旧神ノーデン(遊戯王OCG)

登録日:2014/07/05 (土) 11:35:40
更新日:2020/05/30 Sat 07:32:54NEW!
所要時間:約 7 分で読めます




遊戯王OCGのカード。
韓国版PRIMAL ORIGINで先行登場しており、日本ではEXTRA PACK -KNIGHTS OF ORDER-で来日した。



テキスト

融合・効果モンスター
星4/水属性/天使族/攻2000/守2200
SモンスターまたはXモンスター+SモンスターまたはXモンスター
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは除外される。



変わった素材を要求する融合モンスター。特殊召喚時に墓地の下級モンスターを蘇生させる効果を持つ。
効果を使い終わったシンクロ・エクシーズモンスターを使えるとはいえ、正規融合するのは基本的に無駄が多い。





……しかし、何か忘れてないだろうか?
遊戯王の広いカードプールには、正規の融合素材を使わずとも、融合モンスターを特殊召喚する手段も存在する。



通常魔法
1000ライフポイントを払って発動できる。
レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズ時に破壊される。
「簡易融合」は1ターンに1枚しか発動できない。

このカード、簡易融合1枚から特殊召喚できるのである。
このカードはレベル4、その上でレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる。
レベル4モンスターを蘇生させればノーデンと蘇生させたモンスターとでランク4エクシーズが可能だし、チューナーを蘇生させればレベル5~8のシンクロ召喚が可能。
蘇生させたモンスターを除外させるデメリットも、エクシーズは言わずもがな、シンクロでもノーデンと同時にシンクロ素材にすれば、除外されることはない。

運用するためのエクストラデッキの圧迫はあるものの、リターンはそれを補って余りある。



単純に簡易融合1枚からシンクロ・エクシーズができるだけでも強力だが、このカードの効果は融合召喚以外でも発動でき、同名カードの1ターンに1度の制限もない
簡易融合は融合召喚扱いで蘇生制限も満たすため、蘇生して使い回せば1ターンに2回以上の効果発動も可能。
インチキ効果もいい加減にしろ!

どんなデッキにも入っている死者蘇生以外にも、融合モンスター専用の早すぎた埋葬である再融合などで特殊召喚できる。
再融合は装備魔法であるため、サーチ手段も豊富。

再融合をデッキに3枚投入していて手札にない場合、レベル3チューナーとでパワー・ツール・ドラゴンをシンクロ召喚すれば効果で確実に手札に加えることができ、
またチューナーにヴァイロン・キューブを使って光属性シンクロモンスターをシンクロすることで、墓地発動効果によりサーチも可能。

特にヴァイロン・キューブとこのカードでレベル7シンクロをすれば、再融合から再びシンクロができる。
光属性シンクロモンスターには、汎用性の高い除去効果を持つ月華竜 ブラック・ローズや、他力本願竜エンシェント・フェアリー・ドラゴンなどがいる。
特にエンシェントフェアリーはノーデンを繰り返し融合できるフュージョン・ゲートのサーチや、手札からモンスターを特殊召喚する効果、さらにはノーデンの素材になったりと、ソリティアの中核パーツとしても使われる。

他にはこのカードが水属性であることから、ループコンボ御用達である氷結界の虎王ドゥローレンのシンクロもできる。



そんなこんなで、現在考察されている段階でも、最低手札2枚や3枚から先攻ワンキル、ループコンボなどが考案されている。
重爆撃禽 ボム・フェネクスなどによるバーン、無限ドローによるエクゾディア、複数のNo.16 色の支配者ショック・ルーラーを並べるなど、その悪用方法は多岐に渡る。
とはいえ、初手で三枚積みのカードを引く確率は四割弱ぐらいだから成功率もそんぐらいだろう、と思いきやそもそも簡易融合無しのルートも山程ある
素材指定がゆるいため、フュージョン・ゲート張っとけばソルチャサモプリ、ヒーローアライブ……そんな一般的なカードでさえも起点となりうるのだ。
構築によっては必要な手札の組み合わせも複数あり、相手の妨害を考えなければ事故率も極めて少ない。というか複数組み合わせがある手札2枚で先行1キル。それ以外のカードでも複数組み合わせのある3枚で先行1キルが「全て同じデッキに搭載できる」という成功率7割を越える脅威の先行1キル率を誇り、過去のガエルDDB現世冥界マキュラドグマブレードなどの凶悪な先行1キルよりも成功率が高い。禁止制度が導入される前の初期エクゾディアに匹敵するキル率である。

また仮に征竜よろしくこれらのカードがまとめて巻き添えに規制されたとしても、「先行1キルがなくなるだけで手札2・3枚から後攻1キル」するのは変わらない。
軽く100枚を越えるカードとの組み合わせがあり、とても規制できる量ではない。

似たような悪用がなされた霞の谷の神風とA・ジェネクス・バードマンが制限カード、同じく簡易融合から特殊召喚できるサウザンド・アイズ・サクリファイスが禁止カードになっていることからも、このカードが危うい立場にあることが窺える。


ところで簡易融合から出せる事ばかり取り上げて来たが、こいつの融合素材をもう一度見て欲しい。
SモンスターまたはXモンスター+SモンスターまたはXモンスター
なんだこのゆるゆるな素材指定は。

効果だけならまだよかった。上記ソリティアに使われるパーツは簡易以外かなり地味で、そいつらが制限になってもそこまで困りはしなかっただろうから。
ボムフェネクスや他力本願竜は元々他にも複数体必要なワンキルが存在したので制限の危機はあったし、フュージョン・ゲートはエリクシーラーループなどでも使われるし、再融合なんて覚えてる決闘者の方が少なかったろう。

緩い素材指定の融合が出ると言う事は、超融合の除去範囲が広がると同義である。
今更決闘者諸兄には言うまでもない、遊戯王界最強の除去の一角であるあのカードのである。

今までの超融合は相手の場だけで融合するのは難しかったと言うのに、シンクロ・エクシーズを複数並べるだけで射程範囲。
機械族に対するキメフォの比じゃない、前触れの一切無い防御不能の除去の圧力が多くのデッキにのしかかるのである。
超融合を恐れるなら、自分はシンクロモンスターかエクシーズモンスターを1体ずつしか使用できず、相手のフィールドにどちらかが立っていれば、一切立てることができなくなる。


先行発売した韓国では(当然ながら)猛威をふるっており、
「今の韓国の環境はカップ麺早食い大会(先に簡易融合を発動した者が勝てるという意味)」と揶揄されていた。

海外で暴れてたものが来日前に規制された前例もあるし、流石に来日直後に規制が入るだろう……と思いきや

2014年10月改訂
メインギミックノータッチ。
知ってた。

それどころか来日する際にレアリティをスーパーレアに設定する横暴までする始末。
(遊戯王OCGでは封入割合の都合上スーレアが一番高価になりやすい。尚韓国での登場時は字レア。)

初見殺しの面もあったのだろうが既に発売日翌日から大会優勝報告があがっており、日本でもカップ麺早食い大会が始まる予兆をまざまざと見せつけてくれてくれた。

だが、ノーデン1キルデッキはワンキル率は非常に高く一度回り始めたらどうしようもないのだが、逆に言えばそれしか出来ない。
五割の確率でジャンケンに勝って、7割の確率で殺せるカードを引いて、やっとワンキル。
当然先行をとってもヴェーラーで止まる危機はある(逆に言えばヴェーラー無きゃ止められないとも言うが)。
結局初見殺しであってワンキル型はそこまで流行はしなかった。

そうは言っても、簡易融合1枚からランク4エクシーズorレベル5~8のシンクロを出せる事に代わりはなく、間違いなく壊れカードである。
1キルを狙わず、単純に展開の補助として投入すればこれ以上なく強いカードである事は明らかである。
やはり環境はカップ麺一食一色になるのは避けられないだろう……




クリフォート「なんてこと言うとでも思ったか!」

影霊衣「とんだロマンチストだな!」



ところがOCG環境は「自分は「クリフォート」モンスターしか特殊召喚できない」と効果を持つ上級ペンデュラムモンスター「クリフォート」と、エクシーズやシンクロなんか呼ばなくても同じ手間でもっと強力なモンスターが呼べる儀式モンスター「影霊衣」が席巻。

もちろんこれらのデッキは1ターンキルなど行わない。
しかしそれらのデッキには多くのデッキを封殺する強力メタカードが通常搭載されているため、それらを出されれば1キルしかできないノーデン1キルは完全に黙り込む。「クリフォート」は自身でメタを張らない物の「スキルドレイン」や「虚無空間」と言ったノーデンを潰せるカードが標準搭載され、「影霊衣」に至ってはノーデン絶対殺すマンの「ユニコールの影霊衣」が息をする様に出て来る時点で、ノーデン1キルが暴れられる道理は無いであろう。

こいつよりさらに強いデッキを作ると言う斜め上の方法でノーデン環境は回避され、カップ麺早食い大会は実現せずに終わった。
……確かに環境の一極化は避けられたが、こいつよりもさらに強いデッキが有るってどうなんだ。

その結果、1キル要員ではなく単に展開を補助するカードとしてノーデンは使われるようになり、「中堅以下を強力にサポートする良カードなのでは」と言う人も多い有様であるが、もちろんそんな訳はない
現状は中堅程度のデッキではガチデッキのメタカードを突破しながらノーデンを通す事など夢のまた夢であり、極論強力なメタで他の多数のデッキもろともノーデンを押さえつけているだけと言うだけである。
実際、クリフォートや影霊衣がいなければ間違いなく大暴れしていたことは、渡日前の韓国環境を見ればわかる。

また逆に言うと、このカードが規制されない限り、環境デッキはこのカードを前提に調整される事になる。
つまり「ノーデンが入るデッキの新カードはノーデン前提で弱く調整される」か「次の環境トップも、ノーデンがいても気にならないほどぶっ壊れている」か、「ノーデンの事なんて忘れたKONAMIが適当にカードを出して、ノーデンが大暴れする」かのいずれか。どれであるにせよあまり幸せな事にはならない。

そういう訳で、2015年1月改訂にて規制。このカード自体は無制限であるものの、簡易融合・超融合が制限カード入りした。
エクストラデッキがカツカツである昨今、制限カードのためだけにこのカードを投入するのはリスクが大きいため、良カードの域に収まった筈である(多分)。

と思ったらRR-フォース・ストリクスの登場でまた手札2枚からの1キルが復活した。簡易融合ボムフェネクス共に使用しない1キルであり1月の改訂は無意味となったのである。どうしてこうなった。
……しかしドゥローレンの裁定変更でこのループは消滅してしまったのであった。やれやれ、ようやく悪用されなくなってめでたしめでたしと言ったところか。
→ガガガガンマン(とアトランタル)を使った手札2枚からの先行1キルが新たに誕生。まるで意味がわからんぞ!

……そして時は流れ2015年10月改訂、プトレマイオスとともに制限をすっ飛ばして禁止カードへ。
上記のようなオーバーなスペックを考えれば妥当であるが、このせいでクトゥルフネタのカードである禁断のトラぺゾヘドロンの効果の1つが実質使用不可能となるという、何とも残念な事態に陥ってしまう(もう1体の旧神であるヌトスは召喚条件の関係で非対応なため)。

ちなみに同改訂では簡易融合が制限解除となっており、対応先であった他の融合モンスター達も相対的に価値を取り戻す結果となった。

このカードの元ネタはクトゥルー神話旧神ノーデンス。
戦車に乗る白髪白髭の老人の姿だったとされ、イラストでは白髪の老人と、戦車を引いているであろう馬が描かれている。




追記・修正は墓地のモンスターを蘇生させながらお願いします。

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