ダイジェット(ポケモン)

登録日:2020/08/14 Fri 04:29:11
更新日:2023/10/05 Thu 05:17:12
所要時間:約 4 分で読めます





ダイジェットとは「ポケットモンスター ソード・シールド」から登場したダイマックスわざの一つである。

■データ


元になるタイプ:ひこう
威力・分類・PP:不定*1
命中率:必中
接触or非接触:非接触
範囲:単体
効果:味方全体のすばやさが1段階上がる。


■概要


ひこうタイプの攻撃技を元にしたダイマックスわざ。
ダイマックスが使える戦闘であれば、ひこうタイプの技を覚えたすべてのポケモンが使用することができる。*2

攻撃演出は、巨大な竜巻を発生させ相手を巻き込むというダイマックスわざらしいド派手なもの。
どう見ても「ぼうふう」や「かぜおこし」のような特殊技にしか見えないが、物理技か特殊技かの判定は元になった技のものを受け継ぐ。

ダイマックスわざの仕様は前作サン・ムーンで登場したZワザと同様にひこうタイプのわざと相性が良く、
発動までに2ターン必要な「そらをとぶ」「とびはねる」を溜め無しで発動したり、「ぼうふう」の命中不安を解消したりと癖の強い技を使いやすくすることができる。
特に前者2つは、相手のダイマックスわざを躱しつつダイマックスターンを1ターン消費させられるという利点もあるため、前作以上に対戦で採用されるようになった。


追加効果は攻撃するたびに味方全体の素早さが1段階上がるという非常に強力なもの。ポケモン勝負に於いて素早さの重要性はもはや語るまでもないだろう。
ダイジェットはあくまで素早さを上げるため、火力を上昇させる効果を持つダイナックルダイアシッドとは違いダイマックスわざの威力が低くならない*3
つまりひこう技を持つポケモンがダイマックスすれば高火力の必中技で殴りつつ、素早さを上げて先手を取りやすくすることができるのだ。
ダブルバトルでは、今作では行動順がそのターン中の素早さ変動の影響を受けるため、ダイマックスしていない方の行動順をそのターンから早めることもできる。

ダイマックスとの相性がいい「じゃくてんほけん」を持たせて更に火力を強化すれば3タテすることも不可能ではない。
ひこうタイプの弱点のつかれやすさがこんなところで役に立つとは…

この高性能さから剣盾の対戦環境ではダイジェットが吹き荒れることとなり、多少威力が低かろうとひこう技がサブウェポンとして採用されたり、タイプ一致ダイジェットを打てるというだけでひこうタイプが評価される傾向にある。
逆にひこうタイプが弱点のくさむしかくとうタイプのポケモンにとってはかなり苦しい時代となった。

一方でバランス調整のために、前作までひこうタイプの攻撃技が使えたポケモンから「つばめがえし」「つつく*4が没収されていたりもする。

ついでに元が速すぎると如何せん追加効果が相対的に寂しくなりがち。
レジエレキ130族は特にそのジレンマに陥りやすい点がある。
もっとも、無振りですら最速130族を上回るレジエレキはともかく130族程度の場合、相手にダイジェットを撃たれて抜かれるリスクもあるため、
抜き返すためにあえてひこう技を採用するケースもある。
当然交代すれば切れるのでサイクル戦向けのポケモンには根本的に向かない。

また、ひこう技は前述の通り癖の強い技がゴロゴロ揃っている為、ダイマックスが切れると途端に立ち回りが歪になりがち。
解禁前は「一致ダイジェットで大暴れする」と言われていたランドロスも、元になる技が「そらをとぶ」しかない為居座り前提でない限りは割と切られる。
この辺はバランス調整…かもしれない。

さらに、素早さが上がる関係上トリックルーム下では完全に逆効果。間違ってもトリックルームで使用しないように。

ストーリー本編では、チャンピオンダンデリザードンがエアスラッシュを習得しているため、ダイジェットを繰り出してくることがある。
これ自体がタイプ一致の高火力技である上、素早さが上がって常に先手を取られるようになるとリザードンの迫撃を何度も耐えなければならなくなる。下手をすると専用技のキョダイゴクエンを連発されるより苦しい戦いを強いられることも。

キョダイマックス個体のアーマーガアがひこう技を繰り出すと、ダイジェットの代わりにキョダイフウゲキが発動する。
効果はすばやさアップからきりばらい効果に差し代わる。
剣盾環境はダイマックスわざを含め撒き技フィールドの使用率が増えた(グラスメイカーゴリランダーなど)ため、この技も十分な効力を発揮しうるのだが、アーマーガアが素早さ種族値67族ということも考慮すればやはりすばやさアップのほうが断然魅力的のため、アーマーガアについてはキョダイマックス個体よりも通常個体を動員されるケースが多い。そういうとこだぞホップ


■主な使い手


前述した「じゃくてんほけん」や新たに習得した「わるだくみ」で火力を増強し、
低めの素早さをダイジェットで補う戦術が非常に強力で『鎧の孤島』まで環境トップメタに君臨していた。揉め事の起こる場所には決して現れないんじゃないのか。
元になるひこう技は「エアスラッシュ」。ダイマックスが切れた後もおなじみの『てんのめぐみ』によるひるみゲーで相手に何もさせず完封することもザラ。

特性『じしんかじょう』により相手を倒して攻撃を、ダイジェットにより素早さを上げることで攻撃しながら疑似的な「りゅうのまい」を積むことが可能。
元になるひこう技は「とびはねる」。
みず技と比べると元々まともなひこうの物理技を覚えず、常に火力不足に悩まされていたギャラドスにとってはターン限定とはいえ待望の大火力技を得た事で大躍進を遂げ、今作はほぼほぼ高い使用率を誇っている。
但し「冠の雪原」解禁後は後述のあるポケモンのせいで採用率が下がっている。
欠点は物理ひこう技がその「とびはねる」しか無い為ダイマックスが切れると立ち回りに響きやすい事。
ついでにここに書かれている顔ぶれの中ではくさ等倍なので鉢巻巻いたゴリラに素早さ関係なく吹っ飛ばされかねない。
ちなみに「ぼうふう」もあるのでやろうと思えば特殊ダイジェットもかませる。

「ダイバーン」での晴れからの特性『サンパワー』付きの大火力、もしくは「キョダイゴクエン」でのスリップダメージからの追い打ちにダイジェットを使う戦法が強力。
元になるひこう技は「ぼうふう」もしくは「エアスラッシュ」。特にぼうふうは特殊最高火力のダイジェットを放つことができる。
物理型にするのであれば「そらをとぶ」「ダブルウイング」辺り。
ただ、リザードンのダイマックスの主軸はあくまでもほのお技である為、ダイジェットばかり撃たされると逆に悲しくなる。
また「ぼうふう」とサンパワーの相性がすこぶる悪く、非キョダイマックスだと技構成に悩む羽目になる。

隠れ特性『リベロ』の解禁によりタイプ一致ダイジェットを打てるようになったほのおタイプ御三家
元々の素早さ種族値が119と非常に高く、一回ダイジェットするだけでほとんどのポケモンの素早さを上回ることができる。
ひこうタイプになることにより本来の弱点であるじめん技を無効化するトリッキーなプレイングも。
元になるひこう技は「とびはねる」がメジャー。一応「アクロバット」もあるので威力は下がるが「通常時の立ち回りに響くのはちょっと…」と言う人も安心。
但しほのおタイプじゃなくなるのでやけどしてしまう点に要注意。

ダイジェットで素早さを上げて「でんげきくちばし」の先攻時威力2倍効果を発動しやすくする。
特性『はりきり』とダイマックスとの相性は抜群で、超高威力の必中技を打ちながら自身を強化することが可能。
元になるひこう技は『はりきり』の命中不安をカバーできる「つばめがえし」。「ついばむ」もあるが使いにくいか。
一度積んだだけでは最速調整にしてもドラパルトを抜けない点に注意。一応、『すなかき』が発動していれば抜かせるが、この場合は『はりきり』を捨てることになるため一長一短。
また、ダイマックスが切れると途端に20%の負け筋を常時抱え込む羽目になる。

ギャラドスと並ぶほどの高い攻撃力をもち、タイプ一致でダイジェットを撃てる。
さらに今作で、既存の「ばかぢから」より使い勝手の良いかくとう技である「インファイト」を手に入れ、ダイナックルで火力補強もできるため、ダイマックスエースポケモンとして大きく出世した。
加えて隠れ特性『まけんき』のお陰で『いかく』や能力低下を起こすダイマックスわざなどに非常に強い。
欠点はあまりにも物理一辺倒なのでやけどすると機能停止する事と、主力技の都合上ダイマックスが切れると途端に場持ちが悪くなる事。
ちなみに進化前のワシボンは隠れ特性に「はりきり」を持っており、何気にダイジェットを最高火力で放てるという特徴がある。

唯一『たんじゅん』とダイジェットを両立できる存在。
ダイジェットを撃つだけで物凄い勢いで素早さが上がっていく。
ただそれ以外の積み系ダイマックスわざは使えず、相手の能力低下もモロに喰らうのでダイマックス同士の撃ち合いは苦手。
バトンタッチ」を覚える事から、自身の居座りではなく後続の強化の為にダイマックスを使う変わったパターン。

特性『はやてのつばさ』によりHP満タン限定で先制一致ダイジェットを撃てる唯一の存在。
対応技も物理なら「ブレイブバード」、特殊なら「ぼうふう」と大技揃い。ちなみにエアスラッシュは無い
ただ如何せん攻撃81特攻74であり、こだわり系の効果も消える事から火力は控えめ。
あまり居座ってどうこうするのも向かないのも難儀。

相手のダイジェットを半減に抑えながら、タイプ一致でダイジェットを撃てるという凶悪な特徴を持つ。
サンダー再登場以前はアーマーガアスピンロトムなどもこの特徴を持っていたが、素早さを始めとした種族値面で大きく差を付けていることもあって制圧力は段違い。
ダイマックス解除後も上昇した素早さを利用して先手で「はねやすめ」を使い、粘り強く戦える。
元となる技は剣盾で新規習得した「ぼうふう」。故にダイマックスが切れた時の命中難が弱点。

ガラルサンダーもダイナックルとダイジェットをタイプ一致で放つことができるという長所を持つが、
原種とは違い相手のダイジェットが抜群になる点、そしてリージョンフォーム扱いであるためカントーのサンダーと同じパーティーに入れられない点から採用率は低め。別種ってことにしてくれ

トゲキッス同様「じゃくてんほけん」や「わるだくみ」からのダイジェットに適性がある上、特性「ぎゃくじょう」によって下準備なしの打ち合いでも火力を増強する事が可能でダイマックス対決にも強い。
タイプが補完に優れた悪+飛行であり、もう一つの一致ダイマックス技となるダイアークが特防ダウンのためダイジェットを通しやすい点も強力。それでもバンギラスを呼びやすいのは相変わらず。

なお原種ファイヤーはサンダーと同火力のダイジェットや一致ダイバーンが使用可能だが、その耐性から飛行技を切って物理受けとして使われている事も多い。

攻防の補完に優れたタイプと特性「いかく」によって多くの物理を起点につるぎのまい→ダイジェットが可能。
これまでは「そらをとぶ」しか飛行技が無く高い攻撃を地震以外であまり活かせていなかったが、ダイマックスすればその弱点も克服され非常に止めづらい。
「そらをとぶ」でのターン稼ぎと一度引っ込めてからの「いかく」のかけ直しによって相手のダイマックスに強いのも評価できる。
しかし、本来はサイクル向けなので脳死でダイマックスを切れないジレンマを抱える。前述の通り「そらをとぶ」を採用する余裕もあまりない。
くさ等倍第二弾なのでゴリランダーは要警戒。

DLC第二弾「冠の雪原」で解禁されたウルトラビーストの一匹。
上記のサンダー同様、こちらも相手のダイジェットを半減で受けながらタイプ一致ダイジェットが使える。
それだけでなく今作から追加された強力ないわタイプの特殊技「メテオビーム」を覚えられるのが最大の長所。
特性の「ビーストブースト」を活かせばギャラドスと同じように相手を殴りつつ自己強化が可能なだけでなく、
弱点も少ないのでダイマックス状態ならダイスチルorダイアースを使えば耐久無振りでも落としきるのは難しい。
但し素早さは同じ複合エアームドやアーマーガアよりも低い。


追記・修正はダイジェットで素早さを3段階上げてからお願いします。

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最終更新:2023年10月05日 05:17

*1 威力は変化元の技の威力によって変動し、物理技か特殊技かの判定およびPPは元の技のものを受け継ぐ。

*2 言うまでもないことだがダイマックスできないザシアン・ザマゼンタ・ムゲンダイナは使用できない。

*3 例として威力150以上の技をダイナックル・ダイアシッドにしても威力100にしかならないのに対し、元になる技の威力が65以上あればダイジェットの威力は120を超える。

*4 マンムーのみ