レイスポス

登録日:2020/12/07 Mon 13:08:15
更新日:2025/04/07 Mon 02:48:24
所要時間:約 4 分で読めます





闇夜を 駆けぬけ 寝ているものの 生命エネルギーを 吸い取る。 孤独と 静寂を 好む。


レイスポスとは「ポケットモンスター」シリーズに登場するポケモンである。


【データ】

全国図鑑№:897
分類:しゅんばポケモン
英語名:Spectrier
高さ:2.0m
重さ:44.5kg
タマゴグループ:タマゴ未発見
性別:不明


タイプ:ゴースト


特性:くろのいななき(相手を瀕死にさせると、特攻が1段階上がる)



HP:100
攻撃:65
防御:60
特攻:145
特防:80
素早さ:130

合計:580

努力値:特攻+3

【概要】

ポケットモンスター ソード・シールド』のDLCエキスパンションパス」『冠の雪原』から登場した伝説のポケモン
黒いの姿をしており、白い馬の姿をしているブリザポスとは対になっている。

四肢をよく見てみると蹄と足の間(球節)が分離したようになっており、まさに幽霊の馬といった風貌。
更に後足の方は煙のように揺れており、足音も鈴の音のように響く。

孤独と静寂を好み、エネルギーが高まる夜で出くわした相手の生命エネルギーを吸い取り、レイスポスに蹴られた者は魂を抜かれてしまうという、ゴーストポケモンらしい恐るべき生態を持つ。
他のポケモンと交流を持つことはないが、自身の静寂を侵す者には容赦しない。

視覚が退化しており、長い前髪に隠れている。
その代わりに他の感覚が鋭敏で周囲の状況を瞬時に把握することができる。

昔はカンムリ雪原を荒らす厄介者だったが、豊穣の王、バドレックスに手なずけられ、
愛馬として真の力を発揮するようになる。


【ゲームでのレイスポス】

「冠の雪原」でのバドレックスのイベントにて、愛馬を探すことになり、彼の好物であるニンジンの種を入手。
それをいにしえの墓地にある畑に植えれば、「くろいニンジン」が生える。
するとレイスポスが出現、フリーズ村に向かっていく。
追いかけると村の中でバトルとなる。



バクロォース!!



撃破後はカンムリ神殿まで逃亡し、そこでバドレックスと「キズナのタヅナ」の力で合体し、
改めて主人公に挑み、捕獲することができる。
捕獲後はバドレックス(こくばじょうのすがた)から手持ちを1つ開けた状態にして「キズナのタヅナ」を使えば、
バドレックスとレイスポスに戻すことができる。

ちなみに、ニンジンの種は1つしか入手できないのでレイスポス・ブリザポスはどちらか1匹しか入手できない。

次回作の SV ではDLCで遅れて登場した。
おやつおやじのなる人物に「レイスポスのおやつ」を受け取ることでゲットできるようになる。
やはり前述の「くろいニンジン」を使ったおやつなのだろうか?


【対戦でのレイスポス】

レイスポスは単体でも準伝説クラスのポケモンであり、合計種族値も580と相応に高い。
特に特攻種族値は145と、カイオーガやディアルガ/パルキア、レシラムといったい、禁止伝説の150ラインに迫る特攻。
更に素早さ種族値も130とこれまた相当に早い、特に剣盾環境であれば上から10番目ほどの素早さ。

防御および特防は流石に控え目だが、それも高めのHPにより総合的には並程度の耐久となる。
物理攻撃力は低いがこれはむしろイカサマのダメージが軽減できるメリットにすらなりうる。

全体的に特攻と素早さの高いゴーストタイプのゲンガーに似た感じのステータスを持つ。
というか全種族値でゲンガーを上回っており、ステータスだけで言えばゲンガーの完全上位互換

さらに専用特性「くろのいななき」は相手を倒すと特攻が上がる特性。
これによりただでさえ高い火力を更に上げることができる。
高い素早さから敵をなぎ倒し、火力を上げながら全抜きを狙えるポケモンとして設計されている。

…と、いかにも特殊アタッカーとして完成された性能なんだろうと言いたいところだが
そうは問屋が卸さない

コイツにはアタッカーとして2つの致命的弱点が存在するのである。

まず1つ目だがコイツ、特殊技のバリエーションが異常なまでに希薄なのである。
習得できる特殊の数は僅か10個。タイプではない。 技そのものが10個しかない のだ。
これより少ない奴は大体特殊技不要の物理アタッカーくらい。

メインウエポンは「シャドーボール」「たたりめ」の2択。
ちなみに物理に対象を広げても他は「ゴーストダイブ」しかない。

前述通り技が少ないせいでサブウェポンの範囲も壊滅的。
ノーマル技以外は「あくのはどう」「バークアウト」「マッドショット」しかない
あく技はゴースト技と範囲丸被りなので入れづらい上に「マッドショット」は低威力。
そのせいで、大真面目にはかいこうせん」の採用が視野に入るとか言うちょっと何言ってるのかわからない現象を引き起こしている。

2つ目の弱点だが、ポケモン世界においてアタッカーとしてはステータスの高さも重要だが、技の威力も重要なのである
極端な例を挙げるとリザードンの「ひのこ(威力40)」とヒトカゲの「だいもんじ(威力110)」
リザードンの方が特攻は1.4倍ほど高いのだが、技の威力は2.75倍の差があるため、結果的にヒトカゲの方が2倍弱のダメージを出力することになる。

翻って、レイスポスのメイン技となる「シャドーボール」は威力80とやや物足りない。
良く採用される特殊技で言えば「れいとうビーム」や「10万ボルト」、「なみのり」「かえんほうしゃ」といった技が威力90である。

「たたりめ」は相手が状態異常の時に威力130まで上がる大技でがあるが、レイスポス本人が状態異常を撒くのはやや無駄が多い。
特殊ゴースト技は威力乏しい傾向があるので仕方ないが、何かしらのフォローは必須。

故にゴーストタイプを半減・無効化する相手が出るだけで一気に苦しくなる。
具体的にはあくタイプノーマルタイプ
更に「マッドショット」まで無効にする浮いてる輩が出ると(後述の変化技次第では)マジでやる事がなくなる
具体的にはサザンドラウォーグルヨルノズク相手も割と厳しい。
ケンホロウレベルだとさすがに「はかいこうせん」で行けるが、そんなものを撃たされている時点で…。

さらに競合相手として同じく高速アタッカー型のゴーストであり、第八世代トップメタに君臨しているドラパルトの存在が気がかり。
特殊火力では大きく水を開けているものの、あちらは広い技範囲に加えて種族値130をもってしても敵わない圧倒的な素早さまで備えている。

幸いゴーストらしく変化技はそれなりにあり、火力を上げる「わるだくみ」「めいそう」、
相手の攻撃低下とたたりめのサポートになる「おにび」、相手の積みを消す「くろいきり」、
変化技封じの「ちょうはつ」、苦手な攻撃を連発させない「かなしばり」がある。

一応、攻撃無振りでも使える「イカサマ」も覚える。

なので、変化技で場を整えつつ、通りのいい一致技で確実に抜きを狙うような立ち回りが重要になる。
無理な相手はどうあがいても無理なので、そういう相手からはおとなしく退く事。


ちなみにダイマックスとの相性は良さそうで微妙。
如何せん一致技「ダイホロウ」の追加効果が活かしづらく、どうしてもサブウェポンである「ダイアタック」「ダイアーク」「ダイアース」に頼る羽目になる。
で、上の通りの技バリエーションであるため、どんな技を持っているのかすぐバレる。
なお、これも物理に範囲を広げても「ダイサイコ」(元技はサイコカッター)しか増えないので、追加効果目当てで威力低いのを覚悟で採用…とかはできない。
基本的には威力と耐久の底上げ程度に活かすのが無難だろう。

剣盾で惜しくも無くなった「めざめるパワー」があれば技範囲が改善されたのに、とよく悔やまれる。
ただし、XY以降の伝説のポケモンの仕様上一番欲しいめざパ格闘は絶対出ない*1

とまぁ、こんなところでも選択肢が少なかったりする…。


初登場の剣盾の次の世代である第9世代・SVでは新たに「ドレインキッス」「サイコキネシス」を習得可能になり、多少技範囲が改善された。

特にゴースト技+フェアリー技の通りはほぼ全てのポケモンに等倍で通るため相性が良い。
その高い素早さで上から「おにび」を撃ち相手の攻撃力を下げつつ、「めいそう」でステータスを上げて「ドレインキッス」と「たべのこし」で持久戦を行う型が開発された。
更に新システムのテラスタルの存在も嬉しいところ、「テラバースト」と合わせて好きなタイプの技をサブウェポンとして採用できるようになり
もちろん前述の通り物足りない「シャドーボール」やテラスタルのダメージ補正が有利な「ドレインキッス」の強化に役立つ。

ついにレイスポスの時代が来るかと思いきや
そうは問屋が卸さない

まず環境面で言えば、パオジアンディンルーと言った強力な悪タイプが跋扈する環境となってしまった事である。
特にパオジアンはレイスポスより更にスピードが速く先制技の「ふいうち」まであるため、テラス無しの純粋な殴り合いでは何もできずに倒されてしまう。

更にゴーストタイプの後輩として登場したハバタクカミがレイスポスとついでにドラパルトの席を奪ってしまう。

こちらも特攻と素早さが高いレイスポスに近い役割を持てるポケモンなのだが
  • レイスポスよりやや早い素早さ種族値135に専用アイテムの「ブーストエナジー」で更に加速可能
  • ゴーストタイプとフェアリータイプの複合によるメインウェポンが優秀、「ムーンフォース」「ドレインキッス」を完備
  • 「パワージェム」「10万ボルト」「マジカルフレイム」などレイスポスに無いマトモなサブウェポンも完備
  • 補助技も多く搦め手も可能(ただし「おにび」「わるだくみ」はレイスポスに、「でんじは」などはハバタクカミにしかなく差別化は可能)

苦手なあくタイプとハバタクカミが跋扈する環境はまさに逆風、レイスポスの明日はどっちだ。



【余談】

名前の由来はスコットランドに伝わる幽霊「レイス」+古代ギリシャ語で馬を意味する「ヒッポス」だと思われる。
また、魔物の馬ということで夢魔であるナイトメアもモチーフとなっているかもしれない。



追記、修正は豊穣の王に乗られてからお願いします。

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最終更新:2025年04月07日 02:48

*1 格闘になるめざパのパターンは5種類。いずれも0〜2Vの場合のみであり、XY以降3V確定の伝説のポケモンではめざパ格闘は使えない