パプア級補給艦/パゾク級輸送艦

登録日:2012/10/05 Fri 12:33:25
更新日:2025/03/20 Thu 12:21:10
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赤い彗星が補給を欲しがるとはな。ドジをやったのか?



パプア級補給艦及びパゾク級輸送艦とは、『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する補助宇宙艦である。






パプア級補給艦

Papua-Class transport ship

所属:ジオン公国軍
   ジオン共和国軍
   デラーズ・フリート
開発:ジオン国防隊
全長:230m(253m)
全幅:145m(119.2m)
全高:115m(75m)
積載重量:8,000t
MS搭載数:20機

《武装》
連装対空機関砲 ×数基


ジオン公国軍が運用している双胴式の宇宙補給艦。
ムサイを逆さまにして双胴にしたような形状をしており、下部にあるのがブリッジである。

チベ級重巡洋艦ともども宇宙世紀0060年頃、すなわちジオン国防隊時代から一年戦争が勃発する0079年までの約20年に渡って現役で活動している老朽艦でもある。
元々はプラズマロケットと化学燃料ロケットの併用で推進する旧世代のミサイル戦艦を改装したもの。
この設定ははムック本『ガンダムセンチュリー』に掲載されていたもので公式設定ではなかったが、近年では定着しつつある。


双胴の船体には舷側に3基×2のコンベアパイプ、艦首には大型ハッチが備わっており、積載量は実に8,000t、モビルスーツ(MS)約20機分の積載が可能となっている。
しかし格納スペースの都合か、ヨルムンガンドのような巨大砲やビグ・ザム程の大型MAともなると分解しなければ運べないようだ。

また、MS20機分の積載が可能とはいっても整備運用するための設備は無く、排熱の少ないザクⅠのみが辛うじて運用可能とされる。


MS誕生のずっと以前に建造された戦闘艦の改装艦なだけに不合理な面も見られたものの、片舷だけでムサイ級軽巡洋艦1隻分の補給ができる他、24基まで物資投下コンテナを積めるため、地球に降下した部隊に物資を送り届けて地上侵攻作戦にも大きく貢献した。


だが、就役から20年経った一年戦争当時には既に老朽艦であることは否めず、後継艦としてパゾク級が建造され、戦場から次第に姿を消していった。
しかし完全に姿を消した訳ではなく、戦争終盤でも宇宙要塞ソロモンのドズル中将の下に巨大モビルアーマー(MA)ビグ・ザムのパーツを届けた艦や、
戦後まで生き延びてデラーズ・フリートやジオン共和国に参加したものも存在した。

老兵、未だ去らず。


……などと思っていたら、改良されながらU.C.0090年代まで生き延びた同期のチベと違ってグリプス戦役の頃にはすっかり影も形もなくなっていた。
まぁ、パゾクがあるしね。

老兵よ、さらば!



【ドライドフィッシュ】

機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場した同型艦。
本作ではMS空母に改造されており、傷痍軍人部隊リビング・デッド師団の母艦としてサンダーボルト宙域の死守を行なっていた。
また、艦内にはリユース・P・デバイスの研究・開発設備もあり、サイコ・ザクの開発も行われていた。



【主な活躍】

やはり『機動戦士ガンダム』第3話「敵の補給艦を叩け!」に登場したパプアは外せないだろう。
この艦は老兵・ガデム大尉が艦長を務める歴戦の艦であり、シャア・アズナブルザクⅡと食料・弾薬など補給物資を届けに来たところをガンダムとコアファイターを始めとするホワイトベースの襲撃を受けた。

完全に補給を渡し切ることは出来ずにガンタンクの砲撃で撃沈したものの、ガデムの意地でザクを渡すことには成功した。




パゾク級輸送艦

Puzock-Class supply ship

所属:ジオン公国軍
   ジオン共和国
   デラーズ・フリート
   アクシズ
   宇宙海賊
   讃美歌の国
全長:230m
MS搭載数:60機

《武装》
なし


パプア級の後継艦として開発された宇宙補給艦。
詳細な諸元等は明かされていないが、最初から輸送艦として建造されたために積載量、航続距離、冷却装置などあらゆる面でパプア級を凌駕する性能を持つとされる。

2つのカーゴブロックを中央の船体とキールでV字型に繋ぎ留めたような、パプアに輪を掛けて特異な構造になっている。
主に前部には人員と食料、サブブリッジとエンジンのある後部にはMSと機材が積まれている。

前部・後部ともども左右にそれぞれ4、計16もの物資搬入口があり、同時に4隻の艦艇に補給が可能となった。
MSは約60機搭載可能となかなか凄い数字に思えるが、連邦のコロンブス級と同じであくまで積めるだけで運用できる訳ではない。

航続距離の長さも大したもので、ジオン本国からアクシズまでの物資の運送もパゾクの役割であった。

ただしパゾク級はパプア級と違って一切の対空火器を持たず、護衛無しでの航行は自殺行為に他ならなかった。
まあ、あっても単艦運用するようなものではないが。



【主な活躍】

目立った活躍はなかったが、コンスコン少将に6機のリック・ドムを届けたのを始め様々な場面でその姿が見れる。

例え目立つ立場でなくとも、パプアと共にジオンの戦線を支えていたのである。


一年戦争終結後は旧ジオン公国軍の装備を受け継いだジオン共和国の他、デラーズ・フリートやアクシズのようなジオン残党でも引き続き運用された。

この他にも変わった所属先として一年戦争から100年近い年月が過ぎた宇宙戦国時代の真っ只中に存在した首切り王率いる「讃美歌の国」でも用いられている。




【余談】

  • 連邦軍にも「パゾク」がいるが、こちらはマイーア・パゾク中佐というれっきとした人間。
    一年戦争時には第3艦隊第14戦隊司令を勤めた人物で、サイド6・リボーコロニーへの核攻撃を画策するフォン・ヘルシング大佐率いるジオン艦隊を捕捉・撃破した人物である。
    何の因果か、艦隊旗艦グラーフ・ツェッペリンに核ミサイルを運搬したのはパゾク級であった。






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