#2 クラナ接触計画
受け取った知らせは信じ難いものであった。
かつての
大災厄で地上の人類はほぼ絶滅したと考えられていたのだ。
「で、今度は話の通じる相手なのだろうな」
「はい、少なくとも現時点においては。しかし......」
何か含みがあるようだ。
「なにかね……?」
そう聞くと彼は渋々といった感じで答える。
「どうも現地の情勢が良くないようなのです……」
その官僚の言うところによれば新たな大陸はいつ爆発してもおかしくない爆弾といった様相らしい。
「そうなれば.......彼らには我々の傘下に入ってもらうしかないようだな」
「どう思われますか『国王陛下』」
「
シルミヤ、その呼び方はやめてっていったよな?」
「こちらにも立場があるのでそう呼ぶしかないんですよ。元首相だとしても」
「そうなんだろうけどさぁ......。しかし、相変わらず強硬な手段をとるんだな。官僚上がりなのに」
「それが私のやり方なので。それに貴方も望んだ事でしょう。」
「まぁ、連邦のことに口を出す権利はこちらにはない。好きにやってくれたらいいんじゃないかな」
「いや、連合王国にも兵力出してもらいますからね。」
「は?」
「
スカルムレイを頼る訳にもいきませんし」
彼は見るからに不服そうだ。それも仕方ない。来年には婚礼を控えている。面倒ごとには巻き込まれたくないのだろう。とはいえ、こちらも譲るわけにはいかない。
「こちらにも事情というものが.......」
「とにかく、実行は一か月後です。」
遮るように期日を伝える。
「まぁ、仕方ない。」
とにかく、PMCFに先を越されるわけにはいかない。
そうすれば
選挙に勝てなくなってしまう。それに彼のやり残したことを完遂する必要がある。
最終更新:2023年06月21日 02:35