登録日:2023/12/03 Sun 00:00:00
更新日:2024/02/03 Sat 19:47:09
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イデアは、認識した時にはすでにイデアではない。
だが、認識しようとし続けることが大事なのだ。
概要
初出はDMEX-08に収録された《神滅翔天ポッポ・ジュヴィラ》の
フレーバーテキスト(以下FT)。
2023年現在ではカード化していない
設定のみの存在となっている。
デュエマにおける
フェニックスという
種族は、主に
聖拳編と
不死鳥編の2シリーズで登場している。
聖拳編のフェニックスがまさに不死鳥といった出で立ちなのに対し、不死鳥編のフェニックスは彗星や惑星を模ったおよそ不死鳥とは思えない見た目になっており、同じ種族でありながら全く異なる姿形をしていた。
ところが実は両者とも共通の祖先から誕生しており、それこそが
イデア・フェニックスなのだという。
イデアとは哲学用語で「事物の本質」を意味し、個々の事物に対する究極の理想として概念的にあるものとされている。
バラバラな見た目のフェニックス達を生じさせていた大元に相応しいネーミングと言えよう。
当初は「2種のフェニックスの祖」という漠然とした事しか分かっていなかったが、後続のカードのFTでより詳細に掘り下げられている。
カード化?
近年では《
覇王ブラックモナーク》と《
サファイア・ウィズダム》を皮切りに、《
闇道化マルバス》に《
サファイア・ミスティ》《
仙界一の天才 ミロク》といったFTでのみ登場するクリーチャーが続々とカード化していってる。
しかしイデア・フェニックスの場合、名前が表す通り概念的な存在であるために
《イデア・フェニックス》としてカード化した時点でイデアでなくなってしまうという致命的な矛盾を抱えている。
FTの中でのみ登場する設定上の存在だからこそ活き、上記の「背景ストーリーには登場しているがカード化していなかったクリーチャー」とはある意味一線を画している。
一応ハッキリとした姿形がある事は明言されている他、後述する背景ストーリーでもイデア・フェニックス本人が登場しており、実体として存在する描写もあるにはある。
それでも単純にカード化しただけではイデアと矛盾するので、仮にカードとして刷られるとしたらどうなるのか密かに注目が集まっていた。
イデア・パラドックス UC 水/火文明 (2) |
呪文 |
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい) |
次のうちいずれか1つを選ぶ。 |
▶バトルゾーンにある相手の、コスト4以上のカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。 |
▶バトルゾーンにある相手の、コスト3以下のカードを1枚選んで破壊する。 |
たった2マナで詠唱可能な
カード指定除去で、コスト4以上ならバウンスが、コスト3以下なら破壊が打てる優れた1枚。
序盤・終盤問わずに活躍できる効果であり、
S・トリガー付きで受け札にもなってくれたりと腐る場面は少ないだろう。
…とカード性能の解説はさておき、イラストではそれぞれ紅炎と蒼炎で構成された2体の不死鳥が向かい合っており、カード名にも「イデア」と付けられたり明らかにイデア・フェニックスを意識している事が分かる。
しかしながら「パラドックス」とも書かれている通り、観念であるはずのイデアがカードとして存在する事の矛盾も合わせて指摘している。
つまり「イデア・フェニックスはカード化できない」という概念その物のカード化であった。
記事冒頭の文章もこのカードに載っていたFTで、イデアとは認識した時点でイデアでなくなる事が書かれている。
やはりイデア・フェニックスが《イデア・フェニックス》のカードとして認識されるような事態は、イデアにとって大きく矛盾するようだ。
一方で「認識しようとし続けることが大事」とも語られているため、どのような存在なのかと考えを巡らせる事もまた重要なのだろう。
ちなみに別イラストではもう一種類のFTが用意されており、背景ストーリーにおける不死鳥たちの行動原理のようなものが明かされている。
このようにカード化が難しくなる方向で設定を補強されていく珍しい存在であり、《イデア・パラドックス》の登場でそのハードルはより高まったと言える。
果たしてイデア・フェニックスはカードとなれるのか、もしカード化したとしてどのような形になるのか、今後に注目である。
関連カード
概念は、そのイデアを現実に光として投影する。
ヒズラシィは衒学のその光に惑わされず、イデアをつかみアウフヘーベンさせるのであったのであった。
エピソード2で登場した
公式画像がガビガビな画質でお馴染みのワンダー・トリック。
FTで初めて「イデア」の概念について触れたカードであり、上記のような内容が書かれている。
専門用語が複数用いられており理解するのに苦しむが、どうやらヒズラシィは惑わされる事なくイデアの実体を掴む事に成功したようである。
ちなみに「であったのであった」という特徴的な語尾は誤植でも何でもなく、実際のカードで
本当にこのように書かれている。
収録時期からしてイデア・フェニックスを想定した一文ではないと考えられるが、後に以下のようなクリーチャーが登場した。
不死の概念は、イデアとしてその炎から新たな不死鳥を生み出す。
デイズは衒学にまみれたイデアに目くらましをされつつも、確実にイデアへと手を伸ばし続けるのであったのであった。
ヒズラシィと同じくワンダー・トリック。
こちらのFTはイデア・フェニックスの存在を踏まえた上でイデアについて触れられており、フェニックスがどのように誕生するかを仄めかしている。
何でもイデアとしての不死の概念(=イデア・フェニックス)は炎であり、そこから新たな不死鳥を生み出す模様。
実際、下述する3体のフェニックスは「不死の炎」と「その他の概念」が混ざり合って誕生した事が明かされている。
なお、当のデイズ本人はヒズラシィと対照的に衒学で目くらましされたが、それでも確実にイデアへと手を伸ばしているらしい。
そして「であったのであった」のヒズラシィ構文も健在であったのであった
美孔麗王国を率いる長。
当初は
十王篇における旧種族復権の一環として登場したフェニックスと思われていたが、収録から少ししてイデア・フェニックスより発生した存在である事が明かされた。
曰く、
人々の美に対する憧れと
不死の力が混ざり合って
永遠の美となった存在らしい。
フェニックスとしてはこれまた異質な「巨大な顔面が張り付いた怪物」という見た目も、あくまで概念として投影するものでしかないイデアの特異性を象徴している。
ザキラの切り札にして
超神星の代表格。
こちらは
不死鳥と
龍の炎が交じり合って生まれたフェニックスで、その姿は
イデア・フェニックスに最も近いとされている。
登場当初から超神星にしては聖拳編のフェニックスに近い見た目である事が指摘されてきたが、どうやら大元のイデア・フェニックスも不死鳥型と惑星型を足し合わせた見た目のようだ。
姿形を変えて三回も
背景ストーリーのラスボスを担当した不死鳥。
転生体である《暗黒凰ゼロ・フェニックス》の煉獄での描写から、
不死と
破壊のイデアが入り混じったフェニックスである事が示唆されている。
煉獄では魔銃「マッド・ロック・チェスター」に魅入って自身のイデアで飲み込み、後に
邪眼の始祖が魔銃を手に入れようとした際には呪いで煉獄に囚われている。
背景ストーリー
また開発主任Kによると、
ドルマゲドンXによって並行世界全てに巻き散らされるはずの
禁断が
EP世界では現れず、逆に
DS世界ではフェニックスが基本的にいない事などから、
イデア・フェニックス=禁断のパラレルとの可能性が浮上している。
他にも
ドラゴンが存在しない何処かの並行世界では、
火文明に対して
不死鳥の炎が次元を超えた責め苦を与えているとの事。
不死鳥と龍の炎で生じたドラゲリオンが最も近い姿をしている事と言い、イデア・フェニックスと龍の力は何かしら密接な関係にあるようだ。
歴代のクリーチャー達を歪に合体させた怪物・
ディスペクターの出現で大戦が巻き起こった時代。
禁断と
奇跡を合成した《
禁時混成王 ドキンダンテXXII》は時計の針を進める毎に滅亡現象を巻き起こし、針が「VIII」を指した瞬間、《
覇王ブラックモナーク》の復活と共になんと
イデア・フェニックス本体が顕現した。
2体の超常存在が同時に出現した事による衝撃は凄まじく、オリジナル・ハートの力で9体神となっていた
闇の九王は
一瞬にして消し飛ばされてしまった。
その後、モナークの方は
最強最悪のディスペクターが誕生する瞬間にも立ち会ったが、イデア・フェニックスについてはいつの間にか姿を消している。
追記・修正はイデア・フェニックスを認識してからお願いします。
- 流石にそのうちカード化されるとは思うが、存在の格からしてもドルマゲドンやゼーロンみたいに5枚1セットの両面カードになるんかな(5文明のセルが合体して不死鳥になるとか) -- 名無しさん (2023-12-04 21:53:00)
最終更新:2024年02月03日 19:47