ネイティオ

登録日:2010/08/20 Fri 12:56:34
更新日:2025/08/16 Sat 22:04:23
所要時間:約 5 分で読めます





トゥートゥー


ネイティオ(Xatu)とは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。


●ネイティオのデータ


1日中ネイティオがじっとしているのは未来予知でわかった恐ろしい出来事におびえているからだと信じられている。

全国図鑑No.:0178
分類:せいれいポケモン
英語名:Xatu
高さ:1.5m
重さ:15.0kg
タマゴグループ:飛行
性別比率:♂50♀50


特性:シンクロ(相手の技で麻痺火傷状態になると相手も同じ状態になる。先頭にすると50%の確率で同じ性格の野生ポケモンに出会える)
   はやおき(眠り状態から通常の半分のターンで回復する)
隠れ特性:マジックミラー(常にマジックコート状態=相手からの変化技を跳ね返す状態になる)

HP:65
攻撃:75
防御:70
特攻:95
特防:70
素早さ:95
合計:470

努力値:特攻+1、素早さ+1

ネイティがLV25で進化


ネイティオの概要


細長いコケシのような、あるいはエジプトの壁画のような、なんとも異様な姿をしている鳥ポケモン。
腹にのような奇妙な模様があり、翼を広げた姿はトーテムポールにそっくり。

その独特な目付き(しかもカメラ目線が多い)とトゥートゥーと聞こえる鳴き声が印象深く、
金・銀』当時からのプレイヤーにはネイティオ=トゥートゥーで通じるほど。
進化前のネイティも似たような鳴き声だがトゥトゥと若干短め。
ポケパルレやポケリフレで撫でると「トゥ~~~~~」という鳴き声と共に両翼を広げて震えて喜ぶ。



キマワリ「こっち見んな」


日の出から日没まで、一日中太陽を見つめ、殆ど動かず一日を過ごす事もあるという不思議で謎な生態を持つ。本当になんなんだこいつ。

またネイティオには過去や未来を見通す力があると言われており、
南アフリカでは右目で未来、左目で過去を見ていると伝えられている。
現在はどこで見ているのか……。
ネイティオが一日中動かないのは、その能力でこれから起こる恐ろしい出来事を予知し、怯えているからではないかという説もある。
その能力から、精霊として信仰の対象にする人も少なく無いらしい。


以上の通り見た目や設定、トゥートゥーという鳴き声等、何から何まで独特過ぎる為か妙に印象に残る。
そのミステリアスな雰囲気から一部にカルト的な人気も誇るネタポケである。


パッケージ伝説ルギアと共にエスパー/ひこう複合の開祖として登場。
第五世代で久々に登場したシンボラーもどことなく雰囲気がネイティオに似ている。
他にもシンボラーの同期のココロモリ第七世代から登場のふらふらオドリドリ剣盾から登場のガラルフリーザー
LEGENDSアルセウスから登場のヒスイウォーグルが所属する。


●本編でのネイティオ


進化前のネイティが「アルフのいせき」の草むら(「なみのり」が必要)で出てくる。
たまにテレポートで逃げるため捕まえづらいが、エスパータイプということもあってストーリー攻略要因としては可もなく不可もなくというところ。
ただし金銀ではかなりの高レベルで習得するサイコキネシス以外自力でエスパー攻撃技を覚えない欠点もある。
第二世代の頃はの数が少ないので、ある程度のカバーは利く。

四天王イツキはなんとネイティオを2匹使用し、片方は先鋒、もう1匹はなんと切り札である。


『エメラルド』ではフウとランがネイティオを使用。
このジム戦はダブルバトルだが、ネンドールとコンビを組み、相方のじしんをひこうタイプで無効化しつつあやしいひかりで攪乱してくるのでけっこう厄介。


ちなみに特性シンクロは、『エメラルド』以降同じ性格の野生ポケモンが出易くなるという効果もある為、厳選に使われることも。
ただしケーシィほどではないが野生のネイティはテレポートで逃げるので注意。


●ポケダンでのネイティオ


救助隊は役回りが似ており、救助隊では「おおいなるきょうこく」、超では「せいれいの砂丘」の頂上で未来を見つめており、主人公に重要な助言をする。

探検隊では宝箱の鑑定屋を開いている。

どのソフトでも何を考えているか読めず、かなりアヤシイ雰囲気を纏っている。
「クワワァー!!」

進化前のネイティは、救助隊では何故か能力値が異様に高いが、得られる経験値がたった1桁という謎のガッカリ仕様。
ネイティオの方も探検隊の『そらのさけめ』などで登場するが周囲のと比べて1/3ほどの経験値しか貰えない。
そのくせ『おいかぜ』で部屋全体を倍速にしたり、みんなのトラウマ技『あやしいかぜ』を使ったりとかなり面倒くさい。主人公やパートナーによっては特性のシンクロで麻痺や火傷を移してくるのも嫌なところ。


●アニメでのネイティオ


『ピカチュウのふゆやすみ』の幕間ショートアニメにて、大量のネイティが道路を疾走するというシュールなものがあった。
そこの横断歩道を渡ろうとネイティオが現れたのでネイティ達は一旦停止するが、ネイティオは空を飛んで道路を渡った。
そしてネイティ疾走再開と、流れもシュールなものであった。

また映画『水の都の護神』では、冒頭の水上レースにて進化前後揃ってレースシグナルの代役を行っていた。
「トゥー」「トゥー」「トゥー」「トゥー!」


●対戦でのネイティオ


特攻と素早さが高いエスパータイプの典型。
しかし、100を超える種族値はなく他は総じて平均~それ以下。
特に耐久が問題であり、エスパー/ひこうは弱点が多く耐性も乏しい為、不一致弱点や等倍技であっさり落ちる。
また、同タイプでもシンボラーの方が攻撃以外の種族値で勝り、サブウェポンや特性も優秀なのが痛い。
はっきり言って対戦においてはマイナーと言える。

その代わり総合的な習得技の面でかなり器用。特に変化技のバリエーションは群を抜いている。

物理技
ドリルくちばし、しねんのずつき、ふいうち、とんぼがえり、でんこうせっか、ゴッドバード等

特殊技
サイコキネシス、サイコショックアシストパワー、みらいよち、エアスラッシュ、
ねっぷう、シャドーボール、マジカルシャイン、シグナルビーム、
くさむすび、ギガドレイン、ソーラービーム、ナイトヘッド、めざめるパワー

補助技
めいそう、でんじは、どくどく、サイコシフト、あやしいひかり、いばるみがわり、さきどり、おいかぜ、はねやすめ、ねがいごと、いたみわけ、
リフレクター、ひかりのかべ、トリックルームトリックスキルスワップ、シンプルビーム、フェザーダンス、パワースワップ、ガードスワップ、
じこあんじ、くろいきり、リフレッシュ、にほんばれ、あまごい、バトンタッチ(XD限定)等


もうとにかく豊富。
技の豊富さを活かしてトリッキーに立ち回り撹乱してやれ!

……器用貧乏とか言わない


隠れ特性は「マジックミラー」。これは「あらゆる状態異常技を跳ね返す」マジックコートという技を場にいるだけで常時張っているという凄い特性である。
例えばネイティオ様に「でんじは」や「どくどく」を撃とうものなら逆に麻痺や猛毒になってしまう。
「アンコール」や「ちょうはつ」で嵌めよう者なら逆に嵌められる。
「ほえる」や「ふきとばし」で強制退場させようとすると逆に退場させられる。
揚句の果てには明らかにネイティオ様に撃ってない「ステルスロック」や「まきびし」「どくびし」だろうと跳ね返してしまう。
この為安全に「トリックルーム」を発動させたりもできる。
ネイティオの特性は全て状態異常対策となるものだが、マジックミラーが強力なため敢えて「シンクロ」や「はやおき」を選択する利点はあまりない。

ただし、マジックミラーでは「技の追加効果」までは防げない、特性「かたやぶり」で貫通される点に注意。
ねっとう」で火傷を負ったり、「ドラゴンテール」で吹き飛ばされても泣かない。

因みに他にこの特性を持つのはエーフィメガヤミラミメガアブソルメガディアンシーなどと少ない。
メガシンカを除けばネイティオとエーフィ、ブリムオンしか使えないという大変貴重なもの。
種族値では特攻と素早さでエーフィに負けているが、「ねっぷう」や飛行技、豊富な変化技等で差別化は容易。

初登場となる第二世代では、前述のとおりマイナーポケモンであった。
当時は同タイプのシンボラーこそいなかったものの、特性も無かったため特筆できるような長所に欠けていた。
敢えて挙げるとすればエスパー・くさタイプに強いため、ナッシーに有利な点だろうか。
メジャーなタイプの「めざめるパワー」まで考慮すると、ナッシーにここまで有利なポケモンは他にヤミカラスくらい。どちらもマイナーなのは内緒


Pokémon Trading Card Game Pocketでのネイティオ


ポケポケでは、ネイティオをはじめ第2世代出身ポケモンの多くは長らく実装を見送られていた。

サービス開始から時は流れ、ジョウトをテーマにした第10弾「空と海の導き」にてようやく第2世代出身ポケモンの殆どが登場、ネイティオもとぅとぅ実装される運びとなった。

ネイティオといえば戦闘ではマイナーであまり見かけないというイメージを持つ人が多い。
ポケポケではそういったポケモンは本当に地味なままか極端な性能をつけられるかのどちらかだが、果たしてネイティオはいかなものかというと……

+ ポケポケのネイティオは
ありとあらゆるポケモンをあの世へ引きずり込む魔鳥として牙をむいた。
いや鳥だから牙はないだろうが、とにかく「ただの1進化ポケモン」では済ませられないとんでもない性能を引っ提げてポケポケに実装されてしまった。

「空と海の導き」版

レアリティは♢♢♢。なんだかエキゾチックな背景に佇むネイティオが描かれている。
☆のレア版あり、ややサイケな色遣いがネイティオらしいカードになっている。

【性能】

超タイプの1進化ポケモン。弱点は
進化前のネイティは特筆すべきことがないたねポケモンのため説明は省略。語るとすれば、HP50と低い部類なので取り扱いには注意。

ネイティオに進化すると、HP80。1進化で打ち止めのポケモンにしては控えめである。逃げエネは1のままの軽量級。
そして技『ライフダウン』。これは超エネ2で発動可能な技で、これを使うと


コインを1回投げてオモテだった場合


相手のバトルポケモンの残りHPが10になる。





……何を言ってるんだ……?

いや、本当に書いてある通りである。
コイントスに成功すれば、相手のHPがどれだけ残っていても残り10になる。


タイプも、たねか進化かも、exかそうでないかも、関係ない。

マントでHPを補強していても意味はない。

ダメージではないのでダメージ軽減の特性やグッズも効かない。


この技が成功したが最後

全てのポケモンは

HPが


10


なる

トゥートゥー


セフィロスかお前は。
このあまりにも強烈すぎる効果に、HP自慢のヘビー級ポケモンひんしペナルティの大きいexポケモンは震えあがることになった。

【一体どういう技?】

どういう技といわれても本当に身も蓋もなくHPを死ぬ寸前に追い込む技である。

HP0にはできないのでネイティオでとどめを刺すことは出来ない。
だがネイティオの逃げエネが1なので、ベンチのポケモンと交換すれば次のターンに相手にとどめをさすことは容易い。
最悪カウンターでネイティオがやられてしまっても、exポケモンではないので取られるポイントは1。exポケモン相手に『ライフダウン』を決めればリードをとれるし、最悪でも痛み分けには持ち越しやすい。

【対処法】

受けてしまった際の基本的な対処法としては、まずHPを回復すればいいのだが、なにぶんHP10からでは立て直しが難しい。
『きずぐすり』や『ポケモンセンターのおねえさん』あるいは後出しで『おおきなマント』『リーフマント』をつければ死ぬ寸前からは脱せる。それでも、回復量はせいぜいHP20~30なので正直かなり心もとない。
もし『リーリエ』を使えるならHP70まで回復できるので多少安心できるが、これでも多くのポケモンの射程圏内なので油断はできない。(特に、後述するが一緒にデッキに組まれやすいニンフィアexの追撃に耐えられない)
あとは、進化してHPを補強するか、『イリマ』をはじめとした手札に戻す系のサポートでダメージをリセットするか、など。

もし回復ができなくとも、ベンチに逃がしてしまえば一旦は危機を脱することができる。
ただしベンチにHP10のポケモンがいることの危うさはポケポケをプレイしている人ならば理解しているであろう。
HP10ということはもはや出直したところで次の攻撃には耐えられないという意味であるし、『アカギ』で場に戻されることもありうるし、ベンチ攻撃を受ければイチコロである。

ベーシックな対応法である盾になるポケモンを場に出して受けるという戦法は、もちろんこの技の対策としても通用する。
ただし、なにぶんHPを10にされてしまうので盾ポケモンで採用されがちな高HPは何の意味もなくなるという点に注意。
HPを10にされるという効果を逆さに見れば元からHPが低いポケモンでも絶対にHP10残る(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)という意味なので、むしろHPが低いポケモンで攻撃を受けたほうが相対的にダメージが軽減されるという不思議な技。
もしベンチにHPが低いポケモンがいる場合、あえてそのポケモンを盾に使ってしのぐという逆転の発想もありだろう。


概ね考えられる対処法を並べてみたが、要するに厄介なのは汎用的な対処法では効きづらく、場当たりの対処ではその場しのぎが精いっぱいになってしまうということである。
つまり対策としては「まず相手がネイティを出した時点でどう受けるかを先読みしておくこと」。HPを10にされてからでは手遅れになるケースが多いが、先んじてHPを10にされてもいい状況を作ることが有効になる。
ネイティオと戦うためにこっちが未来予測をしなければならないというのもおかしな話だ。

もちろん、ネイティオが出来上がる前にやっつけて絶望の未来を阻止するというのが一番確実。
ネイティオは1進化エネ2で起動できるのでのんびりしている暇はないが、ネイティ・ネイティオ共にHPが低めなのが救いである。

【状態異常・もちもの・他ポケモンとのコンボ】

相手をHP10にした状態でターンを終わらせる、という特殊なシチュエーションを狙って生み出すことができるだけに、様々なコンボが考案されている。

シンプルなのは状態異常のどく・やけどとのコンボ。
もしネイティオの『ライフダウン』を受けたポケモンが既にどく・やけどだった場合、ネイティオのターン終了後のポケモンチェックで残ったHP10が奪われてお陀仏である。

これを読んではっとした人もいるだろう。
場にネイティオがおり、かつベンチに特性でどく・やけどを付与できるポケモンがいた場合、ターン中に特性でどく・やけど付与→『ライフダウン』が決まれば一撃死を決めることができる。
これについては、よりによって同パックでリリースされたバクフーンが相手を無条件にやけどにする特性を持っており、デスコンボとしてリリース直後から恐れられている。
それ以外にも、タギングルのどくぬり(コイントスで毒付与)も厄介。『どくばり』も危険である。
ネイティオが起動に超エネ2が必須であるため、混色デッキに組みづらく事故率も高いためそこまで猛威を振るっているわけではないようだが……。

また、『ゴツゴツメット』とのコンボも優秀。なぜって、そりゃ、HP10のままゴツゴツメットを被った相手を殴ったら死ぬからである。
そのため『ゴツゴツメット』や『どくばり』を持ったネイティオは対処が難しくなる。

ベンチ攻撃が得意なポケモンとも相性が良い。慌ててベンチに引っ込んだポケモンにそのまま追い打ちでとどめを刺してしまえるのだ。
タイプが同じ超仲間であればカプ・テテフが好相性。他にも、相手の全ポケモンに10ダメージを与えるミカルゲと組ませればあっという間に皆殺しである。技に必要なタイプは違うがゲッコウガとも相性抜群。

【サポートとのコンボ】

ここまで読んでいただいて、違和感を隠せない人も多いのではないだろうか。
「ちょっと大げさに言い過ぎじゃないの?」と。
なにしろ『ライフダウン』は大前提としてコイントスが決まらなければ失敗する技である。
確かに最悪のケースは考えられるが、それも所詮は1/2で起こりうる話に過ぎない。そんなギャンブル戦法が環境に蔓延るわけがない、と、ここまで読んだ限りでは高を括る人もいるであろう。

しかるにネイティオの恐ろしさは机上論では収まらなかったのである。

同パックでリリースされたトレーナーズ、サポートの『イツキ』。金銀の四天王の一番手でお馴染み。
このサポートの効果が「次のコイントスを必ず表にする」である。

\(^o^)/

ここまで記載したネイティオの恐ろしさを1/2の悪夢から現実的戦術へと引き上げてしまう最凶のパートナーとして実装されてしまったのだ。金銀ではネイティオの使い手として名を馳せているイツキなので、ネイティオとのコンボを狙っているのは確実であろう。

ちなみに、ネイティオ・イツキデッキについては、事故率の高さもあり、進化しただけでドロー2できるニンフィアexと組ませるデッキが主流である模様。マジックショーに出てくる美女的なポジションだろうか。
ただしネイティオとニンフィアexだけではオドリドリを突破できないという点には気をつけられたし*1

総括すると、exでも何でも瞬時に大ピンチに陥らせることが可能な低レアの強カード。
対ネイティオのバトルでは、迫り来る致命傷の未来に立ち向かう戦術と度胸が試される。


追記・修正お願いしま\トゥートゥー/

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最終更新:2025年08月16日 22:04

*1 1匹ネイティのままで待機させておくか、攻撃性能を持つ通常イーブイを入れておけばとどめは刺せる。が、現在主流のイーブイはドローに秀でた型であるため落とし穴になりやすい