ビーム(コピー能力)

登録日:2024/06/30 Sun 21:13:55
更新日:2025/04/30 Wed 20:57:04
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むちのようにしなるビーム!
とにかくビーム!
ビーム!ビーム!ビイィーム!


ビームとは、星のカービィシリーズに登場するコピー能力である。



概要

コピー能力が初登場した『夢の泉の物語』から登場している最古参のコピー能力で、2D作品本編では関連能力を含めると『64』を除く全ての作品で登場するほどの常連でもある。
いずれの作品もムチ状のビームをふるい、相手を攻撃するという能力。
『夢の泉』などの初期作品では手先からビームを放っていたが、技が多数追加された『SDX』『USDX』やその流れを汲む『Wii』以降の作品はステッキを用いてビームを放つ。
また、この能力が登場するいずれの作品もワドルドゥからコピーできるという共通点を持ち、特に『夢の泉』の1-1では真っ先にワドルドゥが配置されていることから、カービィの歴史上で最初にコピーできる能力としても知られている。ある意味コピー能力の原点と言えるだろう。

技の威力は低めで、技の硬直時間もそれなりにある。特に『夢の泉』の流れを汲む初期作品では弱い部類に入るが、『SDX』で技が多数追加されてからは高威力の飛び道具や投げ技も操れるようになっている。
ただ、その分複雑なコマンド操作は要求されず、クセもあまりないため、初心者がストーリー攻略で使うにはうってつけの能力と言える。実際、『夢の泉』のみならずいずれの作品でも初めてコピーできる機会がソードと共に最序盤にされていることが多い。
しかし、主にボスラッシュモードのタイムアタックで極めようとなると、全体的な技威力不足も相まって扱う難易度は非常に高くなる。

作品によってはスパーク/プラズマ能力のように電気属性を持っているものもあり、電気を使う仕掛けを作動したり、他の能力に電気属性を付与することができる。

『SDX』以降の帽子はオレンジの二股の帽子。オレンジの部分には星の模様が描かれている。
多くの作品で右がオレンジ、左が赤に割り当てられているが、『SDX』と『USDX』の公式イラストのみ配色が逆になっており、星模様も赤の部分にも施されている。
特に『SDX』のタイトルロゴにはこのビームカービィが堂々と中央に配置されているので、0%0%0%とセットで印象に残った人も多いのでは。



登場作品




技一覧

コマンドはFC・GBA・DS・3DS作品ならびにSwitch作品の操作タイプAに準拠。『SDX』、Switch作品の操作タイプBの場合はBボタンがYボタンに、『Wii』の場合はBボタンが1ボタンに置き換わる。

  • ビームウィップ(B)
登場する全作品におけるビーム能力の基本技。ムチのようにしなるビームを前方に放って攻撃する。
リーチはそれなりにあり、斜め上下の敵やブロックにも当たるが、基本技だけあって威力は全技中最低。


以下は『SDX』と『USDX』以降で追加された技。

  • サイクルビーム(ダッシュ中にB)
前方に回転するビームを発射する。
エフェクトが『Wii』以降とそれ以前で大きく異なり、『SDX』『USDX』では青の小型エネルギー弾を渦状にして前に発射するというものだったが、『Wii』以降はビームのムチを回転させて放つというものになっている。
ビームウィップよりも威力は高く、多段ヒットの回数も多い。

  • ビームマシンガン(ダッシュジャンプ中に空中でB)
進行方向の斜め下にビーム弾をマシンガンの要領で複数発射する。
ボタンを連打すれば、ある程度空中に留まりながら連続で発射することができる。
『スタアラ』ではこの技が見事に化けた。(後述)

  • はどうビーム(B長押し~離す)
特大のビーム弾を溜め、前方に向けて発射する。
威力も高い飛び道具で、遠い位置から安全に敵を攻撃できるが、その分発射前後の隙も大きく、溜めが短いとビームウィップに化けてしまう。
某バウンティハンターの同名能力とは違い地形は貫通しない。

  • キャプチャービーム(敵のそばで十字キー+Bで掴み、再びBで離す)
敵を掴んだ後、ビームで敵を斜め上に押し上げる。
投げ技の例に漏れず高威力が売りであり、特にボスラッシュのタイムアタックでは非常に強力なダメージ源となることも多い。

  • レボリューションビーム(空中でB連打)
『Wii』『Wiiデラックス』限定の技。
空中でその場に留まり、円を描くようにビームを放つ。
挙動は『タッチ!』のそれに近い。



作品ごとの特徴


夢の泉の物語・夢の泉デラックス


ひとつめかいぶつが よくつかうビームを
はっしゃできるよ!!
Bボタンをおせば コピーした てきの
のうりょくが つかえるんだ!

初登場作品。技はシンプルにビームウィップのみ。『夢の泉』時代は今のようにしなってはいなかった。
『夢デラ』で従来のように少ししなるようになる。
攻撃できる面積が他のコピー能力より広く、特に斜め下方向のリーチは全コピー中一位*1
ビームでなければ押せないスイッチや爆弾ブロックもいくつかあったりする。
初めてコピーできる能力なだけあってか、ポーズ中の説明文もコピー能力の使い方の基本について触れられているが、ワドルドゥが「一つ目怪物」呼ばわりされている。哀れ。
リメイク版の『夢デラ』では『SDX』同様に帽子を被るようになったが、ステッキは使用せず、体色も黄色にならずそのままの色となる。
項目冒頭の説明文はこの『夢デラ』のもの。


スーパーデラックス・ウルトラスーパーデラックス



でんげきビームで、てきをたおせ!
Yボタンを おしつづけて、
はどうビームも はっしゃしよう!
いろんなところで まんべんなくやくだつ
べんりなのうりょくの ひとつだね。


ムチのように しなるよビーム
けっこうつかえる べんりなのうりょく
トドメはタメわざ はどうビームだ!

今作から前述の帽子を被るようになった。また、本作のみコピー時は体色が黄色になる。
新技も大量に追加されており、今日におけるビームの基本的な仕様はこの時点で出来上がっている。
ヘルパーは勿論ワドルドゥ。水中にいる時はビームウィップが使えるが、リーチがものすごく短くなってしまう。
リメイク版の『USDX』ではキャプチャービーム以外の技の威力が上方修正されている。


鏡の大迷宮

基本的な性能は『夢デラ』と同じだが、連続で使用すると威力が上がるという仕様がある。
また、メガタイタンに壁の電流を使わずともそのままダメージを与えられる数少ない能力の一つでもある。
ポーズ中の説明文も『夢デラ』と同じ。


タッチ!カービィ



クルッと一周 ビームのムチだ
ずっとタッチ 空中ストップ!

番外作品で初登場した。
カービィをタッチすると円を描くようにビームを一周分放つ。長押しすると『Wii』のレボリューションビームのようにその場に留まりながらビームを出し続ける。空中でもその場で静止するのでインク補充に便利。
特定の条件を満たすと解放されるワドルドゥボールはこのビーム能力をデフォルトで持っている。


参上!ドロッチェ団

やはり基本的な性能及び説明文は『夢デラ』と同じ。
本作では「ワザのまきもの」を入手すると、ビームウィップが威力の上がった「スーパービームウィップ」に強化される。


Wii・Wiiデラックス



ムチのように しなれビーム
うてばサイクル! つかめば
キャプチャー! 回してはなって
レボリューションッ
タメればドンと はどうビーム!


ムチのように しなるよ ビーム
うてば サイクル つかめば
キャプチャー 回して はなって
レボリューションだ!
タメれば ドーンと はどうビーム!

『SDX』の流れを汲んでいるため、技も『SDX』のものが揃い踏みとなっており、新技としてレボリューションビームが追加された。
また、『SDX』『USDX』からサイクルビームのエフェクトとはどうビームの構えが変更されているほか、サイクルビームの出初めに無敵時間がつくようになった。
リメイク版の『Wiiデラックス』では後発の『スタアラ』に合わせ、ビームウィップとレボリューションビームの振る速度が速くなっているほか、サイクルビームに慣性が乗るようになっていたり、はどうビームが早く溜まるようになっている。
そして、スーパー能力の一つとしてミラクルビームが登場している。


トリプルデラックス



ビビビと しなるエネルギー。
うてばサイクル つかめば
キャプチャー。ジャンプで
はなつよ マシンガン!
さいごは ドンと はどうビーム!

何故か『Wii』からレボリューションビームが削除されている。*2
それ以外は基本的に『Wii』と同じだが、サイクルビームの無敵時間が長くなっている。
サブゲーム『カービィファイターズ!』及びその発展版『カービィファイターズZ』『カービィファイターズ2』にもビーム能力が選出されている。


ロボボプラネット



しなるような 不思議な 動きをする
電気を あやつる能力。
あつかいやすい、きほんてき
能力のようだが、いまだ 科学てきに
かいめい できては いない。

基本的な仕様は『TDX』と同様。本作ではロボットamiiboからもコピーできる。
ロボボアーマーの能力の一つに選ばれているほか、サブゲーム『みんなで!カービィハンターズ』及びその発展版『みんなで!カービィハンターズZ』『スーパーカービィハンターズ』にビーム能力を基にしたジョブ「マジックビーム」が登場した。


スターアライズ



ビリビリ はなつ 電ゲキこうげき
うてばサイクル 飛べば はなつよ
パワーアップした マシンガン!
すばやく うてちゃう はどうビームだ
フレンズの ぶきにも バリッと カン電!

まさかの公式お墨付きの超強化を貰った。
説明文にもある通り、ビームマシンガンとはどうビームが大きな強化を受けており、はどうビームの溜め速度が速くなっているが、本命はビームマシンガン。
マシンガンの弾数が従来よりも増加しており、これによりヒットストップが起こりやすくなっている。一方、こちらは飛び道具の仕様上ヒットストップは発生せず、一方的に動ける状態である。
つまり、「敵をヒットストップで止めつつビームマシンガンの連射で敵の体力をゴリゴリ削る」という今まででは有り得なかった絵面が拝めるのだ。ここまで来るともはや序盤コピーの面影はない。
敵を止めるビーム?それってどこかで…
ただし、ただ闇雲にビームマシンガンを使えばいいというわけではなく、接射すると杖の判定でマシンガンが1ヒットしかせず、逆に遠すぎると今度はヒット数が落ちるため、近づぎすぎず遠すぎずの絶妙な距離で連射することがタイムアタックのコツ。当然、相手によってはビームマシンガンの相性が悪いという組み合わせも出てくることにも注意しよう。
そしてとどめと言わんばかりに技の出初めにも無敵時間がつくようになった。
ビームマシンガンの超強化に隠れがちだが、サイクルビームに強い慣性が乗るようになったほか、ビームウィップの振る速度が地味に速くなっている。

ここまで散々ビーム能力の強化点を述べてきたが、これ以外にも本作には他の能力に電気属性を付与して「バリッカ〇〇」に強化できるという要素も併せ持つ。
フレンズヘルパーは『SDX』『USDX』同様ワドルドゥ。
「星の〇〇〇〇」の解説文によると、コピー能力の歴史上最初に手に入る能力として、原点が秘める可能性にかけたいと語っており、同時にビームがしなる不思議も解き明かしたいとか。


カービィファイターズシリーズ

『TDX』のサブゲーム時代から登場し続けている。
『ファイターズZ』では初期から選べるコピー能力として登場。ダウンロードプレイでも選択可能となっている
「ひとりで」モードをクリア(難易度不問)すると、似た帽子を被るマルクを模したレアぼうしが手に入る。
『ファイターズ2』ではファイターズランクが10になるとアンロック。解禁タイミングが少しゲームを進めた時というのはビーム能力としてはかなり珍しい。
更にファイターズランクを一定まで挙げたごほうびのレアぼうしとして、前作から引き続きマルクを模したものや、『ハンターズZ』の装備のモチーフになったのもあってか、はたまたマルクと似た者同士の縁なのか、マホロアをモデルにしたものが用意されている。
Switch本体に『スタアラ』のセーブデータがあると、セーブデータ連動特典として三魔官のフラン・キッスを模した帽子がアンロックされる。扱い方を考えるとハンマーの方が良いのでは?は禁句。



関連能力

UFO



みかくにん飛行物体を かくにん!
これを コピーできた あなたは、
とても ラッキーである!

同じく『夢の泉』で初登場した、シリーズ通してのレアコピー能力。
常に宙に浮いており、ボタンを押す長さで技が変わるという特徴を持っており、そのうち溜めなしで放てるものがこのビームである。
溜める長さに応じてビームから細いレーザー→太いレーザー→貫通レーザー*3と強化される。



リックスパーク

2』『3』にて、スパークをコピーしている時にリックと合体すると使える。
リックの鼻先からビームを発射する。挙動は『夢の泉』のビームウィップとほぼ同じだが、水中で使用するとリーチが極短になってしまう。
『2』ではこれを使わないと取得が難しい虹のしずくも存在する。


ミラクルビーム



ねんじて あやつる
スーパーのうりょく!
でんきあつめて まるくしたら
じざいにとばせ エスパーだ
クセあるうごきも なんのその!

ねんじて あやつるミラクル
ビーム!ロッドに デンゲキ
あつめたら、じゆう じざいに
あやつる エスパーだ!
クセある うごきも なんのその!

『Wii』『Wiiデラックス』にて登場した、スーパーワドルドゥからコピーできるビームのスーパー能力
カービィの頭上に巨大なビームの玉を生成し、十字キーやLスティックで操る。この間のカービィは無敵だが、動かすことはできない。
ビーム球はボタンを押すか一定時間が経過することで消滅する。
このビーム球には慣性が強く乗るため、繊細な操作が苦手と操作にクセがある。
これをコピーできるステージにはビーム球を特定のブロック全てに当てて仕掛けを作動させるといった謎解きが用意されている。


ビームモード



はずんで さくれつ
不思議な 物体!
悪を 追って進め…
バウンサービーム!!

『ロボプラ』で登場した、ロボボアーマーでワドルドゥをスキャンすることで手に入る能力。
地面を弾みながら進むビーム弾を発射する「バウンサービーム」が主な技。
はどうビームのように溜めてから離すとより大きなビーム弾となる「チャージバウンサー」に、空中で下キーを押しながら放つと大きく跳ねる「ハイバウンサー」になる。
勿論電気属性が割り当てられているので、これを使った謎解きも用意されている。


マジックビーム



時間をとめる 魔法使い!
てきとの きょりを とりつつ
タイムビームを 当てて
チャンスを つくりだせ!

カービィハンターズシリーズにて登場するジョブの一種で、ビーム能力を基にしている。
詳細は個別項目を参照。



コピーできる敵



皆さんおなじみ、ワドルディに似たビームを振るう一つ目の怪物敵キャラ。
一部作品では味方キャラとしても操作できる。
詳しくは個別項目へ。

『Wii』で初登場した、ワドルドゥを大きくしたような中ボス
おなじみのビームウィップ以外にも、はどうビームを使ってきたり、強化版は新たにビームマシンガンも放ってくる。
詳しくは個別項目へ。

  • ジェムラ
『Wii』『Wiiデラックス』にて登場。
オレンジの素地に星模様が描かれた帽子を被った敵。
常に宙に浮いており、こちらが近づくとクルリと回ってビームを放ってくる。
地味にワドルドゥ系の敵以外にビームをコピーできる数少ない敵キャラだったりする。ついでに一つ目でもない。

  • メタルビット
『Wii』『ロボプラ』『Wiiデラックス』にて登場。
メタルジェネラル(セキュリティサービス)が召喚する小さいUFOみたいなメカ。
不規則な移動をしてビーム弾を放つのと何もせず勝手に自爆する個体がおり、他の技と複合されたら意外に厄介。
強化版では一斉に呼び出して真下にビーム弾を放つ攻撃が追加されている。

  • レーザーボール(SDX・USDXのみ)
空中を飛び回り、カービィに向けてレーザーを飛ばしてくる球体状の敵。
本来であればレーザー能力をコピーできる敵なのだが、レーザーのコピーがない『SDX』『USDX』ではビームをコピーできる敵になっている。

毎度おなじみコック。
生きているうちに「コピー」のコピー能力を使ってスキャンした場合、ビーム・ウィングソードカッターのいずれかの能力がランダムで手に入る。
中ボスからは本来対応する能力が写し取れるが、カワサキの場合一発能力を生きている中ボスに使っても仕方がないということからの措置と思われる。ただし『USDX』では普通にコック能力を得るようになった。


余談


  • ゲームの方ではメジャーなコピー能力だが、意外にもアニメ版には一切登場していない。
    主な入手先だったワドルドゥが準レギュラーとして活躍していたからだろうか。

  • ビームの色違いの帽子は『SDX』と『USDX』のミラー能力でも用いられ、あちらは赤と水色の帽子。ステッキを用いるのも同様。
    のちに『ロボプラ』でミラーが再登場した際はビームの色違いから独自の帽子とステッキに変更されている。
    ちなみにビームとは違い、ミラー自体は『SDX』準拠のデザインでアニメにも登場している。



追記・修正はビームのムチをしならせながらお願いします。



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最終更新:2025年04月30日 20:57

*1 クラッシュ、マイク、UFOを除く

*2 一応モーション等のデータ自体は残されている。

*3 「夢の泉」では太いレーザーが星型弾、貫通レーザーが星型貫通弾になっているため、水中で使うと沈むという特徴を持っていた。