ベータ・レイ・ビル


マーベルコミックスの『マイティ・ソー』シリーズの登場人物。初出は1983年の『The Mighty Thor #337』。
『超人ハルク:サカールの預言』での日本語吹替声優は 斉藤次郎 氏。
ヒーロー名は無く、本名で活動している。後述のように雷神の力を身に付けたため、ベータ・レイ・ソーとも呼ばれる。
身長201cm。体重218kg。
生物工学の力で生み出された超人的な身体能力を持った肉食獣の生命力を移植する事で誕生した宇宙種族の守護戦士。
凶悪な人相と裏腹に、高潔で勇敢な精神の持ち主である。

地球に向かってくる謎の宇宙戦艦をソーが迎撃に向かった時、戦艦の守護者としてソーと戦闘になる。
ソーに引けを取らぬ武勇を発揮し、両者の勝負が付かないまま戦艦は地球に近付いていくが、
この当時ソーは地球では一分間で変身が切れてしまうという制約を課せられており、
人間の医師ドナルド・ブレイクに戻ってしまった所を倒されてしまう。
地球に不時着した戦艦はさらにS.H.I.E.L.D.に包囲され、進退窮まったビルがふと側に転がっていた杖を手に取ると、
それはソーがドナルド・ブレイクに戻っていた時に杖へと偽装されていた神鎚ムジョルニアであったのだ。
「このハンマーを持つ者は誰であれ、それに相応しき者であれば雷神ソーの力を身に付ける」
ハンマーに刻まれた字句の通り、ビルの姿は(顔はそのまま)雷神へと変貌していた。

その時アスガードでソーを呼び戻さねばならない事態が勃発しており、オーディンはミッドガード(地球)にいる息子を呼び戻す。
が、アスガードに召喚されたのはソーの力を保持する宇宙人ベータ・レイ・ビルの方だった。
ビルは突然の状況に戸惑いオーディンを攻撃するが、さすがにオーディンには敵わず拘束される。
ソーもその場に召喚されて話し合いとなり、ビルは地球に侵略に来たのでは無く、サーターに追われて故郷の星を脱出し、
冷凍睡眠中の同胞を守って宇宙戦艦スカトルバットと共に移住地を探している所だった事を説明。
ムジョルニアの返還を求めるソーに「ムジョルニアは正当な戦いによって勝ち得たもの。この力は同胞を守るため手放し難い」と主張し、
オーディンの裁定によって二人は再度ムジョルニアを賭けて決闘を行う。
そこでビルはソーを打ち倒したばかりか、溶岩に転落しかけたソーを救うという義挙をも示して見せた。

ソーを打ち破り、新たなムジョルニアの所有者となったビルはアスガードの神々に歓待される(一方、負けたソーはふてくされていた)。
醜悪な外見に似合わず清らかな心の持ち主である事も理解され、ビルが語る来歴にも同情されていく。
ビルは母星コルビナイトの人々の守護者となるために過酷なサイボーグ手術を受け、志願者のほとんどが手術で死亡する中、唯一の種族の守り手となった。
しかし外見が本来のコルビナイト人とかけ離れてしまったために忌避の目で見られることになってしまい、それでもなお同族を守って宇宙を放浪していたのである。
オーディンはビルのために新たな魔法のハンマー「ストームブレイカー」をドワーフに造らせ、ムジョルニアはソーに戻す形で事を収める。
そしてビルとソーは共に雷神の力を備えてビルの故郷の星に向かい、そこを炎の炉に変えていたサーターの手下の悪魔達を撃退。
力を合わせて大敵を打ち破った二人は義兄弟の契りを結ぶ事になった。

オーディンはムジョルニアの備える魔力の一つ「人間に変身する力」をストームブレイカーに移す。
これによりソーはドナルド・ブレイクに変身することができなくなったが、
ビルは醜いサイボーグの姿から、元のコルビナイト人の姿に戻る事ができるようになった。この措置にビルは深く感謝した。

その後、ビルは宇宙で他のヒーローと共に悪と戦い、また度々アスガードの危機に駆け付けてソーと共に戦っている。
コルビナイト人達も無事他の星に移住できたようである。
ビルがあんまりアスガード関連の戦いにばかり行って地元を守らないので文句を言われたりもしているそうな

+ 余談
実にいい話に見えるが、ビルが旅立って行った後で、どうしても負けを認めたくないソーは、
「ビルの地元の星は灼熱の惑星で、彼は暑さに強かった。一方、北欧神は寒さに慣れているが暑さは苦手だ。
 彼と溶岩の流れる地で決闘させたのはあちらに贔屓したのでしょう。環境が逆なら私が勝ったはずだ」
とオーディンに食い下がっており、敗北を体験させて息子の慢心を戒めるつもりだったオーディンは、
「全能の神にも言えぬ事があるのだ」と、全然反省していないソーに嘆息するばかりであったとさ……。

ただし劇中描写を鑑みると、両者とも宇宙空間で問題無く活動できるくらいの耐熱・耐寒能力があるので、
炎の国ムスペルヘイムで戦おうと氷の国ニヴルヘイムで戦おうと影響は誤差レベルであろう。やっぱりソーの負け惜しみである。
まぁ宇宙空間で活動できるはずのウルトラセブン寒さに弱かったりもするし、当時の作家陣の科学知識の問題かもしれんが


MUGENにおけるベータ・レイ・ビル

Bambulin氏(Bam77氏)とPilgrim氏の共同製作による、MUGEN1.0以降専用キャラが存在。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」にて代理公開されている。
ストームブレイカーを持って雷神の力を得たコスチュームで戦い、変身前の姿はイントロで見られる。

操作方法は『MVC』風の6ボタン方式。
必殺技はストームブレイカーを投げ付けたり雷を放ったりする技が搭載されているが、
どれもこれも攻撃前のモーションが長いので出が遅く、実戦向きでは無さそう。
超必殺技もやはり当たれば大きく持っていくが、発動が遅い。
中には宇宙に待機している戦艦スカトルバットに砲撃させる技もある。
AIは簡易的なものがデフォルトで搭載されている。

出場大会

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最終更新:2022年07月09日 17:48