バドレックス

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登録日:2020/10/31 Sat 20:22:21
更新日:2024/04/17 Wed 20:21:48
所要時間:約 12 分で読めます






癒しと 恵みの 力を もつ 慈愛に 満ちた ポケモン。 はるか むかし ガラルに 君臨していた。



「ヨは バドレックス  豊穣の王と 呼ばれし者」


バドレックスとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。




■データ


全国図鑑:No.898
分類:キングポケモン
英語名:Calyrex
高さ:1.1m
重さ:7.7kg
タマゴグループ:未発見
性別比率:性別不明
タイプ:エスパーくさ

特性:きんちょうかん(全ての相手は持たせたきのみを使用できなくなる)

種族値
HP:100
攻撃:80
防御:80
特攻:80
特防:80
素早さ:80
合計:500

獲得努力値:HP+3
すがた後述
進化:なし


■概要と来歴


ソード・シールド』のエキスパンションパス第2弾『冠の雪原』から登場する禁止級伝説で、『ポケモン』シリーズでは初の第4禁止級伝説。

鹿のような頭の上には大きな蕾がまるでのように座しており、威厳を感じさせる見た目。
反面、胴体と手足は非常にほっそりとしている。

太古の昔ガラルを治めていたとも言われている『豊穣の王』で、
図鑑説明でも「心を癒やし草木を芽吹かせる力がある」などと書かれている。
また過去・現在・未来を見通す力もあるとされ、隕石の襲来から森の生き物を救ったとか。

…しかし、それはかつての話。今となっては人間はバドレックスへの信仰を失い、その活躍はおとぎ話としてしか伝わっていない。
バドレックスの力の源は人間の信仰だったらしく、力を失った結果、

  • 人間には翻訳機(ピオニー)を通してしか会話できない*1
  • 草木を芽吹かせるという割にはにんじんは1本しか実らないし花も花弁しか咲かせられない
  • 愛馬もバドレックスを見限り出奔
  • カンムリせつげんには各所に碑が置かれており、その中で「人と王の絆が切れない限りこの地は永遠に豊穣であり続ける」という内容が書かれているものがある。……のだが、カンムリせつげんは現在ほぼ不毛の大地になっている
  • 種族値はHのみ100でABCDSは80と、同タイプのセレビィの完全下位互換。タイプ不一致の攻撃技もノーマル技と「かふんだんご」「ドレインキッス」のみで、特性も禁止級の割にはしょっぱい*2

と悲惨なことになってしまっている。
このことは当人(当ポケ?)にとっても不本意らしく、主人公にかつての力を取り戻すために力を貸してほしいと頼んでくる。
その手始めとして自分のことを知っているかフリーズ村の住民に訊いてまわってくれと頼まれるが、
これがプレイヤーからは「エゴサポケモン」と言われてしまう。もっともフリーズ村はほぼ老人しかいないため、エゴサといってもSNSを監視するのではなく、古き良きRPGよろしく村人に聞き込みをすることになるのだが。

加えて

  • 長い年月が経ったため愛馬の姿を深く覚えていない*3
  • その高い知能の割に愛馬の好物もただしく理解しておらず、あくまで「なんらかの作物が好きだった」とまでしか記憶していない
  • キズナのタヅナを人間が捧げなくなった理由を理解していない
  • 愛馬の好物を調査するように依頼したあと、主人公に訊ねた際間違った選択肢に対しても真面目に返してしまう*4
  • 以前自分で自分の信仰について調べようとしたようだがその際に逃げ出されてしまったとのこと

と、王でありながらなかなかのポンコツっぷりも見せる。あと顔芸も。
もっともこの手の神格存在としては、一人称が「ヨ(余・予)」で少々尊大な口調ではあるが、
人間に対しては基本穏やかに接しており、人間の技術の進歩に感嘆するなど、やたらと見下したり冷酷だったりというわけではなく友好的。ちなみに主人公も含め人間のことはひとまとめに「人の子」と呼ぶ。
ピオニーにも頭でかいと散々言われても怒ることもなく、むしろキズナのタヅナ製作やポケトーク役にと活躍してくれる彼には感謝している模様。
最後は寒空の下に放置するのが可哀想だからと言ってちゃんと村に帰している。
輝きながら浮いている状態でだが


■活躍


主人公がフリーズ村にたどり着き、伝説の王の木像にピオニーが枕代わりにと拾った木彫りの冠を被せた際、
後ろからその木像のモデルがご本人登場とばりに登場するのが初邂逅。
主人公と一度戦闘を行ったあと、主人公の強さを讃えようとするのだが、うまく言葉が伝わらない。
主人公が途方に暮れているところにピオニーが現れると、彼の体と意識を乗っ取ってついに意思疎通の手段を得る。
なおこのあとも含め、バドレックスに乗っ取られている最中のピオニーは輝きながら浮いている

この際初のエゴサ案件として、「自分のことを知っているかフリーズ村の住人に聞き込みしてくれ」と依頼される。
しかし、フリーズ村の住人からはおとぎ話やいいとこ観光の目玉程度にしか捉えられていないことが発覚。
そこで今度は第2のエゴサ要求として、愛馬についての情報を聞き込みしてほしいといってくる。
そして愛馬の好物がにんじんと突き止めると、自分の力を使ってもある程度畑を選ぶ必要があるとして、
雪原の畑と墓所の畑の2種類を提示してくる。この際に選んだ畑によって愛馬がかわる。
  • 雪原の畑を選び「つめたいにんじん」を手に入れる→ブリザポス
  • 墓所の畑を選び「くろいにんじん」を手に入れる→レイスポス
しかし愛馬はバドレックスほどには知能が高くないらしく、畑を通り過ぎてフリーズ村に襲いかかる。
主人公によって愛馬は調伏させられるもそのまま老婆に襲いかからんとする。
なんとかバドレックスのサポートで事なきを得るが、暴れ馬をどう抑えるか思案していたところ、
キズナのタヅナの製作には愛馬のたてがみと自分の力で咲かせたかがやくはなが必要と知る。
なんとか花弁だけ咲かせるとそれでタヅナを作らせ、カンムリ神殿で馬をおびき寄せるとタヅナで制御し、全盛期の力を取り戻すようになる(ちなみにタヅナは村長の歌を参考にピオニーが製作した)。

このあとは主人公を再び試すように「自分を捕まえることができたら旅に同行しよう」と提案する。
戦闘時、バドレックスは愛馬に騎乗したフォルムチェンジ状態になる。このときバドレックスをゲットしたボールがそのまま愛馬のボールになる(分裂する)ので、バドレックスのオシャボを粘るか、愛馬のオシャボを粘るかで悩まされることになる。
そして捕獲に成功すれば、バドレックス関係のストーリーは終了する。

なお、殿堂入り前でもバドレックスのストーリーは一応愛馬の制御に成功するところまでは進められるものの、最後の捕獲戦に関しては殿堂入りしていなければ行う事ができない。(殿堂入り前で合体後バトレックスに話しかけた場合、「バドレックスの本来のパワーに気圧されてボールが握れない」というメッセージが表示され、戦闘にすらならない)


■フォルムチェンジ


この時点でバドレックスは騎乗した状態になる。遊戯王で言うところの乗っただけ融合に近いが、
内部的にはキュレムネクロズマに続く合体ポケモンとして扱われる。
一応、バドレックス自身にも背中にマントのような部位が発現し、『豊穣の王』らしき姿になる。分類も「キングポケモン」から「エンペラーポケモン」になる。
愛馬が2種類いる以上、姿も2種類存在するが同じデータで同時に2種類の姿を持つことはできず、片方を解除したあともう片方に乗り換える必要がある(乗った状態では通信交換もできない)。
これはキズナのタヅナがキュレムの合体に必要な「いでんしのくさび」同様に「合体中は分離の効果しかなくなり、分離させるとまた合体の効果に戻る」という仕様であるため。

ブリザポスに乗った場合は「はくばじょうのすがた」、レイスポスに乗った場合は「こくばじょうのすがた」となる。
それぞれで異なる専用技を覚え、その他レベル・わざマシン・わざレコード・技教えで覚える技も姿に応じて異なる。(通常の姿で覚えない技のみを覚えた状態で分離させると「ねんりき」のみを覚えた状態になる)

◆はくばじょうのすがた


道を 阻むものには 容赦 しないが 戦いの あとは 敵の 傷でも かまわず 癒したという。

分類:エンペラーポケモン
英語名:Ice Rider Calyrex
高さ:2.4m
重さ:809.1kg
タマゴグループ:未発見
性別比率:性別不明
タイプ:エスパー/こおり

特性:じんばいったい(『きんちょうかん』と『しろのいななき』を併せ持つ)

種族値
HP:100
攻撃:165
防御:150
特攻:85
特防:130
素早さ:50
合計:680

獲得努力値:攻撃+3
進化:なし


バドレックスがキズナのタヅナでブリザポスに騎乗した姿。
バドレックスのサイコエネルギーにより蹄から放出される冷気は-300℃にも及び、その冷気であらゆる悪路を凍らせ砕きながら7日7晩駆け続けられるほどの体力を持っている(絶対零度より下なのはこの際目をつむろう。ちなみに「ぜったいれいど」は覚えない)。
またブリザポスの冷気でバドレックス自身のサイコパワーが覚醒しており、その力は半径50キロを超える広範囲で発揮するという。
かつて広大な森とそこに住む生き物を一晩で別の場所に移したと言われている。また道を阻むものには容赦はしないが戦いを終えた後は敵であっても傷を癒したという。

ブリザポスのこおりタイプを得た物理重戦車アタッカー。
エスパー/こおりの組み合わせの一般ポケモンにははルージュラバリコオルがいる。
専用技として「ブリザードランス」を手に入れる。
この技はこおりタイプのわざで、威力130・命中100の通常攻撃だが範囲が相手全体とエグいことになっている。
ブラックキュレムは泣いていい
ただしPPは5。氷の槍を投擲するため非接触技である。
伝説戦はこおり弱点のポケモンも多いため活躍させやすい。
あまりにも威力が高すぎる為、SVでは威力を120に下げられた。

種族値はHP以外全てブリザポス+20で、弱点は多く足は遅いとブリザポスに準じた性能となっている。というか自分で走るより遅いのだが。
素早さ50は禁止級伝説ではコスモッグ・コスモウムに次いで低い数値。
防御面は防御・特防ともに高水準であり、また弱点の多さは『じゃくてんほけん』の発動機会を増やすことができる。
反面、「ダイジェット」が使えないため、素早さを補う場合は「こうそくいどう」を使う必要がある。が、最速で一回積めば最速フェローチェまで抜けるためそこそこ採用されている。「スピードスワップ」も自分で使えるので遅い素早さを押し付ける戦法も考えられる。
自身がエスパータイプなので自力で「トリックルーム」を発動できる。要は公式としてはトリルアタッカーとしての運用を期待されている模様。
弱点の多さそのものも4倍弱点は存在せず防御性能も高いため、一撃死することはそうそうない。

◆こくばじょうのすがた


過去 未来 すべての できごとを 見通す 力で 隕石から 森の 生き物を 救ったらしい。

分類:エンペラーポケモン
英語名:Shadow Rider Calyrex
高さ:2.4m
重さ:53.6kg
タマゴグループ:未発見
性別比率:性別不明
タイプ:エスパー/ゴースト

特性:じんばいったい(「きんちょうかん」と「くろのいななき」を併せ持つ)

種族値
HP:100
攻撃:85
防御:80
特攻:165
特防:100
素早さ:150
合計:680

獲得努力値:特攻+3
進化:なし


バドレックスがキズナのタヅナでレイスポスに騎乗した姿。
ブリザポスと同じくレイスポスもサイコパワーの影響により一日で万里を駆けるほどの俊足とより強力な霊力を手に入れた。
バドレックスもまたその霊力により覚醒し、その力で過去と未来の出来事全てを見通せるようになった。ネイティオでも出来るは禁句。またかつてその力で隕石を察知して森の生き物を救ったことがあるらしい。

レイスポスのゴーストタイプを得た特殊高速アタッカー。種族値はやはりHP以外がレイスポス+20。
エスパー/ゴーストの組み合わせはいましめフーパルナアーラ、暁の翼ネクロズマがいる。
専用技として「アストラルビット」を手に入れる。
この技はゴーストタイプのわざで、威力120・命中100の通常攻撃でこちらも相手全体。やはりPPは5。
通りの良いゴーストというのも美味しい。
素早さが高く、更に特性によって相手を倒す度にとくこうが上昇していくため抜き性能が高い。

弱点は2つとはくばじょうのすがたよりは少ないものの、代わりにそのたった2つのゴーストとあくがいずれも4倍。
防御面の低さも相まって、先制技の「かげうち」と「ふいうち」が致命傷となりかねない。

つまりこれらを覚えられるドラパルトミミッキュギルガルドなどの物理ゴーストは辛い。サザンドラも有効打が「かふんだんご」くらいしかないため苦手。
「イカサマ」にも弱いため攻撃個体値0の厳選を行うトレーナーも多い。
こちらもダブルバトルで「このゆびとまれ」などで相方にサポートしてもらう必要はあるだろう。
サイコフィールドを展開してもらえれば、高い特攻・素早さからの「アストラルビット」や「ワイドフォース」での制圧力が輝く。言うまでもないが「ワイドガード」に注意。


総じて2つの姿ともダブル向けの性能となっている。
一方で通常の姿は完全に観賞用。


■余談


バドレックスにはキョダイマックス形態はないが、代わりにダイマックスしたときは通常の赤い光とは異なる蒼い光に包まれる。
これについて作中での説明は一切ないため詳細は不明だが、通常のダイマックスはガラル粒子の力で行われており、その粒子の色が赤であることもあって、バドレックスの場合はガラル粒子に頼っていない可能性がある。
なお、図鑑説明や各地に残された碑文から、バドレックスはかつてムゲンダイナの載った隕石から森を守り、ムゲンダイマックスしたムゲンダイナと戦った事が示唆されている。
その際に自らの力でダイマックスをする能力を身につけたのかもしれない。

日本語における『こくばじょう/はくばじょう』の漢字表記は不明だが、英語だと『Ice Rider Calyrex/Shadow Rider Calyrex』、中国語だと『骑白马的样子/骑黑马的样子』というところから推察すると『黒馬乗/白馬乗』だろうか?

特性『じんばいったい』はバドレックスと愛馬の特性を併せ持つという性質のため、はくばじょうのすがたとこくばじょうのすがたとでは同じ名前でも別の特性である。
実際に内部でも別の特性として扱われている模様。
なお最初に『じんばいったい』の特性バーが出現し「ふたつの特性を併せ持つ」と表示されたあと、『きんちょうかん』の特性バーが出現し、
相手を倒すと『しろのいななき/くろのいななき』の特性バーが出ると行った凝った仕様になっているが、あくまでシステム上は2つの特性の性質を持った単一の特性として扱われており、特性バーが出てくるのは単なる演出らしい。
(システム上は『きんちょうかん』と『しろのいななき/くろのいななき』を同時に持っているわけではないということ)

名前は英語で蕾を意味する「バド(bud)」*5と、ラテン語で王を意味する「レックス(rex)」を合わせたものと思われる。

分類は通常時がキングポケモン、愛馬に跨った状態はエンペラーポケモンとなっているが英語版では乗馬形態の分類はエンペラーポケモンではなく『High King Pokemon』となっている。
これはガラル地方の元ネタであるブリテン島の歴史のうち、アングロサクソン七王国時代の上級王・上王を指す言葉であり、この時代の歴史伝承が後にアーサー王伝説へと変化していったという考察もされている。
但しこれは歴史に合わせた英語版のみの扱いで、他の言語ではやはり皇帝に関わるワードなので*6、他の国ではあまり馴染みが無い階級と言うのが最大の理由と思われる。



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最終更新:1970年01月01日 09:00