じゃくてんほけん(ポケモン)

登録日:2020/08/30 Sun 00:06:28
更新日:2025/03/27 Thu 12:51:11
所要時間:約 4 分で読めます



テレビで ほけんがいしゃの
CMを やってる…▼

いつ、どこで飛んでくるか分からない弱点攻撃。不安ですよね。

バンギラスさん♂(55)「仕事柄、特殊技を受けに行くことが多いんですが、サブウエポンのめざパやくさむすびが結構痛くて…」
ギルガルドさん♀(67)「格闘への無償降臨をよくやるんですが、先方もはたき落とすや地震持ちが多いんですよね」
ゴローニャさん♂(50)「私対戦個体なんですが、ストーンエッジが外れて野生のペリッパーに倒されました」

そんな時に安心なのが、この「じゃくてんほけん」!
お客様の弱点となる攻撃を受けた時に、なんと攻撃と特攻がぐーんとアップ
相手方へのダメージは2倍(当社比)となり、お客様のバトルを強力にサポートします!

お客様からのお喜びの声※
バンギラスさん♂(55)「サブウエポンの弱点技は逆に起点にできるようになりました!」
ギルガルドさん♀(67)「この保険に入ってから、私を弱点技で攻撃しようとする人が減りましたので、すごく安心感があります!」
ゴローニャさん♂(50)「頑丈で耐えて保険金が振り込まれた後、大火力で反撃できるようになりました!でもふいうちが欲しいですが……」
※効果は一例であり、確実な勝利を保証するものではありません

しかも、保証期間は無制限! 一生涯安心が続きます!※
もちろん、お客様のタイプや性別、レベルを問わず、どのようなポケモンでもお持ちいただけます!※※
攻撃力と特殊攻撃力の両方がアップするので、物理型・特殊型・両刀型、どんなお客様にもマッチします!
※この保険は一度お支払いすると効力を失います
※※お客様の耐久力によっては発動前に瀕死になる場合があります
※※お客様の素早さによっては発動後行動する前に瀕死になる場合があります

更に!掛け金は通常32BPのところ、
ソード・シールド発売記念キャンペーンで、今ならなんと20BP!

さあ、今すぐマクロコスモス保険までお電話を!




「じゃくてんほけん」はポケットモンスターシリーズに登場するアイテムの一つ。
第六世代から登場したアイテムで、登場以後バトル施設で交換できるBPアイテムの常連となっている。




概要

効果は「効果が抜群のわざで攻撃されたとき、こうげきととくこうが2段階アップする」というもの。
単純ながら強力な効果だが、発動は弱点で攻撃されることが前提であるため、まずは攻撃を耐えきらなければならない。
かといって耐久型に持たせても元の火力がないと2段階アップの効果を活かしきれない可能性も高く、他のアイテムに比べ単純な火力アップにつなげるには工夫が必要なアイテムとなっている。



来歴

第六世代・第七世代では主として以下のような条件を満たせるポケモンに持たされていた。

上記を考慮すると、保険加入筆頭はギルガルド
受ければBD150、殴ればブレードフォルムでAC150*2は一致弱点ですら耐えきってしまうこともあり、
じゃくてんほけんとの相性がよく、しばしばじゃくてんほけん詐欺と言われることも。ゴーストタイプなのに生命保険に入るのか……
カイリューもマルチスケイルがあるため、じゃくてんほけん型はそれなりにいるが、読まれやすい上に等倍もある程度打てるのでこちらはケア行動を誘発されやすい。
他は等倍が少なく半減か弱点が多いバンギラス、耐久の高いトゲキッス、がんじょう持ちで先制技を持つゴローニャ等も見られる。

ということで、第六世代・第七世代でもじゃくてんほけんはメジャーな道具だったが、
第八世代ではより一層の需要が上がってしまった。
その根底にあるのが、メガシンカZワザの廃止とともにそれと置き換える形で組み入れられたダイマックスである。
汎用メガシンカのごとく耐性を強化し、Zワザほどではないが技の威力を強化し必中化するシステムでありながら、
メガストーンやZクリスタルにあたる専用道具を必要とせず、任意のポケモンに任意の道具をもたせて発動できる。
つまり、別にこれといった耐性強化特性を持たなかったり、素の耐久力が並程度でもダイマックスするだけでHPを最大で2倍にして、弱点を耐えることができるのである。
じゃくてんほけんとダイジェットだけで誰でもゴリ押せる環境には不満の声も上がった。
しかしじゃくてんほけんがあまりに普及すると、こんどは基本はダイマックスポケモンは不一致弱点よりも等倍で削っていき、
弱点をつく際は削れている状態に一致弱点高火力で一気に倒す、という戦術が一般化してきたため安直なじゃくてんほけん持ちが腐るようになった。

第八世代での主要な採用ポケモンは
積み技を搭載しないことが多く火力不足に陥りやすいが、弱点5つが全部メジャーなドラパルトや、
HPと耐性で頑張るハードロックドサイドン、メガシンカがないので前世代にも増して有力候補になったバンギラス
ダイマックスシステムと噛み合って開花したトゲキッスなどが挙げられる。トゲキッスとダイジェットとじゃくてんほけんの組み合わせはもはやテンプレ。
特にバンギラスは「保険金詐欺」とまで言われるほど。
逆にダイマックスと相性が悪いギルガルドは保険加入の審査に落ちるケースが増えた。

結局安直なダイマックス+じゃくてんほけんがなくなっただけでダイマックスとの相性自体は抜群なのは否定できない。
メジャーな加入者を挙げてみたものの、割といろいろなポケモンの候補となりつつあるじゃくてんほけんは第八世代を代表するアイテムとなりつつある。

第9世代ではダイマックスの廃止による総合的な耐久が低下。
更にテラスタルによる等倍ゴリ押しや弱点を突かれるとまず耐えない火力の横行の結果、加入者が激減してしまった。


道具の応用・仕様の注意点

  • AC2段階アップの効果を持つため、物理型、特殊型どちらに持たせても間違いはない。
    • ただ、両刀型は耐久を犠牲にすることが多いのでがんじょう持ちでもない限り保険を受ける前にお陀仏になりかねない

  • ダブルバトルでは味方にわざと弱い威力の全体技を撃たせて保険を騙し取る下ろさせることもできる。完全に詐欺である
    • 例えばメタグロスはとくせいクリアボディで味方のじならしによるすばやさダウンを無視して保険を降ろすことができる。これがスパコンの頭脳による詐欺か…

  • みがわりが攻撃を受けた場合は保険は下りない。本人確認が必須

  • ミミッキュがばけたすがたのときに弱点技を受けても保険は下りない。身元がわからないので

  • とんぼがえりやボルトチェンジが弱点のポケモンにも有効で、特にとんぼがえりは不一致で撃つポケモンが多いのでむし弱点ポケモンは保険加入の候補になりうる。虫害は災害に含まれます

  • あくまで条件は「効果抜群であること」のため、特性の「かんそうはだ」や「もふもふ」によるダメージ2倍は保険の対象外である点に注意。攻撃を受ける必要があるので、「ふゆう」などで無効化すると保険はきかない。
    逆に「たいねつ」などでダメージを半減させた場合でも、タイプ相性的に弱点であればじゃくてんほけんは発動する。詐称ダメ、絶対

  • 能力アップの判定は、どろぼう・はたきおとすの判定より早く、クリアスモッグの判定のあとに来る。抜群の一撃を食らって保険も無駄になるということがない優秀な判定順序となっている。紛失・盗難保険に火災保険もばっちりカバーだ!

  • 受動で火力二段階上げという効果は魅力的だが、任意発動できないのは難点。弱点を撃たれる必要性があるため、必然的にダメージが重くなりがち。またサイクル戦においては交代したら効果が消えてしまうため、相性は今一つなところも注意。

  • 特性の効果も発動する。「たんじゅん」であればAC4段階上がる爆アドが取れる。間違っても「あまのじゃく」なポケモンには持たせないように。



余談

  • このアイテムが発動することを俗語表現で「保険が下りる」と表現することがある。当記事でもこの表現を採用中。

  • 保険証の形をしたアイテム、という「ポケモンは使用方法を理解してるのか」と疑問に思わされるアイテムのひとつ。
    消費アイテムのひとつだが、どうして保険が下りなくなるのかも不明。
    現実の保険はその後も保険料を払えば再度要件を満たすとき保険金が出るし、最悪保険金免除条項もあるというのに*3
    • ちなみにポケモンの世界にも保険会社ひいては保険制度があるようである。ちょうど項目の冒頭でCMが流れているが、ガラル地方シュートシティには「マクロコスモス生命」という保険会社も存在している。…しかしポケモン由来の事故にはどの程度保険が適用されるのだろうか…?

  • 第八世代ではお仲間アイテムとして「からぶりほけん」が登場。こちらは持っている状態で攻撃を外すと素早さがぐーんと(2段階)上昇するというもの。
    素早さを積む手段が少ないポケモンが奇襲目的で、バクチ技と組み合わせて使うケースがあるが、
    一撃必殺技を外した場合は発動しないためか、じゃくてんほけんに比べて能動的に発動させづらいので持つポケモンをより選ぶものとなっている。

  • 入手経緯と消耗品である都合上、ストーリーでの出番はほとんどなく、バトル施設での運用が主となる。

  • ヌケニンに持たせてはならない。死人に入れる保険はありません。*4



弱点を つかれたとき 追記と 修正が それぞれ ぐーんと あがる。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • じゃくてんほけん
  • ポケモン
  • ポケットモンスター
  • ダイマックス
  • アイテム
  • 保険
  • ハイリスクハイリターン
  • ポケモン持ち物項目
  • ポケモン道具項目
  • 保険金詐欺
最終更新:2025年03月27日 12:51

*1 致命傷や搦め手を受けても、すぐに落とされずに1度は行動できる可能性を持てる特性

*2 いずれも第七世代以前。第八世代ではシールドフォルムのBDが150→140に、ブレードフォルムのACが150→140にと弱体化してしまった。それでも他に比べれば十分な高さだが。

*3 働くのが不可能な障害を負った場合など。保険金は免除されるが補償は払っていたときと同額下りる。

*4 一応「こらえる」で耐えればひんしにならずに発動させることは可能。ただし、効果抜群技を覚えている相手との対面で効果抜群技が飛んでくるタイミングに「こらえる」を使用しなければ1ターンを無駄にする上、技スペースを1つ埋めることになるため無駄が多い。