「逃げたい奴は今すぐ逃げ出せ!!!
ここは一切の弱みを許さぬ海賊時代の『平和』の砦っ!!!
民衆がか弱いことは罪ではない!!!正義はここにある!!!
強靭な悪が海にあるならば 我々海軍がそれを全力で駆逐せねばならんのだ!!!」
「"絶対的正義"の名のもとに!!!」
海軍とは海洋を活動領域とする軍隊の呼称であるが、
本項目では週刊少年ジャンプに連載されている漫画『
ONE PIECE』に登場する組織について解説する。
作中の世界をまとめる国際組織「世界政府」直属の海上治安維持組織であり、
海賊が跋扈している作品世界において、「絶対的正義」の名のもとに、
海賊の暴挙から民衆を守る事を使命としている。
裁判所が存在するなど司法の立場も兼ねていたり、政府加盟国の王族すら場合によっては強制的に逮捕できる可能性が示唆されるなど、その権限は非常に大きい。
悪魔の実の能力者や巨人族などの強力な戦力の他に、多数の戦艦や
サイボーグ化した人間兵器「
パシフィスタ」などを備え、
「
王下七武海」「
四皇」と並んで「
偉大なる航路」に君臨する三大勢力の一角として数えられている。
階級は雑用からトップの元帥まで18段階が存在。
組織構成としては、「偉大なる航路」を管轄する海軍本部と、その他の海域を管轄する海軍支部に分けられ、
支部に所属する海兵の階級は、本部より3ランクほど下がる。
戦闘外の部署には、前述したパシフィスタなどの兵器製造等に関わる「海軍科学班」、
賞金首にも悟られる事無く手配書用の写真を撮る「海軍写真部」などがある。
昇格の基準は実力第一であり、名のある海賊の捕縛など手柄のある者は新人でも比較的短期間で昇格できる。
一方で、所属している兵士は組織の方針には原則として絶対服従でなければならず、
相当な実力者であったはずの
スモーカーは、
大佐というかなりの地位がありながら独断行動が過ぎたため何度もクビになりかけ、
初登場時点では平均懸賞金額が低い「
東の海」に配置されるなど、左遷に近い扱いを受けていた。
大将クラスの実力を持っていた
ガープはある程度許容されていたが、孫も同然であった
ポートガス・D・エースの処刑は流石に止められなかった。
当然ながら海賊との馴れ合いは厳禁であり、海軍第153支部の海軍は恩人の
ルフィが海賊と分かるや否や、町から出ていくように訓告している
(尤も、他の支部にルフィの存在を報告しなかったり、去り際に敬礼したりと、彼らなりの義理は果たしているが)。
本来は民衆を守る正義の組織ではあるが、巨大組織であるが故に、
モーガンのように統治する町に圧政を敷く者、ネズミのように
海賊と内通して
村から多額の税金を要求するものなど、腐敗している部分も少なからず存在する。
逆に、
「正義」を盲信するあまり、海賊を滅するためなら
部下や民間人の被害も意に介さない過激な兵士も存在する。
加えて、庇護するのはあくまで世界政府加盟国に所属する地域の民衆であり、
非加盟国に所属する地域は「管轄外」という事で、どれだけ海賊や犯罪者が跋扈しても干渉しない
*1。
また、政府直属の組織だけあって、政府に不都合なものを隠すため非情な行いをする時もあり、劇中では何度か黒い部分を見せている。
アラバスタ編では
サー・クロコダイルの世界政府加盟国を転覆させかねなかった事件を、
政府の体面を保つために「阻止したのは海軍」として情報操作
*2させられたり、
政府の上位にいる「世界貴族」御用達の人身売買ショップを「職業安定所」と称して事実上黙認するなど、
彼らの上にいる政府から、大部分の海兵が掲げているであろう「
正義」とはかけ離れた行為を要求される場面が度々描かれ、
「
自由」の象徴である海賊の対比的な存在として書かれている。
スモーカー、
クザン、
イッショウなど、上層部にも政府に不信感を抱く海兵は多く存在し、
元大将のゼファーに至っては政府に反旗を翻している。
例外的に潜入・諜報活動などを行う海軍の機密特殊部隊「SWORD(ソード)」は、
所属メンバーが海兵の認識番号であるマリンコードを返上している(いわば「辞表提出済み」の状態)ため、
政府上層部の許可が必要な組織にも許可無しで戦闘・介入などの行動を行う事が可能。
ただし、これは「辞表は提出しているものの海軍本部は辞表を保管こそすれ受理(手続き)しておらず、必要とあらばすぐに受理できる」という状態のため、
SWORDに所属するだけなら海兵という身分は保持したままで海兵の中でも比較的自由に活動出来るが、その代わり海軍側も彼らの行動には責任を持たない。
即ち、SWORDの海兵が敵の捕虜や人質にされるなどの状況になった際などの、いざという時には海軍側も部外者として早々に切り捨てる事が可能な、
いわば「捨て駒」にされるというリスクも伴う。
海賊であるルフィとは、立場的に絶対に相いれない存在であり、幾度となく対峙している。
ある程度ルフィに好意的な
コビーとヘルメッポも、海に出れば敵であると公言している(ルフィも同じく戦いの場では容赦する気は無い)。
パンクハザード編のように共通の敵が登場すれば利害の一致から共闘する事もあるが、麦わらの一味はともかく海軍からは快く思われない。
作中世界の海賊は自分達を追う海軍を撃退する事はあっても、海兵を進んで襲撃したり根絶を試みる事例は利害の点から少なく、
せいぜい自然系能力者故に慢心していた
カリブーや、海軍というよりもゼファー個人に恨みを抱いた海賊の一件程度。
そもそも弱い海賊からしてみれば下手に海軍を撃退して身の丈に合わない賞金を懸けられては元も子もなく、
四皇などの大海賊としても海軍を相手にしている最中に他勢力から漁夫の利を狙われる危険性があるため
(頂上戦争と以降の影響を見ればその判断が正しい事は明白。
ジャックがドフラミンゴの護送船を襲撃した際も部下は止めていた)、
立場によって違いはあれど海賊が海軍を襲うメリットはほぼ無かったのだが、王下七武海の撤廃を機に事態は急変。
七武海除名後に海軍の包囲を逃れた
バギーを中心に、
サー・クロコダイルと
ジュラキュール・ミホークが徒党を組み、
一大組織「クロスギルド」を設立し、海兵に懸賞金を懸けるという前代未聞の行動を起こした。
この同時期にルフィ達により
四皇二名が脱落し、彼らのナワバリが後ろ盾を失う=多数の勢力が損害の補填を必要とするという事態が起きた事もあり、
海軍所属者は一転して賞金狙いの海賊達はもちろん、非加盟国や革命軍のように世界政府に反発する民間人からの暗殺の危険性にも脅かされる情勢と化し、
これ以降四皇の
マーシャル・D・ティーチに、高額の賞金を懸けられた海軍大佐のコビーが捕虜として捕らえられた海兵800名を救う交換条件だったとはいえ、
世界政府への好都合な交渉材料として目を付けられ拉致される等、治安の混乱に拍車がかかる事になった。
こうした流れの中、エッグヘッド編前後において海軍は更に大きな痛手を受ける事になる。
既に現場を退いていたとはいえ、最高戦力ながら独断でコビーの救出に赴いたガープが救出にこそ成功したものの黒ひげ海賊団により生け捕りにされてしまう。
さらに、海軍の戦力増強に大きく貢献したベガパンクを違反行為で処刑する事態が起き、黄猿によって当人の処刑にこそ成功したが、
「猫」と呼ばれる同等の知性を持つ分体を麦わらの一味の妨害により逃がされてしまい
(世間ではベガパンクは麦わらに暗殺されたと情報操作された)、
しかも海軍や世界政府も把握していないが、サテライト達はベガパンクが身体から切り離した「パンクレコーズ(脳)」さえ無事ならば、
端末である肉体が死亡しても意識・魂は健在のため、実は暗殺には失敗しており世界最高の天才が密かに野放しになっている状態。
その事実を把握していない海軍では、任務とはいえ親友を手に掛ける羽目になった黄猿は、
仕事こそ全うしたがバレないように麦わらに助力していたかのような描写があり、
そんな彼が予期せぬトラブルもあったとはいえ麦わらの一味を逃がしてしまった事で赤犬がデリカシーの無い言葉を浴びせたため激怒させてしまい、
残る海軍の最高戦力に不和が生じる事態に陥ってしまう。
挙句に、ベガパンクが端末の死に際に世界各地の電伝虫をジャックして中継した演説において「世界の真実」を明かした上に、
「ひとつなぎの大秘宝を手に入れた者に世界の命運は委ねられる」と発言。
(あくまでベガパンクの仮説という形だが)これまで次代海賊王の証明として海賊しか狙っていなかった「ひとつなぎの大秘宝」が、
世界を左右するとんでもない代物であると明かされた事で、
海軍は「ひとつなぎの大秘宝」がヤバい勢力の手に渡りかねないこの事態を阻止しなければならない、
即ち単に「ひとつなぎの大秘宝」入手を狙う海賊を妨害するという域を超えて、海軍が「ひとつなぎの大秘宝」争奪戦に参加せざるを得ない事を意味していた。
無論「前述したクロスギルドやベガパンク演説の影響によるさらなる治安の悪化も防ぎながら、最高戦力達が捕まったり不仲になったり内部がガタガタの状況」で。
MUGENにおける海軍
海外の製作者であるWenchu氏が立ち上げたプロジェクトで製作された
ミニゲーム形式のキャラが公開中。
ファイル名は「Marine Rumble」になっている。
次々と出現する8種類の海兵を倒していき、1人倒す毎にライフが減っていき、0になると勝利できる。
各海兵のHPは平均で50~100程度だが、肉弾戦を仕掛けてくるマッチョの海兵だけHP200あるので注意。
2ラウンド目で残りライフが少なくなると将校モモンガが出てくる。
また、
たしぎや
赤犬、
黄猿に
藤虎など、主に海外の製作者を中心にMUGEN入りしてる海軍関係者は多いが、
一部キャラクターは
AIが搭載されていないため、動画で見る機会は少ない。
出場大会
*1
自国の戦力のみで海賊や侵略者を撃退し続ける事ができたと公言されているのは、劇中では過去編以前のワノ国のみ。
大抵の非加盟国は
四皇などの大物海賊に隷属して物資の上納と引き換えに身を守るか、
海賊や人攫いが跋扈する
無法地帯となるかのどちらかである。
例外的にリュウグウ王国のみ、地理的な関係で海軍の支部を構え難い事や、
新世界を目指して通過する海賊をカモに経済を回す国柄から、加盟国ながら海賊相手の交易がある程度は黙認されている。
*2
アニメ放送初期に製作され、「空島編」辺りまで販売されていた『ワンピースカードゲーム』には、
「海軍の情報操作から免れるために新聞社がカードゲームとして流通させている」という設定がある。
最終更新:2025年05月09日 18:44