王道篇(デュエル・マスターズ)

登録日:2025/03/22 Sat 14:36:59
更新日:2025/04/21 Mon 00:00:24
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これがデュエマの王道だぁ!!



王道篇は、TCGデュエル・マスターズ」24番目のシリーズ。シンボルはデュエマのカードの裏面に描かれた「王道」。


エキスパンション

  • DM24-RP1 「王道篇 第1弾 デーモン・オブ・ハイパームーン」
  • DM24-RP2 「王道篇 第2弾 カイザー・オブ・ハイパードラゴン」
  • DM24-RP3 「王道篇 第3弾 ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」
  • DM24-RP4 「王道篇 第4弾 悪魔神、復活(ワールド・オブ・バロム)


概要

対応アニメシリーズは「Duel Masters LOST」。
デュエマ初のTVアニメとの連動を排したシリーズとなる(詳細は後述)。

今回の特徴は、「デュエマの歴史を代表するクリーチャー」という触れ込みで選ばれた7体の「ドリーム・クリーチャー」。
それらの超大物クリーチャー達が、装いを新たに「ドリームレア」としてリメイクされている。

称号 日本語訳 ドリームクリーチャー ドリームレア
FIRST FIGHTER "闘志の開祖" ボルシャック・ドラゴン 未登場(王道W一弾で登場予定)
FLAME OF ANGER "怒りの炎" ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン 《ドリーム・ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》
THE JUSTICE "正義の象徴" 聖霊王アルカディアス 《聖霊超王 H・アルカディアス》
HEART OF DRAGON "龍魂の剣士" 龍覇 グレンモルト 未登場
ALMIGHTY COMMANDER "最強の団長" 蒼き団長 ドギラゴン剣 《蒼き王道 ドギラゴン超》
GUNMAN OF FREEDOM "自由の弾丸" ジョリー・ザ・ジョニー 《ハイパー・ザ・ジョニー》
KEEPER OF THE FLAME "歴史の継承者" 勝熱英雄 モモキング 《夢双英雄 モモキングDM》

シリーズ後半からはドリームクリーチャーのカウンター的存在である「ナイトメア・クリーチャー」の存在が公開。
こちらは総数は明かされていないが、ライバル的存在であるなら同様に7体登場するはずだが…?

称号 日本語訳 ドリームクリーチャー ドリームレア
DEMON OF DESTINED DEATH "孤独と絶望の王" 悪魔神バロム 《悪夢神バロム・ナイトメア》
DIVA OF DIVINE DIMENSION "神歌の巫女" エンペラー・キリコ 《神歌の悪夢 ナイトメア・キリコ》
DEMONIO OF DAMNED DOMINATION "忌々しき支配の鬼" 鬼ヶ覇王 ジャオウガ 《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》

一昨年の王来MAXゴッド・オブ・アビスからの半年おきにメインでプッシュするギミックを切り替えるという点も続投。
今回は「クリーチャーのタップ」を共通項に、既に場に出したクリーチャーを、他のクリーチャーをタップすることでパワーアップさせる「ハイパーモード」と、既に場に出しているクリーチャーをタップする事でコストを激減して召喚出来る「ハイパーエナジー」に別れて推されていくこととなった。

しかし、最終弾ではまた違った動きがあり…?


施策など

良くも悪くもこれまでにない重大な変化が多数。

TVアニメシリーズの廃止

『デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編』を最後に、約22年続いたデュエマのTVアニメシリーズは終了。
今後は『ドラゴン娘になりたくないっ!』『LOST』と言ったWebアニメを中心に展開されていくこととなる。
あくまで一時中断であり、今後の展開によってはTVアニメも復活することが示唆されているが…?

尚、漫画版『WIN』は特に打ち切られていない為、TVアニメ版のストーリーの続きが見たい場合はそちらを読み進める必要がある。


封入率、レアリティの変化

トレジャーカードの内、黒トレジャーと銅トレジャーは「全ての収録カードが被っていてわかりづらい」と言う事で、通常弾では黒トレジャーに、後述のデュエナマイトパックでは逆に銅トレジャーに一本化される形で統合された。
新たに「キャラプレミアムトレジャー」が登場、上に挙げたWebアニメ二作品のキャラが描かれた新規イラストで、強力なカードやこれまで再録が無かったカードが再録されている。

スーパーレアとベリーレアの種類がジョー編の頃に逆戻りし各10種に。
DM24-RP3以降は更に増えて各11種となった。
逆にオーバーレアはDM24-RP1を除いて各弾1枚に減少した。

シークレットは「シークレットSPゴールドレア」「シークレットSPレア」と統合され箔押し仕様のカードに一本化。
尚、DM24-RP2までは後述するハイパーモードの仕様との兼ね合いから、超化獣クリーチャーのみがシークレットレアとして収録されるようになる*1

その他新たなレアリティとして、上に挙げたドリームレアに加え「シークレットドリームレア」が収録。
どちらもVIC時代に逆戻りしたような低い封入率から独特な存在感を放っている。
特にシークレットドリームレアに至ってはコロコロコミック誌上で「各都道府県に何枚か」レベルの希少度と書かれる程。
復帰勢向けの施策の筈なのにこの極悪封入率のせいで不満が頻出したのは言うまでもない

いきなりつよいデッキ

従来の展開におけるスタートデッキの枠の商品…の筈だが、定価500円(税抜)とは思えない程強力なデッキと言う事もあり話題をかっさらった。
詳しくは該当項目を参照。

DM24-EX1 「超感謝祭 ファンタジーBEST」

前年度のDM23-EX1「大感謝祭 ビクトリーBEST」の流れを汲む商品。
黎明期から他TCGにはない強烈な魅力を放つアイドルカードが本格的にプッシュされた初のパック。
性能自体もガチ環境を瞬く間に一色に染め上げる程であり、採用カードの中古価格も安い事からかなりの人気商品となった…が、あまりにも一部デッキが強化され過ぎて規制に引っかかってしまった上、残りのデッキもかなりの強化だった為ファンデッキ同士の対戦で使いづらくなる事態が起きる等、「ファンデッキの強化」という点ではイマイチか。

店舗大会の増加

気軽に対戦できる機会を設ける為か、限定の景品が付いたイベント的な公認大会が大量に開かれた。
  • 上に挙げたいきつよデッキを始めとする構築済みデッキから10枚まで入れ替え可能な「10枚まで改造OK!王道の春デッキ限定戦」「10枚まで改造OK!王道の秋デッキ限定戦」
  • 前年度の環境が「構築ルールアドバンス化」「《“龍装”チュリス》と《次元の霊峰》という強力なサポートカード2枚の解禁」と言う爆弾を引っ提げて帰って来た「夢のドギラゴン剣限定解禁祭」
  • 時期に応じて複数の景品が用意されている「Duel Masters Lost 追憶の水晶公開記念イベント」「Duel Masters Lost 月下の死神公開記念イベント」
  • タカラトミー100周年記念にまさかのカードが帰って来た「ラッキー・ダーツ解禁祭」
  • 前年度から引き続きデュエパを気軽に楽しめる「デュエパーティーフェス」
  • 後述のにじさんじコラボパックのカードでのみ参加できる(同名の別イラストカードすら使用不能)「にじさんじコラボ・マスターズ異次元の超獣使い限定戦」

DM24-EX3 「刺激爆発デュエナマイトパック」

前年度までの「超刺激パック」の流れを組む商品。
王道編の全通常弾から抜粋された強力カードのみを豪華仕様で再録した物。
より「公式オリパ」の要素が強まった商品であり、発売前こそ「肝心な高レアリティの殆どが元パックと全く同じ仕様*2」「そもそもデフレ気味で当たりハズレの大きい王道編の通常弾から抜粋されるのはキツイ」といった予想から評価はイマイチだったが、いざ発売されてみると変わらない「超刺激的な開封体験」を味わえるという事で飛ぶように売れた。

DM24-EX4 「にじさんじコラボ・マスターズ 異次元の超獣使い(バーチャル・デュエリスト)

バトスピのコラボブースターのような、特定の版権物とのコラボカードのみで構成されたエキスパンションがついにデュエマにも登場。
内容は「にじさんじのライバーがクリーチャーの世界を訪れ、それぞれ相棒となるクリーチャー達と出会う」と言った物で、この手のコラボ物にありがちな「コラボ先の登場人物の名前がそのままカード名になったカード」などは一切存在しない
あくまでデュエマの世界観ににじさんじライバー達が入り込んだという世界観の表現と、再録が必要になった際に版権を整理しやすい商業的な理由を一度に解決する采配である*3
内容自体も新規・再録カードを推しライバーが描かれたカードをそれぞれ上限枚数まで集めるだけでデッキを作る事が出来、にじさんじに興味が無くてもデッキを組んでみたくなる魅力とお手軽さに溢れた物となっている。

なお、デュエマ開発の名物スタッフであるDeadman氏が初めてリードデザイナー*4を務めたパックでもある。

+ コラボライバーと相棒カード、担当文明の一覧
リゼ・ヘルエスタ 《審判の精霊ラストジャッジ》 光&水
夜見れな 《悪魔聖霊ジェミニアス》 光&闇
加賀美ハヤト 《ボルメテウス・レインボー・ドラゴン》 光&火
フレン・E・ルスタリオ 《聖霊龍王 メルヴェイユ》 光&自然
月ノ美兎 《偽りの月 インターステラ》 水&闇
イブラヒム 《爆裂英雄 A・R・T》 水&火
社築 《守護地龍 ザノウハウ》 水&自然
葛葉 《血貴き侵略 ブラッドゾーン》 闇&火
花畑チャイカ 《地雷冥土The World Is Mine》 闇&自然
壱百満天原サロメ 《ミリオンブレイブ・カイザー》 火&自然

余りの人気に発売前から再販が発表される事態となった。

総括

単純な施策以外にも、古参イラストレーターの再参戦や初期のデュエマのイメージを再現したカードなども登場し、デュエマそのものの「王道」を再発見したようなシリーズ。
しかし、急進的過ぎる方向転換やそれに伴う一部のコンテンツの優遇による既存プレイヤーからの不満が続出したり、背景ストーリーも尻すぼみな結末を迎えてしまうなど、少なくない課題も残ったシリーズでもある。
結局公式から、具体的にどのあたりが「王道」なのか名言されなかった点も大きいか。

その後、「王道篇フルコンプリートBOOK」内のインタビューにて、このシリーズが「2クールアニメの1クール目」「単なる序章に過ぎない」と言う事が明かされた。
同じく「王」の名を冠するエキスパンション・シリーズである王来篇とは、また違った形で今後のDMの展開に注目が集まっている状況と言える。

背景ストーリー

これまた前章から完全な地続きであり、新たな敵との戦いが描かれる。
各々の詳しいフレーバーはそれぞれの該当項目か公式の背景ストーリー解説動画を参照されたし。

用語

  • 月軍
DARK MATERIAL COMPLEXを打倒した五文明の元に、月からやってきた新たな敵勢力。
夜の四天王」と呼ばれる四体のデーモン・コマンドと、それぞれの主に使えるクリーチャー達で構成されている。
その目的は地上の侵略の筈だが、四天王の半数が裏切ったり、そもそも彼らを統括していると思われる《暗黒剣 フラヴナグニル》の目的が不明だったりと不可解な点も多いが…?
ついでに言えば種族にすら月軍である事が明記されておらず、どういう軍勢なのかが殆ど明かされていない。

その構成員の殆どは旧来のクリーチャーに酷似した見た目だが、過去シリーズにおける本人達と関係があるのかは不明。*5

  • ハイパーモード
月軍の一部のクリーチャー「超化獣」が使用する力。
その感情の高ぶりに反応し、周囲のクリーチャーからエナジーを吸収することで「ハイパー化」を行う。
後に裏切った四天王が原生種族にその力を分け与えたり、何らかの方法で模倣する事でそれぞれハイパーモードの力を得ている。

実物のカードでは超化獣の他の自軍クリーチャーをタップする事で、そのクリーチャーをハイパー化させパワーアップさせるギミックとして描かれている。
ハイパーモードになる事による姿の変化は、通常版とシークレット版でのイラストの違いで表現されている…が、ぶっちゃけカード単品では特にイラストが変化したりはしないのでギミックとしては地味と言う意見が多数、王道篇の明らかに練り込み不足な要素の現れと言えるかもしれない

「月」「変身」がテーマに密接に関わっている事から、デザインの原型はMtGの「両面カード」「変身」か?
デュエマの王道と言う事で、進化カード自体のギミックとしてのリメイクや下記のハイパーエナジー共々「クリーチャーの物量戦」と言う昔ながらのデュエマの戦い方の再構成という見方も。

その後、インタビューにて松本大先生が「デュエマが生まれたばかりの頃の小型獣をパワーアップさせたい」「現代の競技シーンでも活躍させてあげたい」という発想が下敷きになったと明かされた。
開発中の仮名称は「ビースト化」だった模様。

  • ハイパーエナジー
暗黒剣によってジャシンの肉体の一部を埋め込まれた夜の四天王が新たに得た力。
更に大量のクリーチャーからエナジーを吸収できるようになったもの。
これまた力を分け与えたり模倣すると言った具合で原生種族もその力を手に入れている。

実際のゲームでは「コストの異なるクリーチャーを任意の数タップする事で、その数×2コスト軽減して召喚出来る」と言う物。
コストさえ違えばどんなクリーチャーでも参照出来る他、ハイパーモードのサポートとして設計されたと思われる「自身がタップした時に能力が発動するクリーチャー」とも相性がいい。

元ネタはMtGの「召集」であることが明言されている。
開発秘話によると、コストの違いに焦点が当たっているのは「軽減が1刻みだとシンパシーの二番煎じに見えるため」「無条件で1体につき2軽減だと強すぎるため何かしらの条件を設ける必要があった」との事。

  • ヨビニオン
月軍の生み出した新たな技術…の筈だが、フレーバーでは特に名前を出されていない上、またしてもアビスに模倣されてしまった事が語られているだけのやや不遇な能力。
それぞれの主がハイパーエナジーに目覚めると同時に生み出された小動物からエネルギーを与えられているらしい。

ゲーム上では「この能力を持つクリーチャーを召喚した時、それ未満のコストを持つクリーチャーが出るまで山札を捲ってそれを出す」と言う物で、気軽に頭数を増やせる上にヨビニオン持ち、呼び出し先の両方が能力を持っている事が殆どの為、使い方によっては膨大なアドバンテージを確定で稼げる強力な能力。

元ネタはこれまたMtGの「続唱」。
あちらと違い、効果の発生源となるカードはコストを支払わなければならないという制約が付けられたが、それでも強力な効果である。

  • バラバラエティ
新能力の一つだが、ヨビニオンと違いフレーバーで語られる事は一切なかったある意味真の不遇。
ゲーム上では「場に自軍のコストの異なるエレメントが3つ以上あれば追加能力を得る」と言う物。
シビルカウントに似ているが、単色デッキなら自然と達成できるそちらと異なり、癖が強い物の文明の壁を越えて様々な能力を使えるという独特の強みがある。

  • 魔誕
かつて「死神」を復活させる為に行われたという儀式。

勢力別の動き

アビス

のっけから主であるジャシンがバラバラにされ肉体を持ち去られるも、ジャシンは霊体となり復活。
それを助けるべく一部のアビスロイヤルも霊体となる。
ぶっちゃけジャシンの肉体がどのように利用されているかに焦点が当たっている為今回は空気

光文明

ゴルギーニ・タウンを襲ったのは《光喜の夜 エルボロム》。
超化獣の力に叶わずゴルギーニ五兄弟が倒されたばかりか、同じく超化獣となったジャシンとの闘いに巻き込まれ街が半壊してしまう。
ドラン・ゴルギーニは無力感に打ちひしがれるのだった。

その後、暴竜爵との共闘の末エン・ゲルスが死亡し、ジャシンに並ぶ実力者を失う事態になるも、二人の意思を継ぎドランは《超天使 ゴルドラン・ゴルギーニ》へと覚醒、火文明にて月の四天王と戦う事となる

水文明

水文明を侵略しに来たのは《楽識の夜 フミビロム》。
その文明の文化を学びつくし、もう学ぶところが無いと判断したらその文化を滅ぼしてしまう存在である。
…が、いざハイクを学んでみると、その深淵性にどっぷりハマってしまう事に…。

自然文明

手始めにやって来たのは《炎怒の夜 アゲブロム》。
かつてゴルファンタジスタによって守り抜かれた森が焼かれてしまうも、妖精たちの祈りに応じゴルファンタジスタが再び登場。
アゲブロムは火文明から逃げて来たシンベロムとの共同戦線を取るも、ゴルファンタジスタの行いに感銘を受けたシンベロムはなんとアゲブロムを裏切るのだった。

その後、様子を見に来たエルボロムと戦おうとするゴルファンタジスタとシンベロムだったが…。

火文明

火文明にやって来たのは《哀樹の夜 シンベロム》。
その樹海に飲み込まれようとする火文明を救おうとするバクテラスだったが、無理な進化によってその肉体は既に限界であった。
己が命を燃やし尽くそうとした暴竜爵は更なるパワーアップを果すも、今度は光文明から逃げて来たエルボロムと相対することに…。

アビス以外の闇文明

死神覇王 XENARCH》が勝手に代表者として暗黒剣の調査に乗り出すも、特に目立った活躍は上げられなかった。
背景ストーリーでの不遇っぷりとは裏腹に環境では目覚ましい活躍を上げたゼナークであった

悪魔神、復活

各々の戦いを繰り広げる夜の四天王であったが、突如として自らの肉体から埋め込まれた筈のジャシンの肉体が飛び出し、彫像となるのであった。
これこそが暗黒剣の真の狙い、ジャシンの肉体を魔法陣に捧げ、《悪魔世界ワルドバロム》が魔誕を果す。
ゴルギーニとゴルファンタジスタはこれに立ち向かうも、デコピンの一発で二人は倒されてしまう。
自らの肉体を利用されたフィードバックでジャシンが動けない中、ワルドバロムは「漆黒の虹」ことワルドバロム砲を放つ。

超獣たちの生誕と死のサイクルを歪められた。悪魔の力に影響され、次々と奇妙な生物が生まれた。
有機と無機の概念を崩壊した。今や鉱石はこの大地で最も貪欲な食物連鎖の頂点となった。
神の権威すらも失墜した。予言も神託も悪魔の改ざんを疑わない理由はどこにもなかった。真の賢者だけが口を閉ざした。
光文明は、聖句が魔を呼び寄せる絶望の廃墟と化した、光文明のゴルギーニ・タウンも絶望に染まりつつある。
水文明は、無数の大渦同士がぶつかり合う災禍の中心と化した、水文明のライブステージも絶望に染まりつつある。
闇文明は、影が肉体の主導権を握る怨念の縮図と化した、闇文明すらも崩壊からは逃れられなかった。
火文明は、灯火が意志すら燃やし尽くす不毛の燎原と化した、火文明のボルシャック神殿は絶望に染まった。
自然文明は、根が自らの花を貪るカオスのるつぼと化した、自然文明のゴルフコースも絶望に染まりつつある。
世界の理そのものを塗り替える力を持つワルドバロム砲は、超獣世界を破壊し尽くした。そのあまりの威力に時空はひずみ、深淵の入り口を歪めて強制的に巨大な穴を開けたほどであった。
勇士たちは敗れ、五つの文明は例外なく荒廃した。超獣世界に、もはや抗えるものはいなかった…かくして世界は、バロムに包まれた。


エピローグ

自らの肉体が引き起こした魔誕を目の当たりにし、ワルドバロム砲の直撃を受け負傷したアビスたちをエナジーとして取り込み保護した事も合わさってか、ジャシンの心境に初めて変化が生まれようとしていた。

とうとうワルドバロムから自らの肉体を取り戻そうとするジャシン、しかし魔誕はあまりにも多くの力を巻き込んだために不安定な状態での復活となっていた。
ジャシンが近づいた瞬間、ワルドバロムの魂はジャシンの肉体から押し出されてしまったのだ。

…かくして、戦いは終わった。

暗黒剣はワルドバロムの魂を回収すると、何処へと消え去っていった。
伝説の魔誕をジャシンと夜の四天王の体を器として実現させた暗黒剣。
しかしその目的は自らの主の復活のはず。
真の目的はいまだ明らかになっていない。

ゴルギーニタウンの復興に精を出す光文明の住民だったが、そこにゴルファンタジスタとDracheが訪ねて来る。
深淵と悪魔神。ふたつの敵と戦うべく光・水・自然の3文明は手を取り合ったのである。
…今まさに同盟を組もうとする中、彼らと戦う運命を持つ一団が迫ってきていた。
絢爛を誇ったゴルギーニ・タウンが衰退する一方で、極彩色のネオンに輝く軍勢が勢力を伸ばそうとしていた。
《剛勇幻風ナッツムーン》は知っている。武士道を極めた新たな軍勢があらわれることを。

完全に灰となった暴竜爵だったが、そのの魂は不滅であると火文明の住民からは信じられている。
そんな火文明に新たな敵が迫っていた…その姿に「ギア」を身に着けた新たな敵が。
太陽の象徴を火文明が失う一方で、蒸気の力を活用する一団が勢力を伸ばそうとしていたのだ。
蒸気の力を持った一団は、水文明とは違う形で「魔術」を使いこなしているという。
《魂晶海嶺ポセイドライト》は知っている。騎士道を極めた新たな軍勢があらわれることを。

ワルドバロムの器とされていた自身の肉体にジャシン帝がゆっくりと近づいていった。すると、魂無きはずのジャシンの肉体が動き出したのだ!!

深淵と魔誕、手を取り合った文明たち。さらにはまだ見ぬ軍勢によって超獣世界の未来を決める闘いが始まろうとしている。

余談

本来この王道篇にあたるシーズンは、元々《クリス=タブラ=ラーサ》等を始めとするゼニス・セレスや水晶マナがプッシュされる予定であったが、商業的な事情等から急遽半年で現在の王道篇へと軌道修正された。
その名残か、背景ストーリーでは「感情を持たないゼニス」=「感情を爆発させる超化獣」など反転している要素や、「ジャシンにワンパンされたタブラ=ラーサ」=「ジャシンのせいで一瞬で消滅したワルドバロム」と類似した要素も見られる。
こういったゴタゴタも加味すると、また違った見方が出来る…かもしれない。


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最終更新:2025年04月21日 00:00

*1 他の高レアカードは銀トレジャーとして疑似的にシークレット版が用意されている

*2 型番すら揃えられている

*3 デュエチューブに公開された制作秘話によれば、にじさんじ運営であるANYCOLORからの提案との事。

*4 そのパックのデザイナー達を統括するリーダー格のようなもの。

*5 メタ的に言えば、あくまでも黒幕に利用されているだけの存在であるディスペクター及びディスタスと違い、見た目が所属している陣営に応じてマイナーチェンジしているだけのクリーチャー達を大っぴらにヴィラン扱いするのは予想されるターゲット層である復帰勢の心象に悪いからと思われる。