カイドウ


「また生きちまった…うまくやったよ白ひげのジジイは…」

漫画『ONE PIECE』の登場人物。海堂とか回道とか戒道ではない。多分漢字表記はしないと思うし
ましてやデビルサマナーでもない
担当声優は 玄田哲章 氏、少年期は 稲田徹 氏。
偶然か必然か、声を当てた両名は過去同作品の映画「ねじまき島の冒険」で敵ボスとその部下の役を演じている。

通称「百獣のカイドウ」
百獣海賊団総督にして、「四皇」と呼ばれる大海賊の内の一人
かつては伝説の海賊団「ロックス海賊団」に見習いとして在籍していたが、
解散後己の強さのみで凶悪な海賊達の尊敬を集め四皇の一角にまで上り詰めた。
当人の実力もさる事ながら、ドンキホーテ・ドフラミンゴを通じてシーザー・クラウンの作り出した人造悪魔の実「SMILE」を入手し、
それを用いて多数の動物系能力者を生み出す事により絶大な戦力を保有している。

弱肉強食を体現したような性格をしており、海軍やドフラミンゴからも戦闘狂・会話の通じない存在と恐れられており、
実際に利用価値が無くなれば十数年以上の付き合いだろうと平然と切り捨てる非道さを持つ。
一方で強者、もしくは骨のある者と認めた相手はその限りではなく、
幹部クラスの部下であればタメ口を利かれても容認し、因縁のあった海賊の子であるうるティとページワンを引き取り、
自分の保有していた2つの悪魔の実を盗むという狼藉を働きながらも自分を売り込んできた姉弟を戦力として自陣営に置くのを認めている他、
強者であれば歯向かったり非礼を働いても勧誘する姿勢を一貫している。
敵対者や搾取対象には冷酷で残虐な海賊らしい応対をするものの、
自由参加の任務があっても宴に参加したい幹部がいれば無理強いはせず本人の意思を尊重するなど、
強者限定という前置きは付くが、部下への扱いは比較的柔軟かつ寛大である。少なくともビッグマム海賊団以上には。
このカリスマ性から、実力に屈服して従ったがやがて心酔するようになった部下も相応に多い。

出身地は偉大なる航路に所在する世界政府加盟国「ウォッカ王国」だが、
世界政府に支払う天上金を自国でまかなえず四六時中隣国に戦争を仕掛けていた、
加盟国の中でも序列の低い貧しい国であり、カイドウも少なくとも10歳の頃から少年兵として育てられていた。
この頃から若くして王国最強の兵士と称えられていたが、カイドウ自身は歯ごたえのない戦場に退屈しており、
国からも戦力としてなくてはならない存在として扱われつつ、為政者達からは内心持て余されていた。
その後、13歳の頃に国王から次回以降の世界会議の参加権をウォッカ王国が得る見返りに、
その実力を見込んだ世界政府からカイドウの徴兵と引き渡しという条件を要求された事を伝えられるも、
元々世界政府に反抗心があった事と自分を政治の道具にさせる事が容認できなかったカイドウは、
大いに反発して脱走。これが彼が海賊として活動する契機となった
(ウォッカ王国の上層部は間違いなくクズだが、彼らも世界政府への天井金を支払うために泥沼状態に陥り、
 貧困国家を余儀なくされている犠牲者でもある)。
やがて、その実力を見込んだロックスが差し向けたエドワード・ニューゲートのスカウトを受けてロックス海賊団に加入。
この時期はまだ見習いで船内の序列は高くなかったが、上記の通り海賊団が壊滅したゴッドバレー事件以降も生き残り、
やがて頭角を現し始めて四皇に数えられるようになった。

ヤマトという娘がいるが酷く嫌われており、カイドウのヤマトへの扱いも毒親のそれである。
自分に挑んできた海賊達と同じく、ヤマトにも心を折って服従させるか殺すかの二択しか与えず、
ビッグマムからは「教育が下手」と称されている。
ただこの辺りはヤマトが光月おでんを自称し始めた事で「ヤマトなら自分の子供だが、おでんを名乗る以上は敵」という、
彼の価値観に沿った大真面目な対応でもあり、一方でヤマトが「カイドウの息子」を自称している事は容認し、部下にも息子として扱わせている。
これは、苦労して入手したワノ国当地のプロパガンダに必要なある動物系幻想種の悪魔の実をヤマトに喰われ、
迂闊に切り捨てられない人材になってしまった事も大きな原因である。
ヤマトの方も爆発する腕輪を付けられた事を、あくまで自分に対する脅しだと思っており、本当に爆弾だったと知った時はショックで涙を流し、
完全に敵対した後でも緑牛相手に「カイドウの息子」と宣言する等、複雑な親子関係となっている。
なお読者からは「光月おでんを名乗るアラサー娘」であるヤマトのトンデモぷりが明かされる度に、カイドウの親としての評価がコロコロ変わっていた

しかし特筆すべきは、彼の行動原理が「破滅願望」に基づいて動いている点である。
かつてのワノ国の侵略の過程で生涯で最も強敵で敬意を示した敵対者である光月おでん相手に、
黒炭ひぐらしの横槍という正々堂々とは言い難い不本意な盤外戦術で勝ってしまい、
さらにそのおでんの処刑の際の後世に語り継がれる偉大なる死に様に内心魅了された事で、
カイドウは「人の死に様こそがその人生を決定付ける」という思想を抱くに至っている。
カイドウが四皇として海賊王を目指しているのは、おでんはもちろんゴールド・ロジャー白ひげのように、
海賊として人々の心や世界を大きく動かす、時代を激変させる偉大な死に様を求めているためである。

当初はドフラミンゴを動かす事で、白ひげの死後の動乱を利用して暴力の時代を作ろうとしたが、
ドフラミンゴがルフィとローの海賊同盟に敗れた事で破綻し、さらにおでんの息子であるモモの助にルフィが同行した事で、
麦わら海賊団と対立関係となる。

+ 戦闘能力
若くして億越えとなった超新星を「海賊ごっこ」と吐き捨てる程にその戦闘能力は圧倒的。
海賊として7度の敗北を経験し、単身で海軍及び四皇に挑み捕まる事18回*1、1000超の拷問と40の死刑宣告を受けながらも、
あまりにもその肉体が頑丈過ぎて首を吊ろうものなら鎖は千切れ、ギロチンにかければ刃は砕け、串刺しにしようと突き立てた槍は折れ、
挙句には上空1万m空島から飛び降り無防備で地面に激突しても「頭痛ェ…」程度のダメージで済み、平然と起き上がる始末。*2

さらに動物系悪魔の実「ウオウオの実幻獣種モデル"青龍"」の能力者であり、
獣形態では怪獣並みの巨体でありながら生成した雲を用いた飛行能力により高い機動力を有する他、
熱息(ボロブレス)、雷撃、カマイタチを放つなど多彩な攻撃手段を持つ。
また、動物系共通の3形態とは別にチョッパーのアームポイントのようなパワー重視の獣人型を取れる。
さらにメラメラの実の如く炎を全身に纏い、より巨大な龍へと変身する「火龍大炬(かえんだいこ)」と呼ばれる技を持つ。

覇気も見聞色、武装色、覇王色を高水準に体得しており、
未来予知可能なルフィを軽々と補足できる見聞色と攻撃速度を誇る他、
覇王色の使い手の中でも一握りしかいない武装色のように覇王色を纏う覇王色硬化(仮)を使用できる。
また、本気を出すと酒を飲み、酒癖と酔いの勢いに乗って戦う酔拳のような「酒龍八卦」を使用する。

隻腕、病魔、油断と慢心、思い出の品など付け入る隙がある他の四皇経験者と異なり、
カイドウは弱点らしい弱点が無く、作者ですらワノ国編前に「倒し方が思い付かない」とコメントしていた程。
実際、
  • 赤鞘九人男の戦いでルフィとの戦闘前からそこそこ消耗してはいた
  • リンリンがローとキッドに分断された
  • お玉のキビキビの実により部下が加勢する余力が無かった
  • 前章でシャーロット・カタクリとの遭遇でルフィが見聞色を研ぎ澄ましていた
  • ヒョウ五郎の指導でルフィが武装色の扱いを洗練できた
  • ルフィが実戦の中で覇王色硬化(仮)を身に着けた
  • 土壇場でルフィが悪魔の実を覚醒させる領域に到った
このように様々な好条件とナメック星編の孫悟空のような急激なパワーアップを経て、
ようやく辛勝できた綱渡りの戦いであり、まさしくこの時点における『ONE PIECE』史上最大最強の敵であった。

ゲームでは『海賊無双4』で登場。
ただ当時はまだ弾く武装色や光月おでんすら登場していない時期のため、完全オリジナルストーリー。
リンリンとの関係も明かされていなかったため、彼女に対する扱いがまるっきり異なる。

操作キャラとしては人型と獣型の龍形態のみ。
本作では各キャラのサイズが原作に忠実なため、巨大キャラであるカイドウは正に怪獣の如き暴れっぷりを見せる。
後に追加DLCとして最終決戦時ルフィ、ヤマトと共に人獣型が登場した。


「くそったれ……急げ"ジョーカー"最期の戦闘準備を整えろ!!!
 こんな退屈な世界壊れてもいい!!! 世界最高の戦争を始めようぜ!!!」


MUGENにおけるカイドウ

Kaiser Leon氏による、『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用キャラが公開中。
Kennedy Mugen氏のビッグマムを改変したもので、ちびキャラである事が多い『JUS』風キャラの中でもかなり大柄。
素手モード、金棒モード、獣形態の3つのモードを使い分けて戦うキャラとなっている。
前者2つは近接戦に特化しているが、獣形態はブレスなどの遠距離攻撃中心の性能となっている。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から


「"能力"が世界を制する事はない!!!
 覇気だけが!!!全てを凌駕する!!!」

出場大会

  • 「[大会] [カイドウ]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
後の回想で判明するが、別に海軍に負けて捕まった訳ではなく、ロックス海賊団に加入して安定して飯が食えるようになるまで、
食事に困るとわざと監獄船に捕まり、その後再び脱走して腹が減ったらまた監獄船に捕まるという行為を繰り返していただけらしい。

*2
これ以前に上空1万mの空島から飛び降りてもうっかり生きてた人物が存在する。
尤も、あの人の場合はギャグ補正によるものだが。


最終更新:2024年04月30日 14:45
添付ファイル