさん (2023-09-21 09:36:08)
- 結局エラッタしても特殊裁定扱いでややこしいカード。アニメに出てきてたら絶対にエラッタ前の扱いされてただろうな。 -- 名無しさん (2023-09-21 10:00:08)
- そのターン既にモンスターを墓地に送っているなら発動時にうららを当てられるけど、送ってない状態ならうららを当てることが出来ない(特殊召喚にはどっちにせよ当てることは出来ない)というコンマイ語の難しさを分からせてくれるカードでもある -- 名無しさん (2023-09-21 11:09:02)
- [] -- 名無しさん (2023-09-21 12:17:38)
- 「遺言状の内容はあやふやではなくしっかりと条件を指定しておかないと後々揉め事になりますよ」という現実にも突き刺さるような内容であるか? -- 名無しさん (2023-09-21 12:19:25)
- 「後の事はあいつに任せる」で呼び出された後に速攻で素材or射出されるいつもの遊戯王 -- 名無しさん (2023-09-21 13:33:52)
- 次の自分のスタンバイフェイズにデッキから特殊召喚にエラッタなら禁止解除は……無理か -- 名無しさん (2023-09-21 16:33:00)
- ↑そんなエラッタしたら解除余裕というかクソザココース -- 名無しさん (2023-09-21 16:53:47)
- 速攻魔法では相手ターンに使えるといった利点や、レベルと攻撃力の関係でリクルート範囲が違う為、緊急テレポートでは比較する意味がないんじゃいかな。 -- 名無しさん (2023-09-21 18:30:49)
- なんかちょいちょいおかしな文よね -- 名無しさん (2023-09-21 20:01:00)
- ならず者がマブダチとか文章に直すと危ない奴すぎる -- 名無しさん (2023-09-21 20:07:21)
- エラッタしない限り復帰しようがないから全く再録されずテキストから読み取れない裁定が多すぎる… -- 名無しさん (2023-09-22 02:59:23)
- 攻守を参照しつつ属性・種族・テーマでの縛りが無いとなるとカオスエンドマスターくらいしかいない、同じ通常魔法だと比較的緩いのでも予想GUYやワン・フォー・ワンくらいしかないっていうのを比較に挙げればこいつのイカれ具合がわかりやすいかも -- 名無しさん (2023-09-22 03:07:31)
- シンクロとかエクシーズとかの相性書かれてるけど禁止までに共存できたことあったっけ? -- 名無しさん (2023-09-23 22:33:16)
- ↑シンクロ召喚は2008年、エクシーズはさらに後だから、共存したことは無いと思う。デュエルターミナルとかソシャゲの方は知らないけど -- 名無しさん (2023-09-23 22:48:42)
- 比較するなら巨大ネズミやキラートマトみたいな戦闘破壊リクルーターの方が良くないか?緊急テレポートだと上位下位の互換がちょっとズレてしまうと思う -- 名無しさん (2023-09-24 03:14:52)
- 禁止カードだから関係ないけど実はうららが効かない -- 名無しさん (2023-09-24 04:03:58)
- キラートマト達より登場が早いってのが一層わからんのよな。発動条件から考えると1度目のエラッタ後のクリッチーの効果を他のカードにも付加するようにした、という意図だと考えられなくもないけどなぜ場に出すようにしたのか…エクゾだと場に出しても意味ないからこれで弱化調整のつもりだったのか?結局クリッチー本人を出してエクゾそろえるんだけど -- 名無しさん (2023-09-24 23:27:00)
- 建て主のhelix1beakはヴァルモニカの作成も宣言してるけど、期限切れてるのになんの音沙汰もなし。新規項目申請ページで消すにしても、この項目の作成申請ごとまとめて消すというよくわからない行動しているな -- 名無しさん (2023-10-13 01:29:30)
- サンボルとかと同じで最速禁止組かと思ってたけど禁止になったのが07年って案外使えた期間長かったのか -- 名無しさん (2024-02-26 15:55:51)
- 遺言状のエラッタ時期がEX-Rの再録は間違いだね。VB2のQAに「キャノン・ソルジャーとの永久コンボになってしまうから1体だけにしか効果が使えないように制限された」と書いてあるのでもうこの時点でエラッタされていたとみるべき。多分ウィクリのエラッタと同時期じゃないかな -- 名無しさん (2024-06-09 11:54:42)
- ↑初収録がEXで再録されたのがEX-Rだけだからテキストが修正(エラッタ)されたのはEX-Rで間違いはない。おそらく裁定変更されたのがウィクリと同時期だと思う。 -- 名無しさん (2024-06-09 12:03:16)
- 色々調べたが色々ややこしい事情があるのは理解した。実の所エラッタは告知だけでも要件満たすからその理解自体は不適切なんだけどVB2の告知がエラッタ告知と言えるかどうか微妙なので結論としては当たらずとも遠からず…って所。裁定変更の範疇に関しては割と主観に入ってくる所なので、そもそもそういう表現を避けた方が無難かもしれないとは思った。結局一番言いたかったのは「以前の記載だと再録時に効果変更した、としか受け取れないから変な誤解を与える」って部分なので -- 名無しさん (2024-06-09 14:58:59)
- 少し直したけど微妙だな、一応致命的な矛盾はしてないと思うけど気になるなら項ごと直すべきだと思う。そもそもこの項の作成者がエラッタと同時に効果が修正されたという誤解に基づいて記事作った節があるんで「エラッタで効果を直した」という表現になってしまっていてやりづらい -- 名無しさん (2024-06-09 15:19:56)
- 初出テキストが「このターンに墓地へ送られたモンスター1体の代わりに、デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体をフィールド上に出すことができる。」だからEX-Rでエラッタされてるのは確かなんだけど、記事でも言われてる通り繰り返し発動しないことは結局テキストからは読み取れないから、この件は「エラッタ」と「裁定変更」を明確に分けて考えたほうがいいだろうね -- 名無しさん (2024-10-22 15:22:00)
- 実の所効果自体は適用条件では無くカード自体の発動条件にすれば割とシンプルに整理できる。なんでこんなややこしいテキストになってしまったかだが、最初期の遊戯王の魔法に「発動条件」の概念が無いためである。なので「発動後に条件満たしたら適用」とかいう変な効果になってしまったと。ループコンボが想定通りだったのかは微妙な所だが調整不足だったのは間違いないだろう。 -- 名無しさん (2024-12-11 13:14:59)
最終更新:2025年03月17日 22:27