全属性

登録日:2019/03/04 Mon 18:29:50
更新日:2025/07/04 Fri 16:15:10
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この項目では様々な作品に登場する


について説明する。




「その作品に登場する全ての属性を含んだ属性」を表している。

通常一部の作品を省き、明確に属性の概念がある作品においては各属性に対応、または起因した攻撃しか出すことができず*1
それ故に(根性や気合、精神力にレベルや経験値といったある種の「お約束」を省いて)属性間による相性が絶対的なものとなる。
また複数の属性が所謂すくみの関係となっていることもあってか、「最強の属性」は存在しないとされるのが一般的である。

しかし、この全属性は文字通り全ての属性の力を持ち、尚且つそれらを自由に発揮できるため、
相手によって攻撃パターンを変えて様々な戦況に柔軟かつ強力に対応することが可能。
それは相手の属性に対して相性のいい攻撃を選んで繰り出すだけではなく、とある属性の弱点を他の属性の力で帳消し、または中和して防御することにも言える。
また、属性を一つしかもっていないキャラクターには不可能な「複数の属性のパワーを合体させてより強力な攻撃を放つ」といった芸当すら可能としており、
理論上は「最強」として扱われることがほとんどである。
因みに属性と言っても火や水等のスタンダードなものだけでなく、武器や戦術といったものもまた広い意味では属性に当たる。

一切の属性を持たない「無属性」とは正反対の関係と言える。イメージ色も無属性は白が多いのに対し、全属性は虹色などカラフルになりがち。

コピー能力者はあらゆる属性をコピーすることにより結果的に全属性を扱えることがある。



このように全属性とは非常に強力な存在である。
なので雑魚キャラやモブキャラに割り振られていることは極めて少ない。
というか割り振られている時点でそのキャラクターは一定上の強さを持っていることはほぼ証明されているようなものである。
多くはラスボスや主人公の最強形態が持っていることが多く、前者ならば圧倒的な力によって主人公達を追い詰めて大きな絶望感を与える。
そこから発想の逆転や属性に頼らない攻撃などの主人公達の奇策や創意工夫による大逆転によって爽快感やカタルシスを大いに引き出してくれるのだ。
後者ならばそれまでの戦いや経験によって初期の頃とは比べ物にならないほどの力によって敵を軽々となぎ倒していく様子からやはり爽快感やカタルシスを感じさせてくれる。
イメージカラー等は特に決まっておらず、大体は虹色やその属性にあてがわれたイメージカラー全部が何かしらの形で揃っていることが多い。



…とでも思ったか?

一方、ゲーム作品ではそうは問屋が卸さないと言わんばかりに最強でもなんでもない事もある。
「複数、または全ての属性に属すること」「属性を自在に変更できること」にアイデンティティの全てを捧げたようなユニット・キャラクターもしばしばおり、
そういったキャラは地力で言えばさほどではない場合も多い。
そもそも属性間に得手不得手を持たせているゲームがほとんどなので、システムによっては特別な存在でありながらそこまで強くないのも珍しくはない。
むしろ複合で計算されるゲームでは全属性が活躍できる機会は大きく制限される。
当然、敵が弱点属性ばかり持っているなら超強力になれる可能性があるのだが、裏を返せば逆の場合は全くの役立たずになるということ。
実際には弱点と耐性それぞれが割り振られている関係でせいぜい多少のプラスまたはマイナスに落ち着くだろう。
さらに言えばボスクラスの強敵が多数の弱点属性を持っているケースは考えにくく、むしろ耐性が多い。

すると全属性という余計な属性を抱えている結果、無属性に劣る結果になってしまうのだ。

  • オール乗除算/累積加減算タイプ
前者はいわゆるポケモンに代表される、ダメージに【弱点ならば×2耐性があれば÷2】といった数値を積んでいくシステム。
弱点と耐性の計算数が等しければ打ち消し合って消滅するということ。
後者は海外のゲームでよくみられるバフ積み型の計算方法。
ダメージに【弱点ならば+100%耐性があれば-50%】といった数値を積んでいくシステム。
前者と違うのは、このパーセンテージは「これらを加減算でいったん計算してから」本命のダメージ値に適用するということ。
一見すると弱点はダメージ2倍、耐性があればダメージ半減…のように見えるが、上例では+100-50で差し引き+50、つまりダメージは1.5倍になるのだ。
(ただ実際にはこれらを見越して数値設定されている事が多いのでこんな単純ではない)。

さて、これらが全属性とぶつかった時どうなるかというと、言うまでもなく耐性の数で左右される
都合よく弱点を突けるなどという甘い話はないのである。


  • 耐性優先/弱点優先計算タイプ
こちらは「1つでも弱点属性なら弱点判定」、もしくは「1つでも耐性属性なら耐性判定」のシステム。
前者の場合、は大半の状況で弱点を突けるので文字通り最強の存在になれる可能性を秘めている。すげぇ!やっぱ最強じゃん!
逆に後者だと一つ耐性を持たれているだけで全属性は完全に役立たずと化す。ダメじゃん…

このシステムは制作側の性格も出やすく、あえてを有利にしたい意図があれば前者の仕様が採用されるだろうが、
たまにプログラムの条件式で最初に当てはまった属性、もしくは最後に当てはまった属性といった風なアバウトなケースもある。
これで耐性が優先されてしまうと泣きを見るのが全属性というわけだ。


  • 各属性独立計算タイプ
AoWに代表される、ダメージが最初から複数の属性で個別計算されているタイプ。
例を挙げると「物理10+炎5=総ダメージ15」といった概念であり、炎属性での有利不利は5の部分のみ計算され、物理側には影響しないという仕様。

このシステムを採用したゲームでは比較的の地位は高い。
というのも、全属性=各属性が一律同じダメージ値で設定されていた場合、その中の一部のダメージが増減したところで大幅に影響しない。
こうしたゲームではきちんと属性を分けているため「無属性」なるものが存在せず*2、全属性はそれに替わる形の運用ができるのである。



主な全属性のキャラクター・システム

特撮

名前 登場作 備考
クライマックスフォーム 仮面ライダー電王
ライナーフォーム デンカメンソードを使うことで全フォームに対応した攻撃を使用。必殺技もそれぞれに対応したデンライナーを召喚する
超クライマックスフォーム
ドガバキフォーム 仮面ライダーキバ
エンペラーフォーム タツロットを介して「〇×フィーバー」が発動。各フォームの使用武器と合体、各必殺技が強化される
ドガバキエンペラーフォーム
仮面ライダーディケイド 仮面ライダーディケイド
コズミックステイツ 仮面ライダーフォーゼ 対応するアストロスイッチに対応する胸部のスイッチクラングをタッチすることで、異なるスイッチの能力を組み合わせることが可能
極アームズ 仮面ライダー鎧武 アームズの武装および新世代ライダーのソニックアローを使用可能
タイプトライドロン 仮面ライダードライブ シフトカー三つの能力を組み合わせた「タイヤカキマゼール」を使用
グレイトフル魂 仮面ライダーゴースト 専用ベルトであるアイコンドライバーGで英雄ゴーストを召喚する(複数召還可能)
ムゲン魂 ガンガンセイバー/サングラスラッシャーの全形態を使いこなすうえ、感情を変換した必殺技を使う
ゲムデウスクロノス 仮面ライダーエグゼイド
ジーニアスフォーム 仮面ライダービルド
グランドジオウ 仮面ライダージオウ 全身に施された歴代平成ライダーのレリーフに触れることでライダーを召喚・および装備が使用可能
オーマジオウ 全ての平成ライダーの力を持つ
オーマフォーム
ランペイジバルカン 仮面ライダーゼロワン
クロスセイバー 仮面ライダーセイバー 刃王剣(はおうけん)十聖刃(クロスセイバー)で11本の聖剣すべての力を使う
レジェンダリーレジェンド 仮面ライダーガッチャード 歴代平成&令和仮面ライダーの最強形態に変身するだけでなく、基本形態・中間形態までも召還可能
プラチナガッチャード 両腕の「ユニゾンホッパリングラッシャー」と両脚の「ユニゾンホッパリングプレッシャー」にケミーカードを複数回リードすることでミックス攻撃が発動する
レインボーガッチャード レインボーケミーカードをリードすることでガッチャーブラザーズを召喚する
アバレブラック 爆竜戦隊アバレンジャー 専用武器・ダイノスラスターで火・水・土・風の技を使う
デカブレイク 特捜戦隊デカレンジャー 変身ブレス兼専用武器・ブレスロットルで火炎・竜巻・電撃・水圧光線・光速拳といった技を使用可能
デカブライト
ニンニンジャー 手裏剣戦隊ニンニンジャー 五トン忍シュリケンで火・水・土・木・金のシュリケン忍法を使う
シシレッドオリオン 宇宙戦隊キュウレンジャー オリオンキュータマでキューザウェポン全形態および追加戦士の武器を召喚する
チャンピオンブンブンジャー 爆上戦隊ブンブンジャー 羽織ったチャンピオンジャケットに施されたレリーフに触れることでブンブンカーの能力がメンバーの武器にエンハンスされる
オーブオリジン ウルトラマンオーブ オーブカリバーで火・水・土・風の技を使う
マガタノオロチ 復活には風・土・火・水・闇・光の魔王獣の怪獣カードとウルトラマンベリアルウルトラフュージョンカードを要する
ウルトラマンオーブダーク ウルトラマンR/B オーブダークカリバーで火・水・土・風の技を使う

漫画アニメ

オティヌス とある魔術の禁書目録
クリスタル インヒューマンズ(アメコミ) 地・水・火・風の四属性の力を自在に使う
マイティーV 冒険遊記プラスターワールドシリーズ
マナリア=スース 私の推しは悪役令嬢。
大筒木カグヤ NARUTO‐ナルト‐ 白眼写輪眼輪廻眼の三大瞳術を併せ持ち、血継網羅と呼ばれる五大性質と陰陽遁合わせた能力を扱う
大筒木ハゴロモ すべての忍術やシステムの元となる忍宗を作った
うちはマダラ 輪廻眼を開眼して十尾も取り込みカグヤとハゴロモに迫った
大筒木シバイ BORUTO‐ボルト‐ あらゆる神術を身に宿した大筒木一族の神
アミバ 北斗の拳外伝 天才アミバの異世界覇王伝説 ただし出力が低い

ゲーム

アルセウス ポケットモンスターシリーズ タイプはノーマルだが、プレート(メモリ)を持たせることでタイプチェンジを可能とする
シルヴァディ
ミラクルマター 星のカービィ64
聖邪の天使 爆ボンバーマン2
ルミネ ロックマンx8
レギンレイヴ グローランサー
天魔王ゴッド・ゼクス バトルスピリッツ
ヘキサドラゴン レジェンズ~甦る試練の島~/~サイン・オブ・ネクロム~ 属性は風だが、ある特定の条件下で自由に属性の切り替えが出来る
トゥルーウインドラゴン レジェンズ・ザ・カードゲーム
ヘラクレスオオヨロヒグモ ピクミン2
アメニュウドウ ピクミン3
エレメントマン ロックマンエグゼ6
アルバトリオン モンスターハンターシリーズ 5属性全てを攻撃に用いるようになったのはMHW:Iからで、MHXX以前は水属性の攻撃のみ持っていなかった
エンド いけにえと雪のセツナ
グレートゼオライマー スーパーロボット大戦J 原作およびOVAには登場しない、メカデザイナーの森木靖泰氏によるお遊びイラストから由来
ハウドラゴン 元ネタはCDドラマ「大冥界」より。この時は超常合体奇跡ロボという肩書がついていた
精霊大結晶パネル クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ
ゼルプスト
ホーンカメレオン カルドセプトシリーズ 属性は無属性だが、全ての属性を持つかのように地形効果を受けられる
天賢[ソル] ブレイザードライブ
獅皇ハザン サモンズボード 毎ターン属性が変わる
魂狩公ダランティ
メルストロム

カードゲーム

カクレオン LV.34
(パック「時の果ての絆」版)
ポケモンカードゲーム ポケボディー「カラフルボディー」によって、登場当時存在していなかったドラゴン、フェアリー以外全てのタイプを持つ。
召喚獣エリュシオン 遊戯王オフィシャルカードゲーム 極めて特殊な立場にある神属性以外全ての属性を持つ
5色カード Magic the Gathering
霧衣の究極体
ジュリアス・マゼモルフ博士
多相カード
「すべてのクリーチャータイプを併せ持つ」として扱われる能力を持つ。
この能力は後に「多相」としてキーワード能力となった。
5色レインボーカード デュエル・マスターズ
究極男 当時の特殊種族と全てのソウルを網羅した
スライム・マナ等の一部のモンスター モンスター烈伝オレカバトル 全属性の技を持つ



追記・修正は全ての攻撃を克服してからお願いします。

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最終更新:2025年07月04日 16:15

*1 例えば、「火属性のキャラクターなら火を放つ、水属性のキャラクターなら水を出す、風属性なら風を起こす」ことしかできない等々

*2 物理攻撃は物理属性といった風