DCコミックに登場するヒーロー。初出は1940年の『
Whiz Comics #2』。ゴールデンエイジから活躍している古株である。
「スパイスマッシャー」で検索すると調理器具の「spice masher」が大量に出てくるが、こちらは「spy smasher」である。
意味としては
スパイを粉砕する者と言った所で、所謂
超人スパイヒーロー。
現在は計2代存在し、どちらもアームストロング姓。しかし、
史上最強の上院議員は無関係。
どちらも超能力は持たないが接近戦において優れた技能を持つ。
初代
本名は
アラン・アームストロング。身長180cm。体重79.4kg。
バージニア州出身の裕福なパイロットにして運動選手で、
WW2ではフリーランスの諜報員として活動していた。
しかしフランスでナチスの脅威を目の当たりにし、帰国したアメリカでもナチスの陰謀が広まりつつある事が発覚すると、
彼は双子の兄ジャック・アームストロングと協力し、ナチスからアメリカを守るため、スパイスマッシャーとして独自の行動を開始するのであった。
独自に開発した
ジャイロプレーン・
地上車両・
潜水艇への変形機能と各種装備を備えた「ジャイロサブ」を愛機として保有していたが、
これは後述の連続活劇映画版ではナチスから
強奪した新兵器という設定となっていた。
コミックスでは当初
ナチスの超人的工作員「アメリカ・スマッシャー」を相手に戦っていたが、
真の宿敵はアメリカ・スマッシャーの裏でアメリカにスパイ網を築き上げた「ザ・マスク」(
彼ではない。そもそも会社が違うし)と呼ばれるスパイであった。
偽札によるアメリカの経済破壊、英国への救援物資運搬など支援活動の妨害に暗躍するザ・マスクと戦うスパイスマッシャーは、
一時は
キャプテン・マーベルと戦うためザ・マスクによって洗脳され副官に仕立て上げられたが、
キャプテン・マーベルの活躍によって解放され、再びナチスとの戦いに復帰。
兄ジャックが自分の身代わりとなってスパイスマッシャーに扮して命を落とすなどの悲劇に見舞われながら、
アメリカ海軍コービー提督、その娘で恋人のイヴといった仲間達と共にザ・マスクの陰謀を粉砕し、
ついに宿敵をUボートごと海底に沈める事で勝利を収めた。
終戦後は
クライムスマッシャーに名前を変え、私立探偵となって犯罪と戦うも、やがて姿を消した。
当初はフォーセット・コミックスに所属するヒーローで、キャプテン・マーベルと人気を二分する存在、
フォーセット・コミックスにおける
バットマン的なポジションに位置するキャラクターだったのだが、
クライムスマッシャーへの路線変更があまり受けず、残念ながら1948年には打ち切られてしまった。
その後フォーセット・コミックスの版権がDCコミックスに販売された事を受けて、スパイスマッシャーも移籍。
どうも冷戦時代に再びスパイスマッシャーとして復帰したらしく、バットソンという
考古学者と共に様々な活動に従事し、
引退した現在は、その当時の活躍を戦友の子である
ビリーとメアリーに語る老人として過ごしている。
なお、スパイスマッシャーとクライムスマッシャーが同一人物である事はあまり知られていないらしく、
「多分同一人物だとは思うが確証は無い」という内容が、
スターマンによる考察として述べられている。
1942年には連続活劇映画が制作されているのだが、これが極めて素晴らしい作品として高評価を得ており、
アニメ版『ジャスティス・リーグ』の世界で第二次世界大戦中に活躍した偉大な先人ヒーローの一人として語られた際には、
スパイスマッシャーがナチス超人スパイ、フォーセットコミックの悪役でもある
キャプテンナチス誕生を防ぐ場面の記録動画が、
この連続活劇映画同様のアクションとBGMで描かれるというオマージュがなされた。
2代目
本名は
カタリナ・アームストロング。ただし先代であるアラン・アームストロングとの関係性は不明。
初出は2007年の『Birds of Prey #100』。
主だった国連加盟国情報機関からの信任を得ており、反テロリズムとメタヒューマンを起用した特殊作戦の専門家として活躍。
……という経歴自体は先代と似ているところもあり、コスチュームも似ているのだが、中身は先代とは大違い。
横柄で横暴、任務のためなら殺人を含めた多少の犠牲も厭わないという、冷徹で高飛車なキャラクターとなっており、
大学時代
バーバラ・ゴードンの友人だった関係から彼女を脅迫し、オラクルや
バーズ・オブ・プレイを自身の工作員として働かせた。
当然チームメンバーからの反発は強く、バーズ・オブ・プレイをシークレット・シックスとの紛争に巻き込んだロシアでの任務後、
自分がバーズ・オブ・プレイを指揮すると宣言し、これに反対したレディ・ブラックホークを追放する。
しかしオラクルとのタイマンで打ち負かされ、バーズ・オブ・プレイの元メンバー勢揃いで弾劾されては勝ち目もなく、やむなく引き下がった。
その後は一度洗脳されて記憶消去されるなどの目に遭いつつも、相変わらずエージェントとして各地で活躍している。
一応キャラクター造形的には「DCユニバースにおけるジャック・バウアー」をイメージしたとの事で、
単に
高飛車で横柄で横暴なスパイマスターではなく、オラクルへの友情と対抗心や複雑な内心を抱えている。
……とされているのだが、どうにもあまりそういった一面は描かれておらず、「嫌味なヤツ」となってしまっているのは否めない。
ただ「人殺しも厭わない」とされつつ作中で明確に殺人を行った描写は無いため、こうした立ち居振る舞いも全部演技なのかもしれない。
学生時代のバーバラとの思い出も「どうしてもバーバラに勝ちたいから不正をして勝ったが、即座に審査員に不正を自己申告した」というものなので、
内心色々と複雑なものを抱えているのは間違い無い……のだろう、多分。
武器の使用技術に長けている他、国際的な知識を持つ。
また
アメリカ大統領を凌ぐ政治力と権力を持っていると自称しているが、
これについては多少盛っているらしく、自分で言っているほどの権力を活用している描写は無い。
(参考資料:『DCキャラクター大事典』)
MUGENにおけるスパイスマッシャー
skhsato123氏が製作したキャラが存在。デザインからして初代のようである。
スプライトのベースは
キャプテン・アトランティス。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」における氏のフォーラムにて公開されている。
なおReadMeの類は付属していないため、各種
コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。
操作方法は6ボタン方式で、
チェーンコンボが可能。
必殺技は拳銃と
ブーメランによる
飛び道具、オーラを纏うアッパーを放つ突進技の3種。
超必殺技は「サイクロン!」と叫んで乗ったマシンで轢く技と、上空からミサイルを落とす「Calling in Missile Strike」。
……一部の
ボイスがキャプテンのものだったり、上記のアッパーを放つ技がこれまたキャプテンの「キャプテン・サイクロン」まんまだったりするのはご愛嬌。
AIは
並中位程度の強さの物がデフォルトで搭載されている。
出場大会
最終更新:2025年02月03日 11:45