雁夜に召喚されたサーヴァント。
狂化で理性が失われているにもかかわらずセイバーが驚嘆するほどの剣技を誇る。
また、黒い靄状の魔力を纏ってステータスや姿を隠蔽する能力を持っている。
隠蔽の強度は生前の知己であろうと一切正体に感づかないほど。
更に生前の逸話により、手に取ったあらゆる武器(になりえる物体)を英霊にも有効な自らの宝具とする事ができる。 *2
所持する宝具は上記の2つ「己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)」と「騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)」。
そしてその2つを封印することで使用出来る魔剣「無毀なる湖光(アロンダイト)」の3つ。
CVはアニメ・FGOともに置鮎龍太郎氏。
「……Ar……thur……」
真名:ランスロット
身長:191cm / 体重:81kg
出典:アーサー王伝説
地域:イギリス
属性:秩序・狂 / カテゴリ:地
性別:男性
イメージカラー:濃紺
特技:武芸、乗馬
好きなもの:礼節、伝統
苦手なもの:本音トーク
天敵:イスカンダル
その正体は円卓の騎士の中でも最強と謳われた戦士 『ランスロット』。
伝承ではアーサーの妻・ギネヴィアを寝取った「裏切りの騎士」として知られるが、ご存知の通り Fateのアーサーは女性なので、
政略結婚で女相手に嫁いだ王妃に夫婦仲を相談されていたらいつのまにか王妃と恋仲になっていた、と理由づけされている。
ランスロット個人としてはアーサーに敵愾心など全く無かったのだが、不貞を理由に処刑される王妃を見捨てられず離反。
それが遠因となり、ブリテンの崩壊を招いてしまう。
ちなみに、セイバーことアーサー王はギネヴィアを女である自分に嫁がせた負い目があったのでむしろランスロットに感謝していたのだが、
不貞に対してお咎め無しとされたことでランスロットは贖罪の機会を逃し、己の所業に対してやり場の無い憤りを抱くことになる。
小説の地の文などではセイバーへの憎悪の念が見えるが、これはランスロットが王妃への想いもアーサーへの忠誠心も捨てきれず、
「せめて貴方が恨めるような王であればこんな苦悩はしなかった!(意訳)」という感情が狂化の影響で表面化したもの。
素のランスロットが憎悪しているのは、愛する女も敬愛する主も救えなかった自分自身に他ならない。
……こう書くと愛と忠節の間で苦悩している騎士という王道なのだが、「せめて獣として生きたのならば救いもあったのではないか」と「王に裁かれたい」という二つの望みを拗らせた上にバーサーカーとして召喚されてしまった結果、アーサーに対して凄まじい執着と敵意をむき出しにしてしまう。
バーサーカーである故に意思の疎通も出来ず、只ひたすらに憎悪をぶつけてアーサーと戦った結果、正体を知ったアーサーに「自分はここまで憎まれていた」と勘違いさせてしまい、様々な苦難から自分には王の資質は無いのではないのかと揺らいでいたアーサーの心を完全に折ってしまう。
ランスロット自身は魔力切れによって自滅、最期は自分がアーサーの心に拭い難い傷をつけた事に気がつかぬまま、彼女の腕の中で消えていった。
と、このように生前も死後もアーサーを無自覚に振り回し苦悩を与えてしまう結果になってしまい、
そこの処を指して作者からは「起源は傍迷惑」と言われている。……こいつ、雁夜に呼ばれるべくして呼ばれたんじゃ……?
もっとも、原典のアーサー王伝説においても、ギネヴィアとの密会現場にカチコミをかけてきた円卓の騎士たちを返り討ちにして逃亡したり、
その後も仲間だった騎士たちを何人も負傷させたり殺害したりと、なかなかの傍迷惑っぷりを発揮しているのだが。
ちなみに「バーサーカーでなければまともなのか?」というと、確かにまともなのだが一方で大変な女好きで、
敵対者であろうと美人であれば問答無用かつ無意識に助けてしまう、彼自身にその気が無くても勘違いさせるような優しさで接してしまう等々、
フランス人らしく女性がらみではかなりの問題児である。
円卓の同僚であるトリスタンとは「道ならぬ恋」に対して熱く語り合う仲だったとか。
さらに言えば円卓をぱっかーんと叩き割った張本人でもあることから、アーサー王の忠臣としてランスロットの不貞を糾弾し、直後にランスロットから両断されたアグラヴェインには完全に恨まれている。
なので「自分たちは二人とも裏切り者」という同列扱いにブチギレたアグラヴェインに不意を突かれて退場した。
そんな諸事情から捨てた息子であるギャラハッドからは蛇蝎の如く嫌われており、「父だと思っていたのは子供の頃だけ」とバッサリ切り捨てられている。
さらにギャラハッドの霊基を 受け継いだ人物はランスロットに向かって「ごく潰し」「女の敵」「頭おかしいんですか?」「お城ぶつけますよ!!」と物凄ーく辛辣。
ギャラハッド自身の意識はとっくに消滅している&彼女は本来そんな事を言う人物では無いにも関わらずこの有様である。
ランスロットもランスロットでギャラハッドに対しては負い目がある上、ひそかに父と呼ばれる事に憧れても居たため、彼女からの辛辣な態度やなにより「お父さん」という言葉には深いダメージを受ける。
なお、FGOのランスロット(セイバー)は未だ王に対する申し訳なさで鬱屈しているが
ランスロット(バーサーカー)はFate/Zeroで王に倒されて以後なのでそのへんがすっきりしているとの事。
肝心の王の事は問うてはいけない。
第一章にも敵として登場。
こちらでは四次キャスターことジル・ド・レェに召喚されるかたちで現界、アーサーに顔雰囲気が似ているジャンヌをアーサーと間違えて襲い掛かるも、違うと解ると消滅した。
「あのとき、騎士でなく男として―――
忠臣でなく人として、貴方を憎悪していたならば―――
己は、あの女を救えたかもしれないのだッ!」
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