久瀬大作(龍が如く)

登録日:2024/06/10 Mon 20:16:29
更新日:2025/04/30 Wed 00:21:57NEW!
所要時間:約 7 分で読めます






極道ってのはなぁボクシングとは違ぇ

喧嘩に負けたヤツが敗者になるんじゃねえ

最後まで“張り続けられなかった”ヤツが負けるんだよ




久瀬(くぜ)大作(だいさく)とは、ゲーム『龍が如く』シリーズの登場人物。


CVとモデルは俳優の小沢仁志が担当。
「顔面凶器」とも呼ばれる強面に氏独特のしゃがれた声質による威圧感は凄まじく
まさに「本職」のような迫力を醸し出している。

【概要】

初代から17年前の物語を描いた『龍が如く0 誓いの場所』に登場。

関東最大の暴力団「東城会」の直系組織「堂島組」若頭補佐の一人であり、「久瀬拳王会」の会長。
同じ若頭補佐の阿波野渋澤からも「久瀬の兄貴」と呼ばれるリーダー的立場。


【人物】

元プロボクサーであり組内の役割においても分かりやすく「暴力」案件を担当する。
まさに絵に描いた顔面凶器「凶暴」そのものではあるが、極道になったのも「自分より強いと思える相手を殴りたかったから」という生粋の武闘派。
謀略渦巻く東城会にあっては珍しく損得以上に極道、そして男としての意地とメンツにこだわるタイプ。
「極道は張り続ける限り負けではない」という信念を持ち、その言葉通り何度倒されようとも繰り返し桐生の前に立ちはだかってくる。
もっとも頭を使うことを否定しているわけではなく、後述する経緯で当初は桐生を逆スパイとして利用しようと画策したり、米田のように殴るしか能がない三下のことは嫌っている。

背中に閻魔、両腕に牛頭馬頭、胸には骸骨の刺青を入れている。

【活躍】


序盤

神室町再開発計画に必要な「カラの一坪」で起きた殺人について、当初は桐生に対して(エンコ)を詰めた上で当日中に警察に出頭するよう命じていた。
しかし、この土地の問題を解決した幹部は次期若頭に昇進出来るようになっているため、桐生を現若頭・風間への逆スパイとして利用することを思いつく。
当然ながら風間を慕う桐生には拒否され、その上(エンコ)を詰めもせず組を抜けたいと言い出したことから業を煮やして桐生をリンチの上抹殺しようとする。

だが「お前はもう組を抜けた(から始末しても問題ない)」という言質を取られたことで、桐生からの猛反撃を許すことに。
上下関係が無くなった事で桐生からは以降「兄貴」呼び・敬語ではなく呼び捨て・タメ口で接されるようになる。
米田をはじめとする部下を蹴散らされ、自身も敗北を喫してしまう。

その様は堂島組長や他の幹部からもしっかり見られており、「堂島に無断で組員をクビにした上に殺そうとし、しかも大勢がかりで敗北」
「その上堂島に嘘をついてそれを隠そうとした」という大失態により、当初の予定とは逆に自分が(エンコ)を詰めさせられる屈辱を味わうことに。
ここだけ見ると極道として久瀬が小物で堂島が大物にも見えるので終盤とのギャップが凄い
次期若頭に最も近い立場と目されていた彼だが、早くも出世レースをリタイアすることとなってしまった。
以降は弟分の阿波野や渋澤から手駒・兵隊として使われる立場になってしまう。

復讐戦

桐生が東城会とは別に「カラの一坪」を狙う立華不動産と手を組んだため、組を挙げて彼を追うことになる。
先の失態により指揮権を阿波野に奪われてしまうが、復讐のため刺客として桐生を襲う。
下水道をバイクで走りながら鉄パイプで殴りつけてくる様はインパクト抜群だが、どうやってここまでバイクを運んだのかは謎*1

極道の世界にK.O.はねぇ

命ある限り何度でも這い上がってやる

ここで久瀬は極道としての意地のため半端者である桐生に敗れたのが許せないことを語り、桐生も久瀬を「本物の極道」と認めながらも半端者なりの意地を貫くことを告げる。
阿波野からは桐生を倒せるとは期待されていなかったようで、桐生が自分の元に辿り着いた際には「やっぱ久瀬の兄貴はしくじったなぁ」と笑っていた。

神室町の街中では手柄を阿波野に譲ることは承知で桐生に三度目の戦いを挑む。
もはや形振り構っていられないのか、ここでは大勢のモブと一緒に包囲した上でメリケンサックを使用する。
それでもまたしても歯が立たず敗北…と思いきやしぶとく食らいつき、部下の背後からのアシストもあって桐生の脳天をカチ割る寸前まで追い詰める。
しかし立華の車で跳ねられてまたしても取り逃してしまう…それでも少し後には入院もせずピンピンしているので兄貴も大概人間をやめてるが。

この後桐生は東城会本家の保護下に入るため、ここでチャンスを逃したことは阿波野にとっても痛手だった。
以降は渋澤が主導権を握ることになる。

立華の死

堂島が雇った殺し屋の老鬼(ラオグゥェイ)が立華不動産の社長・立華を捕えることに成功。
久瀬拳王会は彼の妹でカラの一坪の所有権を持つマキムラマコトの情報を聞き出すべく尋問(拷問)を行う。

ハンマーで指を順番に潰す苛烈な拷問にも耐え抜く立華に対して久瀬は「暴力で口を割る男ではない」と悟る。
しかし、度重なる失態を目の当たりにして久瀬に失望、見限っていた米田が暴走して立華に致命傷を与えてしまった為、久瀬は米田の頭部を床に叩きつけ処刑した桐生と戦った時に比べてあっけなく死に過ぎだろとか言わない。素直に喜んでおけばおk

そこに一歩遅れて桐生と錦山が到着。2人にマコトの事について聞くよう方針転換するも、拷問を受けた立華の姿を見て激怒した桐生にブン殴られ、そのまま戦闘となる。
この時久瀬は米田を制し切れず立華に致命傷を与えた*2ことへのケジメとしてか、桐生の怒りの一撃をノーガードで喰らっている。

敗北後、久瀬は「東城会内部にカラの一坪を近江連合に売ろうとしている裏切り者*3がおり、マコトを引き渡さなければ東城会全体を敵に回す」と警告。
だが桐生は意に介さず、死んだ立華のためにもマキムラマコトを守り戦い抜く覚悟を決める。
その姿を見て久瀬は桐生が本物の極道に化けたことを確信するのだった。

男の意地をかけた決戦

堂島組と日侠連の抗争が激化する中、久瀬は部下を退かせ風間組事務所前で桐生とタイマンを張る。

……俺を今動かしてるのはな、男の意地ってやつだ

俺とお前……どっちの意地が上にいくか、見物だな?


いつでもいいぜ ……殺す気でかかってこいやあ!!

最後の決着がついた後、久瀬は桐生に渋澤の情報を話し彼を止める役目を託した。


結果だけ見れば久瀬の兄貴は早々に出世レースでドベに落ちてその後も成果を挙げられず、桐生との対決でも連戦連敗で終わってしまった。
しかし、阿波野・渋澤が風間の圧倒的実力とカリスマ性の前に自身の限界を感じ前者は堕落しつつも時代に抗おうとし、後者は謀略を使ったのに対し、久瀬は最後まで武闘派ヤクザとして“張り続けた”。
この最終戦で桐生は「何の損得もねえところで命張る男程厄介な相手は居ねえ…決着つけさせてもらいます、久瀬の兄貴。」と久瀬の執念を認めた上で離反前の「兄貴」呼びと敬語に戻すなど敬意を示しており、のちに渋澤も「極道は張り続ける限り負けじゃない」ことは久瀬から学んだと述べている。
『1』以降の桐生にとっても強い影響を与えたことは間違いないだろう。
ただのかませ犬ではないのだ。

一連の騒動が終結した後、東城会の幹部会において渋澤共々逮捕され懲役10年の判決を受けて服役する事が知らされる。
これに阿波野の死に加えてカラの一坪の入手の為に大騒ぎを起こした挙げ句、結局果たせないどころかその他の幹部らの面前で大恥をかいて終わった堂島は、坂を転がり落ちる様に組諸共凋落の一途を辿っていくこととなるのであった。

余談であるが、究極闘技ではない本編においては真島との戦闘機会は無い。
一応本編では、マコトが老鬼に撃たれた際に久瀬も阿波野や渋澤同様に一足遅くれてたどり着いた真島と邂逅している(会話はしない)が、この際は狂犬に覚醒する二歩手前ぐらいだったのでのちにこの男も桐生同様に本物の極道に化けるとは思いもしなかったことだろう。

【戦闘】

過去作でも2の龍司や3のリチャードソンは3回、5の金井や維新の以蔵は4回、と同作品内で複数回戦ったボスキャラがおり、久瀬もその担当となるのだが、なんと5回も戦うこととなる。この回数は当時シリーズ最多だったが、後に8の山井豊の6回が記録を更新した。
元ボクサーらしく、正面方向への素早いパンチが主力。近江連合の天童といい、この世界はヤバい元ボクサーが多い。
その他、頭突き・蹴り・肘打ち等も使用する。
2戦目では鉄パイプ持ちなので攻撃範囲の広さに注意。

そんな久瀬ではあるが、なんとストーリー最初のボスが彼である。
冒頭だからどうせそんなに強くねえだろwwと余裕をぶっこけるようなバトルだと思ったら大間違いで、桐生の誓いとは関係なしにプレイヤーが本気で久瀬を殺す気で挑まないと負け得るほど本当に強い。なんならこれまでは必要なかった回復アイテムや武器の持ち込み・ゴリ押しさえこの時ばかりはやむを得ないとなるプレイヤーもいたりいなかったり。また、久瀬を演じた小沢氏はインタビューで「やられるボイスも撮ったがやられる気はねえ。」「(インタビュー収録時の)今から強度上げて中々勝てないようにしてくれ。」と意気込んでおり、まさにその意気込みに恥じない強敵である。
さすがに後半ほどの体力や攻撃力までは持ち合わせてはいないがそれでも
  • ゲージ2本分のタフネス
  • ガードブレイク効果と相まった容赦のない速度で繰り出すラッシュパンチ
  • ダウンまたは吹っ飛ばされても即座に復帰すると同時に反撃してくるカウンター技
  • 桐生のスウェイ(回避)に反応した強制ダウン技
  • この時点では壊し屋スタイルも含め強力な技を習得+強化できないというプレイヤー側の制限等
いずれも油断できない。
以上のことからシリーズ最強の初期ボスと称されることが多い。

スピードに長けたラッシュ型を選択し、スウェイで背後に回り込んでからコンボを繋げると戦いやすい。ただし、初戦ではラッシュ型の強化が足りず却って不利になりかねないため、チンピラ型がオススメ。
取り巻きのいる3、4戦目では久瀬ばかりに夢中になってると横から不意討ちを受けやすいので壊し屋スタイルで彼らを一掃してから久瀬に集中すると良い。
幸い後者は錦山も仲間としてバトルに参戦しているので、雑魚を真っ先に一掃して孤立した久瀬を錦山と2人で挟み込むように攻撃するとヒートアクションを活用できることもあって楽に倒せる。

戦闘BGMは「怨魔(えんま)の契り」だが、ラストバトルのみ「閻魔の誓い」
前者は久瀬の怒りと怨念を象徴するような激しいギターとシンセが特徴。
後者は主旋律にピアノ等が使われた穏やかな曲調であり、怨みを捨て純粋に男の意地だけで戦う心境を表しているようでもある。

【龍が如く 維新!極】

歴代の龍が如く本編シリーズのキャラを登場キャラに当てはめている今作、無印の「維新!」では出番が無かったものの、
リメイクの「維新!極では新選組参謀・伊東甲子太郎として登場(リメイク前は浜崎豪)。
武市半平太(渋澤)と内通し新選組を乗っ取ろうとするが近藤勇の生死について口を滑らせたことで目論みがバレてしまい、以後は武田観柳斎(阿波野)・藤堂平助(趙天佑)と共に新選組を抜け「御陵衛士」を結成。
その後、土佐での最終決戦で土方歳三(峯義孝)と対決し敗北する。

今回は策謀家であるため、久瀬のビジュアルとの違和感が凄い。中の人も「ミスキャストじゃんコレw」とジョーク混じりに語ったほど。リメイク前の浜崎なら違和感が無い場面も多いのだが。最序盤の小物くさい久瀬のまま突き進んだ形と考えるべきだろうか。

また、伊東との戦闘では久瀬の戦闘BGMだった「怨魔の契り」をなぜかアレンジされることなく原曲そのまま使われている。(ちなみに、これは他の武田(阿波野)・吉田(嶋野)・グラバー(リチャードソン)も同様に各シリーズ本編における原曲そのまま。)
あくまでも稽古という形で任意でバトルができる土方(峯)の戦闘BGM(Fly)は和風アレンジされてるのに、ストーリー上必ず戦うこととなる伊東(久瀬)戦のこちらはギターとシンセによる現代チックな激しい曲調がそのままなのはどう聴いて考えてもキャラやシチュエーション・時代・舞台背景共に何一つ釣り合ってない。

【龍が如く ONLINE】

1戦目と2戦目の間、久瀬が桐生に敗れ指を詰めた後のストーリー。
久瀬が気分転換のため乗ろうとしたバイクが壊れており改造のし過ぎで普通の修理屋には出せないため、唯一修理ができるかつての兄弟分の元を訪ねる。
そこで彼が足抜けして15年経った今も土地の権利書を狙うヤクザの嫌がらせを受け妻子にも逃げられ、元ヤクザなので警察にも頼れないという苦境にあることを知る。
襲撃を受け一度は権利書を奪われてしまうが久瀬は修理されたバイクでカチコミに向かいこれを奪還、兄弟と互いに「張り続ける限り負けではない」と誓い合う。
その後は渋澤の呼び出しに応じ、復活したバイクで桐生との戦いに向かった。下水道に入ってからバイクを組み立てたわけではないことが判明したため、どうやって運んだのかは結局謎。

「黄龍放浪記」では10年の刑期を終え出所した姿で登場。
拳王会は既に解散していたが、二代目東城会会長代行の二井原から命令で郷田龍司とハン・ジュンギ抹殺のための助っ人として春日一番に同行する。
しかし紆余曲折の果てに窮地に陥った龍司と彼を守ることを決めた一番に「託したくなった」ことから彼らに味方するようになる。

【ゲーム外】

演者の小沢仁志氏は自らのYouTubeチャンネル「笑う小沢と怒れる仁志」にて『龍が如く0』の実況プレイ動画をアップロード。久瀬戦はまさにミラーマッチとなった。
「オファーが来た時はむしろ『遅ぇよ』と思った」「俺のモデリング、竹内力(阿波野)や中野英雄(渋澤)と比べて怖すぎんだろ」「自分を殴れて、めっちゃ気持ちよかった」「芸者と闘いてぇ」「プレイした小学生から『踏んづけてやった』『うざいよね 5回も来る?』とか言われるんだよな」「金属バットで久瀬の脳天割っておけば、あと4回出てこなくなるんじゃねぇか?」と迷言を連発する形となった。

【余談】

阿波野や渋澤と違い、実写ドラマ『龍が如く 〜Beyond the Game〜』には登場しない。

アニヲタWikiってのはなぁまとめブログとは違ぇ

ランキングから漏れたヤツが敗者になるんじゃねえ

最後まで“書き続けられなかった”ヤツが負けるんだよ


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最終更新:2025年04月30日 00:21

*1 下水に通じる通路がディスコとキャバレーの地下に設置されており、阿波野らはこれを罠に利用して桐生を下水に誘い込んだのだが、ムービーを見る限り両入り口とも普通の幅の片開き戸であり大型バイクにはかなり窮屈

*2 先述の「暴力で口を割る男ではない」と判断した後、拷問を中断させ別の方針に切り替えようとしたが米田が暴走して失敗に終わっている。そのまま拷問を続行したとしても立華は重度の腎不全を患っており、尾田曰く「2日おきに透析を行わないと死んでしまう」身体のため遠からず死亡していた可能性が高く、久瀬の判断そのものは間違っていなかった

*3 嶋野組組長の嶋野太。結局失敗するが、近江連合の本部長を殺害して証拠隠滅した。