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黄金要塞
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黄金要塞
黄金要塞とは、魔神教が建造した巨大な浮遊要塞である。主材にはオリハルコンが用いられ、要塞全体に作用する重力エネルギーを奪取して魔力へと変換しながら浮上・航行した。そのうち初号機はのちに独自の国を築き、「天空人」を名乗る社会へと発展した。
設計と建造
黄金要塞の設計はアゲラ・ノーマンが主導して大枠の構造や主要機構を担当し、付随設備は秘匿工廠の技術者によって整備された。
制空権の確保にあたり、スバロキア大帝国が黒竜を用いた電撃的戦術を採ったのに対し、神聖グリニアは上空に航空兵器を展開可能な巨大要塞を築く戦略を選択した。また、主動力源である重力機関の性質上、要塞は規模が大きいほど効率的に機能した。
要塞の規模は高さ約5km、直径約3kmに及び、乗組員は約5000名、居住区画には10万人規模の生活環境が整備されていた。
建造は北ディブロ大陸沿岸の秘匿零號兵器工廠で行われ、永久機関から供給された膨大な魔力を用いた錬成魔術によって建材が賄われた。神聖暦321年に完成し、同年のバロム上空決戦で初めて実戦投入された。
内部区画と社会
黄金要塞は10万人以上を収容可能な居住空間を有し、生活圏・工業設備に加えて、食料や生活物資を錬成魔術によって供給する製造設備を備えていた。本格的な都市機能を持ち、軍人のみならず民間人も生活できる環境が整えられていた。内部には鉄道網が敷設され、長距離移動に利用された。
初号機は後年、司令官であったセシリア・ラ・ピテルを初代王とする王族社会が形成され、以後約1600年にわたり王政が継続した。その過程で、黄金要塞の内部には初代王の残した予言書に基づく「天空人」の社会が発展した(詳細は「天空人」を参照)。
動力と稼働
黄金要塞の動力は「重力機関」と呼ばれる装置によって賄われた。要塞の莫大な質量に由来する重力を打ち消し、その過程で発生する魔力を各系統に割り振ることで運用された。緊急時にはさらに高度を上げることで、出力を一時的に増加させることが可能であった。
移動は、上下方向については重力機関の出力調整によって行われ、横方向については移動魔術が利用された。また、超長距離の移動には空間転移魔術が用いられた。
着陸の際には脚部を展開する。
主兵装
以下に黄金要塞が搭載する主な機能および兵装を紹介する。
- 人工知能 - 要塞の操縦および兵装を統括する中枢。多数の兵器を自動管制する一方、一部の強力な兵装は人間が直接操作して安全機構を解除する必要があった。学習能力を持ち、敵兵器の軌道を解析することで迎撃精度が向上する場合がある。
- 防御装甲 - 外装は総オリハルコン製で、通常兵器や一般魔術では損傷しない。さらに魔術による障壁も展開されていた。
- 自己修復 - 重力機関から供給される魔力を利用し、錬成魔術による自律修繕が可能であった。
- 基本兵装 - 実弾および魔術からなる対地・対空砲を多数搭載し、人工知能によって統括・運用された。
- 殲滅兵 - 通常型および空中適応型の殲滅兵を生産・運用する設備を内蔵していた。
- 竜滅レール砲 - 大口径実弾を電磁投射する火砲で、システム制御によって射程は約1000kmに達した。通常弾のほか、禁呪弾や神呪弾などの魔弾を投射することも可能であった。
- 浄化砲 - 圧縮魔力を一度に投射する主砲だが、長時間の蓄積を必要とするため連続使用はできない。着弾地点ではブラックホール相転移に基づく魔力引き込み現象が発生し、最終的に特異点の蒸発によって膨大な魔力が大規模な爆発を引き起こす。その結果として舞い上がる粉塵は氷河期を引き起こす規模の影響をもたらし、また高濃度魔力による汚染を生じさせた。
- 術式変換炉 - 魔術を機械的に発動・制御する装置。特に魂の第14階梯
絶魔禁域 を展開し、周囲の空域を魔術行使不能とした。ただし空中適応型殲滅兵も使用不能となるため、随伴艦「水壺」搭載の科学駆動機「水天」による航空戦力で補完された。
随伴兵器
黄金要塞には空中空母「水壺」が二隻随伴し、そこから発進する純科学駆動の垂直離着陸機「水天」は、魔術行使不能下でも運用可能であった。ただし航続距離や継戦能力は魔術兵器に劣り、水壺による発艦支援が前提とされた。
運用史
- 一号機
神聖暦321年、バロム上空決戦で初めて投入された。猛威を振るうスバロキア大帝国の黒竜を相手に勝利し、ロレア・エルドラード連合軍を壊滅させた。続く対コントリアス戦では、防衛兵装によって大軍と二人の強力な覚醒魔装士を退けつつ、浄化砲を放ち国土を消滅させた。この攻撃は、後に訪れる氷河期の原因となったとされる。
対エルドラード王国戦争では、スバロキア大帝国の戦略により南方へと誘導され、大噴火の魔術を受けることとなった。しかし、これらの展開はすべて司令官セシリアの作戦のうちであり、その未来視の能力に基づく判断によって黄金要塞は上空へと逃れ、戦争から離脱した。
その後は天空人の記事を参照。 - 対憤怒王
『鷹目』の工作によって数万人の貧民に拿捕され、人工知能の補助を受けながら『黒猫』の傀儡や失業した技術者によって運用された。
安息の地を求めて北ディブロ大陸へと飛び立ったが、その過程で憤怒王サタンを刺激し、交戦の末に敗北。
転移魔術によって逃走を図ったものの、ディブロ大陸の各都市を巻き込みながら消滅し、さらにスラダ大陸へ戦火を引き込む結果となった。 - 対怠惰王
教皇クゼンと『鷹目』の手引きにより、聖騎士アロマ率いる樹海聖騎士団に拿捕された。
アロマにかけられた冤罪を晴らすため、南ディブロ大陸に眠る怠惰王ベルフェゴールの討伐に用いられたが、戦闘に敗北し破壊された。その後は、スラダ大陸にも戦禍を引き込むこととなった。 - 対嫉妬王
魔神教聖人教会の手で拿捕され、コントリアスに囚われた聖人を救う手段として運用された。
だが兵装を十全に使いこなすことができず、東ディブロ海に棲む嫉妬王リヴァイアサンを刺激してしまう。交戦の末に敗北し、転移魔術によって逃走するも、結果としてスラダ大陸に戦火を拡大させる結果となった。