登録日:2024/12/24 Tue 10:08:21
更新日:2025/04/27 Sun 08:39:31NEW!
所要時間:約 7 分で読めます
【概要】
元ネタは江戸時代、
徳川幕府に仕えた隠密集団「
御庭番」。
だがるろうに世界の彼らは凄腕の
忍者、武芸者集団。
武芸だけでなく薬物や道具の扱いにも長けており、そしてやはり隠密ということもあって情報収集能力はかなりのもの。
彼らの使う武器は特殊な手裏剣や小太刀、
トンファーと言った特殊なものが多い他、肉体を改造し格闘で戦う者も多い。
更にこれだけの実力者揃いでありながらも、御頭の
四乃森蒼紫のカリスマ性もあり結束力もある。
彼ら全員が誇り高き戦士であり、「最強」を目指して日々武芸を磨いていた。
なお、同じく幕府の暗部を担当する集団である
闇乃武とは活動方面に違いがあり、闇乃武が京都をはじめとして西日本を中心に活動していたのに対し御庭番衆は東日本を中心に活動して
「東の御庭番衆」「西の闇乃武」とされていたとの事。
だが、最後の将軍「慶喜」が選んだのは無血開城。
これは少なくとも御庭番衆からしてみれば「自分たちという最強の刀を持ちながらも戦わずして敗北を決断した」ように見えた。
それでも凄腕である以上、彼らの殆どは新しい世の中に順応し、御庭番衆を離れていった。
だが頭領の蒼紫を始め、平和な世に馴染めない者たちもいる。
こうして残った彼らは
変なチンピラの配下になってまでも「最強」を証明するために戦い抜くのであった…。
一方で京都には「葵屋」という旅館があり、元々は京都が動乱の中心地になると睨んだ先代御頭の命により御庭番衆が京都に情報網を敷くための拠点だったが
新しい時代になったことで本当に旅館となり、新しい世に順応できなかった元御庭番衆らの「駆け込み寺」ともなっている。
ひょんなことから主人公
緋村剣心はこの葵屋の面々と知り合うこととなるが…。
【関連キャラクター】
ここから先はネタバレが多数あります。
メンバーのほとんどの名前は能楽や狂言に用いる面に由来している事から、恐らくは
名前を隠しているのだと思われる。
初見ではふりがながないと読めない奴が多い。
明治現在の御庭番衆頭領。
であると同時に、剣心のライバルの1人。
大政奉還直前に齢15にして御頭を受け継いだ天才隠密でありながら部下、仲間思いであり…だがそれが皮肉にも彼の本質を鈍らせている。
詳細は項目にて。
変装と拳法を得意とする隠密。
蒼紫に対する忠誠心は本物でありながらも、意外と人情に脆い男。
その言動から勘違いされがちだが実は御庭番衆ではかなりの若輩者だったりする。
詳細は項目にて。
CV:
飯塚昭三(旧アニメ版)、
落合福嗣(新アニメ版)、小村哲生(PS維新激闘編)
隠密の1人。
だがその背格好は恰幅の良い巨男であり隠密らしさはない。
しかし彼は肉体を文字通り改造しており、体の中に油袋を収め歯を火打ち石にしており、「火男」の名のとおり口から火炎放射を吐く大道芸「火炎吐息」、広範囲版「極大火炎吐息」を得意とする。
性格も見た目通り直情的で威勢がいいが、意外とクレバーな一面も持っている。
武田観柳の命で
高荷恵を連れ戻しに癋見と共に神谷道場を襲撃するも、剣心らにのされてそのまま病室送りにされた。
令和アニメ版では身体の色が赤くなった。余計人間離れしたともいう。
下級隠密。
尖った鼻が特徴的な小男で何処か
ゴブリンに近い。
性格の方もどこか小物染みており、実際に御庭番衆の中でも格下扱いされていたようだ。
指で弾を飛ばす「螺旋鋲」による暗殺を得意とするが、逆に言うとそれだけしか能がない男。
令和アニメ版では年下の般若には年上らしく振る舞っていたが、それでも「一芸しかない」のは彼の心の奥底には燻っていたようだが、そのような卑屈さは余り出すことはなかった。
曼荼羅葉の毒を用いて、より殺傷力を高めた「毒殺螺旋鋲」もある。
ひょっとこの初登場時は見下されまくってたが、その後のひょっとこと「デブ」「チビ」と悪態をつき合う様子や令和アニメ版の回想シーンでの和気あいあいっぷりから普段は仲が悪いというわけではなさそうではある。互いに遠慮がないというべきか。
その事と背格好や性格のせいで新しい世に馴染めなかったのだろうが、それでも蒼紫は彼を見捨てなかった。
とはいえ実力差はどうしようもならず、ひょっとこと同じく神谷道場を襲撃するも剣心らに敗れるが、般若に救われて病室送りにされた。
ただ作中の都合ではあるが高荷恵暗殺を成功しかけ、庇った
明神弥彦の命を危機に貶めたという点では剣心らを苦しめた為「難敵」と言っても差し支えはない存在だった
恵殺しに成功したら間違いなく観柳の怒りを買い殺されてただろうから弥彦に救われたのはお互い様だったりする。
彼ら2人はそのままフェードアウトするかと思いきや、休養していた武田邸にて銃声と轟音を聞いて「寝ている場合じゃない」と体を起き上がらせる。
そしてガトリングにて暴れまわる観柳の前に現れ、ひょっとこが「おっと撃つ気か!?撃てば油袋に引火してドカンだぜ!」と挑発。
そのまま頭を撃ち抜かれる。
しかしひょっとこの背負っている樽の中から癋見が現れ、螺旋鋲を放つ捨て身の一撃必殺戦法を披露する!
だが、ガトリングの斉射に一つの弾丸が敵うはずもなく、捨て身の戦法も果たせずに二人は命を散らした。
癋見が最期に蒼紫に述べたのはそんな自分を「役立たず」と称する悲しき謝罪の言葉であった…。
平成アニメ版ではそんな「役立たず」の悪あがきが勝負を決めることとなる。
CV:中田和宏(旧アニメ版)、
稲田徹(新アニメ版)、
大塚明夫(PS維新激闘編)
筋肉ムキムキのマッチョマン。
彼も隠密に向いてない背格好だが、かつては忍び装束に身を包んだ密偵という事が判明している。
当時13歳の蒼紫に敗れるものの逆にその能力を評価されてスカウトされ、所属していた藩を抜け出して御庭番衆に入る事となった。体の傷はその時に蒼紫にやられた「証」
だが脱藩したせいで裏社会でしか生きられない宿命を負い、明治維新後も御庭番衆にしか居場所がなかった。
彼は特に「最強の御庭番衆」にこだわり、御庭番衆に伝わる「秘薬」にて体を鍛え上げた。
その肉体には誇りを持っており非常に自信家であるが、相手の実力を素直に受け止める気風の良さも併せ持つ。
武田邸にて
相楽左之助と戦い、互いに一歩譲らぬ戦いを繰り広げるが、結果的に式尉は敗北し気絶するが、シンパシーを感じたらしい。
だが頭領蒼紫のピンチに再び立ち上がり、剣心に「左之助の事を大事にしてやれ」と告げた後、蒼紫を庇ってその鍛え上げた肉体でガトリングの斉射を受けきるのだった。
しかしさすがの彼でもそこまでの攻撃を受ければ限界が来てしまう。
とはいえ「最強の肉体」を証明できた事と、それを与えてくれた蒼紫に感謝の言葉を述べて落命した。
ちなみに元々は完全無欠の悪人という予定であり、その為か最初に出た時の彼の言動はどこか悪辣な印象がある。
蒼紫の師匠(先代の御庭番衆御頭)の孫娘である自称・御庭番衆くノ一。
蒼紫に惚れている跳ねっ返り娘だが、他の御庭番衆の面々からも可愛がられている。
「敵」として戦った蒼紫の関係者ということもあって、剣心は彼女との関係に苦慮する羽目となるが…。
詳細は項目にて
CV:北村弘一(1997年)、
千葉繁(2024年)、大木民夫(新京都編)
演:田中泯
通称「翁」。
京都の料亭兼旅籠「葵屋」の隠居。操の育ての親でもある。
普段は操と同じように押しが強い、飄々としたスケベジジイであり、操にも「イカレジジイ」呼ばわりされる始末。
であるが、その正体はかつて「御庭番衆最
凶」と呼ばれた程の実力者であり、先代御頭と唯一対等に戦えたとされる人物。
そもそも本来御頭を受け継ぐのは蒼紫ではなく翁のはずだったが、次世代に期待して蒼紫に御頭の座を譲り、京都御庭番衆の活動に専念していたとされる。
また直接戦闘以上にその情報収集能力と知識は神がかっており、一目であっただけで剣心が十字傷を隠していたにもかかわらず
人斬り抜刀斎だと見抜いた。
敵とみなした人物には容赦がなく、葵屋を襲撃してきた「梟爪衆」は容赦なく切り捨てた挙げ句、隊長は壮絶な拷問の末に体に文字を掘りメッセンジャー代わりにするなど残酷な一面も見せる。
例えかつての仲間であっても情をかけず「潰す」と宣言すると非情さも持つ一方、実質的に仲間を殺害した形となった剣心に対しては「各々の都合があるのじゃろう」「我ら御庭番衆の終焉を看取ってくれた恩人」と理解を示すなど清濁併せ呑む一面も持つ。
その人情味と情報収集能力もあって、無関係な人に迷惑をかけたくないと、一度は葵屋を辞そうとした剣心を
「部外者ならタダで泊める理由がないから、これまでの宿泊費を払え」と情け容赦なく取り立てようとして引き止め、京都にアテのない剣心の大いな助けとなった。
蒼紫のことも思ってはいるが、彼が仲間達の殺害を結果的に認めたことを知った際には激闘を繰り広げる。
が一歩及ばず敗北し、一命は取り留めるも戦えない程の重傷を負い、以降は司令塔に徹することとなる。
(なお蒼紫が翁を殺しきれなかった事は、彼がまだ完全に修羅に落ち切っていない伏線とも言える)
尤も、当初は才槌と交戦する構想があったとの事なので再起不能になったというわけではなさそうである。
オミットされた理由は「ジジイ同士の戦いを喜ぶ読者がいるのか?」というもの。
そもそも才槌本人に戦闘能力あるのか?
蒼紫戦では2本のトンファバトンを用いた円殺轟鉤棍で臨んだ。
CV:尾小平志津香(旧アニメ)、相川奈都姫(新アニメ)
演:別府あゆみ
「葵屋」の従業員である女性。
色っぽい女性で大人の雰囲気を醸し出しているが、その正体はくノ一の「
近江女」
普段は日本髪に結っているが、戦闘時はそれを解く。
くの字手裏剣を操る凄腕で、志々雄一派の雑兵クラスでは相手にならない。
だが流石に十本刀には苦戦を強いられていたが、
もっとやばいのが増援に来たお陰で助かる。
その際、彼に「惚れた!」と目をハートマークにしてときめく姿が描かれているが、
男性との色香を利用するくノ一がそれでどうするんだとちょっとネタになった。
CV:中尾友紀(旧アニメ)、雨宮夕夏(新アニメ)
演:江田結香
「葵屋」の従業員である女性。
お近と比べて若い少女であり、敵に対しても「情報提供に応じてくれれば悪いようにはしない」と言うなど慈悲深い性格。
であるがやはり御庭番衆のくノ一1人であり、「増髪」の名とベーゴマみたいに飛ばす円形手裏剣の腕前で敵対者を屠っていく。
酔っ払った翁を叱るなどしっかり者。…ではあるが、平成アニメ版ではお近と一緒にイケメンに惚れて翁に呆れられるというオリジナルシーンがある。
CV:木内秀信(旧アニメ)、奥村翔(新アニメ)(白)
CV:茶風林(旧アニメ)、杉崎亮(新アニメ)(黒)
演:佐藤滋(白)/小久保丈二(黒)
「葵屋」の男性従業員。
御庭番衆として動く時は「白尉」「黒尉」を名乗る。細いほうが白で大柄な坊主頭が黒。正直地味。
腕に装着した防具にもなる籠手椀手裏剣を武器とする。
厳密には御庭番衆ではない…が、有事の際には彼ら一般市民も隠密の目となり、耳となる。
平時でも操の頼み1つで拘束で飛ぶ伝書鳩を剣心の額に突き刺さる勢いで飛ばしたり、確固たる協力体制が敷かれている。
京都を大火に貶めようと夜な夜な放火する志々雄一派を見つけ大声を挙げて、住民一挙で捕縛するシーンは名場面。
もしかしたらその姿が、慶喜が望んだ真の御庭番衆の姿なのかもしれない。
【余談】
史実の御庭番も隠密活動をしていたが、忍者ではなかったという。
というのも江戸末期では忍者はほぼ存在していない。
だがこの時代にも名が残る忍者「沢村保祐」が実在していたので、御庭番衆が忍者というのも全く変な話というわけではない。
そもそも「忍者」の項目でも語られているように忍者・間諜の類は本来「知られてはいけない存在」なので、
「記録されていないor表向きは身分を偽っていただけで史実の御庭番も忍者集団だったんだよ!」という可能性がゼロな訳ではない。
俗に言う悪魔の証明というヤツである。
追記・修正は最強になってからお願いします。
- 撃てば油袋に引火してドカンだぜ!! -- 名無しさん (2024-12-24 10:34:36)
- ↑うるせぇ!で即座にヘッショ対応してくるガトリング斎がおかしいだけであれもかなりきわどいよな -- 名無しさん (2024-12-24 13:41:30)
- 葵屋の四人と比べると般若達はレベル高いことが分かる -- 名無しさん (2024-12-24 13:55:49)
- ↑そりゃ痩せても枯れても現役バリバリで戦ってたし…。実写版の田中泯さん身体能力バケモン過ぎる(褒め言葉) -- 名無しさん (2024-12-24 18:01:00)
- 自らの誇りに殉じてるだけに雇い主の観柳からは扱いづらいことこの上ない人達。 -- 名無しさん (2024-12-24 18:53:16)
- ↑結局どっちのためにもなってないダメな関係だったな -- 名無しさん (2024-12-24 21:02:17)
- これで勝ってりゃまだ良かったんだろうけど、主人公とかち合っちゃったのが運の尽き -- 名無しさん (2024-12-25 22:44:17)
- 令和アニメ版で操が式尉のことを「式尉さん」じゃなく「式尉のおっさん」って呼んでたの細かいけどうまいなと思った。べし見とひょっとこを呼び捨てにしているのに2人をすごく見下してるように見えてたけど、式尉を馴れ馴れしく読んだことによって結果的にそんな感じを少し薄めているように聞こえるから。 -- 名無しさん (2024-12-26 05:18:48)
- ↑6ゆうてひょっとこと癋見が葵屋襲ってきた連中に勝てそうかと言われれば -- 名無しさん (2024-12-26 12:22:20)
- 同陣営の諜報組織は仲が悪いのがお約束なので、闇乃武の壊滅がなくても京都に進出してたんじゃないかな…… -- 名無しさん (2024-12-29 19:35:46)
- 連載時の勝利の宴の台詞が単行本で変更になってたの初めて知った。こういうの、オマケコーナーでもいいから残しておいてほしいな -- 名無しさん (2025-01-20 23:11:30)
最終更新:2025年04月27日 08:39