ジーン/デニム/スレンダー(機動戦士ガンダム)

登録日:2022/12/16 Fri 19:41:06
更新日:2025/04/24 Thu 22:27:56NEW!
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ジーン、デニム、スレンダーとは『機動戦士ガンダム』に登場するキャラクターである。
全員がザクⅡのパイロットでジオン公国軍に所属する一般兵ではあるが、この3人は別に腕利きでも無ければ人間的にも特筆すべき点はない。
しかし彼らはあのRX-78-2ガンダムアムロ・レイの初陣の相手且つアムロがガンダムに乗る切っ掛けを作ったという理由でかなりの知名度を誇っている。まぁスレンダーはちょっと怪しいけど。



【各キャラクターの概要】


ジーン

CV:曽我部和恭(TV版、SRW)、若本規夫(劇場版)、森田順平(特別版)、古川登志夫

シャア・アズナブル配下のMSパイロット。
作中の描写的にどうやら老けて見えるが新兵らしい。神経質な若者と見えなくもないと言った感じの風貌。
実はガンダムのアニメで(OPを除き)最初に出てくる人間が彼。

シャアに命じられて偵察任務に出ていたのだが、功名心が強い性格らしく、「シャア少佐だって、戦場の戦いで勝って出世したんだ!」という理由をつけて地球連邦軍の基地を独断で襲撃

置いてあったガンタンクやガンキャノンのパーツを蹂躙していくが、それにより駐留軍との戦闘が発生してしまい、その余波でフラウ・ボウの親族を含めた多数の民間人を殺してしまう。*1
その過程で連邦の新型MS『ガンダム』を発見。デニムの静止も聞かずに、正体不明の敵に攻撃を試みる。
だがそれは勇気というより匹夫之勇とも言える行動であり、ザクマシンガンが全く効かないとなると途端にヘタれて「ライフルを全く受け付けません!」と泣き言を言う始末。
「匹夫之勇」の元ネタほど強くもないし

「我々は偵察が任務なんだぞ、退くんだジーン!」とデニムの再三の制止を振り切り、「何言ってるんです、ここで倒さなければ、敵がますます…!」と先見の明を垣間見せたものの、覚束ない操作でガンダムが突然立ち上がった……と思ってたら相手の動きが鈍いと分かると「へへっ、おびえていやがるぜ…このモビルスーツはよ」と威勢を見せたが、彼本人も声は震え、顔面に冷や汗をびっしり浮かべているという体たらくで見事なブーメラン発言となった。

怖じ気づきながらも果敢に攻め立てようとするも、唐突にマシンガンを振り払われ、ガンダムの有り余るパワーによって頭部の口パーツを素手で引きちぎられメインカメラが損傷、戦闘不能となる。
それでもサブカメラを頼りにデニムのもとにジャンプして撤退しようとするも、その隙を突かれ背後からガンダムのビームサーベルで一刀両断され、愛機と共に爆散する末路を迎えた。
しかし彼のザクが核融合炉を破壊されて大爆発を起こしたことで、アムロはコロニーへの被害を危惧し、より慎重な動きを強いられることとなった。
またこの際にコロニーに穴が開き、アムロの父テム・レイが宇宙空間に投げ出され、後にこの親子は悲劇的な再会を果たすこととなった。
そういう意味では主人公とヒロインの親族を間接的に殺害した男と言え、ある意味では「物語の起動役」としての役割を果たしたと言えよう。

命令違反を繰り返してはいたが平時は上官であるデニムの命令を聞いており、命令違反に対しても自らの見解を述べており、また作品によっては最期に彼が叫んだのは上官の名前であったことから、ある程度は慕っていたのだろう。
またよく見たら偵察任務は問題なくこなせており、指揮系統上の問題は無論あるが、命令違反となった奇襲もそれ自体は成功し一概に悪手とは言えず、多数の兵器と人員を損失させている。
その事から少なくともその時のシャア隊では最も腕が立ったのかも知れない。
彼の奇襲がなければ、正規クルーが操るガンダム・ガンキャノン・ガンタンク・ホワイトベースが丸々生き残ることとなり
よりハイペースで連邦側にMSの運用ノウハウが揃う事で、劇中とは別ベクトルでジオンにとっての損害に繋がっただろう。
正直な話彼に足りなかったのは、その時の相手に何億にもなる地球連邦側の人間から人類最強レベルのパイロットになりえる少年を引き当ててしまったガチャ運と言える

またこの戦いは宇宙世紀における最初の公式なMS同士の戦いと扱われている。非公式な事例は余談にて。
そのため、(公式の)MS戦で初の犠牲者という、ある意味では名誉な称号を貰ってはいる。

そしてこの戦闘で多数のホワイトベース正規クルーや搬入予定だったRX系列の予備機が軒並み喪失し、結果的にホワイトベース隊は劇中の通り慢性的に戦力が不足し、運用に制限が掛かることになったが、それによってクルーやアムロの成長を促し、ジオン軍を打倒していくことになるとはなんとも皮肉である。

ちなみにORIGINに置いては初陣前に他のパイロットと揉めて、挙げ句ナイフを持ち出し威圧するもシャアに一喝されてビビリちらすなど情けない描写が追加された。

CVの曽我部氏は同作でワッケインとしても出演している。

デニム

CV:緒方賢一(TV版、劇場版、SRW)、廣田行生(特別版)、後藤光祐(GQuuuuuuX)、永井一郎 等

こちらもシャアの配下のパイロット。頬髯を生やした恰幅の良い中年男性のような出で立ちだが若い方らしい。
ジーンよりかは経験もあるらしく彼の上官を務めていた……が彼の暴走を止めることが出来なかった。
それどころか最初の暴走の際には彼も一緒になり連邦軍の基地を攻撃していた。ジーンのザクに指示を出している描写すらある。
この2体のザクが並んで破壊工作を行うシーンは当時としてみれば「今までは『今週の対戦相手』のノリで基本一体だけだった『敵ロボット』が同じ姿で複数いる兵器である」「敵は異星人や悪の科学者ではない、れっきとした軍隊」と知らしめるには十分だったと言えよう。
その後、突如現れた連邦軍の機体にも攻撃を仕掛ける際には、敵の戦力もわからない為にジーンを静止するも止めきれず、彼の機体を損傷させてしまう。
敵の強大さに気付いたデニムは更に強い口調でジーンに撤退を促し、今度こそ彼もそれに従うが、時既に遅し…一瞬の隙を突かれ撃破されてしまう。
部下を殺ったガンダムに対し「よくもジーンを!!」と仇討ちを敢行するが、コクピットをビームサーベルで貫かれ、部下の後を追った。
各メディアの扱い的には「部下の暴走を止められず、挙げ句その尻拭いをしようと必死になるも果たせなかった滑稽な男」「パイロットとしての能力値がかなり低くとても弱い兵士」として扱われがちであるが、ジーンに撤退を促し、叶わないまでもその援護をした事や、ジーンがやられたことに激高している事と、そのジーンが(一部作品では)死ぬ時にデニムの名前を叫んでいた*2ことから比較的仲は良かったのだろう。
そして肝心の彼の能力であるが、少なくとも言動にはさしたる問題点は見当たらない。
強いて言えばジーンを無理にでも抑える必要があったのにそれをしなかった事、
又はいっそ振り切ってスレンダーを呼び寄せ、全戦力を集中してアムロ搭乗前にガンダムを破壊または鹵獲する事だが
そこまで求めるのは酷というものだろう。
とはいえ初陣のアムロに冷静にコクピットを貫かれるくらい余裕なやられ方をした為に、彼が格別優れたパイロットとも言えないが、ほとんどが部下のせいで彼の評価も底辺値になっているところは同情すべき点と言える。

またシャアは「デニムに新兵がおさえられんとはな」とこぼしていたことから、ある程度彼を信頼していたようだ。
ORIGINではスレンダーと共にベテラン兵となり、ルウム戦役からシャアの配下として戦っていたという設定になった。

ちなみにCVの緒方氏は他に『ΖΖ』のディドー・カルトハ、コロ落ちのボブ・ロックを演じている。

スレンダー

CV:鈴木誠一(TV版、劇場版、SRW)、柳沢栄治(特別版)、稲垣拓哉(GQuuuuuuX)

こちらもシャアの配下のパイロット。他の2人より地味でたまに存在を忘れられる。背格好もどうにも印象に残りにくい…。
上二人と一緒にサイド7に侵入するが、彼はデニムの命令により入り口に待機することとなった。
その事でガンダムと戦うこと無く何故か腕を負傷しながらも生き延び、シャアの元に戻って事の顛末を報告した。
…のだが再びガンダムと戦う際に新兵器ビームライフル「武器が違います!あの武器は自分は見ていません!」と驚きの報告をするが、シャアに「当たらなければどうという事は無い」無茶振り一蹴され、直後そのライフルに撃ち抜かれて死亡した
しかし、この威力には言った本人のシャアもドン引きしており、シャアとしてもまさかビームライフルにザクを一撃で落とす火力があるとは思わなかったというのが本当の所だろう。
とはいえスレンダー本人は謎の新兵器ビームライフルを恐れて中途半端な距離を取っており、シャアの「援護しろ」という指示もろくにこなせなかった腕前の為、仮にビームライフル一撃で落ちなかったとしてもその後の運命は決まっていただろう。

一方、ORIGINでは同じくベテランとなった。
ビームライフルに狼狽えることがなくガンダムを足止めするなど少し活躍の場が増えた。余計地味になったとも言える。

【まとめ】

…というふうに、彼らは3人共「新兵器ガンダム」の圧倒的な性能に対して「操縦は初めてなため機体の性能に頼るアムロ」にやられる、かませ犬的な扱いと言える。
だがジーンが暴走し、ガンダムがそれを倒し、デニムも返り討ちにするというこのシーンから、以降長年に亘り続いていくガンダムシリーズが始まったのである

ある意味ではガンダムの始まりとも言えるためか、ジーン、デニム共に意外にもやられ役として外部ゲームにしょっちゅう登場する。詳細は以下にて。
彼らがやられるシーンはそれこそあらゆる作品でパロディされ続け、バラエティ番組等で初ガンが特集される場合にも高確率でそのカットが使用されることであろう。

なおスレンダーは中途半端に生き残ったせいか出番に恵まれない。
声付きゲームが増え始めた頃にはスレンダー役の鈴木誠一氏が鬼籍だったことも影響しているかもしれない、こちらも詳細は下記も参照。

ちなみに3人共呆気なくやられてしまったものの、全員が軍隊としての報連相をしっかりとしておりコミュニケーションが取れていないわけではない。
それでもジーンがデニムの命令に従わなかった為に「ジオンは個々の兵士は優秀だが連携が取れていない」「ジオンに武人は多いが軍人はいない」という定説が生まれた。*3
そもそも彼らの上司であるシャアも 他の作戦から帰る途中で偶然V作戦の兆候を見つけたので 予定の帰隊時間を無視して上官のドズルに報告もせずに勝手にこの偵察任務を命じている。
次回2話でドズルに「貴様の祝勝祝いの晩餐の用意が無駄になった」という嫌味は連絡もなく帰ってこなかったことによるもの。
もちろん同じ独断専行でもシャアのそれは「あくまで偵察と情報収集のみ」と常識的な範疇で、ジーンが暴走しなければ成果を得られたかもしれない。
だが結果は部下の指導不足もあるが、シャア自身が 上司に報告せずに 連邦の重要な基地にちょっかいをかけた挙句に(連邦の試作MSを何機か潰したとはいえ)貴重なザク2機を失った。
ドズルは鷹揚に許してくれたものの、シャアとしてはやれるだろうと思い上がっていたからこそ独断専行をしたが、読みきれずに失敗したと自覚しているからこその
認めたくないものだな…自分自身の、若さ故の過ちというものを」の発言であったのだろう。
そういう意味でも彼ら(とシャア)は物語の起動役かつジオンの内情描写にうってつけの役割なのだろう。

【外伝作品の彼ら】

一年戦争の原作再現自体がそう多くないので出番は少ない。貴重な出番でもFC版第2次の際は一般DC兵と同じ顔グラだった。能力もそれほど高くない。
コンプリートボックスの攻略本でジーンは「シャア少佐だって~と言うがお前シャアより全然弱いから無理だろ」とストレートにこき下ろされていた。
その後ウィンキーソフトでは黒い三連星ラル第4次までちょくちょく顔を出すのに、彼らの出番は第3次まで。
その第3次の第1話が始まってすぐ、シャアの命令により3人とも撤退するのだが、その後デニムとジーンは(何故かゲルググJに乗って)再登場するのにスレンダーはどこにも出てこない。どうやらシナリオライターに忘れられたらしい。
コンプリートボックスでも扱いは同じままで、わざわざ貴重なスレンダーの音声*4も収録されたというのにこの仕打ちである。

なお彼らの特徴である「ガンダムに無謀に突撃しやられる」という役目が与えられたのは割りと遅く、2004年に発売された『GC(XO)』が最初。こちらではスレンダーとも戦闘の機会があり、先述の音声もバッチリ使われている。

余談であるが、『スーパーロボット大戦UX』のジン・スペンサーは「グラハム少佐だって戦場の戦いに勝って出世したんだ!」「フフ・・・手柄を立ててしまえばこっちのもんさ!」「敵を倒すには早いほどいいってね!」とジーンのような台詞を最序盤に残している。
ジンだけにジーンというところだろうか…。上司もシャアのオマージュキャラだし。
「昔から言うだろ?」とジン本人は言っているが、どこで聞いたのやら。「敵を倒すには、早いほどいい」にだけ掛かっているので一般則かもしれないが。
少なくとも、言った当人が辿った運命を把握しているなら不吉すぎて口に出しにくい言葉の数々である。
そして、パロられたジーン本人はあんまりスパロボでの出番に恵まれていないのが複雑なところ。

スレンダーは未登場。
シャア肝いりの作戦として「ベテランだと功を焦る」ということで、新兵の彼らがサイド7に送り込まれる。
…のだがジオンのノーマルスーツを着てコロニー内を彷徨くという蛮行を働く
その後も「功を焦り」ザクに乗り意図的に民間人を虐殺する等シャアの考えが裏目に出まくっている。*5
最期はアムロの搭乗したガンダムに(比喩抜きで)パンチ一発で2人まとめて葬られた
結局収拾付かなくなったシャアはミサイルでサイド7をバスターコールした。
また連載版ではジーンとデニムの役割が入れ替わっていたりする(大都社版・秋田書店コンビニコミック版でのみTV版準拠に修正されている)。

どの作品でも一年戦争は取り扱うため皆勤賞。

但しいずれのシリーズでも能力値はお世辞にも高いとは言いがたく、三人ともにSクラスまで育てても二桁に届くのが一つもない。この中では暴走したわりにビビっていたジーンが一番高くスレンダーが一番低い。
これは連邦のMSに乗れるキャラクターを含めても最低クラスで、彼らと同じぐらい低いMSパイロットは原作で搭乗した描写のないフラウ・ボウとトップ小隊のやらかし担当のアス、『コロニーの落ちた地で…』のマクシミリアン・バーガーぐらいしかいない*6
格闘を除いては限界を150%も活かせないため、エース用機体や高級量産型を彼らに回す気にはなれず、大抵普通の量産型の底上げに乗せられることが多い。こんな彼らだが三人組み合わせれば有効キャラ同士による士気補正で多少はましになる。

イベント面ではシャアのサイド7偵察でシャアの補給要請を承諾すると死亡する可能性がある…が、この選択をすると彼らやガデムともかくMSに乗れる指揮官として有望なガルマ・ザビまで失う羽目になるため、ガルマのおまけで生かしてもらえることの方が多い。この選択は、いずれのルートでもランバ・ラル黒い三連星をホワイトベース隊と対決させることはできる。

スレンダーは未(ry
二人とも階級が大幅に上がり、デニムは中尉、ジーンは少尉。
デニムの中尉という階級は、シャアの副官ドレン、ムサイの艦長ハマンと同じで、同僚同士仲も良かった模様。

サイド7に侵入した際、ジーンが蜘蛛の巣を見つけてはしゃいだりとどこか素朴な印象を与える。
デニムも本来は叱りつけるべきなのだが、つられて「戦争が終わったら真っ先にここに旅行しようぜ」とフランクに答えている。
ちなみに、サイド3は環境管理レベルが他のサイドよりもさらに厳しいため、およそ「虫」というものが博物館ぐらいでしか見られないらしい。
ジーンが蜘蛛の巣に喜んだのはそのためで、さりげなく「ガンダム」の世界観に触れた一幕である。
ついでに「地球暮らしはエリートの証」というスペースノイドの主張が的外れ極まりないことの証明でもある

とまあ上司と部下の仲がいいように描かれていたが、デニムはシャアのことが大嫌いという特徴がある。
中尉ということはデニムも士官学校を出ていると思われるが、いくら主席卒業とはいえ自分よりはるか若いのが少佐となって振る舞うのが我慢ならず、「青二才」と軽蔑している。
そしてサイド7に侵入したデニムは、「いまこそ手柄を立ててシャアを見返すとき」と判断し、攻撃を掛けた。
戦闘が始まったと知ったシャアの第一声は「俺は信頼されていない」という愚痴混じりのため息だった。

上司の暴走に巻き込まれたジーンは、そのままガンダムと闘い、敗死。
デニムのザクは爆発の余波でコロニーの外まで吹き飛ばされ、仇討ちには戻らずそのまま離脱してムサイのもとに帰還した。
かっこ悪い&気まずいことこの上ないが シャアは彼を厳罰に処すより、サイド7再潜入に同伴するよう命令。
いくら嫌っていても戦場ではそういうわだかまりは見せず、再度のモビルスーツ戦ではシャアに続いてアムロのガンダムに挑むが、ビームライフルの一撃で今度こそ倒された。

「手柄に目がくらんで暴走する役」「一度退避してガンダムの脅威を報告する役」「ビームライフルのかませ犬になる役」と部下二人の役割を吸収し、
さらに「シャアが慕われていないことを示し、人間関係の複雑さを示す役」「そもそも小説版ガンダムがテレビ版と全然違うストーリーであることを示す役」まで加わった、あまりにも贅沢な役回りを与えられている。
やり過ぎてスレンダーは存在そのものを抹消された。

最強のジーンとデニムが見られるなおスレンダーはやっぱり未登場。
またジーンは功を焦った様子がなく、連邦の新兵器を見つけても冷静に報告、対処をしていた。
あまりにも冷静すぎて、プレイヤーの反応が一瞬でも遅れるとまだ主人公が乗り込んでいなかろうが、機体が起動していなかろうが無慈悲にザクマシンガンでガンダムを蜂の巣にしてくる強敵となっている。
また、バルカンで怯んでもそのあとこちらが選択肢を間違えればパニックにならず立て直してマシンガンで返り討ちにするなどリカバリ能力も高い。*7
そんなジーンをなんとか倒したあとのデニムもこれまた厄介であり、「貴様ぁ!よくもジーンをぉぉぉぉ!!」という叫び*8と共に格納庫のすぐ外でガンダムを待ち伏せしてヒートホークで連撃を仕掛けてくる。初見で対処できたプレイヤーはほとんどいなかったであろう。
シールドを手に入れていれば防御できるがそれも2回までで、隙を見てビームサーベルで仕留めなければやられてしまう。
だが倒しても油断は禁物、最期は爆発で大ダメージを与えてくる(シールドを構えれば防御できるが、遅れたらガンダムは木っ端微塵)超強敵となっている。
以上の攻撃の数々は一撃でも食らえば即ゲームオーバーであり、他のゲームからは考えられない鬼神っぷりを見せている。
某動画サイトではガンダムを仕留めるごとにジーンの階級が上がっていくコメントが成され、最終的にザビ家に追いついてしまった。
ただこのゲームはガンダム自体があまりにもポンのコツである為、ジーンとデニムが強いんじゃなくこちらが弱いと言ったほうが正しいかもしれない。

原作を再現した第1部にて戦う。珍しくスレンダーもいるよ!
とはいえ原作通りなので特に特筆するべき事はない…のだが、3人の顔がジオン一般兵に使い回されているため大量のGパン3連星と戦っているような錯覚に陥る。
原作キャラが出て来ない第2部でも顔グラが使い回されている。スパロボと真逆。

  • SDガンダムスカッドハンマーズ
やはり原作通り…かと思いきやジーンを倒すと「よくもジーンを!」というフキダシのついたザクが大量に出現する
この世界ではジーンはよほど部隊で可愛がられていたのか、それともデニムが分身したのかは定かではない。

キャンペーンモードの1話から原作通り早々に登場。この時は3人の他にコズンとクラウンもいる。乗機は全員ザク。
レベルはジーンとスレンダーが6、コズンとクラウンが7、デニムが8。対するアムロたちは1レベルなのだが、このゲームには裏パラメータのパイロット補正が非常に強くかかっているためよほど運が悪くない限り5人まとめて一蹴される運命にある。仕方ないね。
ちなみにデニムの固有補正は命中回避+8、他4人は共に+5で、デニムは上官の面目躍如といったところか。
まあアムロの固有補正は命中+60・回避+65、カイとハヤトは両方+30なので(以下略

  • [i・f] -アイ・エフ-
何と主役に抜擢。
作者は勇者カタストロフの牧野博之で機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜コミックアンソロジー [Vol.2]に収録されている。

作中では三人ともデニムを隊長としたデニム小隊所属となっており全員乗機はリック・ドム
中でもジーンはメインの扱いを受けており、ガイルのような髪形に額に傷がある風貌で描かれている。
ギレンの演説を皮肉をいったりデニムやスレンダーに軽口をたたくなどシニカルなベテラン兵として解釈されている。
物心ついてから一人で生きてきたと語り経験から手柄を立てることを熱望しているようだ。
スレンダーも二言のみだが台詞があり、命令違反を犯したジーンに軽口をたたいている。

三人は防衛に参加し、その時にジーンが命令違反を犯そうとするが皮肉にもそれが三人の命運を分けることに……

  • 主題歌のソノシート付き絵本 機動戦士ガンダム
なんとジーン・デニムのザクがデギン・ソド・ザビ直々の命により破壊活動をする!スレンダーはやっぱり忘れられてる。
…と言っても内容は「遊園地を破壊してガンダムをおびき寄せ!」と言う回りくどい物。
それでもカツ・レツ・キッカの3人を人質に取り、謎の武装「熱光線」でガンダムを攻撃しアムロを狼狽させる活躍を見せる。
だが返しのターンに「はりのついたてつのたま」(原文ママ)で撃退されてしまうのであった。
なおシャアも登場しておりムサイを駆るが、ホワイトベースについでみたいにやられていた。
この絵本は上記の冒険王版漫画やズムシティのような「当時の珍現象」みたいに扱われているが、実はVol2以降は割と原作寄りとなっている。

デニムがネオジオン族の戦士デニムとして登場。HPは110と、人間の戦士としてもかなり低い部類である。




【余談】

  • ジーンの項では「宇宙世紀における最初の公式なMS同士の戦い」と述べたが、実は『機動戦士ガンダム MS IGLOO』にて鹵獲されたザクが別のザクに攻撃するシーンを書いてしまった為、非公式ではこちらが最初となる。 だがアムロVSジーンのような正面切った戦いではなくほぼ騙し討ちで戦闘らしい戦闘ではなかった。更に鹵獲ザク部隊は機密性の高い特殊部隊の上、やった部隊もやられた部隊も全滅してしまった為に情報が残っていないというからくりである。
    ちなみにそのIGLOOではジーンのザクが残したカメラが回収されており、それに収められた内容…武器すら使わずに蹂躙する連邦MSの映像に主人公のマイが戦慄するシーンも有る。

  • 後年の『機動戦士Ζガンダム』のジェリドほどではないが、視聴者間ではジーンが独断で襲撃してしまったために結果としてジオン最大の敵であるアムロ・レイとガンダムを戦場に引きずり込んだことから、ネタ半分に「ジオン最大の戦犯」「ジオンを敗北に追いやった男」と言われることもある。*9

  • 3人の名前はいわゆる「Gパン」のメーカーから取られたと推測される。

  • このGパン三連星が全滅したあともシャアは様々な部下を従えるのだが、まぁ殆どがガンダムによって戦死している。特に大気圏突入に失敗したクラウンの余りにも哀れな末路は有名だろうか。メタ的に言うならシャア自身もガンダムの性能を見誤っている為、その性能を表す格好の的にされてしまったというのが正しいだろうか。

  • ジオン軍キャラの特徴として「後に外伝作品などでやたらとフォローや再評価が入る」という傾向があり*10、実際デニムやスレンダーも本当にわずかではあるものの掘り下げられているのだが、ジーンだけは実はこんな人物像だったとかこういう事をやっただとかそういうものが本当にない。ある意味稀有なキャラである。
    一方、ジオン兵を主役にしたNetflixオリジナルのCGアニメ作品『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』では「どんな攻撃でもかすり傷ひとつ負わない装甲と圧倒的なスピードを誇り、ビーム兵器の火力でザクを次々に葬っていく」というガンダムの脅威がスラッシャーホラーさながらにこれでもかと描かれ、一部の視聴者からは「もうジーンのことをヘタレとか言えない」という声も上がったとか上がらなかったとか

  • 作中ではジオン軍のノーマルスーツ姿しか写っていないジーンだが、どういうわけか現代に至るまでその姿以外が設定されていない。要するに髪型、髪色が不明なのである。上述の冒険王版でノーマルスーツ姿のまま市街地をうろついた一件も、そこら辺のメタ的な事情ではないかと読者間では推察されている。
    ちなみに黒い三連星もFGや劇場版時点でヘルメットを脱いでマ・クベと談笑するシーンがあった。なのにジーンは外伝でもノーマルスーツを脱いだ姿がなく、その実態は実は謎に包まれている。
    なおスレンダーだけは謎の怪我をしていたこともあり素顔が判明しており、デニムもPS2版「機動戦士ガンダム」でヘルメットを脱いでいる。見事な禿頭であった。*11

  • ガンダム外伝作品の草分け『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』にて「ジーンの兄さん」と言う人物がセリフでのみ登場するが、開戦前の訓練生ですでに卒業した人物であり、大戦後期で新兵だった本項目のジーンのことではない。ジーンが苗字とするなら、もしかしたら両者は兄弟なのかも知れない。今のところ外伝での掘り下げといったらこれぐらいである。

シャア少佐だって自分の項目を追記・修正して出世したんだ!

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最終更新:2025年04月24日 22:27

*1 爆発の規模や飛来音からして連邦のミサイル車両の流れ弾とする説がある

*2 原作アニメでは悲鳴のみ

*3 この定説自体は後付であるが、「出世のために単独行動を取るジオン兵」というのはアニメ本編でもよく見られた

*4 鈴木誠一氏は音声収録後、コンプリートボックス発売直前に亡くなられているため本当に貴重。

*5 TV版でも民間人を殺害しているがそちらはあくまで流れ弾である

*6 (しかもマイクに関しては普段はムードメーカーだがやるときはやる男でレイヤーも信頼しているとノベライズで描写されている。GジェネFにおいてコロ落ちシナリオが採用された際のマイクの能力値は不死身の第四小隊の部下三人組ぐらいの値はあるため、ギレンの野望での彼の査定には疑問を抱く者も多い。

*7 正解はもう一度バルカン

*8 これは日本語版で独自につけられたもので、原語版では無言

*9 とはいえ、連邦側も同時期にはジムの開発を行っていた以上、遅かれ早かれ連邦陣営MSは現れていただろうし、敗北もザビ家の不和を始めとしたその他の要素も多数あるので彼らだけを責めるのは酷ではある。…それでも、ララァの死、ひいては『逆襲のシャア』へと繋がっていく「アムロをパイロットにしてしまった」という一点で宇宙世紀の歴史上ではお釣りがくるくらいやらかしてる感もある。

*10 マ・クベやニムバス・シュターゼンなどが代表的か

*11 プレイヤーからしても誰かわかりにくい為か、台詞は「デニム曹長であります」と名乗りになっている