ルーデウス・グレイラット


小説投稿サイト『小説家になろう』で連載され、KADOKAWAのMFブックスから商業化された、
理不尽な孫の手氏作の小説『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』の主人公。
アニメの担当声優は 内山夕実 女史。アニメ化前のドラマCDでは 下野紘 氏が声を当てていた事もある。

親しい者達からの愛称は「ルディ」。
元は学生時代に不良から虐められてヒキニートと化した現代日本の男(CV: 杉田智和 *1)であったが、
両親の葬式にも出なかったため堪忍袋の緒が切れた兄弟に家から追い出された*2所で、
学生達を庇いトラックに轢かれて死亡した末に舞台となる「六面世界」へ転生。
アスラ王国フィットア領ブエナ村に住む父パウロと母ゼニスの息子として新たな生を受けた。

前世の享年34歳の人格を保ったまま転生しているため、精神的には両親よりも年上だが、
前世では引きこもりを続けていたため対人経験や社会経験が未熟であり、
さらに生まれ変わってなお前世での経験が根深いトラウマとして残っている。
それ故に自己評価が過剰に低く自分を卑下し過ぎる卑屈な一面や、一度挫折すると1人では中々立ち直れない心の弱さも持っている。
転生してからも5歳になるまでは前世のトラウマから家の敷地より外に出られなかったが、
家庭教師のロキシーに半ば無理やり外に連れ出されてようやく克服した程。
なお、性格に関しては後悔やトラウマだけではなく転生した肉体の年齢や遺伝子に引っ張られる形で影響を受けており、
魂だけの状態になると前世の性格に戻ってしまう。
後述のアニメでも、魂だけの状態では前世の姿のままだった。

前世で家族に迷惑をかけた事を反省しながら、ロキシー、シルフィエットエリスら様々な人との出会いや交流を経て成長していく。
しかし、10歳の誕生日の翌日に起きたフィットア領転移災害を機に、壮絶な運命に身を置く事を余儀なくされる……。

桁外れの魔力と無詠唱魔術を備えており、並の冒険者よりも強い。
剣の腕前は剣神流中級。ルーデウスは闘気を纏えない体質であり、剣術の適性は低い。*3
また、転移事件後に魔界大帝キシリカから魔眼「予見眼」を授かっており、近い未来を見ながら戦う事ができる。


『無職転生』作品概要

「異世界系」及び「なろう系」を流行させた最初期の作品である『ログ・ホライズン』に次いでヒットした異世界系作品にして、
異世界転移である『ログホラ』とは似て非なる、なろう系「異世界転生」のパイオニア的な作品。
連載されてから2019年初めまで『小説家になろう』の累計ランキングで長年の間1位の座を保っていた、
小説家になろう出身の作品の中でも屈指の人気作にして代表作でもあり、その後のなろう系作品や異世界転生の流行にも大きな影響を与えている。
2021年よりアニメ化もされており、制作に当たったスタジオバインドは本作の制作のためだけに立ち上げられたアニメスタジオである。
後に同アニメスタジオは無職男がTSFするアニメを制作したため、こっちは「無職転性」とネタにされる事に

ルーデウスは間違い無く作中世界では優れた存在だが、本作では「無職」をはじめとして「人間不信」「家族との不和」などの前世のトラウマを抱えた主人公が、
チートや俺TUEEEだけではどうにもならないトラウマや苦難と向き合い、時に失敗したり他者の過ちで傷付いたりしながらも、
一つ一つ乗り越えながら成長していく事が物語の主軸となっている。
そのため、「ルーデウスの半生を追う大河ドラマ」と評される事も。


MUGENにおけるルーデウス・グレイラット

JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが2体公開中。

+ sanji_66氏製作
  • sanji_66氏製作
外見は幼年期準拠。
剣を用いた近接攻撃だけでなくパンチによる吹っ飛ばし攻撃や、魔法による飛び道具も備えたオールラウンダーな性能をしている。
超必殺技では200ヒット近い広範囲攻撃を放つ。
AIもデフォルトで搭載済み。
DLは下記の動画のコメント欄から

+ Xkleitoss氏製作
  • Xkleitoss氏製作
こちらも外見は幼年期準拠だが、たまに前世(心の声)のボイスが入る。
魔法による飛び道具や広範囲攻撃をメインにして戦うキャラだが、主要な飛び道具がほぼゲージ技なので燃費が悪め。
超必殺技には火球を飛ばしたり氷漬けにして動きを止める技がある。
AIもデフォルトで搭載済み。
DLは下記の動画のコメント欄から

出場大会

  • 「[大会] [ルーデウス・グレイラット]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
アニメ版では「前世の男」でクレジットされており、
またルーデウスに転生後の心の声も(内山女史ではなく)杉田氏が一貫して担当している。

*2
書籍化に伴ってぼかされたが、WEB版ではそれに加えて幼い姪の脱衣所、風呂場、入浴を盗撮しており、
それをオカズに自家発電していた事が兄夫婦の逆鱗に触れ、制裁を加えられた末に家を叩き出されている事が記されている。
転生後も(魂的には義母とはいえ)実母からの授乳、実父とメイドの逢瀬、家庭教師の自慰などに興奮し通し、
家庭教師の下着を御神体などと称して盗んで隠し持ち、実の妹達を調教して自分のハーレムにする光源氏計画を立てる一方、
やはり削除された番外編で妹がまだ幼いルーデウスの長男と駆け落ちしてしまった事を知ると、前世の行いやかつての自分の計画を棚上げして反発するなど、
「転生して真面目に生きようと決意した所でその性根はどうしようもないクズのまま」という事は度々描写されている。
そのどうしようもない人間が、様々な異世界の事情や事件に翻弄されながら、それでも必死に生きていこうとするのが本作の主題である。

その事が特に如実に現れているのが、離散した一家を必死に探す父親を賊と勘違いして襲撃した場面である。
とある魔法的災害により一家は世界中に散り散りに転移してしまい、父親は失った家族を探すために血眼になって奔走しており、
父と仲間たちを人狩り、人攫いの賊だと誤認したルーデウスは、恩人の名前を広めるためという理由をつけて、
あろうことか女の子の下着を被って顔を隠し、恩人の名を騙って父を襲撃したのである。
加えて転移後に家族を探すでもなく女の子や恩人である魔族と共に楽しく冒険をしてきた事をぺらぺらと喋りだしたため、
ルーデウスに過度の期待を寄せていた父親に激怒され、ルーデウスも自身の非を認めなかった事で大喧嘩に発展。
父との関係は致命的なまでに破綻し、その後の和解の提案も酒場の店主から諭されない限りなされないほどであった。
ちなみに、盗撮関連の描写が完全に削除されるなど原作よりややマシな性格になっている漫画版では、
父親に激怒された際に自身の非を認めなかった自分に内心驚き、大喧嘩の後にも励ましてきた仲間に自分の非と反省の弁を述べ、
その後の父親の和解の提案も素直に聞き入れようとする(ただし硬直してしまい、店主に原作同様の台詞で助けられる)……と、
大幅にルーデウスの考えが変わっている。

とはいえ父が反省したのは「どんなに才能があろうが息子はまだ11歳の子供に過ぎない」という点であり、
「やっと再会した父親に、過酷な冒険の旅を楽しそうに話しても別に良いじゃないか」と仲間に諭されたからで、
ルーデウスの中身が齢数十歳の中年男である事が判明していた場合、このような和解に至ったかというと正直疑問である。
一応擁護するなら、前世の男も精神年齢だけなら高いとはいえ、確かに上記の通りルーデウスの肉体年齢に引っ張られる形で精神面に影響を受けてはいるのだが。

*3
「剣神(剣神流のトップ)>剣帝(剣神流の帝級)>剣王(剣神流の王級)>剣聖(剣神流の聖級)>剣神流上級>剣神流中級>剣神流初級」という序列。
剣神流は攻撃と速度を重視した剣術の流派であり、剣聖以上の剣神流剣士は光速の斬撃技である「光の太刀」を使える。

ルーデウスは「剣神流中級」以外にも、カウンターと防御重視の「水神流」という剣術の流派も学んでおり、こちらは「水神流初級」。
なおルーデウスに剣術を教えた父パウロは、剣神流と水神流以外に「北神流」という剣の流派も修めており、「剣神流上級」&「水神流上級」&「北神流上級」。
奉公先でルーデウスとエリスに剣術を教えたギレーヌは「剣王」。転移事件時のエリスは「剣神流上級」である。
その一方、魔術は師匠であるロキシーから聖級の水系統魔術を伝授されているため、ルーデウスも「水聖級魔術師」を名乗れる。


最終更新:2025年03月20日 15:52