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刈衣花梨

登録日:2026/04/08 Wed 03:53:13
更新日:2026/06/28 Sun 03:12:48
所要時間:約 6 分で読めます





どうしたんですみなさん キツネにつままれたような顔をして?

中華の技法にくらべてあまりに簡単で夢みたいでしょ
でもキツネのマジックではなく科学のなせる技なのです!

ウカウカしてると料理人のみなさん
学者のお遊びにひれ伏す事になりかねませんよ!!


刈衣(かりい)花梨(かりん)は『鉄鍋のジャン!』の登場人物。


【概要】

湯水スグル執事兼、嫁。
スグルよりも9歳年上との事なので、初登場時の年齢は25歳。
かつて飛行機事故にあった際の負傷を隠すサングラスと、(本作中では)比較的まともなサイズのが特徴。でもだんだん大きくなってるような気がする。

元々はスグルのサポートに徹していたのだが、スグルに三連勝したジャンから「次に勝負するなら裏で細かいアドバイスをしていたアンタの方(意訳)」とその知識と実力を見抜かれ、結果スグルの代理として対戦することとなった。

刈衣家は先祖代々湯水家に仕えており、主人であるスグルとは幼馴染の関係。
普段は一歩引いてスグルを立てているが怒ると怖く、その実スグルは彼女の尻に敷かれているがお互いまんざらでもない様子。爆発しろ

3作目にあたる『2nd』ではスグルと結婚しており、おそらくは双子の娘「湯水あんん」「湯水るぅい」がいる。日本だとDQNネームに片足を突っ込んだ名前だが、中華センスだろうか。
彼女自身も登場しており、経営者としての側面が強くなった様子。
この内あんんはキリコのような性格とジャンJr.との関係性をしており、策略で彼の恋人のふりをした際はかすかに顔に赤みがあるため、異性という認識はある様子(好意の有無は不明)。


【料理人として】

モットーは【料理は学問】。だがそもそも本職の料理人ではない。
なので料理の腕はド素人で体力もなく、一品作っただけでバテるほどだが、人体生理学の知識を生かしてジャンに黒星をつけた数少ない人物。執事業は体力いらないんだろうか。まぁ幼少期の事故の影響で体力少ないのかもしれないけど。
経験や勘よりもデータや数値を重んじる所謂データキャラの系譜だが、ジャン相手に勝利を収めただけあってその知識量は確かなもの。

制作料理

  • 譜茶料理*1
自分の腕前をあえて教えるために五番町飯店に送り込んだ料理。
ウナギの炒め煮とツバメの巣のスープ……に見せかけた偽物(イミテーション)
中華の技法で作った精進料理で、ウナギの方は豆腐、大和芋、レンコンをすり合わせて、千切りしたゴボウを加え海苔の上に乗せて揚げたものをダシ汁に酒、醤油、砂糖、ネギショウガを加えて作った中華ダレで煮て片栗粉でとろみを付けたもの。
ツバメの巣の方は細切りした大根に片栗粉をまぶして蒸し上げて精進スープに入れたもの。
本物ではないのでよーく観察したり一口食べれば「なんか変」と気が付くが、ウナギだと思い込んで食べたアホ二名小此木やスグルが本当にウナギの味を錯覚してしまう程度にはそっくりに作られている。


  • 仔羊のロースト香草風味
「羊料理」の課題で披露した料理。使った部位はあばら骨が付いた背肉で、これはジャンにさばいてもらった。ジャン「あんたよくそれで勝負する気になったな(※呆れ気味に)」
下準備として余分な脂肪を取り除き、味付けは岩塩と胡椒だけというシンプルさ。
タイム、ローリエ、エストラゴン、ニンニクのスライスを敷いた天板に肉を乗せ、肉の上にも各香草を乗せる。そして香草の香りを逃がさないように取り除いた脂肪を乗せ、ローストしていく。
あばら骨を取っ手にして手づかみで食べるワイルドな料理で、岩塩のしょっぱさはあるが、肉汁はとてもジューシーでちょうどいい塩梅になっている。

……と、これだけでも岩塩の塩辛さが効いた旨い料理なのだが、スグルの作ったトマトスープと合わさることで手が離せなくなるほど後を引いてしまう不思議な料理と化す。
理由は岩塩がジャンクフードの原理で脳のエンドルフィン分泌を促し、塩と肉汁と脂肪で旨味を増幅させ、香草で食欲を刺激しているから。さらにトマトスープでナトリウム不足を起こし、足りなくなったナトリウム──塩を補うためにまたローストを食べる……と言うループが発生する。
刈衣によると通常のジャンクフードの数倍の効き目があるとのことで、ジャンに勝つことのみに拘った彼女なりの「勝つための料理」
スグルのアシスト込みとは言え、中華料理にはない発想で旨い料理を素人でも簡単に作ってみせたこともだが、「シンプルかつ大胆な調理法でストレートに羊肉本来の旨味を味わせてくれた」という点を評価され、ジャンに敗北を味わわせた。


  • 刈衣式スーパー・プディング
レモン風味のカスタードとスポンジケーキを重ねたスイーツで、中華の甜点心奶王千層來(ナイウォンチンチャンガブ)(カスタードあんの重ね蒸し)』*2の洋風バージョン。
最大の特徴はスポンジもカスタードも同時に一つの器で作られていること。そのため境目が溶け合って存在しない。
まずは*3を卵白と卵黄に分けておく。片方のボウルにバターと砂糖をまぜ、卵黄を一つずつ加えながらよく混ぜ合わせていき、更に小麦粉、バニラ、レモン汁、牛乳を適量加える。
もう片方のボウルには卵白を泡立て砂糖を加えていき、出来たものを先程のものと混ぜて器に流し入れる。
後はこれを天板に湯を張ったもので湯煎するようにしてオーブンに入れて焼き上げていく。
いっぺんにできるのは比重が関係しており、空気を含んだ軽い卵白は牛乳の上に浮いていき、小麦粉と少量の卵黄も連れていくので上の部分はスポンジケーキに、下に残った牛乳と卵黄は湯煎で80度ぐらいで火が通ってカスタードクリームになる、という寸法。

『奶王千層來』は非常に手間のかかる料理だが、こちらは「科学のなせる技」として簡単に作れると刈衣は実演してみせた。*4
実際、使用する材料は用意しやすいものしかない&工程も比較的お手軽なので、動画サイトなどでも作ってみた人は結構いる模様。
この料理に関しては文庫本6巻の巻末に4~6人前のレシピが記載されている。


  • 清蒸鱸魚(チンツエンルウユイ)(フッコの蒸し物)
(秋山醤!経験とカンに頼らなければならないキミと違ってこの定温調理器に失敗はありません)
(今夜もキミは勝てないです!!)

「魚の蒸し物」の課題で披露した料理。
中型のスズキであるフッコの蒸し魚料理で、下記の定温調理器を使って蒸し上げたもの。
淡泊なフッコにさっぱりした梅醬(メイジャン)タレを使い、梅のほのかな酸味と合わせて清涼感のある夏向きの料理となっている。
何よりも定温調理器を使った蒸し加減は最高で、一切ムラなく火が通っていて食感はふっくら柔らか。なおかつ程よく身の水分も残した点から「パーフェクトな蒸し魚料理ですよこれは!」と李さんにもお世辞抜きに評価された。
この料理の真骨頂は、「完璧」と評価される仕上がりになるレベルまで正確に定温調理器のデータ入力やプログラミングを行った彼女の知識にこそある。
弥一も「温度や時間をプログラムしたのは刈衣さん自身なんだ。定温調理器はしょせん道具にすぎない」と彼女の知識量を高く評価していた。

しかし失敗作だと思われたジャンの蒸し魚は食通向けの『あえてわずかに生を残した“極上”の蒸し魚』で、審査を務めた弥一からも「秋山の勝ち」「普段お客に出すなら刈衣さんの方、最高の蒸し魚を味わいたい通の客が来たなら秋山の方(要約)」として敗れてしまった。
この敗北は大分苦い思い出になったのか『R』では「私の敗因は人間が経験と五感で感覚的に把握している+αの部分を機械にインプットしきれなかったこと」と回想。
加えて「機械には限界がある」と過去の敗因を振り返っていた。


道具

  • 定温調理器
これでいいんです 科学の頭脳と腕と眼と21世紀の炎が完璧な蒸し物を造ります!
この定温調理器は電子レンジを超えた電子料理人なんですから!!

電子レンジのようにマイクロ(ウェーブ)を利用する加熱調理器具。
見た目は大型の電子レンジだが通常の電子レンジとは桁違いに多性能で、
  • 21段階の加熱パワーが選べ、1~109℃までの加熱温度のコントロールが可能な「マイクロ波(=21世紀の炎)」
  • 食材に刺すことで、目では見えない食材の内部温度を正確に読み取り監視する「温度センサー(=科学の眼)」
  • 食材と料理に応じた最適な加熱パワー、調理時間、調理温度をプログラム通りにコントロールする「プログラムICカード(=科学の頭脳と腕)」
これら3つのシステムの連動により、事前のプログラミングさえしっかりしていれば機械がプログラム通りの仕上がりの加熱調理を全自動で行ってくれる優れもの。「誰にでも扱え、どんな料理もできる夢の調理器」とは刈衣の談。
マイクロ波によってどんな形状の食材でも内部も含めた食材全体を一定の温度で均一に加熱し続けられるため、通常のオーブン焼きでは不可能な「肉全体がムラの無い均一のミディアムレアに焼き上がったローストビーフ」だって簡単に作れてしまう。
何より、料理人個人の技術や勘、経験といったものに頼らなくても済む上、ヒューマンエラーによるミスも発生しない点が最大の利点で、「誰がやっても何度やっても同じ仕上がりの料理が出来る」とは弥一の総評。
刈衣本人の優れた知識による正確無比なプログラミングも相まって、ジャンは僅かな蒸し時間のミスが出た時点で即敗北が確定する非常にハードルの高い試合に臨むことになった。


【余談】

デザインのモデルは監修のおやまけいこ氏らしい。比較的スレンダー体型なのはそのためだとか。あれでスレンダー……?

【料理は科学(ハイテク)】をモットーとして様々な最新デジタル機器を使っていた河原裕司は劇中でボロクソに言われていたのだが、これはデジタル機器に依存している河原と料理の腕や体力の無さを補う為の手段として科学を使っている刈衣の違い。別に贔屓というわけではない。
現にボロクソに言われていた時期の河原は「使用した食材同士の調和が取り切れずに微妙な状態」になった料理になっていたり、そこに無駄なひと手間を加えて台無しにしたりしていたのに対し、刈衣は全ての料理が「味付け自体はシンプルだが完璧」かつ自ら組み上げたプログラムで「完璧な火の通し加減を実現する」と最新機器を使いこなして極上料理を作り出すスタイルである。
ジャンの作った『“極上”の蒸し魚』に対しても、「出来ない」と認めつつも「プログラムを作り直せば可能かもしれない」ことが触れられている*5



でもまあ こんな追記・修正ゴッコはたまさかのお遊びですから気にしないでくださいね
勝負になったらもっとちゃんと学問と知識を総動員して項目変更にとりかかりますから♡

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最終更新:2026年06月28日 03:12

*1 作中での表記。「普茶」が正しいっぽい?

*2 薄力粉を練って作った包子皮と、バター、砂糖、卵で作ったカスタードあんの二つを薄く伸ばして何層にも重ねた中華スイーツ。『奶王千層糕』でググるとそれっぽいものがいくつかヒットする。

*3 4~6人前で4個とのこと

*4 とはいえ本家と比べると層は二層しかないため、完全再現というよりは「簡易版」と言ったところ

*5 無論、安易にできるものではなく試行錯誤が必要なので彼女自身は勝負の負けを認めている