フォン・スパーク

登録日:2012/04/06(金) 14:34:56
更新日:2020/03/25 Wed 14:14:03
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「あげゃげゃげゃげゃ!!」



機動戦士ガンダム00』の公式外伝の一つ『機動戦士ガンダム00F』の主人公。



ソレスタルビーイングの支援組織【フェレシュテ】に所属するガンダムマイスターの一人。
この名前は例によってコードネームであり、彼の特徴的な笑い声を【音の爆発】と例えた事から名付けた物。本名は「ロバーク・スタッドJr.」。

ガンダムマイスターの一人ながら、戦争根絶の理念から程遠い気質の持ち主。
愉快犯的な犯罪者で、どこまでも利己的な目的の為に動く。

自分の意志や力で何かを革新しようとしたり、体制に反逆する人間のことはそれなりに気に入るが、基本的に上から目線で罵詈雑言を浴びせる。
その真意としては、純粋に気に食わない奴をこきおろす以外には、その反応から相手の心情や本質を見極めようとする狙いがある模様。



【幼年期】

具体的な時期や経緯、切っ掛け等は不明だが、幼い頃から既にテロリストとして辣腕を振っていた様子。
焼け野原ひろしことアリー・アル・サーシェスの元にいた事もある。
正義感溢れる親父が草葉の陰で泣いてるだろう。

この頃から既に常軌を逸した能力と思想を持っており、仲間内から次第に煙たがれた末に追い出されるか命を狙われるかして組織を転々としていた様子。
その異常性はサーシェスですら前者の対応をした程(ちなみに後者は爆殺する等した)。

「人類に根付いたルールを作り、動かす者を燻り出す」
それがフォンの目的であった。


【少年期】

『機動戦士ガンダム00P』にて描かれた。
10代前半ながらある傭兵団のリーダーとして活動。
多大な成果を出した彼に逆らう者はおらず、皆唯々諾々と従っていた。

部下からMSを倒す姿無き幽霊(正体はグラーベの駆るガンダムラジエル。即ちCB)の噂を聞いた彼は、あらゆる策を講じて"幽霊"と対峙。
アグリッサで捕獲を試みて後一歩まで追い詰めるも、イノベイドとしての能力でゴリ押ししたグラーベに惜敗。
丸腰となったフォンをグラーベは機密保持の為に射殺しようとするが、当のフォンは「優秀な人材を求める組織が優秀な自分を殺すワケない」と悠然と構え、事実ヴェーダからの指示で射殺命令は撤回された。

この時CBに感付いた理由を「完璧に隠しすぎるから逆に不自然」とグラーベに明かし、彼を感動させた。


【青年期】

経緯は不明だが、拘束されたままシャルらフェレシュテのメンバーの前に登場。
イオリアの理念には共感できないが、自分にはそれを成す力があると豪語し、組織入りを果たす。
以降はガンダムアストレアを含む第2世代ガンダム4機(プルトーネはお蔵入り)を任され、数多くの任務をこなしていく。

尚、組織加入にあたり裏切り防止の首輪爆弾を付けている。
同作者の某ルカスを思い出した人もいるだろう。


【フェレシュテ編】

アストレアら3機のガンダムを操り、数多くの任務をこなしてゆくも、黄金大使の陰謀でフェレシュテが所有するオーガンダムの純正太陽炉を狙い、ヴェーダからの正式な命令の下チームトリニティが強襲。
封印していたプルトーネで出撃しミハエルのガンダムスローネツヴァイと互角に渡り合うが、ヨハンがヴェーダに対する離反行為の申告を行い、首輪爆弾を起動。致命傷を負ってしまう。
見開きで盛大に爆破するので絵面はエライことに。

が、出血多量&呼吸不可の状態で戦闘続行の無茶をしでかす。
何でも、「ヴェーダは効率主義なので、ギリギリで人間が死ぬ程度の火薬量しか用意させず、パイロットスーツを着ていて気密性も高かった故に比較的死亡し難い状況だったのが幸いした」とのこと。
…生きていたとしても普通は意識が飛ぶし、この手のギリギリの調整ってのは実は生存確率が結構有るのでリスク考えると逆に効率悪いんだけどね。

当たり前だがすぐに限界に達し、あわやトドメを刺されそうになるが、ハナヨによりプルトーネのコアファイターと自爆システムが起動して難を逃れる。

その後、トレミーでモレノ医師の再生治療を受け、戦線復帰する。


【西暦2309年頃】

CBが壊滅し、地球連邦政府が樹立すると、シャル達との理念の違いからフェレシュテを離れて独自行動を取り始める。
それによりCBからも「反逆者(トレイター)A13」に認定されて追われる身となる。

母艦としてエウクレイデスを持ち出した彼は追撃の指示を受けたヒクサーと戦いつつ、イノベイターの協力の元、多数のアステロイドを地球に落とすという大規模テロを実行。
この計画の目的で本当の狙いはアステロイドを地球に落とさず直前で爆破、大量の破片を撒き散らして軌道エレベーターの太陽光発電システムを一時的に使えなくすること。
そして電力供給対象が限定されるその状況を利用して、優先して電力が供給されるであろうヴェーダ本体の位置を突き止めること。
彼と協力者の874の以外では、この作戦の真意を見抜いていたのはリボンズ唯一人だった。

迎撃に現れたイノベイド達を退けてついにヴェーダ本体に辿り着くフォン。
しかしリボンズに先を越され、既に内部のデータは他のバックアップ用の筐体へと移され残されていたのはデータが空になったターミナルユニットだけだった。
まんまとリボンズに出し抜かれた…かと思いきや、フォンもフォンでそれすらも予測していた。


【西暦2312年】

ヴェーダのメインターミナルを入手したフォンはそれをエウクレイデスに乗せ、ハナヨと共に再起動させることに成功。
元々あったデータの復元はできなかったが、ヴェーダへ送信されるデータの傍受に成功する。

この時期になるとそれまでの戦闘で奪った敵の武装やCBが各地で放棄した武器・弾薬を収集しており、敵の対ガンダム用GN粒子攪乱弾を逆に利用して大量の実体武器でフルボッコにする戦闘スタイルを確立。

あるイノベイドに課せられた「6人の仲間(イノベイド)探し」という指示を知るとそれに一枚噛もうとレイヴ達に協力。
彼らから詳しい話を聞き出しただけで「新たな監視者」*1というミッションの真の目的をほぼ正確に見抜いていた。

そして、ビサイド1.5ガンダムと戦い、ビサイドの豆腐メンタルのお陰もあって、アヴァランチアストレアとGNハンマーでフルボッコ。

戦いが終わった後にレイヴの提案でイノベイド達はフォンを監視者の一人として勧誘しようとしたが、後の活動からするとフォンはこれを蹴った模様。



ELSの襲撃に歓喜するフォンは「自分の限界を試す」等と意味不明な供述をしながら、
何とELSが地球防衛ラインの傍まで迫っている状況で前線に向かう最中のCB本隊に戦線布告をする凶行に打って出た。

フォンが到着した時には、既にCB本隊はELSへの対応で多忙のため、その時点で手が空いていたレオ・ジークのガルムガンダムが立ちはだかった。

フォンの行動に困惑して翻弄されたレオだったが、フォンが挑発混じりにトランザムを発動したのをきっかけに、レオも本腰を入れて互角の戦いを繰り広げた。
先にトランザムが切れるだろうフォンが若干不利かと思われる中、高まったレオの脳量子波に釣られたELSがガルムガンダムに迫り、事態は一変した。
そのままアストレアとELSをまとめて相手にする窮地に陥るかと思いきや、何とアストレアはELSとガルムガンダムの間に割って入った。
レオを庇ってELSにまともに喰らいつかれ、フォンはアストレアもろとも侵食されてしまった。

フォンの不可解な行動と先輩にあたり幼い頃には縁もあったフォンの突然の死に困惑しつつも、低軌道ステーションにまでELSが迫りつつある、との急報を受けたレオはその場を離れたのだった。


が、フォンは本来の目的を果たした上で生き延びていた。

フォンの目的はただ一つ、ELSと同化したMSを手に入れることだった。
刹那がELSとの対話を選択して、かつ必ず成功させると確信し、更に対話が成功すればELSが鎮静化するだろう。
と推測したフォンは、アストレアのコクピット周辺に可能な限りELSの同化を遅らせる防護処置を施した上で、ELSを誘い込める人材を相手に874が回収出来る位置で交戦して、わざと機体を同化させた。
そして、自分の肉体と精神性ではELSと同化して共存なぞ出来ずそのまま死ぬと判断して、同化されたら生き延びられないなら駄目になった部分は捨てりゃ良いと考えて実行に移した。

そうして、予め準備しておいた再生治療によってELSに同化された肉体の部位をごっそりすげ替えて、時間はかかったものの五体満足で復帰。
フォンにとっても、最初に脳がやられればそのまま死ぬリスクもあり、ELSがアストレアに同化したところでその後鎮静化するか確証もない、一世一代の大博打だった。
が、博打に勝利し、手に入った完全に未知数なMSへの期待から一人高笑いしていた。



GAデータ(西暦世界)上の存在として登場。(詳しくは『EXA』の項を参照。)
Gダイバーのキースと戦って彼を捕らえる。
「違う世界から来た」というキースのその話を聞き、他のGダイバーとも戦うために彼を拷問にかけて半殺しにして帰してしまう。
キースを帰したことでそれまでの記憶がリセットされたが…

  • レオスがGダイブした際、リボンズの管理下にある施設から1.5ガンダムを奪取した(=リボンズに近い高位権限を持つイノベイドか、ヴェーダと密にリンクした純粋種のイノベイター以外にはまず有り得ない)
  • 叢雲劾」というヴェーダすら知らない人物の名を口にした(=イノベイドやイノベイターが持ちうる情報はヴェーダも共有している=即ちレオスはそのどちらでもない=上記とは矛盾しており、レオスにはこの世界の法則が通じない。未知の宇宙人か何かの類)
  • レオスがフォンのことを知っており、かつ戦闘を仕掛けてきた(=フォンを話の通じない危険な人物だと認識している。過去に自分と敵対したことのある敵と思われる。)

言われてみればそうだと言う気がするこれらの事柄を総合し、彼が別の世界の人間であることと、キースが少なくとも一度はこの世界に来たことがあり、再び帰ってきたことを瞬時に看破した。
名探偵顔負けの洞察力である。


そしてレオスと戦って再び勝利するが、その中で劾の戦法を使ったことに興味を抱いたフォンは「もっと強くなって戻ってこい」と再戦を条件に無傷で解放したのだった。

最近ではレオスの変化に興味を持ったイクスに戦闘を仕掛けられたが、その際「世界を変えるだけの力を持ちながらも結局暴れ回っただけ、例えお前を殺したところで00の世界に影響はない」とバッサリ切り捨てられ心身共に真っ二つに。
……が、転んでもただでは起きず、本来の世界に居なかったイクスに殺されかけるという過干渉等を逆手にとることで、
ヴェーダも利用してGダイバーに似た行動をとれるようになった。
874に対しては頭を撫でたり割とデレる。



【関連人物】

刹那・F・セイエイ
ある意味、似て非なる存在。
彼の世界を変えようとする意志と行動を個人的に好ましく思っている。
刹那からフォンを見たら、どう思うかは分からない。
と言うか、1stシーズンの頃なら速攻切り伏せるのは間違いない。


ロックオン・ストラトス
同じハロ使い。
彼のサポートに回る事が多いが、民間人狙いの無差別テロでもない限りは去る者追わずで基本的に手加減したり、
戦闘中に民間施設の防衛を優先する等、彼の甘い行動については毛嫌いしている(一度殺そうともした)。


アレルヤ・ハプティズム
ミステラレルヤ

……まぁあの状況じゃ助けるのは無理だったけどね。どの道助ける気も無さそうだが。


ティエリア・アーデ
同じ存在であるハナヨは彼を助けようとしたが、フォンはあえて止めた。
やり取りの限りでは一応ティエリアの成長を見守るといった、主に874に気を遣った行動故っぽい。


リボンズ・アルマーク
作中でフォンの作戦や思考をほぼ読んで先手を打つ数少ない相手。
が、リボンズはオリジナルの太陽炉や自身が把握出来てないツインドライヴを優先しており、所詮人間と舐めてかかってるのでフォンを適当に放置している。


レオス・アロイ
EXAで交流。
彼の異世界で培った力に興味を持ったようだが、ハナヨの言動から、彼の分け隔てない人柄も気に入った様子。
が、彼の嫁を平然と人質にとったりお世辞にも友好的とは言い難い。



【能力】

その戦績から、イノベイターの刹那とどちらが強いか議論される程の強さ。
故にメアリー・スーではないかと賛否両論。

実際の作中での戦績は、というと……

  • 第2世代、しかも実戦仕様に改修されていないプルトーネでスローネと互角
  • 自爆テロに巻き込まれた挙句、MSの爆炎を至近距離で浴びても軽傷
  • 僅かなヒントで真実を見抜く洞察力
  • 首輪爆弾を炸裂されても戦闘続行する強靱な生命力と精神力
  • トランザムがあったとはいえ、再生した第2世代ガンダム4機をアストレア1機で瞬殺*2
  • ダブルオーら第4世代(3.5世代)機でも苦戦したガラッゾ3機をフォン専用アストレア*31機で、GNハンマーで圧勝。
  • ブリング(ガラッゾ)及びヒリング(ガデッサ)と交戦し、GNハンマーの初見殺しと粒子拡散弾のハメ殺しで圧倒。
  • エンプラス2機を月基地のトラップに巻き込んで、自身は気合で逃走して振り切る(細かい描写はない)
  • (大使砲はガス欠だったが)1.5ガンダムアヴァランチアストレアダッシュで撃破

等々。

上記の無茶苦茶ぶりはGNハンマーの登場で拍車がかかった。

しかしながら、先輩にあたるヒクサー・フェルミと幾度か交戦した際には、ほぼ互角かやや劣勢といった内容。
プラズマジェットのみのアブルホールサーシェスイナクトと空中戦を展開した際には、窮地に追い込まれて使用禁止命令が出ていた変形機能を晒してしまう。
ブリングとは2度交戦しているが、いずれもハンドミサイルゼロ距離発射等の捨身の戦法を選択して勝利。
豆腐メンタルのビサイドさんとの最終決戦でも、何だかんだ囮にする意味でアヴァランチユニットを犠牲にして勝利をもぎ取っている。

と言った具合に、技量自体はトレミーのマイスター達と比較しても突出している訳でもない。
必要ならどんな無茶でも躊躇せずに実行する辺りが強さの秘訣と言ったところ。

ただし、HGガンダムアストレアType-Fの販促目的で書かれた、本編キャラであるブリング及びヒリングの搭乗したガラッゾ&ガデッサとの戦闘は批判されがち。
新兵器GNハンマーや粒子拡散弾によるアドバンテージや、この頃はイノベイド達がまだ連携に不慣れだった等の事情はあるが、実質第3世代相当の機体で彼らを倒したという事実はやはり看過し難い読者も多かった。
掲載時点では変革を始めた刹那のかませ犬に成り果てた感のあるイノベイドではあるが、ヴェーダのリンクが切れるまではマイスター達でさえ苦戦を強いる強敵であったし、ガラッゾ初登場時には刹那の00ガンダムも同様であった。
販促目的で活躍させたとはいえリボンズ配下のイノベイドたちや間接的ながらトレミーのマイスターたちの株も落とす結果になってしまったと言える。
(サーシェス以上という描写はないにも関わらず、他のマイスターを上回っていると批判されるのはこれが原因と思われる。例えるなら爆拳様最強的な理屈である)

本編キャラが苦戦した敵をあっさり倒す点を筆頭に、キャラが人格的にアレだったり、挑発の意味で口が悪いこともあって、本編に思い入れを持っている人からは特に反感を買いやすく、こうした事情から彼をメアリー・スーと疎む読者もいる。


とは言え、彼のクレイジーぶりを好む読者がいる事も事実であり、良くも悪くも解釈次第でどうとでも思える(思えてしまう)。
本人の性格同様に自由なキャラであるため、非常に賛否両論な主人公である。

例えば前述の対ブリング・ヒリング戦も、彼らを「主人公たちを苦しめた強敵」ではなく「既にメッキが剥がれたかませ犬」と見るか否かによって印象が大きく違うのもあるが、そもそも「同じ条件なら他のマイスターも出来る範疇のことしかしていない」*4という擁護ないし反論もある。

本作に否定的な人たちからは「余計な後付を」と言われがちなパトリック・コーラサワーの救出劇も、見方を変えればフォンという男もコーラサワーという男の強運に動かされた、とも解釈できるからである。

ちなみに千葉氏もやりすぎと感じたのか、続編の『機動戦士ガンダム00I 2314』ではまさかの出番無し
EXAの方で874とよろしくやっているようだが、10周年を迎えるまで全くその後が描かれなかった。

同時ににEXAでは先述の通りイクスからかなり耳の痛い事を言われている。
本人的にもかなり応えた様子で、珍しく消沈している姿を見せた。



【他メディアへの出演】

機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』や『SEED MSV』と異なり、『機動戦士ガンダム00外伝』は一部を除いてゲームに参戦したり映像化されたりしたことがなかった……が、最初の外伝3作品が『Gジェネシリーズ』の『OVER WORLD』に参戦。
岡本信彦の好演により、あげゃ笑いが見事に再現された。

ちなみに奇しくもEXAで対決したレオスも岡本氏が演じている。
レオス自身はGジェネには残念ながら未参戦だが、次回作以降の共演に期待したい。





「項目作成……いい響きだ」

「この俺の項目だ。簡単な追記・修正で済ますかよ」

「あげゃげゃげゃげゃ!!」



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