暗黒界の龍神グラファ(遊戯王OCG)

登録日:2012/05/27(日) 08:02:35
更新日:2025/04/08 Tue 19:27:30
所要時間:約 10 分で読めます





《暗黒界の龍神 グラファ》とは、遊戯王OCGに存在するモンスターの1つ。


暗黒界の龍神グラファ
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2700/守1800
(1):このカードは「暗黒界の龍神 グラファ」以外の自分フィールドの
「暗黒界」モンスター1体を持ち主の手札に戻し、墓地から特殊召喚できる。
(2):このカードが効果で手札から捨てられた場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動する。
その相手のカードを破壊する。
相手の効果で捨てられた場合、さらに相手の手札をランダムに1枚選んで確認する。
それがモンスターだった場合、そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚できる。


【概要】

暗黒界」を主軸としたストラクチャーデッキ「デビルズ・ゲート」の看板モンスター。

名前はグレー系の色の一種で、細かく言うと灰色に黒が混じったような色の「グラファイト」に由来する。

マスターガイドや海外の公式HPによると、このモンスターが暗黒界のボスであるらしい。《暗黒界の混沌王 カラレス》とはどちらが立場が上なのだろうか?

さて、この《暗黒界の龍神 グラファ》はカードの効果で捨てられた場合に、相手の場のカードをモンスターだろうが魔法・罠だろうが1枚選んで破壊する効果を持つ。
発動は強制であり、タイミングを逃す心配はない。
また、自分のカードは対象にできないが、破壊したいカードは基本的に相手のものなので、困ることは少ない。

モンスターだけを破壊する《暗黒界の刺客 カーキ》と魔法・罠だけを破壊する《暗黒界の策士 グリン》、この二人の上位に位置する効果といえる。
彼らは破壊対象に自分の場も含めてしまうが、こちらは自分の場を含めずに済む……と、登場以来二人のポジションを奪ってしまった罪づくりな神様である(彼らは彼らで下級モンスターとしてのメリットがあるが)。

そして、もし相手によって捨てられた時は、報復として相手の手札にあるモンスターを奪える(《暗黒界の導師 セルリ》という詐欺くさい手もあるが)。
近い将来暗黒界は全てを傘下に治めるだろう。

かつて暗黒界の主役を務めた《暗黒界の武神 ゴルド》と《暗黒界の軍神 シルバ》に比べると、捨てられた段階では特殊召喚せずに除去を行う。
といっても、後述の方法で手軽に特殊召喚できるので、この点については特に問題はない。
対象の指定なく、耐性持ち以外なら何でも割れるのでなかなか便利であり、
手札を捨てることによって失うアドバンテージを即座に回復してくれる。


そして、恐ろしいのは、場の暗黒界モンスターを手札へと戻す事で、何度でも墓地から蘇る事

例えば《マシンナーズ・フォートレス》は手札を捨てる必要があり、
代行者の《マスター・ヒュペリオン》は墓地を除外する以上その召喚条件には限界がある。

だが、この《暗黒界の龍神 グラファ》は暗黒界の部下を手札に戻すだけで手札の消費も無しに、前線に立てる。

デッキの回転力が高ければ僅か1ターンで《暗黒界の龍神 グラファ》を並べる事も可能。というか暗黒界デッキなら簡単。
もし《暗黒界の龍神 グラファ》をバウンスされたとしても、効果を再使用できるチャンスが生まれる。
破壊したとしてもまた次のターンで蘇る!

これらの点から、《暗黒界の龍神 グラファ》は擬似的に破壊耐性を持つと言えるだろう。
「だがダメージは受けてもらう!」


しかし、弱点もある。……除外である。
次元幽閉》などで除外されてしまうと、非常にまずい。《因果切断》?勘弁して下さい。
(デビルズ・ゲートには《闇次元の解放》も一枚入ってはいるが)

特に《マクロコスモス》や《M・HERO ダーク・ロウ》が問題。
性質上、もはや戦えなくなるレベルとも言える……(暗黒界は手札から墓地に行くことで発動する効果が殆どのため)。
そこに関しては《サイクロン》や《月の書》などで頑張ってくれ。

マッチ戦ならば《クリフォトン》をいれたカウントダウンデッキにスイッチすることで対処可能。

また、特殊召喚には「暗黒界」のモンスターを手札に戻すことが必要なわけだが、
これは大抵の場合「召喚権を消費しなければならない」ということを意味している。

奈落の落とし穴》や《激流葬》などで最初の1体を潰されてしまうと、展開を滞らせるてしまうこともしばしば。
《暗黒界の尖兵 ベージ》などの並べやすいモンスターを活用するべきだろう。


【相性のいいカード】

☆暗黒界
もはや説明するまでもない。


☆魔轟神
手札に関連する効果を持つので相性がいい。
カオスのコストにもなる。
ただし、お互いにデッキの容量を食い合って事故が発生しやすくなる事には注意。


☆各種蘇生・帰還カード
暗黒界モンスターを蘇生し、それを手札に戻せば手札を消費せずに《暗黒界の龍神 グラファ》を蘇生できる。
《異次元からの帰還》が使用可能だった頃は自己再生して墓地に落とす事を繰り返すことで《暗黒界の門》のコストなどで除外した暗黒界を大量回収といった豪快な事も出来た。
墓地に落ちた暗黒界の大量回収なら《ソウル・チャージ》と組み合わせれば可能だが、バトルフェイズを行えないことに注意。


☆トランス・デーモン
このデーモンが破壊された場合、除外された闇属性モンスターをサルベージでき、弱点である除外を克服する事ができる。
更にもう一つの効果は、カードの効果によってモンスターを捨てられる。
暗黒界全般と非常に相性がいい。


☆アドバンスドロー
レベル8以上のモンスターをリリースして2枚ドロー出来る。
自己再生後にリリースしてこれを発動すると結果的に手札が2枚増え、《暗黒界の龍神 グラファ》が再び墓地に落ちるので効果の再利用が出来る。


☆各種ウイルス
墓地に送られようとも何度でも蘇る事ができるのを利用して、状況に応じて魔か闇かのウィルスをばらまくというのも良い戦術。
もし恐ろしさに反応して相手が除外カードを発動した時は、サクリファイスエスケープをすることもできる。そしてまた蘇る。

「魔デッキ」ならば相手のメインデッキの攻撃力1500以下のモンスターを死滅させ、「闇デッキ」ならば魔法か罠を根絶させられる。


スキルドレイン
《暗黒界の龍神 グラファ》に限らず暗黒界モンスターの殆どは場にいるときはバニラ同然なため、相手のみを拘束できる。
スキルドレイン》を発動する事で、厄介な破壊耐性持ちや除外効果持ちを無力化させられる。
また《暗黒界の龍神 グラファ》の天敵である《M・HERO ダーク・ロウ》に対処できるカードの1つでもある。


☆ランク8エクシーズモンスター
何度でも蘇生できるので高速で素材が揃う。
効果で素材になった《暗黒界の龍神 グラファ》を墓地に落とせばまた《暗黒界の龍神 グラファ》の効果が利用できる。

カード1体を指定して効果を無効にし、他のカードの効果を受けなくさせる《神竜騎士フェルグラント》や、手札コストは必要だが対象を取らない除去ができる《聖刻神龍-エネアード》が有名。

この通りウイルスに感染しようとスキルを吸われようと墓地に捨てられようと、
部下を前線から逃がしながら率先して過労死する程働く姿にカリスマを覚えたのか、何時の間にかついた渾名がグラファ社長
怖いけどいい人、な暗黒界の皆さんのキャラクターも相まってか【暗黒界】は遊戯王屈指のホワイト企業みたいな扱いを受ける事も。
戦う相手からしてみればブラックってレベルじゃねえが

なお最近同じ悪魔族にとんでもないブラック企業が誕生したらしい……。


昔から暗黒界はアニメ出身のテーマとして存在していた。そしてストラクで登場した《暗黒界の術師スノウ》のサーチ能力や暗黒界の門によってデッキの回転力は高まり、環境上位に食い込む事ができた。

しかし、《暗黒界の龍神 グラファ》の登場により上級兵達が事故要因として見られるようになってしまった……。扱う者ならば、全てを使役し勝利しよう!


【余談】

《暗黒界の龍神 グラファ》の攻撃力は2700。つまり暗黒海に住む《ジェノサイドキングサーモン》を狩れる。
《暗黒界の魔神 レイン》も狩ることは一応可能ではあるが……その素早い動きに翻弄されてしまう。

《暗黒界の武神 ゴルド》や《暗黒界の軍神 シルバ》ですら返り討ちに遭ってしまう状況だっため、《暗黒界の龍神 グラファ》の登場は快挙とも言える。

ただし《ウォーターワールド》に逃げ込まれてしまうと彼でも勝てない。


さらに余談だが、KONAMI英語版ホームページのSTRATEGY SITEにて、《暗黒界の龍神 グラファ》自身が筆者としてたびたび 暗黒界を宣伝している。
暗黒界の新カードの紹介や暗黒界デッキにおける戦略、果てはエヴォルカイザーの対策などなど精力的な執筆を行う名物キャラと化しまっている。グラファ、いやコンマイ自重しろ。
ちなみに記事内で「自分を闇のデッキ破壊ウイルスの生贄にしろ!」とか言っている


進化形態

暗黒界の龍神王グラファ
融合・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻3200/守2300
「暗黒界の龍神 グラファ」+闇属性モンスター
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手がモンスターの効果・通常魔法・通常罠カードを発動した時に発動できる。
その効果は「相手は自身の手札を1枚選んで捨てる」となる。
(2):融合召喚したこのカードが相手によってフィールドから離れた場合に発動できる。
自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、
「暗黒界の龍神 グラファ」1体を選んで特殊召喚する。
その後、手札があるプレイヤーは自身の手札を1枚選んで捨てる。

2022年8月発売のストラクR-デビルズ・ゲート-開かれし深淵の扉パックにて収録された進化形態。

なんと言っても(1)の効果で、相手の厄介な効果を暗黒界モンスターのトリガーに書き換えてしまう効果が魅力。
単なる制圧手段にとどまらず、デッキの回転や補助にもなる一石二鳥の効果になる。シルバやレインを手札に忍ばせておけば相手からしたら「ただ効果を発動しただけなのに」自分のリソースを失うという厄介極まりないものとなる。

(2)は相手の除去に備えた効果。
元となる《暗黒界の龍神 グラファ》の蘇生とハンデス効果により、相手の除去を牽制できる。準専用融合である《暗黒界の登極》があれば例え相手ターンに龍神王が除去されても適当な相方と再融合が可能となる。
しかもこちらにはターン1制限がないのでまた倒されても龍神が復活できる。

【暗黒界】以外では【ティアラメンツ】での採用も確認できる。
(1)の効果を「面倒な効果を封じつつティアラメンツモンスターの効果トリガーに転用する」という、【暗黒界】と同様の用途にできる点が理由。
融合素材についても《沼地の魔神王》や種族面でシナジーが高い《破壊神 ヴァサーゴ》で誤魔化しがきくので、意外と融合難易度も低い。


手札から墓地へ捨てられた場合、追記修正する。

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最終更新:2025年04月08日 19:27