「死ぬか生きるか!!!そんな覚悟もねェ奴らが!!!
この海に来るんじゃねェよ!!!」
漫画『ONE PIECE』の登場人物。
名前の由来は、実在の海賊である「
ウィリアム・キッド」と海賊僧侶「ユースタス」。
前者の通称に倣った「キャプテン」の異名を持ち、本編でも専ら「ユースタス・“キャプテン”キッド」と二つ名併記で呼称される事が多い。
当然だが
カーレッジくんの飼い主の一人とは無関係である。
アニメの担当声優は
浪川大輔
氏。
シャボンディ諸島編にて初登場したキッド海賊団船長で、
同時期にシャボンディ諸島に集結した、手配されて短いにも拘らず億越えの額を懸けられた「超新星」の一角であり、
初登場で懸賞金3億1500万ベリーと当時の
モンキー・D・ルフィを凌ぐ額を誇り、
新世界編では4億7000万ベリーと、ローとルフィがドレスローザ事変を起こすまでは超新星の中でもトップクラスに高い額を誇っていた。
最悪の世代の中で最も血の気が多く、短気かつ凶暴で好戦的。
数々のキャラを演じた浪川氏をして「自分が演じたキャラの中でトップクラスで凶悪」と言わしめる程で、
懸賞金の高さは実力だけでなく民間人にも多大な被害を起こした件が換算されたためという。
一方で奴隷オークションとそれを楽しむ天竜人の構図を見て「クズが世界を支配するからクズが生まれる」とシニカルに語るなど、
単なる戦闘狂ではない一面も持っている。
シーザーが売り込みに来た毒ガス兵器といった殺戮兵器も「知っておいて損はないが、興味はない」という姿勢を取った。
特に、同章でルフィが天竜人を殴り飛ばして
海軍大将の到来が確実になり、
他の超新星達が慌てて逃亡を選択したり、深刻度をよく分かっていないような反応をする中にあって、
トラファルガー・ローとキッドはたまたま同じ現場にいて
海軍から共犯者扱いされるという危機的状況にも拘らず、
それを自覚してなお余裕を崩さずにいたため、ロー共々超新星の中でも際立って別格の存在として読者から見られていた。
新世界編の前は残虐さが目立ったキッドだが、その一方で仲間意識は強く、
部下達の事は大切にしている他、ナンバー2の
キラーとは強い信頼で結ばれている。
また、意外にも海賊としての最低限の義理人情は持ち合わせているようで、
ワノ国編でルフィに助けられた際は、海賊王の座を競うルフィが手負いの状態であったにも拘らず、
(敵対していた
カイドウ相手への攪乱になるという打算もあったが)悪態をつきながらも手を出すことはなく見逃した他、
窮地を
ゾロに救われた際も、戦闘中故に手短ながらもきちんと礼を述べている。
また、同章では大食いだったりボケをかましたり、残虐な部分を除けば以外にもルフィと共通点が多くあることが発覚している。
一方で敵対者や自分の仲間を害したものへの苛烈な対処はルフィの比ではなく、
自分の「海賊王」になる夢を笑った者を例外なく皆殺しにしてきたと語っている。
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しかし… |
新世界編以降のユースタス・キッドは超新星の中でもトップクラスの苦難を経験している。
マリンフォード頂上戦争後、ほどなく新世界入りしたキッドだが、
赤髪海賊団との抗争の末に左腕を失っており、新世界編では金属製の義手を装着している。
その状態でもビッグ・マム海賊団に少なからず損害を与えるなどしていたが、ルフィとローが海賊同盟を結んだのと同時期に、
同じ「最悪の世代」の スクラッチメン・アプー、 バジル・ホーキンスと海賊同盟を結んだ際、この時点で元よりカイドウの傘下であったアプーの裏切りに遭う。
出くわしたカイドウに百獣海賊団の傘下に入るよう迫られ、保身を優先したホーキンスには降伏を選択されてしまい、
自身はキラーと共に抵抗するが敗北、ワノ国の牢獄「兎丼」に投獄される羽目に。
ダメ押しにキラーはキッドを助けようとして、オロチに言われるがまま取引として人造悪魔の実「SMILE」の失敗作を食わされてしまい、
笑う以外の感情を表現できなくなるという生き地獄を味わわされることとなった。
ファンの間ではこれらを指して、キッドの境遇を「2年間の修行を設けず、人運に恵まれなかった場合のルフィのIF」と見なされている。
しかし、これだけの苦難を経験しても心が折れることなく、四皇相手に少なからぬ損害を出しており、
こうしたハングリー精神とバイタリティから、読者から前述の指摘はされることはあっても、かませ扱いされることは少ない。
実際、麦わらの一味も協力者であるペドロの死やオロチのスパイの裏切りなど、
四皇勢力との戦いの中でキッド海賊団にも劣らないに目に遭っているわけで、それらを経て一味全員が五体満足でいるのも結果論に過ぎず、
これらが必ずしも麦わらの一味とキッド海賊団を組織として優劣を付ける物証となるわけではない。
……が、エッグヘッド編の幕間にて、エルバフに到着したキッドはすかさず赤髪海賊団と元・巨兵海賊団の連合軍に攻撃を仕掛けるも、
その行為を予知して自ら最前線に出たシャンクスにキラー共々呆気なく倒されてしまう。
太刀打ち出来無い事を悟った団員達はキッドらを助命すべく降参してロードポーネグリフを差し出すも、
自分達の国を荒らされかけたエルバフの巨人達が認めるはずも無く、覇国によりヴィクトリアパンク号は撃沈。
キッドの生死は不明だが、事実上キッド海賊団は壊滅に追い込まれた。
ただ、シャンクスは緑牛の襲撃の際に「新芽を摘むな」と警告した通り、ルフィ含めて病み上がりの彼らを海賊として叩くことは良しとしておらず、
ワノ国編での傷が癒えているかどうかを気にして、全面衝突を止めるか事前確認する筋は一応見せていた。
シャンクスが先手必勝で殲滅にかかったのは、見聞色の予知でレールガン攻撃により傘下に大被害が起きる未来を見てしまい、
「手加減無しでやらないとまずい」と焦燥したためであり、
それ自体は1話で見せた「誰であれ仲間を傷付ける者は容赦しない」という彼のスタンス通りであり、
さらに四皇の一角を本気で焦らせて行動する前に撃滅という手段を選択させた、
つまり「一手でも早ければ勝ちの目もあった」と含みを持たせるような描写であった。
シャンクスの強さの引き立て役を担わされたのは否めないが、そのシャンクスに本気で相手をすることを決断させた点で見れば、
決してキッドはただのかませ役ではなく面目は保たれたと言える。(そして彼らの強さが浮き彫りになるにつれてさらに株を上げるヒグマ)
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元々は南の海の世界政府非加盟国の生まれで、島にある4つの街の4つの不良グループの内の1つのボスとして抗争が絶えない日々を過ごしていたが、
ある日親友であったヴィクトリア・S・ドルヤナイカが島全体を王のように取りしきっていたギャングに殺害される事件が発生し、
この事件を機にそれぞれ他の不良グループのボスだったキラー、ヒート、ワイヤーと共に不良グループを束ねてギャングを討伐。
これが後のキッド海賊団の原型となり、やがて「こんなせまい世界にいたくない」と感じるようになったキッドは悪友達を引き連れて海賊として海に出たという。
愛用している旗艦「ヴィクトリアパンク号」の名前は上記の親友に由来しているものと思われる。
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戦闘能力 |
超人系悪魔の実「ジキジキの実」の能力者であり、全身から磁気を発することができる。
周囲の鉄クズや刀、銃砲類を自身の周囲に集めて巨大な質量兵器を形成するのが主な攻撃手段だが、
敵の武器を奪うことで戦力を弱体化できるだけでなく、砲弾を磁力の反発で相手に返したり、
敵船の鉄に自ら吸い寄せて空中移動するなど、応用力は高い。
覚醒すると 自分以外の対象に磁力を添付することが可能になり、
膨大な磁力を付与して周囲の鉄を集中させ押し潰すなどの使い方が可能になる。
この最大の応用として、金属類で片手にレールガンを形成して、
覚醒で磁器を纏わせた物体を自分の磁力により超高速で放つ「電磁砲(ダムドパンク)」がある。
ただし、ワノ国時点では完全に使いこなしているわけではない。
また、基礎戦闘能力も非常に高く、並みの能力者がダウンする海楼石の手錠を付けられても人並み以上に動ける程。
覇気も武装色・見聞色が使用可能。自覚はあるかは不明だが、カイドウの口から覇王色の資質者だと公言されている。
なお、作者の尾田栄一郎氏の遊び心で、ワノ国編以降のキッドの金属を集めて巨大な腕を作るシーンでは、
『 ポケットモンスター』のメルタンっぽい部位が密かに描かれている
(尾田氏は『ポケモンGO』のヘビーユーザー)。
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MUGENにおけるユースタス・キッド
CobraG6氏の製作したキャラが公開中。
スプライトおよび操作性はニンテンドー3DS用ソフト『大海賊闘技場』仕様となっており、
金属の腕を伸ばしたリーチの長い攻撃や、
設置技などを用いて戦うキャラとなっている。
AIは未搭載。
上記の他にも、KdsR氏による『
JUS』風
ドットを用いた
ちびキャラが存在する。
下記の大会に出場しているのはこちらである。
出場大会
最終更新:2023年11月04日 12:28