「ユウマ……想像力を解き放て。私は君で、君は私だ!」
円谷プロの特撮作品『ウルトラマンアーク』に登場するウルトラマン。
飛世ユウマがアークアライザーとアークキューブを使用して「ルティオン」という異星人と融合することで変身する。
担当声優は
萩原聖人
氏(ユウマの父・テツヤとの兼任。と言っても
テツヤの肉体がウルトラマン化した訳ではなく、後述の通り声が似ていただけの別人である)。
本来は本編より16年前に怪獣モノゲロスと交戦しながら飛来したのが地球での最初の戦い(通称「K-DAY」)だが、
この時はその場にいたユウマの両親がモノゲロスのせいで死亡してしまい目撃者がユウマしかいなかったため認知されず、
アーク自身も満身創痍のまま詳細を伝える余裕も無くユウマと同化した。
それから16年後にユウマがSKIPに初出勤した日において、突如怪獣ディゲロスが出現したのをきっかけに任意に変身できるようになった。
アークという名前の由来は地球防衛隊所属の石堂シュウが、飛び立つ際に虹色の円弧(Arc)を描いた光景から命名した。
外見は首部の黒色と菱形のカラータイマーを除けば、赤と銀を基調にした、所謂M78星雲出身ウルトラマンの「シルバー族」寄りだが、
顔つきは鋭い目つきで
ウルトラマンゼロ以来の久々となる
セブンタイプ。
戦闘においては、主に見せる片腕を握り拳にして脇を締め、開いたもう片腕を手刀にして突き出す、
ウルトラマンジャックに酷似したポーズをとる
(これ以外にもタイトルバックやアイキャッチといった演出、怪獣のデザインコンセプト、
頻発する怪獣災害への抑止力として描かれるSKIPや防衛隊など、『帰マン』オマージュと思われる要素が多い。
あとOPでその回ごとのハイライトが流れるので「レイズナーっぽい」と言われる事もあった)。
ニュージェネ以降のウルトラ戦士としては珍しく基礎能力が高めであり、
後半における強化形態「ギャラクシーアーマー」の習得後も基本フォームで敵を倒す事が多かった。
額を模した部分にアークキューブを装填することで様々な技を発動する「アーク
アイソード」を武器にする他、
腕を十字に構えて放つ必殺光線「アークファイナライズ」、虹色に輝く八つ裂き光輪「アークエクサスラッシュ」、
板状のバリアを生み出す「アークギガバリヤー」などの技を使うが、
特筆すべきは首を少し傾けた後、額のクリスタルの発光と共に勢いよく首を元の位置に戻す事で様々なアイデアを閃く「アークトリッキーテクニック」で、
これにより
「バリアで殴る」「自ら叩き割ったバリアの破片で敵を突き刺す」「光線を鞭のように振り回して側面から撃ち抜く」などは序の口、
「バリアを使ってプロペラを作り出し、飛ばして相手の気を引く」といったシリーズ
前代未聞の戦法を取るなど、同じ技でも様々な応用と発想を見せる。
戦闘中では掛け声以外は喋らないが、ルティオン自身の意識は健在でわずかだが助言を授けることもある。
ただしユウマとの交信はルティオン側の負担が大きいらしく、劇中におけるユウマとルティオンの会話はいずれも短時間に留められている。
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ネタバレ注意 |
ルティオンは元々ウルトラ一族、つまりM78星雲の出身でもなければ、L77星、前作のブレーザーの出身地であるM421のような、
「たまたまM78星雲人と似たような進化を果たした種」ではない。
結論から述べるのであれば、彼は「後天的にウルトラマン化した異星人」という、 O-50のウルトラ戦士達に近い身の上の持ち主である。
元々ルティオンは舞台となるアークの宇宙とは別の高度な文明力を誇るマルチバースに住む異星人であった。
だが、ある時地球でいう太陽に相当する「恒星ソニア」が突如異常膨張を開始し、このままではその銀河の全ての星々が焼き尽くされてしまう事態が発生。
やがて「宇宙暗黒卿ゼ・ズー」と呼ばれる指導者が開発したワームホール「ゼ・ズーゲート」を使用し、
「ソニアの余剰エネルギーを別の銀河に送り出す」という、一見すると完璧な作戦を発案する。
しかし、このワームホール技術は未だ未熟であったため「放出先の出口の指定が出来ない」という致命的な欠陥があり、
しかもそのエネルギーが放出される出口はユウマ達の暮らす地球(付近の宇宙空間)となり、
そのままエネルギーが放出されれば地球が瞬く間に蒸発してしまうことが判明。
切羽詰まっている事情があるとはいえ、自分達の都合で無関係の知的生命体が住む星を犠牲にする訳にはいかないと他の指導者達は反対したが、
あろうことかゼ・ズーとその支持者は強引にゲート作戦を決行し、反対派の指導者達もそれを容認せず食い止めるべくルティオンを派遣。
上述した16年前に出現したモノゲロスは元はルティオンを妨害するために送り込まれた怪獣であった。
ゲート内で交戦を続けてなんとか退けたルティオンは持てる限りの力を使い、エネルギ一放出寸前のゼ・ズーゲートを固形物「オニキス」にして封印したが、
直後に方針を転換してゲートを奪還しにきたモノゲロスに執拗に攻撃されながら地球に落下。
戦場となった星元市でルティオンは辛くもモノゲロスを撃破するが、
モノゲロスの攻撃によってこの時近辺にいたユウマと両親は巻き込まれ両親は帰らぬ人となり、
モノゲロスから吹き飛んだ角「モノホーン」に押し潰されそうになったユウマを救わんとしたルティオンは図らずもユウマと融合。
そして、ゲート封印と先の戦いでエネルギーを使い果たしたルティオンはその事実をユウマに伝える余裕すら無く、
ユウマの中で長年回復に専念せざるを得なかったのである。
そして16年経過した本編においてゼ・ズーが再び行動を開始したのが『アーク』の出来事である。
当然ながら本作の宇宙の地球からすればとんでもないとばっちりであり、
特に家族を奪われたユウマと巻き添えを食らった彼の両親は最大の被害者と言っても過言ではなく、
ルティオンも後にユウマと交信した際に「ご両親を守れなかったこと、今でもずっと悔やんでいる。この16年間、1日たりとも忘れたことはない」
と吐露するほどに苦しんでいた
(変身シーンにもこの後悔は表れており、具現化したルティオンが背後からユウマを抱きしめるような仕草を取る)。
また、「オニキス」と化したゼ・ズーゲートからは高出力のエネルギーが漏れ出しているため、
それまで休眠状態だった地球の先住怪獣が目覚める切っ掛けとなっている。
なお、ルティオンの本来の姿は別にあり、「アーク」の姿は上述した経緯でユウマと同化している時に、
彼が想像した「さいきょうのヒーロー」の影響を受けて後天的に変化したものである。
円谷プロ作品で例えるなら グリッドマンに近い経緯で生まれた姿と言えるだろうか
(なお『アーク』にも バーチャル怪獣にアップデートパッチを与えるため、アーク自身が電脳世界に飛び込むという話がある)。
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最終回ネタバレ |
実はユウマはおろかルティオン自身も全く自覚していなかった事だったが、前述したK-DAYの戦いの際にユウマを庇おうとした際に、
ユウマだけでなく致命傷を負い事切れる寸前だった彼の父・テツヤの魂もまた取り込み同化していた
(ユウマの母であるタカコはこの時点で即死していたため叶わなかった)。
だが、ルティオンと同化したテツヤは生き永らえたわけではなく死んで魂だけの状態になっていたためか、
ルティオンやユウマと交信することはできなかった模様。
一方で、ルティオンとテツヤは冒頭に書いた通り別人であるものの、声が似ているのは同化して何らかの影響を受けていた伏線とも解釈できる。
しかし最終回にて、ゼ・ズーの腹心であるスイードが宇宙獣ギルバグの夢操作能力により、
K-DAY当日両親が死ぬことなく無事であった夢をユウマに見せてルティオンとの絆を断ち切ろうとする策を用いた際に、
それが呼び水となる形で宿っていたテツヤの魂が夢の世界に出現し、ユウマとルティオン両方を救うことになった。
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飛世ユウマについて |
「走れ、ユウマ!」
怪獣防災科学調査所「SKIP」に務める23歳の青年。
上記の通りK-DAYで両親を喪い、怪獣災害に苦しむ人々を救うために怪獣生物学を学んでいる。
両親の死後は祖母の下に預けられ、明るく心優しい好青年として成長したものの、
一方で眼前で両親の死を目撃したトラウマはかなり重く、プライベートな趣味は全く持っていない事が描かれているほか、
悩みを抱いた際には父の遺言である上記の台詞を自分に言い聞かせているなど、今も心の傷は癒えていない様子が窺える。
SKIPへの初出勤直後に出会った防衛軍の石堂シュウとは、軍人と民間人の考え方の違いこそあれど一個人としては通じ合える部分が多く、
物語が進むにつれて二人はかけがえのない絆で結ばれていく。 その為、本作のヒロインは石堂シュウという見解が視聴者の共通認識となっている
「想像力を解き放て!」が本作のテーマだが、意外にも現在の彼は 文学や 芸術といったジャンルには疎い。
むしろ、怪獣の生態分析、異星人との交流・共存といった分野に対する想像力、つまり他者を思い遣る事に長けた人物と言える。
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形態 |
アークはアークキューブに宿るユウマの想像力を元にアーマーを装着。戦闘力・防御力を増加させる。
ただし、発動条件はカラータイマーが点滅しないと装着できない、かつ状況に応じたアーマー換装ができないというやや特殊なもので、
アーク=ユウマの使い所が試される。
ソリスアーマーキューブの力をアークアライザーで開放することで装備する、
太陽の炎の如き意匠のアーマーで、パワーと耐久力に長けており接近戦が得意。
ルーナアーマーキューブの力をアークアライザーで解放することで装備する、
青き月光の如きアーマーで、高速移動と円盤型の武器「ルーナソーサー」を用いた遠距離戦に長けている。
固形化したゼ・ズーゲート「オニキス」をキューブとして再構成したギャラクシーアーマーキューブで装備する。
超能力に秀でており、光線技の威力も他形態を大幅に凌いでいるのに加えて、
無尽蔵に生成する「オニキシウム粒子」という特殊な粒子を利用して、自由自在にワームホールを開いて瞬間移動することが可能。
上述したようにアークが素でも強いことや、近接戦のパワーはソリス、スピードはルーナに劣るようで
(第18話ではこの形態からルーナアーマーに換装する形で危機を脱している)、
さらに性質上発想や想像力を活かす余地の少ない力押しの戦い方になってしまうため、使用頻度は多くないが、
ザディーメやキングオブモンスなどアークが得意の機転や発想ではどうしようもなく、
ごり押しに頼らざるを得ない敵と相対した時のここぞという切り札として使用された。
土星をモチーフとした、防御能力に優れるアーマー。
本編未登場のステージショーオリジナル形態で、映像作品では『ニュージェネレーションスターズ』にてイメージとして登場している。
土星の環が氷を主成分にする事に因んだ凍結攻撃の使い手で、必殺技はリング状の冷凍光線「サトゥルーフリージング」。
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『ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク』ネタバレ注意 |
厳密には「アークの形態」ではないが一応記載。
予てよりプラズマ発電エネルギー装置「アンジー1号」の強奪を目論んでいたレポ星人がユウマからアークアライザーを強奪し、
さらにこれを基に洗脳した石堂シュウに、彫刻を変化させたギルアークキューブとアークアライザーを使わせて変身させた悪の巨人。
いわば石堂シュウの心の闇、つまり負の想像力から実体化させた「アークの影」である。
アークとは別の個体だが、無理矢理分離させられた表裏一体の存在でもある。
レポ星人は過去にもアンジー1号の設計図強奪を目論み、その過程で石堂の友人を殺害する事件を起こしており、
石堂に撃退される形で失敗に追い込まれた事がある。
故に今度は完成品のアンジー1号の強奪を画策し、さらに因縁のある石堂への意趣返しと、目下最大の障害になり得るアークの無力化という、
一石三鳥のためにギルアークを生み出した。
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本作は『
ウルトラマンタイガ』以来となる、変身者が防衛チームではない組織所属となっているのも特徴。
本来はニコニコ動画でも配信されるはずだったが、同時期に起きたある大規模サイバー攻撃でドワンゴとKADOKAWAが大打撃を受けた事件が祟り、
残念ながらニコニコでの配信は見送られている。
MUGENにおけるウルトラマンアーク
Dice氏の製作した
MUGEN1.1専用キャラが公開中。
徒手空拳による近接攻撃やビームによる
飛び道具が揃ったオールラウンダーなキャラとなっているが、
バリアの設置技や折ったバリアを武器にして攻撃する技や、バリアでスクリューを作って飛ばす技など、
防御技のバリアから攻撃につなげるユニークな技を備えている。
AIはデフォルトで搭載済み。
出場大会
最終更新:2025年10月12日 17:27